このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
Natural バージョン 6.3.3 以降では、Natural バージョン 6.3.1 のリリース情報の「サポートされているオペレーティングシステム」に挙げられているオペレーティングシステムに加えて、Windows Vista もサポートされています。
重要:
Adabas for Windows Vista と Entire Net-Work for Windows Vista の提供開始は 2008 年の予定です。 このため、Natural バージョン 6.3.3 を Windows Vista
にインストールする場合は、現状では Natural Security または Predict はインストールできません。
Natural バージョン 6.3.3 以降では、成果物が署名されます。 この動作は Natural の使用には影響しません。
Natural バージョン 6.3.3 には、テスト用の新しいデータベースドライバ(ADA2)があります。 このデータベースドライバは、Adabas 6(オープンシステム)と Adabas 8(メインフレーム)のラージオブジェクトと LA フィールドをサポートします。 Adabas 機能はまだ完全にはサポートされていないため、このデータベースドライバは実稼働環境用ではありません。
現状では、MU および PE フィールド内のラージオブジェクトはサポートされていません。
デフォルトでは、"従来の" データベースドライバ ADA が使用されます。 これにより、Natural アプリケーションがこれまでどおりに実行されます。以前の Natural バージョンとの違いはありません。 コンフィグレーションユーティリティでデータベースタイプ ADA2 を定義した場合のみ、新しいデータベースドライバが使用されます。
読み取りアクセスのみを許可する特別なバッファプールを定義できるようになりました。 読み取り専用バッファプールには、代替バッファプールも定義できます。 『オペレーション』ドキュメントの「読み取り専用バッファプール」を参照してください。
Natural for Windows のインストール時に該当のオプションを設定することで、Natural 開発サーバー(NDV)を一緒にインストールできるようになりました。 NDV は Windows サービスとしてインストールされ、Natural for Windows のリモート開発機能を実現します。 このコンポーネントには、別途ライセンスキーファイルが必要です。 詳細については、別に用意されている『Windows 用の Natural 開発サーバー』ドキュメントを参照してください(この Natural for Windows ドキュメントには記載されていません)。
Natural for Windows のインストール時に該当のオプションを設定することで、Web I/O インターフェイスサービスを一緒にインストールできるようになりました。 『オペレーション』ドキュメントの「Web I/O インターフェイスサービスの設定」を参照してください。
新しい Windows 用 Natural 開発サーバーと新しい Web I/O インターフェイスサービスは、Natural for Ajax でも使用できます。 『Natural for Ajax』ドキュメントを参照してください。
Natural スタジオのオプションプラグインである Natural for Ajax Tools により、Natural for Ajax 機能を Natural スタジオから直接使用することが可能になります。 Natural for Ajax Tools を使用すると、豊富なインターネットアプリケーション用の Web ページを設計し、これらのページのアダプタを Natural ライブラリにインポートしてこれらのページを表示するプログラムを生成し、内部ブラウザでこれらのプログラムをテストできます。 詳細については、『Natural スタジオの拡張』ドキュメントの「Natural for Ajax Tools」を参照してください。
このバージョンでは、次の新しい Natural プロファイルパラメータが追加されています。
プロファイルパラメータ | 説明 |
---|---|
BPID2 |
Natural が実行中に接続/切断できる追加の読み取り/書き込みバッファプールの名前(ID)を指定します。 |
SRVWAIT |
サーバーが RPC クライアント要求を待機する秒数を指定します。 |
WEBIO |
Natural の入出力(I/O)を変更しないまま残すか(SPoD の場合は端末エミュレーション)、または Web I/O インターフェイスを使用するかを定義します。 |
ユーティリティ SYSEXT
には、次の新しいアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)があります。
API | 説明 |
---|---|
USR4209N |
サブルーチンのショートネームを返します。 |
USR4210N |
英数字およびバイナリのバイトを Base64 に変換します。 |
このバージョンでは、Software AG の新しい企業ロゴ等の変更の第一段階が反映されています。 変更は今後のバージョンでさらに増える予定です。
Natural スタジオとほとんどの Natural エラーメッセージが日本語に翻訳されています。 日本語の Natural エラーメッセージを有効にするには、システム変数 *LANGUAGE
