このドキュメントでは、プロファイルパラメータに値をスタティックに、ダイナミックに、およびランタイム時に割り当てる方法について説明します。
以下のトピックについて説明します。
各プロファイルパラメータの詳細については、『パラメータリファレンス』ドキュメントを参照してください。
プロファイルパラメータの値は以下の 3 つのソースから取得されます。
スタティックな割り当て
マクロ NTPRM
および Natural パラメータソースモジュール(NATPARM
)内の他のマクロによって指定されたプロファイルパラメータ。 これらのマクロはその後、Natural ニュークリアスでアセンブルおよびリンクされます。 指定されないすべてのパラメータには、デフォルト値が割り当てられます。
ダイナミックな割り当て
Natural セッションの実行に対して指定されたパラメータ。 これらのパラメータはスタティックな割り当てより優先され、現在の Natural セッションに有効です。 ダイナミックパラメータは、フロントエンドプログラム、パラメータデータセット(CMPRMIN
)、セッション初期化 JCL、端末入力、または Natural Security から渡すことができます。 また、特定のパラメータを Natural プログラムステートメントで上書きすることもできます。
セッションパラメータ
現在の Natural セッション内でシステムコマンド GLOBALS
(またはレポーティングモードで SET GLOBALS
ステートメント)によって指定されたパラメータ。 このパラメータは、スタティックおよびダイナミックな割り当てを上書きします。
Natural パラメータ割り当ての図:
Natural パラメータモジュール NATPARM
を使用して、すべての Natural 環境のプロファイルパラメータをスタティックに割り当てます。
パラメータモジュールで、マクロ NTPRM
および他のいくつかのマクロを使用して、パラメータを指定します。
パラメータモジュールで行われたすべてのパラメータ設定(パラメータ CSTATIC
を除く)は、Natural セッションの開始時にダイナミックに上書きできます。
技術的な理由から、一部のプロファイルパラメータには、対応するマクロがパラメータモジュールでのスタティックな割り当てに使用されます。 そのため、スタティックな指定とダイナミックな指定の構文は若干異なり、一般形式は以下のようになります。
スタティック: | MACRO-NAME KEYWORD1=value1,KEYWORD2=value2,... |
ダイナミック: | PARAMETER-NAME=(KEYWORD1=value1,KEYWORD2=value2,...) |
例:
パラメータモジュール内のマクロ:NTSORT WRKSIZE=500,EXT=ON
同等のダイナミックプロファイルパラメータ:SORT=(WRKSIZE=500,EXT=ON)
プロファイルパラメータに対応するマクロがある場合は、パラメータの説明に示されています。
スタティックな割り当ての詳細については、「Natural パラメータモジュールの使用」を参照してください。
一部の Natural サブ製品(Natural for DL/I や Natural for DB2 など)では、追加のパラメータモジュールが使用されます。 これらのモジュールについては、該当のサブ製品のドキュメントを参照してください。
Natural セッションの開始時にプロファイルパラメータをダイナミックに指定し、単一の Natural セッション中に Natural パラメータモジュール NATPARM
の各プロファイルパラメータ設定を上書きできます。
例:
NUCNAME='NATNUC#5',IM=D,INTENS=1,DU=OFF,FUSER=(10,32),PROGRAM=' ', WORK=((1),AM=STD,DEST=WORK1,OPEN=INIT),PS=60,LS=120
Natural パラメータモジュールでスタティックにのみ指定できる CSTATIC
を除いて、すべてのプロファイルパラメータはダイナミックに指定できます。
ダイナミックパラメータの割り当ては、コンマまたは空白で区切ります。 ダイナミックパラメータの値に英数字以外の文字や特殊文字が含まれる場合は、値を一重引用符で囲んで指定する必要があります。 NATCONFG
の文字テーブルマクロ NTSCTAB
で定義される特殊文字については、「Natural コンフィグレーションテーブル」を参照してください。
ダイナミックパラメータの使用は、マクロ NTDYNP
または対応するダイナミックプロファイルパラメータ DYNPARM
で有効または無効にできます。
一連のダイナミックパラメータをより簡単に指定するには、プロファイルパラメータ PROFILE
または SYS
を使用します。 また、Natural Security では多数のダイナミックパラメータを設定できます。
ダイナミックパラメータ内にコメント文字列を挿入できます。 コメントは "/*" で開始し "*/" で終了します。 コメント文字列の終了デリミタがない場合は、セッション初期化時にエラーメッセージが発行されます。
例:
PARM=MYPARMS /* my comment */ ADANAME=ADALNKR,PROFILE=MYPROF
ダイナミックパラメータ設定は、セッション開始時に Natural に渡されます。 パラメータ値を Natural に渡すメソッドは環境によって異なります。
バッチモードの z/OS の例:
値は、Natural を開始する EXEC
ジョブ制御文内の PARM
キーワードで指定されます。
また、ダイナミックパラメータはデータセット CMPRMIN
で指定できます。
さらに、制御を Natural に渡すフロントエンドプログラムを、z/OS 標準に従ってセッションのダイナミックパラメータで作成できます。
ダイナミックパラメータは、以下のように、JCL EXEC
ステートメントで PARM
指定を使用して直接渡すことができます。
// EXEC NATBATCH,PARM='dynamic parameters...',SIZE=...
または、以下のように、PARM='SYSRDR'
を指定して、Natural が SYSRDR からダイナミックパラメータを読み取るようにすることができます。
// EXEC NATBATCH,SIZE=...,PARM='SYSRDR' dynamic parameters ... /* END OF DYNAMIC PARAMETERS
PARM
キーワードが JCL EXEC
ステートメントで指定されていない場合は、以下のように、互換性保持のために JCL OPTION
ステートメントの SYSPARM
パラメータがチェックされます。
... // OPTION SYSPARM='SYSRDR' // EXEC NATBATCH,SIZE=... dynamic parameters ... /* END OF DYNAMIC PARAMETERS
一部のプロファイルパラメータには、対応するセッションパラメータを使用して、ランタイム時に Natural セッション内で値を割り当てることができます。 セッションパラメータ値により、プロファイルパラメータ値が上書きされます。
プロファイルパラメータに対応するセッションパラメータがある場合は、プロファイルパラメータの説明に示されています。
セッションパラメータはシステムコマンド GLOBALS
で指定されます。 セッションパラメータの詳細については、『パラメータリファレンス』ドキュメントを参照してください。 システムコマンドの詳細については、『コマンドリファレンス』ドキュメントを参照してください。
例:
GLOBALS SA=ON,IM=D
レポーティングモードでは、セッションパラメータをプログラムの SET GLOBALS
ステートメントで指定することもできます。
一部のプロファイルパラメータは、端末コマンドを使用して Natural セッション内で上書きすることもできます。 プロファイルパラメータに対応する端末コマンドがある場合は、プロファイルパラメータの説明に示されています。 端末コマンドについては、『端末コマンド』ドキュメントを参照してください。
例:
SET CONTROL 'T=3279'
プロファイルパラメータ TTYPE
の値が上書きされます。