オブジェクトは、アプリケーションの一種のコンポーネントです。 Natural アプリケーションは、特定のタスクを実行するために相互に連動する一群のオブジェクトで構成されています。
Natural アプリケーションのセットアップと管理に利用できるオブジェクトには、Natural オブジェクトと外部オブジェクトがあります。
外部オブジェクトとは、Natural の開発機能とは異なるツールで作成され、Natural 環境や Adabas 環境の外部に保存されているオブジェクトのことです。 外部オブジェクトの例としては、ビットマップ、XML ソース、HTML ファイル、DL/I サブファイル、Predict ルールなどがあります。
このセクションでは、Natural オブジェクトの全般的な情報を提供し、オブジェクトの作成、管理、削除、実行に必要な手順について説明します。
Natural オブジェクトに対するすべての操作は、Natural コマンドおよび/またはメニュー機能で実行します。 コマンドとメニュー機能の使い方の詳細については、「コマンドとメニュー機能の使用」を参照してください。
このセクションでは、以下のトピックについて説明します。
Natural オブジェクトであるかどうかは、次の特性でわかります。
Natural システムファイルに保存されている。
カタログ化オブジェクトとソースオブジェクトの両方、またはこのいずれかで構成されている。
Natural エディタまたはユーティリティで作成された。
このセクションでは、以下のトピックについて説明します。
カタログ化オブジェクトとは、Natural オブジェクトの実行形式(コンパイルされた形式)のことです。 カタログ化オブジェクトは、Natural コンパイラによって作成され、オブジェクトモジュールとして Natural システムファイルに格納されます。
ソースコードのコンパイルおよびカタログ化オブジェクトの作成を、オブジェクトのカタログ化と呼びます。 カタログ化オブジェクトは、Natural システムコマンド CATALOG
または STOW
を使用して作成されます。
実行時にカタログ化オブジェクトは Natural バッファプールにロードされ、Natural ランタイムシステムによって実行されます。 Natural オブジェクトは、カタログ化オブジェクトとして Natural システムファイルに格納されている場合にのみ、実行または相互参照が可能となります。
カタログ化オブジェクトを変更または逆コンパイルすることはできません。
ソースオブジェクト(保存オブジェクト)には、人間が理解できる形式の Natural ソースコードが含まれています。 ソースコードは、Natural システムコマンド SAVE
または STOW
を使用して、Natural システムファイルにソースオブジェクトとして保存されます。
ソースオブジェクトに含まれているソースコードを実行するには、ソースコードをコンパイルして、Natural ランタイムシステムが解釈および実行できる生成済みのオブジェクトコードを作成する必要があります。
Natural システムファイル -『Natural システムアーキテクチャ』ドキュメント
Natural アプリケーションでは、いくつかのタイプの Natural オブジェクトを使用して、効率的なアプリケーション構造を構築し、特定のプログラミング要件やアプリケーション要件に対応することができます。 Natural オブジェクトのタイプには、プログラム、サブプログラム、ルーチン、データエリアがあります。 オブジェクトのすべてのタイプについては、『プログラミングガイド』の「オブジェクトタイプ」を参照してください。
データ定義モジュール(DDM)の詳細については、『プログラミングガイド』の「Natural データ定義モジュール」を参照してください。
Natural オブジェクトの作成、管理、削除を実行する場合、Natural エディタまたは Natural ユーティリティを使用します。
メンテナンス機能の中には、一部のオブジェクトで使用できない機能もあります。 例えば、アダプタタイプのオブジェクトを編集することはできません。
システムコマンド EDIT
または[Development Functions]画面で指定できるオブジェクトタイプの場合は、Natural エディタを使用することができます。 Natural では、プログラムエディタ、データエリアエディタ、マップエディタなど、指定したオブジェクトタイプに応じて適切なエディタが起動されます。
例えば、プログラムタイプのオブジェクトの場はプログラムエディタが起動されます。
Natural ユーティリティは、追加的な管理サービスが必要なオブジェクトタイプや、DDM など、ライブラリでのメンテナンス対象にならないオブジェクトタイプに使用します。 ユーティリティには、独自のエディタがあります。
次の表では、Natural のオブジェクトタイプとそのエディタまたはユーティリティを簡単に示します。
オブジェクトタイプ | エディタまたはユーティリティ |
---|---|
ローカルデータエリア |
データエリアエディタ |
マップ |
マップエディタ |
プログラム |
プログラムエディタ |
エラーメッセージ | SYSERR ユーティリティ |
データ定義モジュール(DDM) | SYSDDM ユーティリティ |
コマンドプロセッサソース | SYSNCP ユーティリティ |
パラメータプロファイル | SYSPARM ユーティリティ |
デバッグ環境 | デバッガ |
このセクションでは、以下のトピックについて説明します。
Natural エディタを起動するには
システムコマンド EDIT
を使用します。
EDIT
の使用例については、「システムコマンドの例」を参照してください。
または:
