このドキュメントでは、Adabas のバージョン 8.1.1 および 8.1.2 に追加された拡張機能について説明します。
Adabas の各ファイルエクステントのタイプごとの論理ファイルエクステントは 5 個に制限されていましたが、この制限は解除されました。 定義できる論理ファイルエクステントの最大数には、ファイルのすべてのアドレスコンバータ、データストレージ、ノーマルインデックス、アッパーインデックスのエクステント情報がファイルコントロールブロック(FCB)内に収まる必要があるという制約があります (エクステントの情報は、FCB の可変のセクション内に格納されます)。例えば、標準の 3390 デバイスタイプの場合、ファイルはタイプごとに 40 を超えるエクステントを持つことができます(他のタイプのエクステント数が少ない場合、1 つのタイプのエクステント数はより多くすることができます)。 Adabas 8 論理エクステントの詳細については、「Adabas 論理エクステント」を参照してください。
Adabas データベースのアソシエータおよびデータストレージコンポーネントには、各 5 個以上の物理(データベースコンテナ)エクステントを格納できるようになりました。 これにより、それぞれ最大で 99 個の物理エクステントを設定できます。 ただし、すべてのアソシエータ、データストレージ、およびデータストレージスペーステーブル(DSST)のエクステントのエクステント情報がジェネラルコントロールブロック(GCB)に収まる必要があるため、実際の最大数は、これよりも少なくなる可能性があります。 例えば、標準の 3390 デバイスタイプでは、アソシエータ、データストレージ、および DSST の各エクステントの個数は 75 を超えることができます(他のタイプのエクステント数が少ない場合は、1 つのタイプのエクステントをより多く持てます)。 Adabas 8 物理エクステントの詳細については、「Adabas 物理エクステント」を参照してください。
Adabas 8 のすべての拡張機能に対応するために、ジェネラルコントロールブロック(GCB)が 1 ブロックから 2 ブロックに拡張されました。 ジェネラルコントロールブロック(GCB)とは、これらの 2 つのブロックを示すようになりました。
MU フィールドまたは PE グループのそれぞれのオカレンス数は、1 レコードあたり、191 から約 65,534 に増えましたが、 実際のオカレンス数は、データブロックサイズの大きさ、デバイスタイプ、およびファイルタイプ(スパンドまたは非スパンド)に制限されています。 すべての MU フィールドおよび PE グループ、およびその他のフィールドは、1 つの圧縮レコードに収まらなければなりません。 スパンドレコード(Adabas 8 で導入)を使用すると、より多くの MU フィールドおよび PE グループを格納できます。
また、サブディスクリプタおよびスーパーディスクリプタを定義すると、レコードに含まれる MU フィールドまたは PE グループの数に影響する可能性があります。 例えば、スーパーディスクリプタが PE グループと 1 つまたは複数の MU フィールドの組み合わせとして作成されていて、オカレンス数が多い場合、パフォーマンスおよびリソースの問題が発生する可能性があります。
注意:
拡張 MU および拡張 PE フィールドの過度の使用は、パフォーマンスやリソースの問題を引き起こす場合があります。
これらの問題は、ワークストレージのオーバーフローを引き起こす可能性があり、その結果レスポンスコード 9 が返されます。
この問題が発生した場合は、データベースの ADARUN LP のサイズを増加させます。
1 つのレコードに 191 個を超える MU または PE フィールドを使用する場合、ファイルがこれを使用できるように明示的に許可する必要があります(デフォルトでは許可されていません)。 これは、新しい ADADBS MUPEX 機能または、ADACMP COMPRESS MUPEX と MUPECOUNT パラメータを使用して行います。
拡張 MU または PE が制限されたファイルが作成された場合、MU フィールドまたは PE グループのオカレンスカウントをレコードバッファの
1 バイトフィールドに読み込んではいけません。 これを行うと、Adabas はレスポンスコード 55、サブコード 9 を返します。
したがってフォーマットバッファで xxC
エレメントを使用してオカレンスカウントを読み込む(FB='MUC.' または FB='MUC,1,B.'