を "Japanese (Kanji)"(言語コード 59)に指定する必要があります。
パフォーマンスを最適化する更新モードにより、リモート開発環境での作業や大規模なライブラリを使用する作業のパフォーマンスが向上します。 『Natural スタジオの使用』の「ワークスペースオプション」を参照してください。
検索/置換機能が拡張されて、1 つまたは複数のプログラムソースでテキスト文字列を検索および置換できるようになりました。 また、[検索]ダイアログボックスや[置換]ダイアログボックスを閉じなくても、ソースの編集を続けられます。 『エディタ』ドキュメントの「プログラムエディタ」の「テキストの検索」および「テキストの置換」を参照してください。
構文用の[カラー定義]ダイアログボックス(プログラムエディタオプションの一部)に新しいテキストタイプ "数値" が追加されました。 デフォルトでは、数値は緑で表示されます。 この新しいテキストタイプでは、定数 TRUE
および FALSE
の色も定義できます。 『Natural スタジオの使用』の「構文の他の色の定義」を参照してください。
ローカルまたはグローバルデータエリアのビュー定義から、マルチプルフィールドまたはピリオディックグループのオカレンスをインポートできるようになりました。 『エディタ』ドキュメントの「マップエディタ」セクションの「フィールドのインポート」を参照してください。
ローカルまたはグローバルデータエリアのビュー定義から、マルチプルフィールドまたはピリオディックグループのオカレンスをインポートできるようになりました。 『エディタ』ドキュメントの「データエリアエディタ」セクションの「フィールドのインポート」を参照してください。
[フィールドの初期化]ダイアログボックスが、配列定義を中心に機能拡張されています。 『エディタ』ドキュメントの「データエリアエディタ」セクションの「初期値の定義」を参照してください。
タイプが再定義、グループ、ピリオディックグループ、または構造のフィールドを修正、挿入、削除したときに、後続のすべてのフィールドのレベルが自動的に調整されるようになりました。 『エディタ』ドキュメントの「データエリアエディタ」セクションの「フィールドの修正」、「フィールドの挿入」、および「フィールドの削除」を参照してください。
フィールドのフォーマットを変更すると、現在の長さの指定が維持されます(可能な場合)。そうでない場合は、デフォルトの長さが自動的に割り当てられます。 『エディタ』ドキュメントの「データエリアエディタ」セクションの「フィールドの修正」を参照してください。
タイプがグループまたはピリオディックグループのフィールドを修正、挿入、削除したときに、後続のすべてのフィールドのレベルが自動的に調整されるようになりました。 『エディタ』ドキュメントの「DDM エディタ」セクションの「フィールドの挿入および変更」および「フィールドの削除」を参照してください。
フィールドのフォーマットを変更すると、現在の長さの指定が維持されます(可能な場合)。そうでない場合は、デフォルトの長さが自動的に割り当てられます。 『エディタ』ドキュメントの「DDM エディタ」セクションの「フィールドの挿入および変更」を参照してください。
データベースタイプ ADA2 を指定できるようになりました。 このデータベースタイプは、英数字オブジェクト(Adabas LA オプション)、ビュー内でダイナミックに定義されるラージオブジェクトデータベースフィールド(LOB)、および 64 KB を超えるビューサイズをサポートします。 オープンシステムでは Adabas バージョン 6 以降、メインフレームでは Adabas バージョン 8 以降で使用できます。 『コンフィグレーションユーティリティ』ドキュメントの「DBMS 割り当て」を参照してください。
読み取り専用バッファプールとその代替バッファプールを定義できるようになりました。 『コンフィグレーションユーティリティ』ドキュメントの「バッファプール割り当て」を参照してください。
新しいプロファイルパラメータ WEBIO
を指定できるようになりました。 『コンフィグレーションユーティリティ』ドキュメントの「Web I/O インターフェイス」を参照してください。
新しいプロファイルパラメータ SRVWAIT
を指定できるようになりました。 『コンフィグレーションユーティリティ』ドキュメントの「RPC(サーバー)」を参照してください。
配列として定義されている DDM フィールドに、DDM レポートに表示するオカレンスの範囲を指定できるようになりました。 以前の Natural バージョンでは、1 つのオカレンスしか指定できませんでした。 『ツールおよびユーティリティ』ドキュメントの「データブラウザ」セクションの「フィールドのプロパティ」を参照してください。
Natural スタジオフィルタが DDM 選択リストにも適用されるようになりました。 『ツールおよびユーティリティ』ドキュメントの「データブラウザ」セクションの「Natural スタジオフィルタ」を参照してください。
オブジェクトハンドラでリモートメインフレーム環境内のリソースがサポートされるようになりました。 このオブジェクトタイプでは、コード 9 を NATTYPE
キーワードに指定できます。
ACIVERS
EntireX ACI バージョン 9 が ACIVERS
でサポートされるようになりました。 このため、最大値が 8 から 9 に変わっています。 後述の「Natural リモートプロシージャコール(RPC)」の該当する説明も参照してください。
STEPLIB
プロファイルパラメータ LSTEP
の名前が STEPLIB