Natural のメインメニューで[Development Functions]メニューを表示し(「Natural のメインメニュー」を参照)、[Create Object]または[Edit Object]機能を選択します。
エディタを起動する例については、「コマンドとメニュー機能の使用」の「メニュー機能の例」を参照してください。
EDIT -『システムコマンド』ドキュメント
Natural ユーティリティを起動するには
次のシステムコマンドのいずれかを入力します。
SYSERR
(エラーメッセージの場合)
SYSDDM
(DDM の場合)
SYSNCP
(コマンドプロセッサソースの場合)
SYSPARM
(パラメータプロファイルの場合)
TEST
(デバッグ環境の場合)
または:
Natural のメインメニューで目的のメニューを表示し、目的のユーティリティを選択します。
SYSERR、SYSDDM、および SYSNCP の場合、 [Maintenance and Transfer Utilities]
SYSPARM の場合、 [Development Environment Settings]
TEST の場合、 [Debugging and Monitoring Utilities]
Natural プログラムエディタまたはデータエリアエディタで操作を行う場合、エディタプロファイル機能を使用して、エディタの現在の設定を表示し、ソースコードの編集時に有効にする設定を指定することができます。
エディタプロファイル設定を表示または変更するには
プログラムエディタまたはデータエリアエディタのコマンドプロンプトで、次のように入力します。
PROFILE
ENTER キーを押します。
[Editor Profile]画面が表示されます。
画面に表示されるフィールドやオプションの詳細については、『エディタ』ドキュメントの「エディタプロファイル」を参照してください。
ソースオブジェクトを変更せずに、ソースコードの表示またはコピーを目的としてソースオブジェクトを表示することができます。 指定したオブジェクトのソースコードが、対応するエディタの編集エリアに読み取り専用モードで表示されます。
リストからオブジェクトを選択したり、表示するオブジェクトの名前を指定したりすることができます。
このセクションでは、システムコマンド LIST
を使用してソースコードをリストする方法について説明します。 LIST
の代替機能として、「Natural のメインメニュー」で説明している[Development Functions]メニューの[List Object(s)]機能を使用することもできます。
オブジェクトのリストからオブジェクトを選択するには
「LIST を使用してオブジェクトをリストするには」の手順 1~2 に従って、[LIST Objects in a Library]画面を表示します。.
[Cmd]列で目的のオブジェクトの横に、次のように入力します。
LI
ENTER キーを押します。
選択したオブジェクトのソースコードが表示されます。
指定したオブジェクトのソースコードを表示するには
次のシステムコマンドを入力します。
LIST object-name
この場合、object-name は表示するオブジェクトの名前です。
object-name を指定しない場合、ソースワークエリアに現在含まれているソースコードが表示されます。
ENTER キーを押します。
指定したオブジェクトのソースコードが、読み取り専用モードで表示されます。
LIST -『システムコマンド』ドキュメント
このセクションでは、Natural エディタを使用して Natural オブジェクトを作成および編集する手順について説明します。 前述した Natural ユーティリティの使い方の詳細については、『ユーティリティ』ドキュメントの関連するセクションを参照してください。
Natural オブジェクトは、現在のシステムファイルにある現在のライブラリ内に作成されます。 オブジェクトの作成や編集を開始する前に、オブジェクトの保存や取得を行うライブラリにログオンしていることを確認します。
ライブラリの割り当てとライブラリの切り替えについては、「デフォルトのライブラリ割り当て」と「ライブラリへのログオン」を参照してください。
Natural には、レポーティングモードとストラクチャードモードの 2 つのプログラミングモードがあります。
これらの 2 つのモードの説明とレポーティングからストラクチャード(またはその逆)にモードを切り替える方法の詳細については、「Natural のメインメニュー」の「プログラミングモード」を参照してください。
Natural プログラミング言語は、ステートメント、システム関数、およびシステム変数で構成されています。
Natural ステートメントは、Natural プログラムソースの作成に使用するプログラミング命令です。
Natural システム関数は、例えば、算術関数を実行する場合に使用されます。
Natural システム変数は、Natural で提供され、生成される標準的な変数です。 システム変数は、例えば日時の取得に使用されます。
このセクションでは、システムコマンド EDIT
とプログラムエディタを使用してソースコードを作成する方法を、例を示して説明します。 さらに、エディタコマンドの例とソース内での移動方法についても説明します。
EDIT
の代替機能として、「Natural のメインメニュー」で説明している[Development Functions]メニューの[Create Object]機能を使用することもできます。
ソースコードを入力するには
次のシステムコマンドを入力します。
EDIT object-type
この場合、object-type は作成するオブジェクトのタイプです。
例えば、プログラムタイプのオブジェクトを作成するには、次のように入力します。
EDIT PROGRAM
object-type を指定しない場合、プログラムエディタがデフォルトで起動されます。
