このドキュメントでは、Natural スクラッチパッドファイルの目的、使用、およびメンテナンスについて説明します。
以下のトピックについて説明します。
スクラッチパッドファイルは、FNAT
や FUSER
と同様な Natural システムファイルで、ファイルの物理的なレイアウトも同じです。 スクラッチパッドファイルを使用すると、保存画面イメージや、Natural のソース、オブジェクト(SAVE
、CATALOG
、STOW
)、エラーメッセージのように明示的に保存されないデータなどを、システムファイル FNAT
または FUSER
以外のファイルに保存できるようになります。
FNAT
および FUSER
とは対照的に、スクラッチパッドファイルは Natural セッションで必須ではありません。
しかし、システムファイルに対して読み取り専用アクセス(プロファイルパラメータ ROSY=ON
)で作業している場合は、スクラッチパッドファイルを定義する必要があります。そうしないと、上記のデータを保存することができず、該当するエラーメッセージ(NAT0106)が発行されます。 スクラッチパッドファイルは、読み取り専用アクセスから除外されます。
Software AG 製品の他のすべてのシステムファイルと同様に、スクラッチパッドファイルも論理ファイルです。 スクラッチパッドファイルの論理ファイル番号は 212 です。
ニーモニック(FNAT
、FUSER
、FDIC
など)はスクラッチパッドファイルにはないため、以下のいずれかの方法で定義する必要があります。
NTLFILE
および LFILE
定義の例:
LFILE
パラメータ:
LFILE=(212,physical-dbid,physical-fnr,password,cipher-key)
NTLFILE
マクロ:
NTLFILE 212,physical-dbid,physical-fnr,password,cipher-key
以下のオブジェクトがスクラッチパッドファイルに保存されます。
レコーディングユーティリティと NATPAGE
ユーティリティの使用量は事前に計算できないため、関連するストレージ要件を適切に見積もるのはほとんど不可能です。 ただし、サイトで必要なスクラッチパッドファイルのサイズは、保存されるレコードのタイプをよく理解することにより見積もることができます。
『ユーティリティ』ドキュメントで説明しているように、レコーディングユーティリティは端末コマンドを使用してアクティブにします。 レコーディングは Natural ソースプログラム(または他のオブジェクトタイプ)と同様に保存されます。 レコーディングのサイズは、レコーディングセッション中に行われた画面入力の数によります。 レコーディングはライブラリ関連のプログラムに類似しています。
現在、スクラッチパッドファイル上のレコーディングを Natural LIST
システムコマンドを使用してリストすることはできません。 ただし、SYSMAIN
を使用して、スクラッチパッドファイルに保存されているレコーディングをリストおよびメンテナンスすることができます。 スクラッチパッドファイルの代わりに FNAT/FUSER
ファイルにレコーディングを保存するには、プロファイルパラメータ RFILE
を設定します。
レコーディングをシステムファイル FNAT
または FUSER
に保存中の場合は、ユーザーのアプリケーションプログラムで発行されるトランザクションのバックアウト(BT)の影響を受けます(中断されます)。 これはレコーディング機能を使用するユーザーが経験する一般的な問題で、スクラッチパッドファイルを使用することで回避できます。
画面ページングユーティリティ NATPAGE
を使用して、画面イメージを(表示された順に)スクラッチパッドファイルに保存できます。 NATPAGE
は、端末コマンド %P
を使用してアクティブにできます。 %P
が発行された時点から端末コマンド %O
が入力されるまで、エンドユーザーに表示されたすべての画面がスクラッチパッドファイルに保存されます(セッションに定義している場合)。 キャプチャされた画面は、端末コマンド %E
を使用して表示できます。
各画面イメージについて、ページバッファとページ属性バッファの現在の内容が保存されます。 これは、保存されるデータ量がセッションのプロファイルパラメータ PS
/LS
の設定と画面イメージ数によることを意味します。 ユーザーセッション当たり可能な画面数は、プロファイルパラメータ PD
によります(デフォルトは 50、有効な値は 0~255)。
ページバッファのサイズは以下の式で計算できます。
PS * LS
ページ属性バッファのサイズはダイナミックに決められます。
スクラッチパッドファイルは、十分なサイズであれば、メンテナンスは不要です。
スクラッチパッドファイル上のレコーディングは、ユーティリティ SYSMAIN
を使用して、削除、コピー、移動、およびリストすることができます。
キャプチャされた画面は、端末コマンド %E
を使用して削除できます。
ただし、SETUP
レコードと保存画面イメージは Natural では一切メンテナンスできません。
スクラッチパッドファイルのスペースは、Adabas ユーティリティを使用して更新することにより再利用できます。この更新は、スクラッチパッドファイルを使用する後続の Natural セッションに影響を与えないように、非アクティブ時に行います。