このドキュメントでは、Natural TSO インターフェイス(製品コード NTI)の機能、および z/OS オペレーティングシステムの TSO 環境での Natural の操作および個別のコンポーネントについて説明します。
次のトピックについて説明します。
以下の項目も参照してください。
Natural の『インストール』ドキュメントの「Natural TSO インターフェイスのインストール」
Natural TSO インターフェイス(NATTSO
)は、z/OS オペレーティングシステムとのインターフェイスとなるいくつかのサービスルーチンで構成されています。
NATTSO
はソースモジュールとして提供されており、要件に対応するためにカスタマイズできます。Natural の『インストール』ドキュメントの「Natural TSO インターフェイスのインストール」も参照してください。 NATTSO
をアセンブルして Natural ニュークリアスにリンクすることも、NATTSO を共有ニュークリアスで接続して個別に実行することもできます。
NATTSO
は完全にリエントラントであり、16 MB 境界より上で実行できます。 1 つの TSO リージョンで複数の Natural セッションを並行して開始したり、SWAPKEY
(以下を参照)によりセッション間で切り替えを行ったりすることができます。
NTTSO
マクロには、Natural TSO インターフェイスの内部デフォルトを変更する複数の生成パラメータがあります。
これらのパラメータは次のとおりです。
ABEXIT
| ALTSCRN
| LBPNAME
| LE370
| NDBFSRV
| SUBPOOL
| SWAPKEY
| TIOBSZ
| TTYTYPE
このパラメータは、Natural 内でのアベンド処理のモードを指定します。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
ESTAE |
Natural はすべてのアベンドをインターセプトし、適切なエラーメッセージを発行します。 これはデフォルト値です。 |
SPIE |
Natural バージョン 2.1 の場合と同様に、プログラムチェック(S0Cx アベンド)のみがインターセプトされます。
|
NONE |
Natural はアベンドまたはプログラムチェックを一切インターセプトしません。 この値は、Natural プロファイルパラメータ 設定 |
このパラメータは、3270 の代替画面サイズを使用するかどうかを指定します。 端末には、デフォルトと代替の画面サイズとして、画面の高さと幅を定義した 2 種類の VTAM LOGMODE
定義があります。 通常、デフォルトの画面サイズは 24 行、80 列です。 代替の画面サイズは、3270 端末モデル(2、3、4 または 5)に応じて異なります。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
YES |
代替の画面サイズを使用します。 これはデフォルト値です。 |
NO |
デフォルトの画面サイズを使用します。 |
Natural プロファイルパラメータ TMODEL
では、画面サイズを上書きすることができます。
このパラメータは、ローカルバッファプールの共有を制御します。 共有ローカルバッファプール環境の name
を定義し、ローカルバッファプールを検索および同期するために使用します。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
name |
name の長さは 1~8 文字です。
|
LBPNAME= |
デフォルト値は "なし" で、ローカルバッファプールは共有されません。 |
バッチの z/OS 環境または TSO 環境で、複数の Natural セッションを同時に実行する場合、例えば、Natural RPC サーバーを実行する場合、各セッションでそれぞれのローカルバッファプールに対してストレージが割り当てられます。 Natural z/OS バッチサーバーは例外ですが、ローカルバッファプールはデフォルトでは共有されません。つまり、異なるセッションで同じ Natural オブジェクトを使用する場合、セッションごとにこれらのオブジェクトを個別にロードする必要があります。 name を指定した場合は、すべてのローカルバッファプールが異なる Natural セッションで共有されます。
このパラメータは、Natural を IBM 言語環境(LE)で実行するかどうかを指定します。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
YES |
LE の呼び出し規則に従って、外部のサブプログラムを呼び出すことができます。 |
NO |
言語環境のメインプログラムのみを呼び出すことができます。 これはデフォルト値です。 つまり、 |
LE370=POSIX |
POSIX セマンティクスの LE 呼び出し規則に従って外部サブプログラムを呼び出すことができます。LE はランタイムオプション POSIX(ON) で初期化されます。
|
LE370=AMODE24 |
アドレッシングモード 24 でリンクされる外部サブプログラムのサポート。 LE はオプション ALL31=(OFF) および STACK=(,,BELOW) で初期化されます。
|
LE370=NOHDLR |
LE サブプログラムの呼び出し時に、Natural は LE エラーハンドラの設定を行いません。 つまり、LE サブプログラムの実行時に対応不能なエラーが発生すると、LE エンクレーブが終了されて、Natual セッションが失われることになります。 |