(「オブジェクトタイプの設定」も参照。)
ENTER キーを押します。
プログラムエディタの編集エリアが表示されます。この例では、オブジェクトタイプ(ここでは Program
)が画面の最上部に表示されています。
> > + Program Lib SYSTEM All ....+....1....+....2....+....3....+....4....+....5....+....6....+....7.. 0010 0020 0030 0040 0050 0060 0070 0080 0090 0100 ....+....1....+....2....+....3....+....4....+....5....+... S 0 L 1 |
編集エリアが空ではない場合、エディタコマンドプロンプト(>)で、次のエディタコマンドを入力します。
CLEAR
さらに ENTER キーを押します。
CLEAR
により、ソースワークエリアの内容が削除されます。
端末エミュレーション(例えば、Entire Connection)のコピー機能と貼り付け機能を使用して、またはソースコードを入力して、空の編集エリアの第 1 行(番号は 0010
)からソースコードの挿入を開始します。
小文字から大文字への自動的な変換を無効にする場合は、『エディタ』ドキュメントの「全般的なデフォルト設定」の説明に従い、エディタプロファイルでデフォルト設定を変更します。
画面での入力時に、空の行を追加する場合は、次のエディタコマンドを入力します。
ADD
さらに ENTER キーを押します。
エディタコマンド ADD
により、空の行が 9 行追加されます。 これらの行のうち、ユーザーが入力を行った行のみがプログラムソースに追加されます。 次に ENTER キーを押すと、空行が削除されます。 『エディタ』ドキュメントの「エディタのデフォルト」で説明しているように、エディタプロファイルでこのデフォルト設定を変更することができます。 すべてのプログラムエディタコマンドの詳細については、『プログラムエディタ』ドキュメントを参照してください。
ソースをスクロールするには
ソースコードの先頭に戻るには、次のエディタコマンドを入力します。
TOP
ソースコードの末尾に移動するには、次のエディタコマンドを入力します。
BOT
ソースコードで 1 ページスクロールダウンするには、PF8 キーまたは ENTER キーを押します。
ソースコードで 1 ページスクロールアップするには、PF7 キーを押します。
すべてのプログラムエディタコマンドの詳細については、『プログラムエディタ』ドキュメントの「配置のためのエディタコマンド」を参照してください。
ソースコードをソースオブジェクトとして保存した後は(「オブジェクトの保存とカタログ」を参照)、ソースオブジェクトの名前を指定して、ソースオブジェクトに Natural エディタを開きます。
ソースオブジェクトのソースコードを編集するには
次のシステムコマンドを入力します。
EDIT object-name
この場合、object-name は現在のシステムファイル内の現在のライブラリに含まれている既存のソースオブジェクトの名前です。
Enter キーを押します。
指定したソースオブジェクトのソースコードが、対応するエディタの編集エリアに読み取り専用モードで表示されます。
EDIT
の代替機能として、「Natural のメインメニュー」で説明している[Development Functions]メニューの[Edit Object]機能を使用することもできます。
EDIT
の代わりに、システムコマンド READ
を使用することもできます(「オブジェクトのコピーを参照)。
EDIT -『システムコマンド』ドキュメント
オブジェクトタイプは、オブジェクトの作成時に指定します(デフォルト設定はプログラム)。またオブジェクトタイプは、既存のソースオブジェクトをソースワークエリアに読み取るときに自動的に設定されます。 プログラムエディタまたはデータエリアエディタで作業するときは、エディタコマンド
SET TYPE
を使用して、いつでもオブジェクトタイプを変更できます。
オブジェクトタイプを変更するには
次のエディタコマンドを入力します。
SET TYPE object-type
この場合、object-type は作成するオブジェクトのタイプです。
例えば、次のように入力します。
SET TYPE SUBPROGRAM
ENTER キーを押します。
コマンドで指定された新しいオブジェクトタイプが画面に表示されます(この例では、Subprogram
)。
ソースコードのコンパイル(カタログ化)では、構文チェックが行われ、実行可能なオブジェクトコードが生成されます。
ソースワークエリア内のソースコードは、ソースコードを最初に保存しなくてもコンパイルできます(「オブジェクトの保存とカタログ」を参照)。 さらにプログラムの実行と合わせて、プログラムタイプのオブジェクトのソースコードをコンパイルできます。 「プログラムの実行」も参照してください。
構文チェックのためにソースコードをコンパイルするには
次のシステムコマンドを入力します。
CHECK
ENTER キーを押します。
構文エラーが検出されない場合、ソースワークエリアに含まれているソースコードがコンパイルされます。
プログラムの実行のためにソースコードをコンパイルするには
次のシステムコマンドを入力します。
RUN
ENTER キーを押します。
構文エラーが検出されない場合、ソースワークエリアに含まれているソースコードがコンパイルされ、生成されたコードが実行されます。
エラーメッセージが表示されない場合、ソースコードのコンパイルは正常に完了しています。
コンパイル中に構文エラーが検出された場合、次の例に示すように、エラーメッセージが画面に表示され、エラーのあるステートメント行が強調表示され、E
とマークされます。