に変更されました。 これまで STEPLIB
パラメータで提供されていた情報は、『コンフィグレーションユーティリティ』ドキュメントの「追加の Steplib 割り当て」に記載されています。
CATALL
システムコマンド CATALL
を、オブジェクトのチェック、保存、および格納にも使用できるようになりました。 デフォルトでは、保存または格納されたソースのソースコード行の番号も自動的に再設定されます。
Natural Security がアクティブな場合は、選択した操作(カタログ、チェック、保存、または格納)が Natural Security で許可されるかどうかが確認されます。 許可されない場合は、エラーになります。
ローカルバージョン管理オプションで、データエリアを DEFINE DATA
フォーマットに変換してからワークスペースにコピーしてリポジトリにコミットするように定義することが可能になりました。
プロジェクトの有効/無効を[Maintain Projects]ウィンドウで切り替えられるようになりました。
オブジェクトのコミットまたはチェックアウトを目的として Natural ライブラリを変更する場合に、プロジェクト定義でライブラリを定義してソース制御システムの他のライブラリにマップできるようになりました。
詳細については、『Natural スタジオの拡張』ドキュメントの「ローカルバージョン管理」を参照してください。
Web I/O インターフェイスクライアントを JBoss Application Server 4.0.5 にインストールできるようになりました。 『オペレーション』ドキュメントの「Web I/O インターフェイスクライアントの設定」の「JBoss Application Server への Web I/O インターフェイスクライアントのインストール」を参照してください。
セッションのコンフィグレーションファイルで、出力ウィンドウの画面解像度を定義できるようになりました(screen
要素の属性 rows
および columns
)。 このファイルでは、ユーザー ID とパスワードの認証が行われるプラットフォーム(session
要素の属性 type
)とこのユーザー ID の入力フィールドを大文字モードにするかどうか(user
要素の属性 ucase
)も定義できます。 さらに、使用される Web I/O インターフェイスプロトコルのバージョン(session
要素の属性 protocol
)も指定できます。最新の Natural バージョンでは、適切なプロトコルバージョンが自動的に使用されます。 以前の Natural バージョンでは、適切なプロトコルバージョンをコンフィグレーションファイルで定義する必要があります。 『オペレーション』ドキュメントの「Web I/O インターフェイスクライアントの設定」の「コンフィグレーションファイル要素の概要」を参照してください。
アプリケーションプログラミングインターフェイス USR6203N
(ユーティリティ SYSEXT
で使用可能)が機能拡張され、 リソースの追加および削除に使用できるようになりました。
Adabas レスポンスコードに対応する Natural エラーメッセージが Natural バージョン 6.3.3 で全面改訂されました。
サブコードなどのアディションフィールドの情報が Adabas から提供された場合に、Natural でそれらが表示されます。
このセクションでは、ユーザーが Natural のインストール後に注意する必要のある追加の情報を提供します。
ストラクチャードモードで作業する場合は、変数のフォーマット/長さが DDM とビューとで同じである必要があります。 以前のバージョンでは、例えば、DDM ではダイナミックとして定義する変数を、ビューでは固定長で定義することができました。 このバージョンからはできません。 DDM でダイナミックとして定義されている変数は、ビューでもダイナミックとして定義されている必要があります。
これまでの動作を維持するには、該当するエントリを固定長で DDM に追加します(ただし、お勧めしません)。
Natural バージョン 6.3.3 では、既存の Natural リモートプロシージャコール(RPC)バージョン 6.2.3 の代わりとして、機能拡張された Natural RPC バージョン 6.3.1 が提供されています。
Natural RPC バージョン 6.3.1 以降では、以下の拡張機能を使用できます。
新しいパラメータ SRVWAIT
を使用して、サーバーが RPC クライアント要求を待機する秒数を指定します。
EntireX ACI バージョン 9 が ACIVERS
でサポートされるようになりました。 これにより、EntireX Broker スタブで、クライアントやサーバーに関する追加環境情報を EntireX Broker に送信したり、Integrated Authentication Framework(IAF)を使用したりできます。
Natural Security が Natural RPC サーバー側にインストールされていて、EntireX Broker が IAF を認証に使用する場合、Natural RPC サーバーをオプションで構成して Natural Security
ログオンデータの代わりに IAF トークンをクライアント認証に使用することができます。 IAF トークンは EntireX Broker によって提供され、クライアントが EntireX Broker にログオンするために使用したユーザー ID
を含んでいます。 このため認証に成功した後は、Natural ユーザー ID の *USER