など)すべてのアプリケーションは、オカレンスカウントを 2 バイト以上のフィールドに読み込ませるように(FB='MUC,2,B.' または
FB='MUC,4,B.' など)変更する必要があります。
圧縮レコード(ADACMP ユーティリティ)では、191 を超える MU および PE オカレンスがオカレンスカウントの先頭の
x’C0’
バイトによって示されます。 このバイトは、レコードの圧縮時に ADACMP
ユーティリティまたはニュークリアスにより設定されます。 x'C0'
インジケータバイトの後に、後続の MU または PE
オカレンスカウントに使用されるカウントバイトの数を示すバイトが続きます。 例えば、次のインジケータの場合を考えます。
X’C0020204’
この例では、x'C0'
はこれが拡張カウントであることを示し、x'02'
はカウントバイトが 2 つあることを示します。また、x'0204'
は、このフィールドに 516
個のオカレンスが存在することを示します。
すべての Adabas 8 システムファイル(CHECKPOINT、SECURITY、SYSFILES、および TRIGGER)に 5000 までの 2 バイトのファイル番号を指定できるようになりました。 ただし、物理カップリングファイルのファイル番号は、引き続き 255 以下にする必要があります。 いったん 2 バイトのシステムファイル番号を適用すると、ADACNV ユーティリティを使用して、データベースを Adabas 8 より以前のバージョンに戻すことはできません。
レコードのスパニングが導入され、 論理レコードを複数の物理ブロックに格納できるようになりました。 これは、MU および PE オカレンスの増加など、Adabas 8 で拡張された機能に対応するための変更です。 詳細は、「スパンドレコードのサポート」を参照してください。
注意:
スパンドレコードのサポートは、ファイルに明示的に許可する必要があります。 現在は、ADADBS RECORDSPANNING 機能、または
ADACMP
COMPRESS 機能の SPAN
パラメータを使用してこれを行うことができます。
スパンドレコードをサポートするには、セカンダリアドレスコンバータが必要です。 このアドレスコンバータは、セカンダリスパンドレコードの ISN を、セカンダリレコードが格納されているデータストレージブロックの RABN にマッピングするために使用されます。 詳細については、「スパンドレコードの ISN の使用」を参照してください。
新しいフィールドオプションである LB を使用すると、ラージオブジェクトフィールドとしてフィールドを識別することができます。 ラージオブジェクトフィールド(LB フィールド)は、理論的なサイズが最大で 2 GB の英数字フィールドです。 このようなフィールドは、ドキュメント(HTML、XML、Microsoft Word または PDF ドキュメントなど)、画像(JPG や BMP ファイルなど)、またはその他の複合データなどを、データベース内の単一フィールドに保存するために使用されます。
Adabas は、LB フィールド値を LOB ファイルと呼ばれる個別のファイルに格納します。このファイルは、基本ファイルと呼ばれる LB フィールドを含むファイルと密接に関連付けられます。
LB フィールドの詳細については、「ラージオブジェクトオプション LB」、および「ラージオブジェクト(LB)フィールドの基本」を参照してください。
LB フィールドのサポートには、ユーティリティの拡張も含まれます。 具体的には、ADACMP、ADADBS、および ADALOD ユーティリティに対する拡張が行われました。 詳細については、「ユーティリティの拡張機能」を参照してください。
Adabas 8 には、Adabas 7 以前に使用されていた従来の Adabas ダイレクトコールインターフェイスよりも強力で柔軟な新しい形式のダイレクトコールが導入されています。
1 つのコマンドでデータベースに書き込まれたり、データベースから読み出されたりするデータを、隣接しない複数のバッファセグメントに分散させることができます。 このため、物理的に連続した 1 つのバッファにまとめて置く必要はありません。
各バッファまたはバッファセグメントは、32 KB よりも大きくすることができます。 実用上は、アプリケーションプログラムのワーキングストレージで許容される値が上限だと考えられます。
新しい形式のダイレクトコールは、ACBX ダイレクトコールインターフェイスと呼ばれ、拡張 Adabas コントロールブロック(ACBX)を使用します。 古い形式のダイレクトコールは、ACB ダイレクトコールインターフェイスと呼ばれ、引き続き従来からの Adabas コントロールブロック(ACB)を使用します。
Adabas 8 では、両方の形式のダイレクトコールが解釈され、 アプリケーションプログラムによって、ACBX インターフェイスを使用するか、ACB インターフェイスを使用するかをコールごとに選択できます。 ダイレクトコールに ACBX インターフェイスを使用する必要があるのは、アプリケーションで ACBX の新しい機能(複数のバッファセグメント、ラージバッファ)のいずれかを使用する必要がある場合だけです。