> > + Program PGM01 Lib SYSTEM ....+....1....+....2....+....3....+....4....+....5....+....6....+....7.. 0250 RD1. READ EMPLOYEES-VIEW BY NAME 0260 STARTING FROM #NAME-START 0270 THRU #NAME-END 0280 * 0290 IF LEAVE-DUE >= 20 0300 PERFORM MARK-SPECIAL-EMPLOYEES 0310 ELSE 0320 RESET #MARK 0330 END-IF 0340 * E 0350 DISPLAY NAME 3X DEPT 3X LEAVE-DUE 3X '>=20 #MARK 0360 * 0370 END-READ 0380 * 0390 IF *COUNTER (RD1.) = 0 0400 REINPUT 'PLEASE TRY ANOTHER NAME' 0410 END-IF 0420 * 0430 END-REPEAT 0440 * ....+....1....+....2....+....3....+....4....+....5....+... S 49 L 25 NAT0305 Text string must begin and end on the same line. |
エラーを修正するまで、オブジェクトはコンパイルできません。 構文エラーがある場合、ソースコードはソースオブジェクトとしてのみ保存できます(次のセクションを参照)。 エラーの説明と問題解決のアドバイスについては、オンラインヘルプ機能を参照してください。
エラーメッセージのヘルプを表示するには
次のシステムコマンドのいずれかを入力します。
HELP nnnn
または
? nnnn
nnnn は 4 桁のエラー番号です。
例えば、次のように入力します。
HELP NAT0305
ENTER キーを押します。
[Natural System Message]画面に、指定したエラーの説明が表示されます。
オンラインヘルプの詳細については、「エラーメッセージの詳細情報」を参照してください。
ソースワークエリアに現在含まれているソースコードを、システムコマンド SAVE
を使用してソースオブジェクトとして保存できます。 SAVE
では、ソースコードのカタログ化(コンパイル)は実行されないので、構文チェックは実行されません。
ソースワークエリアに現在含まれているソースコードを、ソースオブジェクトおよびカタログ化オブジェクト(コンパイル済み)として保存するには、システムコマンド STOW
を使用します。
ソースワークエリアに現在含まれているソースコードをカタログし、カタログ化オブジェクトとしてのみ保存するには、システムコマンド CATALOG
を使用します。 CATALOG
を使用すると、ソースコードはソースオブジェクトとして保存されないため、編集が可能です。 「複数のオブジェクトのカタログ」も参照してください。
ソースコードをソースオブジェクトとして保存するには
エディタコマンドプロンプトに、次のように入力します。
SAVE object-name
この場合、object-name は作成するソースオブジェクトの名前です。 オブジェクトの名前は一意であり、オブジェクトの命名規則に従っている必要があります(関連セクションを参照)。
SAVE
に適用されるすべての構文規則については、『システムコマンド』ドキュメントを参照してください。
ENTER キーを押します。
ソースコードが指定した名前で、ソースオブジェクトとして、現在のシステムファイル内の現在のライブラリに保存されます。
ソースコードをソースオブジェクトおよび/またはカタログ化オブジェクトとして保存するには
エディタコマンドプロンプトに、次のいずれかを入力します。
STOW object-name
または
CATALOG object-name
この場合、object-name は作成するソースオブジェクトおよび/またはカタログされるオブジェクトの名前です。 オブジェクトの名前は一意であり、オブジェクトの命名規則に従っている必要があります。
STOW
および CATALOG
に適用されるすべての構文規則については、『システムコマンド』ドキュメントを参照してください。
ENTER キーを押します。
STOW
を使用する場合、ソースコードは、指定した名前で、ソースオブジェクトとして、現在のシステムファイル内の現在のライブラリに保存されます。 さらに、生成されたオブジェクトコードは、同じライブラリとシステムファイルに、カタログ化オブジェクトとして保存されます。
CATALOG
を使用する場合、ソースコードは、指定した名前で、カタログ化オブジェクトとしてのみ、現在のシステムファイル内の現在のライブラリに保存されます。 ソースコードは、ソースオブジェクトとしては、システムファイル内に保存されません(また、既存のソースオブジェクトに対してこのコマンドを実行する場合、更新も実行されません)。 ソースコードの保存と更新は、SAVE
または STOW
でのみ実行できます。
オブジェクトがソースオブジェクトまたはカタログ化オブジェクトのどちらで保存されているか確認する場合は、「オブジェクトディレクトリ情報を表示するには」を参照してください。
現在のライブラリに含まれている複数のソースオブジェクトのカタログと再カタログを実行するには、システムコマンド CATALL
を使用します。
複数のオブジェクトをカタログするには
次のシステムコマンドを入力します。
CATALL
ENTER キーを押します。
次の例のような[Catalog Objects in Library]画面が表示され、処理するオブジェクト、実行するコマンド、エラーレポートの作成などの追加オプションを指定できます。
