レコーディングユーティリティを使用すると、Natural セッションを記録し、記録したセッションを後で再生できます。
「レコーディングユーティリティ」ドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
レコーディングユーティリティは次の目的に使用できます。
デモンストレーション
入力データなどの複数のコマンドを入力する代わりに、記録したキーボードアクションシーケンスを再生して標準手順を実行できます。
アプリケーション開発
例えば、複数のオブジェクト(プログラムやマップなど)に同じ変更を適用する場合、レコーディングを使用すると、必要な作業量を減らすことができ、関連するすべてのオブジェクトに同じ変更を加えることができます。
テスト
記録を再生するだけで、標準のテスト手順を実行できます。
品質管理
アプリケーションを変更する前と後に、記録を再生して 2 つの実行結果を比較することで、変更により特定の影響を受けなかったことを確認できます。
ユーザー訓練
記録の再生をユーザー訓練プログラムに組み込むことによって、ユーザーに特定の手順を示すことができます。 あるセッションにおけるユーザーのキーボードアクションを記録しておき、誤入力や効率的な入力方法をユーザーに知らせることもできます。 ユーザーアクションの記録は、アプリケーションのユーザーインターフェイスに関する欠陥を検出する場合にも役立ちます。
レコーディングユーティリティでは、次の情報が記録されます。
画面で入力するすべての入力データおよびコマンド(端末コマンドなど)
使用するすべてのファンクションキー(PF キー)
システム変数 *CURSOR
(『システム変数』ドキュメントを参照)に含まれている現在のカーソル位置
このセクションでは、記録を有効および無効にする手順について説明します。
以降のすべての記録を保存するライブラリを指定するには
次の端末コマンドを入力します。
%B=library-name
library-name を指定しないで記録プロセスを有効にすると、記録を保存するライブラリの名前は、記録プロセスを有効にしたときのシステム変数 *INIT-USER
(『システム変数』ドキュメントを参照)の値と同じなります。
セッションを記録中に別のライブラリにログオンしても、記録が保存されるライブラリは同じままです。つまり、%B=
または *INIT-USER
ライブラリで指定したライブラリのいずれかです。これは、1 回の記録で、複数のアプリケーション間のキーボードアクションを記録できることを意味します。
記録を有効にするには
次の端末コマンドを入力します。
%Bname
以降のすべてのキーボードアクションが記録されます。
name は、記録されたデータが Recording タイプの Natural オブジェクトとしてソース形式で保存されるときの名前を指定します。 このソースは、他の Natural ソースと同様に扱うことができます(削除やコピーなどが可能)。ただし、編集はしないでください。記録にはバイナリデータが含まれており、エディタによって破壊されるためです。
name は 1 回だけ指定できます。 記録先として指定したライブラリ内に同じ名前の記録オブジェクトがすでに存在している場合、「RECORDING 処理内エラーがあります
」というメッセージが返されます。
注意:
記録中に、非アクティビティタイムアウトなどによりトランザクションのバックアウトまたはロールバックが発生すると、記録の一部が削除されるため、記録全体が使用できなくなります。
記録中に入力される端末コマンド %A
name の後には端末コマンド %B
を続けて入力する必要があります。次の「%A
の記録」を参照してください。
記録を無効にするには
次の端末コマンドを入力します。
%B
記録が終了します。
記録を再生すると、例えばコマンドおよびファンクションキーのシーケンスが実際に再実行されます。
記録は端末タイプとは無関係です。つまり、ある端末で記録されたセッションを別のタイプの端末で再生できます。 記録をバッチモードで再生することもできます。記録されたオンラインセッションは、バッチモードで再生すると異なる動作をします。
このセクションでは、次のトピックについて説明します。
記録は、バックグラウンドモードおよびステップモードのいずれかで再生できます。
バックグラウンドモードの場合、記録全体が非表示で再生されます。つまり、記録されているすべてのキーボードアクションが実行されている間、端末画面には何が実行されているか表示されません。 バックグラウンドモードで再生すると、記録に端末コマンド %R
(「記録の操作」を参照)が含まれている場合を除いて、記録の再生を中断できません。
ステップモードの場合、記録は 1 ステップずつ再生され、すべてのキーボードアクションが画面に表示されます。 任意のファンクションキーを選択すると、次のステップに進むことができます。 ステップモードでは、CLEAR キーを押すと記録の再生を中断することもできます。「再生の中断」を参照してください。
デフォルトでは、記録はバックグラウンドモードで再生されます。
モードを設定するには
ステップモードを有効にするには、次の端末コマンドを入力します。
%GON
ステップモードを無効にしてバックグラウンドモードを有効にするには、次の端末コマンドを入力します。
%GOFF
ステップモードとバックグラウンドモードを交互に切り替えるには、次の端末コマンドを入力します。
%G
記録を再生するには
次の端末コマンドを入力します。
%Aname
指定した名前で保存された記録が再度実行されます。
%Aname
の記録
セッションの記録中にコマンド %Aname
を発行すると、%Aname
で指定された記録は実行されず、記録対象のオブジェクトソースにコマンド %Aname
が含まれます。 このため、ある記録内で別の記録を実行し、複数の記録を連結できます。 ただし、記録はネストできません。%A
name コマンドが含まれている記録は、このコマンドより後の記録の実行が停止され、name が終了しても残りの実行は再開されません。 したがって、%A
name の後に続く記録データは再生されません。 これを回避するには、記録中に %A
name および %B
を続けて入力する必要があります。
ステップモードで再生中の記録を中断するには
CLEAR キーを押します。
記録を中断したら、次のことを行うことができます。
記録の再生を停止した場所からセッションの再生を正常に続行できます。
追加のキーボードアクションを記録に挿入できます。CLEAR キーを押した後にコマンド %B
を入力すると、%B
を再度入力するまで、実行するすべてのアクションが記録ソースに挿入されます。 その後、記録が再開されます。
記録の次のステップを変更できます。CLEAR キーを押した後、コマンド %R
を入力してから、次のステップとして入力データを新たに指定します。 記録されたソース内にあるこのステップの入力データは、新たに指定した入力データで上書きされます。 Enter キーを押すと、新しい入力データが記録されたこのステップが実行され、記録が再開されます。
任意のヘルプルーチンを実行できます。CLEAR キーを押した後、コマンド %J
を入力し、続いて希望するヘルプルーチンの名前を入力します。 ヘルプルーチンが呼び出され、ヘルプルーチンの実行が終了するとすぐに記録が続行されます。
端末コマンド %R
を記録することにより、再生時に記録の単一のステップを操作できます。 これは、ステップモードとバックグラウンドモードの両方に適用されます。 バックグラウンドモードの場合、再生中の記録を操作する唯一の方法は %R
です。 例えば、記録時には認識されないパスワードなどの機密データを入力できるようにする操作が必要な場合があります。
最後の画面を再表示する端末コマンド %R
が記録されている場合、記録の再生中に、ユーザー入力用に後続の画面が表示されます。つまり、この画面に表示される入力データは、記録から取得されるのではなく、ユーザーによる入力から取得されます。 その後、記録が続行されます。