Adabas 8 より前のバージョンの Adabas では、ACB ダイレクトコールインターフェイスだけがサポートされています。 これらのバージョンの Adabas で ACBX インターフェイスを使用するコールを受け取ると、レスポンスコード 22(無効なコマンド)が返されます。
詳細については、「Adabas の呼び出し」を参照してください。
Adabas 8 で導入された新しい拡張 Adabas コントロールブロック(ACBX)は、隣接しない複数のラージバッファセグメントを使用して、データベース上のデータを読み書きする機能をサポートしています。 これは、特にラージオブジェクト(LB フィールド)の読み書きに便利ですが、その他のすべてのフィールドに使用できます。
既存の ACB(非拡張)も引き続きサポートされ、既存のアプリケーションはこれまでどおり動作しますが、Adabas 8 の拡張機能を利用する場合は、新しい ACBX を使用する必要があります。
詳細については、「Adabas コントロールブロックの構造(ACB および ACBX)」を参照してください。
Adabas 8 では、Adabas バッファ記述(ABD)と呼ばれる新しい構造が導入されました。この構造は、ACBX インターフェイスのダイレクトコールで使用する必要があり、 ACB インターフェイスのダイレクトコールでは使用できません。
ABD は、セグメント化された非連続バッファをサポートしています。 各 ABD は、1 つのバッファセグメントを記述し、バッファセグメントの種類、場所、サイズ、およびその他の関連情報を示します。
詳細については、「Adabas バッファ記述(ABD)」を参照してください。
ACBX ダイレクトコールインターフェイスの導入により、Adabas 8 ではダイレクトコールにさまざまなバッファ拡張機能を使用できます。
ACBX インターフェイスダイレクトコールを実行する場合、マルチフェッチバッファ、パフォーマンスバッファ、およびユーザーバッファを新しく指定できるようになりました。
Adabas のフォーマットバッファ、レコードバッファ、およびマルチフェッチバッファを複数のセグメントに分割できるため、ストレージ内に確保される領域が連続している必要はなくなりました。
フォーマットバッファとレコードバッファのセグメントは、対にして指定します。 マルチフェッチ処理が必要なコールの場合、フォーマットバッファ、レコードバッファ、およびマルチフェッチバッファのセグメントを 3 つをまとめて指定します。
1 つのバッファまたはバッファセグメント当たり 32 KB を超えるデータを指定できます。
詳細については、「バッファの定義」を参照してください。
また、ACB または ACBX のいずれかのダイレクトコールインターフェイスを使用して行われたダイレクトコールについても、フォーマットバッファ拡張機能を使用できます。
ラージオブジェクト(LB)フィールドでは、フォーマット要素に長さゼロが指定されていると、レコードバッファのフィールド値に使用できるスペースの量が可変であり、実際のフィールド値によって変わることを示します。 実際のフィールド値は実行時に決まり、レコードバッファの LB フィールド値の最初の 4 バイトに格納されて、その後にフィールド値が続きます。 長さ値は、LB フィールド値に 4 バイトの長さ指定値自体を加えた合計です。
ロング英数字(LA)フィールドおよび LB フィールドに限り、フォーマット要素の長さの代わりにアスタリスク(*)を指定できるようになりました。 この指定を行うと、レコードバッファに確保されるフィールド値のスペースの大きさは可変になり、フィールドの実際の値に必要な大きさになります。 実際のフィールドの長さは、実行時に決まります。 ただし、長さゼロの指定とは異なり、レコードバッファでは LA または LB フィールド値の前に 4 バイト長フィールドは存在しません。フォーマット要素に対応するレコードバッファエリアには、フィールド自体の値のみが含まれます。
このようなフィールドの長さ指定の詳細については、「長さおよびデータフォーマット」を参照してください。
長さインジケータと呼ばれる新しいフォーマットバッファインジケータ(L)を使用して、LA または LB フィールド値の実際の長さを取得または指定できるようになりました。 このインジケータは、アスタリスク表記のフォーマット要素と組み合わされることが多く、この場合のフィーマット要素はフィールド値のみを指定し、長さインジケータが値の長さを指定します。 詳細は、「長さインジケータ(L)」を参照してください。
LA および LB フィールドの場合、フォーマット要素に指定できる固定長は、253 バイトから(理論上)最大 2,147,483,647 バイト(2 GB)までです。
これらのバッファの詳細については、「バッファの定義」を参照してください。
バージョン 8 では内部 FDT 構造が拡張され、これらの大きな FDT は 4 個以上のアソシエータブロックを使用することができます。 大きな FDT に必要な追加のブロックは、アソシエータのフリースペースから自動的に割り当てられます。 下位互換性および変換に対応できるように、アソシエータ内の FDT 用の固定スペースが確保されます。