16:10:20 ***** NATURAL CATALL COMMAND ***** 2006-12-21 User SAG - Catalog Objects in Library - Library SAGTEST Catalog Objects from .. *_______ (start value, range, input list) to .... ________ (end value) X Recatalog only existing modules Select object types: _ Catalog all sources X Global data areas Select function: X Parameter data areas Save X Local data areas X Catalog X Copycodes Stow X Texts Check X External Subroutines Select options: X Subprograms Condition code in batch X Helproutines X Renumber source-codes lines X Maps Keep result list X Adapter X Processing information X Programs X Error report X Classes Extended error report Command ===> Enter-PF1---PF2---PF3---PF4---PF5---PF6---PF7---PF8---PF9---PF10--PF11--PF12--- Help Menu Exit AddOp Sel. Canc |
画面に表示されるオプションの詳細については、『システムコマンド』ドキュメントの「CATALL」を参照してください。
コンパイルの例 -『Natural システムアーキテクチャ』ドキュメント
Natural オブジェクトのディレクトリには、オブジェクト名、オブジェクトを含むライブラリの名前、ソースオブジェクトの作成日または変更日など、オブジェクトの一般的な情報が含まれます。
次のシステムコマンドを入力します。
LIST DIR object-name
この場合、object-name は現在のシステムファイル内の現在のライブラリに含まれている既存のオブジェクトの名前です。
例えば、次のように入力します。
LIST DIR PGMTEST
ENTER キーを押します。
次に示すプログラム PGMTEST の例のような、[List Directory]画面が表示されます。
15:24:19 ***** NATURAL LIST COMMAND ***** 2005-05-27 User SAG - List Directory - Library SAGTEST Directory of Program PGMTEST Saved on ... 2005-05-27 15:24:15 ------------------------------------------------------------------------------- Library .... SAGTEST User-ID ...... SAG Mode ....... Structured TP-System .. CICS Terminal-ID .. TCIJ Op-System .. MVS/ESA Transaction .. QA41 NAT-Ver .... 4.1.3 Source size .......................... 1028 Bytes Directory of Program PGMTEST Cataloged on 2005-05-27 15:24:15 ------------------------------------------------------------------------------- Library .... SAGTEST User-ID ...... SAG Mode ....... Structured TP-System .. CICS Terminal-ID .. TCIJ Op-System .. MVS/ESA Transaction .. QA41 NAT-Ver .... 4.1.3 Used GDA ..... Size of global data .................. 0 Bytes Size in DATSIZE ...................... 720 Bytes Size in buffer pool .................. 3348 Bytes Size of OPT-Code ..................... 0 Bytes Initial OPT string ................... |
[List Directory]画面の詳細については、『システムコマンド』ドキュメントの「LIST」にある「オブジェクトディレクトリ情報の表示」を参照してください。
ソースワークエリアに含まれているソースコードをコピーするか、SYSMAIN などの Natural ユーティリティのコピー機能を使用して、新しいオブジェクトを作成できます。
次のシステムコマンドを入力して、コピーするソースコードを読み取ります。
READ object-name
この場合、object-name はコピーするソースコードを含むオブジェクトの名前です。
ENTER キーを押します。
指定したソースオブジェクトのソースコードが、ソースワークエリアに読み取られます。
次のシステムコマンドのいずれかを入力します。
SAVE object-name
または
STOW object-name
この場合、object-name は作成するオブジェクトの名前です。
ENTER キーを押します。