次に示すように、複数のパラメータ値はカッコで囲みます。
LE370=(YES,POSIX,AMODE24)
IBM 言語環境で実行する Natural の詳細については、Natural の『オペレーション』ドキュメントの「LE サブプログラム」を参照してください。
このパラメータは、Natural for DB2 ファイルサーバーを使用するかどうかを指定します。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
NO |
Natural for DB2 ファイルサーバーは使用しません。 これはデフォルト値です。 |
YES |
Natural for DB2 ファイルサーバーは、端末 I/O ごとに呼び出されます。 |
このパラメータは、GETMAIN
要求用のストレージサブプールを定義します。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
0 - 127 |
GETMAIN 要求に対して、z/OS サブプール番号を指定します。 問題状況のプログラムに対して任意の有効な z/OS タスク関連のサブプール番号(0~127 )を使用することができます。
|
0 |
これはデフォルト値です。 |
このパラメータでは、Natural の TSO/ISPF 画面分割スワップキーを定義します。Software AG 製品の Natural ISPF(Integrated Structured Programming Facility)に対応したほとんどのパネルで、このキーは PF9 に割り当てられます。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
PAnn |
次の TSO/ISPF セッションへのスワップに使用する PF または PA キーを定義します。 有効なキーは、PF1~PF24 と PA1~PA3 です。 注意: |
SWAPKEY= |
デフォルトでは、スワップキーは定義されません。つまり、画面分割機能のサポートは生成されません。 |
このパラメータでは、端末 I/O バッファのサイズを指定します。 16 MB 境界よりも下に割り当てられます。
TIOBSZ=nnnn |
nnnn は、端末 I/O バッファのサイズ(バイト単位)です。 使用できる値は 4096~16777216 です。 デフォルト値は 8192 です。
|
『オペレーション』ドキュメントの「Natural z/OS 生成パラメータ」の生成パラメータ TIOBSZ1
および TIOBSZ2
も参照してください。
このパラメータは、テレタイプ端末(TTY または TWX)のデフォルトのデバイスタイプを定義します。
可能な値は次のとおりです。
値 | 説明 |
---|---|
name |
テレタイプ端末のデフォルトのデバイスタイプを定義します。 指定するタイプは、NATCONFG (Natural コンフィグレーション)モジュール内で定義する必要があります。
|
TTY | これはデフォルト値です。 |
TTYTYPE
は、セッション中に、プロファイルパラメータ TTYPE
または端末コマンド %T=
によって上書きできます。
Natural TSO セッションで特定の機能を使用する場合、次のデータセットが必要です。
CMEDIT
|
Software AG Editor ワークファイル |
CMHCOPY |
ハードコピー出力 |
CMPLOG |
ダイナミックプロファイルパラメータレポート出力 |
CMPRMIN |
ダイナミックプロファイルパラメータ入力 |
CMPRTnn |
追加レポート 01~31 |
CMTRACE |
外部トレース出力 |
NATRJE
|
ジョブサブミット出力 |
STEPLIB |
外部モジュール用のロードライブラリ |
CMWKFnn |
ワークファイル 01~32 |
次に、これらのデータセットについて説明します。
特に記述がない限り、デフォルトの DCB RECFM
/LRECL
情報は次のとおりです。
シーケンシャル入力データセットの場合は RECFM=FB
と LRECL=80
シーケンシャル出力データセットの場合は RECFM=FBA
と LRECL=133
ローカルまたはグローバルの Software AG エディタバッファプールを使用する場合は、Software AG Editor のワークファイル VSAM データセットが必要です。 JCL または TSO コマンド ALLOC
で定義されていない場合、Natural ではプロファイルパラメータ EDBP
のサブパラメータ DSNAME
またはパラメータマクロ NTEDBP
で指定されたエディタワークファイルの名前を使用して、エディタワークファイルのダイナミックアロケーションを行います。
または、プロファイルパラメータ EDPSIZE
を使用して、エディタワークファイルを必要としない補助エディタバッファプールで実行することもできます。 Software AG Editor のインストールの詳細については、Natural の『インストール』ドキュメントの「Software AG Editor のインストール」を参照してください。
ハードコピー出力データセットのデフォルト名は CMHCOPY
です。 これは、次のいずれかの方法で変更できます。
出力ファイル 0 用のプロファイルパラメータ PRINT
の DEST
サブパラメータ、
PRINT=((0),DEST=...)