FDT でフィールドを定義するための新しいオプションが追加されました。
ラージオブジェクトフィールドの定義には、新しい LB(ラージオブジェクト)オプションを使用できます。
FDT の英数字フィールドおよびワイド文字フィールドの定義には、新しい NB(非空白圧縮)オプションを使用できます。 このオプションを指定した場合、フィールドの末尾の空白が Adabas によって削除されなくなります。 デフォルトでは、NB は指定されておらず、Adabas は英数字およびワイド文字の値を格納するときに末尾の空白を削除します。
FDT の更新の詳細については、「フィールドオプション」を参照してください。
LF コマンドのコマンドオプション 2 に "I" を指定した場合、すべてのフィールド情報が新しい Adabas 8 内部形式で返されます。
ダイレクトコールの変更に加えて、前述のとおり、LB フィールドに対応するように LF コマンド機能が変更されました。 コマンドオプション 2 に "S" を設定して LF コマンドを実行したときに、ラージオブジェクトフィールド(LB フィールド)が検出されると、LB フィールドの状態が F タイプのフィールドエレメントに返されます。 第 2 フォーマットバイト(エレメントのオフセット 7 またはバイト 8)のビット 6 が、このフィールドに LB(ラージオブジェクト)オプションが設定されたことを示すために設定されました。 さらに、第 2 フォーマットバイトのビット 1 は、LB フィールドが、NB オプション付きで定義されているかどうかを示します。 詳細については、「LF コマンド:フィールド定義の読み込み」を参照してください。
Adabas 8 には、新しい Adabas SVC が含まれています。 この SVC は、下位互換性が完全に確保されています。 つまり、新しい Adabas 8 SVC は、Adabas 7、またはそれ以前のデータベースで使用することができます。
注意:
Adabas 8 データベースを使用している以前の Adabas リリースから Adabas SVC を使用することは、できません。
これを行おうとすると、Adabas 8 のデータベースは正常に初期化されません。
z/OS システムでは、新しい SVC のパフォーマンスが向上し、エラーリカバリルーチンが改善されています。 新しい SVC では、SRB モードルーチンから TCB モードルーチンにワークが移行していることに注意してください。 Adabas 8 SVC のパフォーマンスを分析する際は、この点を考慮に入れてください。 新しい SVC では、SRB モードのオーバーヘッドが大幅に削減され、TCB モードのオーバーヘッドが若干増加しましたが、結果的には全体的な SVC のパフォーマンスは向上しています。
z/OS システムの新しい SVC では、Adabas ニュークリアスおよびその他の MPM サーバー(Entire Net-Work、Natural グローバルバッファプールなど)が APF 認可されている必要があります。 クライアントプログラムからのコールを受け取って、そのコールに応答するサーバーとして自身を設定しようとする未認可のプログラムがあった場合でも、この APF 認可によって、Adabas SVC の使用を回避することができます。 Software AG では、セキュリティリスクを軽減するため、APF 認可の実行を強くお勧めします。 ただし、ご要望に応じて、Software AG では、この要件を省略する ZAP を提供しています。 詳細は、Software AG サポートにお問い合わせください。
注意:
一部のアドオン製品では、制限付き z/OS サービスを使用するために APF 認可が必要となる場合があります。 このような場合でも、APF
認可が必要です。
通常、Adabas ユーティリティはすべて、Adabas 8 の新しい拡張機能をサポートするように更新されています。 このサポートの一部は、新規、または修正されたユーティリティパラメータの形で現れます。 それ以外の場合は、サポートは内部的に追加され、ユーティリティの使用に影響はありません。
次の表では、このリリースでユーザーインターフェイスが変更された Adabas ユーティリティについて説明します。 Adabas ユーティリティの機能の詳細については、「ユーティリティ」を参照してください。
ユーティリティ | 変更の概要 |
---|---|
ADAACK |
ADAACK ユーティリティでは、スパンドレコードのサポートが提供されます。 ただし ADAACK は、渡された ISN をプライマリ ISN、またはレコードの唯一の ISN と見なします。 ISN がスパンドレコードのプライマリ ISN の場合、スパンドレコードの関連するすべてのセグメントレコードは、自動的にセカンダリアドレスコンバータ内でチェックされます。 特定の ISN についてのエラー情報を出力する場合、ADAACK ユーティリティでは、レコードがスパンされている場合に、問題がプライマリ ISN とセカンダリ ISN のどちらかなのかを示すようになりました。 |
ADACDC |