新しいオブジェクトは、現在のシステムファイル内の現在のライブラリにソースオブジェクトとして保存されるか(SAVE
を使用する場合)、カタログ化オブジェクトとして保存されます(STOW
を使用する場合)。
SYSMAIN を使用して 1 つ以上のオブジェクトをコピーするには
「メニュー機能を使用してすべてのライブラリをリストするには」の手順 1~4 に従って、SYSMAIN ユーティリティの[Main Menu]を表示します。
すべてのタイプのオブジェクトを選択するには、[Object Code]フィールドに「A
」(デフォルト設定)を入力します。 メニュー画面で個別にリストされているオブジェクトタイプに対して、エラーメッセージの「E
」など、別のコードを入力します。
[Function Code]フィールドに「C
」( を表す)を入力します。
ENTER キーを押します。
[Copy Programming Objects]画面が表示されます。
すべてのタイプのオブジェクトモジュール(カタログ化オブジェクトとソースオブジェクト)を選択するには、[Code]フィールドに「A
」を入力します。
[Sel. List](リストの選択)フィールドで、Y
(はい)を N
(いいえ)に変更します。 Y
はデフォルト設定です。
[Object Name]フィールドに、コピーするオブジェクトの名前を入力するか、名前の範囲を指定します。 アスタリスク(*)を入力すると、すべてのオブジェクト名が選択されます。 アスタリスク(*)はデフォルト設定です。
(有効な名前の範囲については、『SYSMAIN ユーティリティ』ドキュメントの「名前の範囲の指定」を参照してください。)
[Source Library]フィールドに、コピーするオブジェクトを含んでいるライブラリの ID を入力します。
[Target Library]フィールドに、オブジェクトのコピー先となる既存のライブラリまたは新規のライブラリの ID を入力します。
その他のすべての入力フィールドは変更しません。
ENTER キーを押します。
現在のシステムファイル内の指定したソースライブラリとターゲットライブラリの間で、すべてのソースオブジェクトとカタログ化オブジェクトがコピーまたは移動され、「機能が正しく実行されました。
」というメッセージが表示されます。
READ -『システムコマンド』ドキュメント
ソースオブジェクトのソースコードを印刷するには、システムコマンド LIST
を使用します。
また「オブジェクトのリストの印刷」で説明しているように、ライブラリに含まれるオブジェクトのリストを印刷することもできます。
ソースオブジェクトを印刷するには
次のいずれかの方法を選択します。
「LIST を使用してオブジェクトをリストするには」の手順 1~2 に従って[LIST Objects in a Library]画面を表示し、リストからオブジェクトを選択します。
[Cmd]列で目的のオブジェクトの横に、次のように入力します。
PR
Enter キーを押します。
または:
次のシステムコマンドを入力します。
LIST object-name
この場合、object-name は印刷するオブジェクトの名前です。
Enter キーを押します。
指定したオブジェクトのソースコードが、読み取り専用モードで表示されます。
PF2 キーを押します。
[PRINT]ウィンドウが表示されます。
[Destination]フィールドに有効なプリンタ名を入力します(現在の環境で利用できるプリンタについては、必要に応じて Natural の管理者にお問い合わせください)。 必要に応じて、ページサイズを変更します(デフォルト設定は 60 行です)。
Enter キーを押します。
[Printout Specification]画面が表示されます。この画面では、印刷部数などプリンタの設定を行うことができます。
Enter キーを押します。
指定したソースオブジェクトが、指定したプリンタデバイスで印刷されます。
LIST -『システムコマンド』ドキュメント
1 つのオブジェクトの名前を変更する場合はシステムコマンド RENAME
を使用し、複数のオブジェクトの名前を変更する場合は Natural ユーティリティ SYSMAIN を使用します。
RENAME
の代替機能として、「Natural のメインメニュー」で説明している[Development Functions]メニューの[Rename Object]機能を使用することもできます。
RENAME
を使用してオブジェクトの名前を変更するには
次のシステムコマンドを入力します。
RENAME object-name
この場合、object-name は名前を変更するオブジェクトの名前です。
ENTER キーを押します。
[Rename Object]ウィンドウが開いて、指定されたオブジェクトの名前が[Name]フィールドに表示されます。
[New Name]フィールドに、新しいオブジェクト名を入力します。
必要に応じて、[New Type]フィールドに新しいオブジェクトタイプを入力します。
ENTER キーを押します。
「オブジェクトの名前を変更しました。
」というメッセージが表示されます。
SYSMAIN を使用して 1 つ以上のオブジェクトの名前を変更するには
「メニュー機能を使用してすべてのライブラリをリストするには」の手順 1~4 に従って、SYSMAIN ユーティリティの[Main Menu]を表示します。
すべてのタイプのオブジェクトを選択するには、[Object Code]フィールドに「A
」(デフォルト設定)を入力します。 メニュー画面で個別にリストされているオブジェクトタイプに対して、エラーメッセージの「E
」など、別のコードを入力します。
[Function Code]フィールドに「R
」( を表す)を入力します。
ENTER キーを押します。
[Rename Programming Objects]画面が表示されます。