と同等のプロファイルパラメータ HCDEST
、
セッション中のシステム変数 *HARDCOPY
の設定、
セッション中の端末コマンド %H
出力ファイル 0 用の PRINT
プロファイルパラメータのサブパラメータは、ハードコピーデータセットのデフォルト値を変更するために使用することができます。 デフォルトデータセット名 CMHCOPY
は、ハードコピー出力データセットに対して CLOSE=FIN
の意味を持っています。つまり、出力のためにデータセットを開いた後、それ以降のハードコピー出力データセット名の変更は無視されます。 開いた時点で別の名前が定義されている場合、ハードコピーデータセットは次の端末 I/O で閉じられます。
セッション中に、ハードコピーデータセットの解放とダイナミックアロケーションによる再割り当て(開く前、または閉じた後)を実行できます(Natural アプリケーションプログラミングインターフェイス USR2021N
を参照)。
プロファイルパラメータ PLOG
=ON
が設定され、データセット CMPLOG
が使用可能な場合は、評価されたダイナミックプロファイルパラメータはセッションの初期化時にこのデータセットに書き込まれます。 データセット CMPLOG
を使用できない場合、評価されたダイナミックプロファイルパラメータは、行モードで TSO 端末に書き込まれます。
可能である場合、セッションの初期化時にこのデータセットが読み取られ、ダイナミックプロファイルパラメータを取得します。 ダイナミックプロファイルパラメータ文字列の生成には、各レコードの最初の 72 文字のみが使用されます。
Natural ニュークリアス開始のために直接渡されるその他のプロファイルパラメータは、TSO CALL コマンドなどによって、CMPRMIN
の入力から生成されたパラメータ文字列の末尾に連結されます。つまり、これらの値は、CMPRMIN
のパラメータを上書きするために使用できます。
これらのデータセットは、WRITE (nn) などの Natural 出力ファイルステートメントで使用できます。 DCB 情報(例えば、RECFM
、LRECL
、BLKSIZE
)を使用できない場合、デフォルトはプロファイルパラメータ PRINT
または Natural パラメータモジュールのマクロ NTPRINT
で定義されます。 出力ファイルデータセットの名前はサブパラメータ DEST
で上書きできます。
プロファイルパラメータ ETRACE
=ON
が設定されているか、等価の端末コマンド %TRE+
が発行された場合は、セッション時のすべての Natural トレース出力が CMTRACE
データセットに書き込まれます。 トレース対象の Natural コンポーネントを定義するには、プロファイルパラメータ TRACE
が必要です。
データセット CMTRACE
が使用できない場合は、以下のようにダイナミックに割り当てられます。
//CMTRACE DD SYSOUT=*
この処理は、最初のトレースレコードの書き込み時に行われます。
このデータセットは、Natural ジョブサブミットユーティリティに使用します。 定義されていない場合は、以下のようにダイナミックに割り当てられます。
//NATRJE DD SYSOUT=(A,INTRDR)
この処理は、最初のジョブのサブミット時に行われます。
STEPLIB
は、外部モジュールをロードするためのデフォルトロードライブラリ名です。外部モジュールには、共有ニュークリアス(プロファイルパラメータ NUCNAME
)、個々の Adabas リンクルーチンモジュール(プロファイルパラメータ ADANAME
)、セッションバックエンドプログラム(プロファイルパラメータ PROGRAM
)、Natural パラメータモジュールにリンクされていない外部サブプログラムなどがあります。
ロードライブラリ名はプロファイルパラメータ LIBNAM
で上書きできます。 指定するロードライブラリ名は、TSO ジョブ制御または ALLOC
ステートメント(例えば、Natural セッションを開始する CLIST など)で定義されている必要があります。
これらのデータセットは、READ WORK
nn
や WRITE WORK
nn
などの Natural ワークファイルステートメントで使用できます。 JCL またはデータセットの VTOC エントリで DCB 情報(RECFM
、LRECL
、BLKSIZE
など)を使用できない場合、デフォルトは WORK プロファイルパラメータ、または Natural パラメータモジュールの NTWORK
マクロで定義されます。 ワークファイルデータセットの名前はサブパラメータ DEST
で上書きできます。
ライブラリ SYSEXTP
内の Natural サンプルプログラム TSO を使用して、次のように TSO コマンドを発行できます。
TSO LISTALC STATUS
パラメータなしで TSO を入力すると、TSO コマンドの入力を指示するメニューが表示されます。 このメニューを閉じるには、最初の位置にピリオド(.)を入力するか、PF3 キーを押します。