現時点では、スパンドレコードは ADACDC ユーティリティでサポートされていません。 ただし、ADACDC 実行で IGNORESPANNED パラメータが指定されると、ADACDC 処理はスパンドレコードを無視して警告メッセージを発行し、処理を続行します。 リターンコード "4" が返されます。 |
ADACMP |
ADACMP によって、COMPRESS 機能または DECOMPRESS 機能の FORMAT パラメータから作成される内部フォーマットバッファの長さが 64K バイトに制限されなくなりました。 次の新しいパラメータが ADACMP COMPRESS ユーティリティに追加され、MU/PE 拡張、スパンドレコードおよび LB フィールドがサポートされました。
既存の ADACMP COMPRESS パラメータに次の変更が行われました。
ADACMP DECOMPRESS 処理では、拡張 MU および PE の制限が可能です。また、スパンドレコードを入力とすることも可能です。 各非圧縮出力レコードの MU または PE 値に先行するバリューカウントのサイズは、拡張 MU および拡張 PE がファイルでサポートされているかによって異なります。 拡張 MU および拡張 PE がファイルでサポートされている場合、バリューカウントは 2 バイトになります。 拡張 MU および拡張 PE がファイルでサポートされていない場合、バリューカウントは 1 バイトになります。 さらに、次の機能がサポートされています。
従来、ADACMP エラーに生成される DD/FEHL エラーデータセットは、FEHL 物理レコード長を超える拒否レコードを切り捨てていました。 バージョン 8 では、拒否されたレコードは切り捨てられずにセグメント化されます。 この変更により、DD/FEHL LRECL 設定には、最低 500 バイトが必要となります。 |
ADADBS |
ADADBS ユーティリティに、4 つのデータベースサービスが追加され、MU/PE フィールドの数の増加とレコードのスパンがサポートされました。
また、ADADBS NEWFIELD 機能の FNDEF 定義を使用すると、FDT にラージオブジェクト(LB)を追加できます。 |
ADADCK |
ADADCK ユーティリティは、次のようにスパンドレコードのヘッダーの妥当性をチェックします。
新しい MAXPISN パラメータが導入され、データストレージファイルがスパンされているかどうかのチェックが行われるプライマリ ISN の最大数を設定できるようになりました。 デフォルトは 1000 です。 |
ADAFRM |
ADAFRM ユーティリティを使用して、PLOG 全体の再フォーマットをすることなく、PLOG から複数の PLOG ヘッダーを消去できるようになりました。 これを行うには、FROMRABN パラメータと同時に NUMBER パラメータも指定する必要があります。また、SIZE パラメータを "1" に指定する必要があります。 さらに、このユーティリティは、Adabas 8 で可能なより多くの物理アソシエータおよびデータストレージエクステント(99 個)を扱えるようになりました。 |
ADAICK |
ADAICK DSCHECK 機能を実行すると、プライマリおよびセカンダリ ISN が出力で識別されるようになりました。 |
ADALOD |
ADALOD LOAD および UPDATE 機能で、スパンドレコードおよび関連するセカンダリアドレスコンバータをサポートする次の新しいパラメータが導入されました。
ラージオブジェクト(LB)フィールドおよび関連する LOB ファイルをサポートできるように、次の新しいパラメータおよびパラメータ値が ADALOD LOAD 機能に導入されました。 |
ADAORD | スパンドレコードをサポートするため、次の 2 つの新しいパラメータが、ADAORD の
REORASSO、REORDB、REORFASSO、REORFILE、および STORE 機能に追加されました。
セカンダリアドレスコンバータは、セカンダリスパンドレコードのセカンダリ ISN を、セカンダリレコードが格納されているデータストレージブロックの RABN にマッピングするために使用されます。 |
ADAREP |
ADAREP により生成されるレポートに、MUPEX およびスパンドレコードオプションがデータベースに設定されたかどうかを表す項目が追加されました。 レポートの[Contents of Database]セクションでは、次の変更が行われました。
レポートの[File Options]セクションでは、"T" は、2 バイトの MU/PE インデックスがファイルでアクティブであることを示し、"S" は、ファイルでスパンドレコードの使用が有効になっていることを示します。 さらに、[Contains LOB Fields]列は、ファイルが 1 つまたは複数の LB フィールドを含んでいるかどうかを示し(含まれている場合は "L" を表示)、[LOB File]列(最後の列)は、ファイルが LOB であるかどうかを示します(LOB ファイルの場合は、"L" を表示)。 これらの 2 つの LB フィールド列は互いに排他的であり、どちらか一方しかマークされません。 