は、EntireX Broker によって使用されたクライアントユーザー ID と常に同一になります。 EntireX Broker によって使用されたクライアントユーザー ID と異なるユーザー ID を Natural で使用することはできなくなります。
この機能を使用するには、Natural RPC サーバーおよび IAF を Natural Security で構成する必要があります。 詳細については、『Natural Security』ドキュメントの「Natural RPC サーバーおよびサービスの保護」を参照してください。
クライアント側では変更は必要ありません。
Natural Security バージョン 6.3.3 で追加された拡張機能は次のとおりです。
次の拡張機能が、管理者サービスで提供されます。
以前のバージョンでは、Natural システム変数 *APPLIC-NAME
は、ユーザーがログオンしたライブラリの名前、またはユーザーが特殊なリンクを経由してログオンした場合は、そのリンク名を含んでいました。
このバージョンでは、新しい標準オプションの[Set *APPLIC-NAME always to library name]を利用できます。 ユーザーが特殊なリンクを介してログオンしたかどうかに関係なく、*APPLIC-NAME
が常にライブラリ名を含むように設定することができます。
ログオン/副署名エラーレコードを扱う関数が拡張されました。 これにより、Natural RPC サービス要求および Natural Web I/O サービス要求とともに発生したログオンエラーを選択的に扱うことができます。 このためには、[Logon/Countersign Errors Menu]の[Start Value]フィールドで、以下を指定します。
RPCSRVRQ - Natural RPC サービス要求に関連するログオンエラー
NWOSRVRQ - Natural Web I/O サービス要求に関連するログオンエラー
ユーザーがユーティリティ機能を起動して、適用対象の適切なユーティリティプロファイルが Natural Security によって検索される場合、デフォルトでは、そのユーザーが含まれているすべてのグループのユーザーライブラリ固有およびユーザー固有のユーティリティプロファイルが検索対象の順序に含まれます。
ユーティリティのデフォルトプロファイルで設定することができる、新しいセッションオプション *GROUP Only を使用すると、現在のグループ(Natural システム変数 *GROUP
の現在値によって決定)のユーティリティプロファイルに検索対象を制限したり、検索順序から他のグループのユーティリティプロファイルを除外したりすることができます。 詳細については、『Natural Security』ドキュメントの「Which Utility Profile Applies?」を参照してください。
Utilities オプションという名前の新しい追加オプションを、オブジェクトハンドラのデフォルトのユーティリティプロファイルで利用することができます(SYSOBJH
ユーティリティ)。 これを使用すると、ライブラリプロファイルの Utilities オプションを SYSOBJH
に適用することができます。
単一のライブラリに含まれているサブプログラムによって実行されるサービスを提供する Natural RPC サーバーでは、新しいオプションの[Logon Mode]を利用することができます。 これは、パフォーマンスを向上するために Natural RPC サーバーのセキュリティプロファイルで指定することができます。
このオプションを "S"(スタティックモード)に設定すると、次の操作が行われます。
サーバーのライブラリがサーバーセッションの開始時に設定され、サーバーセッションの終了まで変更されません。
サーバーは、このライブラリのサービス要求のみを処理します。 他のライブラリに対するサービス要求は拒否されます。
ライブラリが保護されていない場合は(People-protected = N)、ライブラリにアクセスするためのユーザー認証はチェックされません。 ライブラリが保護されている場合は(People-protected=Y)、ライブラリにアクセスするためのユーザー認証がチェックされます。
チェックに成功すると、ライブラリの使用に関するユーザーの条件がライブラリプロファイルによって決定されます。 特殊なリンクがユーザーとライブラリの間に存在する場合でも、特殊なリンクプロファイルの設定は無視されます。
詳細については、『Natural Security』ドキュメントの「Validation of an RPC Service Request」を参照してください。
このバージョンから、Natural Security では、Integrated Authentication Framework(IAF)サーバーをトークン検証に使用する Natural RPC サーバーをサポートします。 このリリースノートの RPC に関するセクションの「サーバー側での Integrated Authentication Framework(IAF)のサポート」も参照してください。
詳細については、『Natural Security』ドキュメントの「IAF Support」も参照してください。
Natural の今後のバージョンでは次の変更が予定されています。
今後のバージョンのいずれかで、リモートデバッグがサポートされなくなる予定です。 代わりに Natural スタジオをデバッグに使用します。