すべてのタイプのオブジェクトモジュール(カタログ化オブジェクトとソースオブジェクト)を選択するには、[Code]フィールドに「A
」を入力します。
[Name]フィールドに、名前を変更するオブジェクトの名前、または名前の範囲を指定します(例えば、下記のサンプル画面の TEST*
)。 アスタリスク(*)を入力すると、すべてのオブジェクト名が選択されます。 アスタリスク(*)はデフォルト設定です。
(有効な名前の範囲については、『SYSMAIN ユーティリティ』ドキュメントの「名前の範囲の指定」を参照してください。)
1 つのオブジェクトの名前のみを変更する場合、[New Name]フィールドに新しい名前を入力して、[Sel. List]フィールドで Y
(はい)を N
(いいえ)に変更します。
[Source Library]フィールドに、名前を変更するオブジェクトを含んでいるライブラリの ID を入力します。
必要に応じて[Target Library]フィールドに、名前を変更したオブジェクトの保存先となる既存のライブラリまたは新規のライブラリの ID を入力します。
その他のすべての入力フィールドは変更しません。
ENTER キーを押します。
ウィンドウが表示されます。名前を変更したオブジェクトのコピーを保存する場合は、ここで「Y
」(はい)を入力できます。
ENTER キーを押します。
オブジェクトの範囲を指定した場合、以下の例のような[Rename Selection]画面に、指定した選択条件(以下のサンプル画面では、TEST*
)に一致したすべてのオブジェクトがリストで表示されます。
ソースオブジェクトとカタログ化オブジェクトの両方の名前を変更する場合、[C]列で目的のオブジェクトの横に「A
」を入力します。 次に示すように[New Name]列に新しい名前を入力します。
16:39:39 ***** NATURAL SYSMAIN UTILITY ***** 2005-05-30 User SAG - Rename Selection - RENAME ALL TEST* WITH XREF N IN SAGTEST WHERE DBID 10 FNR 32 C Name Type S/C New NameC Name Type S/C New Name - -------- ------ --- -------- - -------- ------ --- -------- A TEST+ Progrm S PGMT+___ _ TEST+2 Progrm S ________ A TESTCHAR Progrm S/C CHARTEST A TESTDIR Progrm S PGMDIR__ _ TESTDISP Progrm S/C ________ _ TESTDIS2 Progrm S/C ________ _ TESTMMO Proc S/C ________ A TESTPGM_ Progrm S/C PGMTEST_ _ TESTTEST Progrm S ________ _ TESTXXX2 Progrm S ________ A TEST1 Subpgm S/C SUBTEST1 A TEST10 Subpgm S/C SUB10___ A TEST2 Subpgm S/C SUBTEST2 _ TEST666 Progrm S/C ________ Enter New Name and options, or '?' (Help) or '.' (Exit): _ Enter-PF1---PF2---PF3---PF4---PF5---PF6---PF7---PF8---PF9---PF10--PF11--PF12--- Help Menu Exit Copy Del Find List Move Ren Canc |
ENTER キーを押します。
[Message Text]列が表示され、名前を変更した各オブジェクトの横に確認メッセージが表示されます。 元のオブジェクトのコピーを保持するオプションをオンにしたかどうかに応じて、メッセージには、[Renamed as]
または[Copied as]
が表示されます。
特定のライブラリから別のライブラリにオブジェクトを移動するには、SYSMAIN などの Natural ユーティリティを使用します。
SYSMAIN メニュー機能を使用してオブジェクトを移動するには
「メニュー機能を使用してすべてのライブラリをリストするには」の手順 1~4 に従って、SYSMAIN ユーティリティの[Main Menu]を表示します。
すべてのタイプのオブジェクトを選択するには、[Object Code]フィールドに「A
」(デフォルト設定)を入力します。 メニュー画面で個別にリストされているオブジェクトタイプに対して、エラーメッセージの「E
」など、別のコードを入力します。
[Function Code]フィールドに「M
」( を表す)を入力します。
ENTER キーを押します。
[Move Programming Objects]画面が表示されます。
すべてのタイプのオブジェクトモジュール(ソースオブジェクトとカタログ化オブジェクト)を選択するには、[Code]フィールドに「A
」を入力します。
[Sel. List](リストの選択)フィールドで、Y
(はい)を N
(いいえ)に変更します。 Y
はデフォルト設定です。
[Object Name]フィールドに、移動するオブジェクトの名前を入力するか、名前の範囲を指定します。 アスタリスク(*)を入力すると、すべてのオブジェクト名が選択されます。 アスタリスク(*)はデフォルト設定です。
(有効な名前の範囲については、『SYSMAIN ユーティリティ』ドキュメントの「名前の範囲の指定」を参照してください。)
[Source Library]フィールドに、移動するオブジェクトを含んでいるライブラリの ID を入力します。