レポートの[Physical Layout of the Database]セクションでは、2 次的なアドレスコンバータエクステント(スパンドレコード用)は[Table File Type]列で[AC2]と表示されます。 レポートの[File Information]セクションでは、[Two Byte MU/PE]という新しいフィールドが 2 バイトの MU/PE インデックスがファイルでアクティブかどうかを示します。 同じセクションでは、最大、予想される最大、および最小のセカンダリ ISN が表示され、また、新しい[Spanned Rec Supp]フィールドには、スパンドレコードがファイルでアクティブかどうかが示されます。 さらに、[Contain LOB Fields]フィールドは、ファイルに 1 つ以上の LB フィールドが含まれているかどうかを示し、[LOB File]フィールドはファイルが LOB ファイルであるかどうかを示します。 レポートの[Space Allocation]セクションでは、2 次的なアドレスコンバータエクステント(スパンドレコード用)は[List Type]列で[AC2]と表示されます。 最終的に、Adabas ニュークリアス 75、76 および 77 により、3 個の新しいチェックポイントが書き込まれる可能性があります。 |
ADASAV |
ADASAV RESTONL FMOVE および ADASAV RESTORE FMOVE 機能で、スパンドレコードおよび関連するセカンダリアドレスコンバータをサポートする次の新しいパラメータが導入されました。
|
ADASEL | 新しいパラメータはありませんが、ADASEL は更新され、MU/PE の拡張がサポートされました。
特に、ADASEL SELECT IF ステートメントで MU または PE フィールドのインデックスを指定する場合、インデックスは
"1" から "65,534"
の範囲で指定できるようになりました。 以前のリリースの Adabas
では、これらのインデックス値の範囲は、"1" から
"191" に制限されていました。
ADASEL は、その処理中にスパンドレコードを認識しますが、スパンドレコードが含まれたファイルを処理することができません。 |
ADAULD |
新しいパラメータはありませんが、ADAULD が MU/PE 拡張機能、LB フィールド、およびスパンドレコードをサポートするように更新されました。 特に、実行中に読み書きされるレコードセグメント数を表示する 2 つの新しい統計が ADAULD ユーティリティにより生成されます。 |
Adabas 8 に次の ADARUN パラメータが追加されました。
CLOGLAYOUT パラメータで新しく値 8 が有効になりました。この値は、Adabas 8 コマンドのロングフォーマットに対応しています。 詳細は、「CLOGLAYOUT コマンドログレイアウト」を参照してください。
この新しいパラメータをサポートするために、LORECX と呼ばれる新しい DSECT が用意され、これによって CLOGLAYOUT=8 レコードレイアウトが記述されます。 詳細については、「コマンドログフォーマット」を参照してください。
Adabas 8 ABD、マルチフェッチバッファ、およびユーザーバッファのログ処理をサポートするために、3 つの新しい LOGGING パラメータが追加されました。 これらのサブパラメータは、LOGABDX、LOGMB、および LOGUB です。
CLOGBMAX パラメータが新しく追加されました。 このパラメータを使用すると、ログバッファの最大サイズを指定することができます。 バッファが大きくなると、サイズが CLOGBMAX パラメータの設定を超えた位置からログバッファが切り捨てられます。 CLOGBMAX 設定は、CLOGLAYOUT=5 および CLOGLAYOUT=8 の両方の ADARUN LOGGING パラメータ指定に適用されます。
CLOGMAX パラメータが新しく追加されました。 このパラメータを使用すると、Adabas コマンドで使用されるすべてのログバッファの最大サイズを指定できます。 Adabas コマンドのログ記録バッファの合計サイズが CLOGMAX パラメータの値に到達すると、制限を超えたバッファは切り捨てられ、以降のバッファは削除されます。 CLOGMAX 設定は、CLOGLAYOUT=5 および CLOGLAYOUT=8 の両方の ADARUN LOGGING パラメータ指定に適用されます。
以前のバージョンの Adabas では、データベース I/O の EXCP または EXCPVR の使用と、ロードライブラリの APF 認可は相互に関連します。 APF 認可なしで実行している場合は常に EXCP が使用され、APF 認可ありで実行している場合には EXCPVR が常に使用されます。 APF 認可を実行している場合に EXCP を使用するには、特別な A$- zap または AY- zap の適用が必要です。
このリリースでは、z/OS 環境で使用できる新しい ADARUN パラメータ、EXCPVR が導入されています。 このパラメータを使用すると、APF 認可の実行時に EXCP または EXCPVR のどちらを使用するかを指定できます。 このパラメータの詳細については、「EXCPVR:EXCP または EXCPVR の使用の制御」を参照してください。
zap はもう必要ないため、古い A$-zap や AY-zap に対する更新は提供されません。
LNKGNAME パラメータが新しく追加されました。 このパラメータを使用すると、Adabas 8 バッチ/TSO リンクルーチンでデフォルト情報を取得して、リンクした出口を呼び出すために使用するリンクグローバルテーブルの名前を指定できます。
PROGRAM パラメータで値 RENTUSER が新しく有効になりました。 この値を使用すると、リエントラント Adabas バッチ/TSO リンクルーチンを使用してユーザープログラムを実行するように指定できます。
BS2000 システムで、Adabas Review や Adabas Parallel Services などの製品のサブタスクに共通メモリプールのサイズ(バイト)を指定できる新しいパラメータ SUBMPSZ が追加されました。
ADARUN パラメータの詳細については、「Adabas の初期化(ADARUN ステートメント)」を参照してください。
CLOGLAYOUT=8 を使用して作成された Adabas 8 コマンドログのタイムスタンプは、マシンタイム(GMT)で格納されます。一方、CLOGLAYOUT=5 タイムスタンプは常にローカルタイムで格納されます。 LORECX レコードレイアウトには、CLOG レコードが書き込まれた時点のマシンタイムとローカルタイムの差が格納された時間差フィールドが含まれます。 このフィールドにより、コマンドログレコードのローカルタイムの計算が可能になります。 タイムスタンプ形式の違いにより、異なる CLOGLAYOUT 設定を用いて作成されたコマンドログを混在させたり、マージしたりすることはお勧めしません(実際にクラスタ、または Parallel Services 環境の Adabas では許可されていません)。 詳細は、「CLOGLAYOUT コマンドログレイアウト」を参照してください。
PRILOG 出力プログラムのパラメータが変更されました。
CLOGLAYOUT パラメータで値 8 が新しく有効になりました。 この値は、ADARUN CLOGLAYOUT=8 で作成されるコマンドログに対応しています。
新しい有効値(ACBX、MB、PB、および VERB)が FIELDS パラメータに追加されました。 これらの値は、Adabas 8 の新機能および拡張機能に対応しています。
新しいパラメータ、DIMENSIONS が追加されました。 このパラメータにより、出力形式を指定できます。
PRILOG 出力を制限できる新しいコマンド選択パラメータが追加されました。
PRILOG 出力プログラムの詳細については、「PRILOG(コマンドログの出力)」を参照してください。
Adabas 8 では、新しいユーザー出口 11 とサンプル出口 UEX11UX1 がサポートされています。 既存のユーザー出口 1 の前にサンプルユーザー出口 UEX11UX1 を挿入すると、Adabas 8 でユーザー出口 1 をユーザー出口 11 として使用することができます。 このサンプルユーザー出口は、ダイレクトコールで ACBX ダイレクトコールインターフェイスではなく、ACB ダイレクトコールインターフェイスが使用される場合にのみ使用できます。 詳細については、「ユーザー出口 1(一般処理)」を参照してください。
新しいユーザー出口 11 では、ユーザー出口 1 のすべての面がサポートされているだけでなく、ACB タイプと ACBX タイプの両方のダイレクトコールに対応しています。 唯一の違いは、ユーザー出口 11 が Adabas のオリジナルの構造そのものではなく、Adabas 構造のコピーを処理することです。 ユーザー出口 11 の詳細については、「ユーザー出口 1(一般処理)」を参照してください。
Adabas 8 では、ロング英数字(LA)フィールドが更新され、ラージオブジェクト(LB)フィールドに対する多数のサポートが有効になりました。
今回のリリースでは、ロング英数字(LA)フィールドで次の更新が行われました。
LA フィールドは、フォーマットバッファ内で 253 個を超える固定フィールド長を指定できるようになりました。 詳細については、「フォーマットバッファの変更点」を参照してください。
新しいアスタリスク(*)フィールド長指定が、フォーマットバッファ内の LA フィールドでサポートされます。 アスタリスクフィールドの長さ指定の詳細については、「アスタリスク(*)を使った長さ表記」を参照してください。
長さインジケータと呼ばれる新しいフォーマットバッファインジケータ(L)を使用して、LA または LB フィールド値の実際の長さを取得または指定できるようになりました。 詳細は、「長さインジケータ(L)」を参照してください。
マルチプルバリュー LA フィールドおよびピリオディックグループ内の LA フィールドに基本フィールドを指定する場合は、オカレンスインデックスまたは "1-N" インデックスが必要です。 特定のインデックスまたはインデックス範囲を使用する必要があります。 例えば、L2 が MU オプション付きの LA フィールドの場合、次のフォーマットバッファ指定は無効です。
FB='L21-N.'