[Target Library]フィールドに、オブジェクトの移動先となる既存のライブラリまたは新規のライブラリの ID を入力します。
その他のすべての入力フィールドは変更しません。
ENTER キーを押します。
確認ウィンドウが表示されます。
移動を実行するには ENTER キーを押し、移動をキャンセルするにはピリオド(.)を入力します。
移動が正常に完了すると、すべてのソースオブジェクトとカタログ化オブジェクトが、現在のシステムファイル内の指定したソースライブラリから指定したターゲットライブラリへ移動され、「機能が正しく実行されました。
」というメッセージが表示されます。
オブジェクトを削除するには、システムコマンド DELETE
、システムコマンド LIST
、または SYSMAIN などの Natural ユーティリティを使用します。 LIST
または SYSMAIN を使用してオブジェクトを削除する方法の詳細については、「ライブラリ内のオブジェクトの削除」を参照してください。
DELETE
の代替機能として、「Natural のメインメニュー」で説明している[Development Functions]メニューの機能を使用することもできます。
DELETE
を使用して 1 つ以上のオブジェクトを削除するには
次のシステムコマンドのいずれかを入力します。
DELETE object-name
または
DELETE object-name*
または
DELETE *
上記の意味は次に示すとおりです。
object-name は削除するオブジェクトの名前です。
object-name* は選択する特定範囲のオブジェクトです(例えば、TEST*
では、TEST で始まるすべてのオブジェクトが選択されます)。
アスタリスク(*)では、現在のシステムファイル内の現在のライブラリにあるすべてのオブジェクトが選択されます。
ENTER キーを押します。
オブジェクトを個別に指定した場合、[DELETE]ウィンドウが表示されます。
削除を確認するには、オブジェクトの名前を入力します。
オブジェクトの範囲を指定した場合、[Delete Sources and Objects]画面が表示されます。
ソースオブジェクトとカタログ化オブジェクトの両方を削除する場合、[M]列で目的のオブジェクトの横に「B
」を入力します。
ENTER キーを押します。
[DELETE]ウィンドウが表示されます。
目的のオプションの横に任意の文字を入力して項目をマークします。
[Confirm each deletion]では、削除する最初のオブジェクトに対して[DELETE]ウィンドウが表示されます。 オブジェクトの名前を入力した後、削除を確認するために ENTER キーを押すと、削除する次のオブジェクトに対して[DELETE]ウィンドウが表示されます。
[Delete without confirmation]を選択すると、すぐに削除が実行されます。
[Exit (no deletion)]を選択すると、削除がキャンセルされます。
ENTER キーを押します。
[Delete Sources and Objects]画面が表示され、削除対象として選択したオブジェクトの横にメッセージが表示されます。 このメッセージでは、オブジェクトが削除されたこと
、または削除がキャンセルされたこと(削除されていないこと
)が示されます。
DELETE -『システムコマンド』ドキュメント
プログラムタイプのオブジェクトは、システムコマンドを使用して実行できます。 その他のすべてのタイプのオブジェクトは、このプログラムまたは下位のオブジェクトで参照している場合にのみ、実行または呼び出すことができます。 『プログラミングガイド』の「呼び出されるオブジェクトの複数レベル」も参照してください。
プログラムを実行するには、システムコマンド RUN
または EXECUTE
を使用します。
EXECUTE
の代替機能として、「Natural のメインメニュー」で説明している[Development Functions]メニューの[Execute Program]機能を使用することもできます。
RUN
では、ソースワークエリアに現在含まれているソースコードが実行されるか、システムファイルに保存されているカタログ化オブジェクトが実行されます。
EXECUTE
では、カタログ化オブジェクトのみが実行されます。 RUN
とは異なり、EXECUTE
では、ソースワークエリア内の対応するソースコードに対して加えられた最新の変更は実行されません。 これらの変更が実行対象になるのは、ソースオブジェクトを更新して、再コンパイルを実行した後です。
カタログ化オブジェクトの実行は、ソースワークエリアに現在含まれているソースコードには影響を及ぼしません。
RUN
を使用してプログラムを実行するには
次のシステムコマンドのいずれかを入力します。
RUN
または
RUN program-name
この場合、program-name はソースワークエリアに読み取られるプログラムタイプのソースオブジェクトの名前です。
ENTER キーを押します。
構文エラーが検出されない場合、ソースワークエリアに含まれているソースコードがコンパイルされ、実行されます。
EXECUTE
を使用してプログラムを実行するには
次のシステムコマンドを入力します。
EXECUTE program-name
この場合、program-name はプログラムタイプのカタログ化オブジェクトの名前です。
キーワード EXECUTE
の指定は任意です。program-name の指定で十分です。
ENTER キーを押します。
プログラムが実行されます。
RUN -『システムコマンド』ドキュメント
EXECUTE -『システムコマンド』ドキュメント
オブジェクトの実行 -『Natural システムアーキテクチャ』ドキュメント
オブジェクトのロードと実行の例 -『Natural システムアーキテクチャ』ドキュメント