FB='L2.'
ただし、L2 フィールドの 1 番目から 3 番目の値を要求している次のフォーマットバッファ指定は有効です。
FB='L21-3.'
z/OS 環境では、システムリソースの使用を最適化するために、Adabas 8 の I/O ルーチンにさまざまな拡張が行われました。 このリリースの Adabas では、z/OS でサポートされている場合は必ず、I/O 要求に Format-1 CCW が使用されます(z/OS には EXCPVR を持つすべてのリリースの z/OS および EXCP を持つ z/OS 1.6 以降を含む)。 これにより、I/O 要求が 16M 境界を超えるストレージフレームを占有できるようになり、16M 境界よりも下のストレージに対する制約を低減することができます。
Adabas I/O コントロールブロックは、できる限り、16M 境界よりも上に移動されています。
また、Adabas 8.1.1 で各 I/O 要求中に固定されるストレージ量が最小になったため、EXCPVR を使用する各 Adabas ニュークリアスまたは ユーティリティのページ固定要件が少なくなりました。 さらに、Adabas 7.4.4 で導入された ADARUN PGFIX パラメータを使用すると、EXCPVR が使用されている場合にどのようにページ固定を実行するかを制御できます。 このパラメータの使用の詳細については、「PGFIX:EXCPVR ページ固定制御」を参照してください。
Adabas 8 ではデフォルト値として TP モニタルーチンおよびバッチモニタルーチンが完全にリンクされていますが、TP モニタおよびバッチモニタのインストールを調整するために、新しいリンクグローバルモジュールおよび関連する LGBLSET マクロも導入されています。 このモジュールとマクロを使用すると、Adabas 8 のソースを編集することなく、リンクルーチンコンポーネントのデフォルト値を設定することができるため、TP モニタおよびバッチモニタのインストールを大幅に簡略化できます。 さらに、Adabas 8 リンクルーチンをサポートするためにさまざまな新しいモジュールが追加されています。
Adabas 8 では、既存の Adabas 7 アプリケーションが Adabas 8 でも機能するように、従来の Adabas 7 TP モジュールおよびバッチモジュールが提供されています(名前は変更されました)。 これらのモジュールは、以前のリリースと同様に調整できます。
注意:
Adabas 8 CICS TP モニタはすべて、タスク関連ユーザー出口(TRUE)を使用します。 実行できる TRUE
以外のインストールは、Adabas 7 リリースのインストールだけです。
TP モニタおよびバッチモニタのインストールの詳細については、「TP モニタを使用する場合の Adabas のインストール」を参照してください。
ライセンスコンポーネントが新しく提供されています。 このコンポーネントは、インストール済みのソフトウェアに割り当てられたライセンスキーと CPU ID を照合して、これらが一致しない場合に警告メッセージを発します。 このライセンスコンポーネントが新しく導入されたため、ニュークリアスの起動を変更する必要があります。
Adabas のライセンスの詳細については「Adabas のライセンス」を、製品ライセンスファイルのインストール方法については、該当するインストール手順を参照してください。
Adabas 8 における BS2000 のデフォルトのデバイスタイプは 2002 です。 このデバイスタイプは NK4 ディスクと互換性がありますが、以前のデフォルトのデバイスタイプ、2000 は互換性がありません。 ライセンスファイルは、ニュークリアス BLSLIB チェーンにあるライブラリに組み込まれています。
また、BS2000 には ADARUN パラメータ SUBMPSZ が新しく追加されました。 このパラメータを使用すると、Adabas Review や Adabas Parallel Services などの製品のサブタスクに共通メモリプールのサイズ(バイト)を指定できます。
このリリースでは、ハイパーディスクリプタの指定で拡張 MU/PE フィールドをサポートするために、ハイパー出口ロジックが更新されています。
さらに、Adabas 8 にはハイパー出口スタブが含まれており、既存のハイパー出口は Adabas 8 パラメータリストを変更せずに使用することができます。 ハイパー出口スタブは、新しい Adabas 8 パラメータエリアを使用するために既存のハイパー出口をすぐに更新したくないお客様に向けた一時的な解決方法として用意されています。 Adabas 8 におけるすべてのハイパー出口のサポートについては、「ハイパーディスクリプタ出口 01 - 31」を参照してください。