バージョン 4.2.5
 —  Installation  —

VM/CMS 環境での Natural のインストール

このドキュメントでは、VM/CMS 環境で Natural をインストールする方法について説明します。

以下のトピックについて説明します。

CMS 環境での Natural の実行方法については、Natural の『オペレーション』ドキュメントの「CMS 環境の Natural」を参照してください。

Unicode およびコードページサポートのインストール関連情報については、『Unicode およびコードページのサポート』ドキュメントの「Unicode/コードページ環境の設定と管理」を参照してください。

vrs または vr の表記について:このドキュメントでは、vrs または vr は、対応するバージョン、リリース、およびシステムメンテナンスレベル番号を表します。 製品バージョンの詳細については、『用語集』の「バージョン」を参照してください。


前提条件

以下の製品をインストールする必要があります。

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Natural CMS 用 VM システムの準備

Natural は、CMS 環境では完全にリエントラントです。 CMS 環境では、Natural を 非連続共有セグメント(DCSS)としてインストールして、VM による不要なページングアクティビティを回避してください。

パフォーマンスを向上させるために、Natural ではバッファプールを使用し、ここで Natural オブジェクトプログラムを保存および実行します。 Natural プログラムを実行すると、プログラムはデータベースからフェッチされ、バッファプールに保存されます。 その後で同じプログラムを起動すると、バッファプールから直接実行されます。 これにより、データベースからのフェッチの繰り返しとそれに伴う IUCV オーバーヘッドが回避されます。

共有バッファプールを使用すると、CMS 環境の Natural ユーザーによってそのバッファプールに配置された Natural プログラムを、CMS 環境の別の Natural ユーザーが実行できます。 共有バッファプールは、書き込み可能な保存済みセグメントにバッファプールをインストールすることで実装されます。

DCSS は、Natural ニュークリアス用に 1 つとバッファプール用に 1 つ、合計 2 つインストールすることをお勧めします。 当然、異なる仮想アドレスに存在する複数のバッファプールを、異なる機能(各種スタティックパラメータ NATPARM や CMS ドライバの各種アセンブラオプション NATCMS など)を持つ複数の Natural ニュークリアス DCSS として定義できます。

バッファプール共有セグメントは SN として定義され(インストール手順の該当手順を参照)、バッファプールは最初の Natural セッションで自動的に初期化されます。 VM の最後の Natural ユーザーが Natural を終了すると、共有セグメントの使用数が 0 になり、バッファプールが CP ストレージから削除されるため、その次の Natural セッションではバッファプールを再度初期化する必要があります。

初期化の繰り返しを避けるには、切断されたサービスマシンの PROFILE EXEC に以下のステートメント行を含めることで、使用数を意図的に 1 に維持します。segment は、Natural バッファプール共有セグメントの名前です。

SEGMENT LOAD segment

これにより、Natural バッファプールの初期化は 1 回だけになり、切断されたサーバーが稼働していれば Natural セッションでバッファプールをすぐに使用できます。

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Natural 用 Adabas システムの準備

Natural システムプログラムは、Natural システムファイル FNAT に保存されます。 ユーザーが作成した Natural プログラムは、Natural システムファイル FUSER に保存されます。 これらのシステムファイルは、Adabas ファイル内に常駐します。 インストール手順の該当手順(下記参照)では、CMS 環境で実行されている Adabas システムで Adabas ファイルをビルドする手順について説明しています。

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Natural CMS システムのビルド

Natural CMS システムのビルドには、以下の手順があります。

Natural ニュークリアスは以下のものとしてビルドする必要があります。

Natural システムファイルは、インストール EXEC である NATINPL を使用してテープから直接ロードされます。インストール手順の該当手順を参照してください。

CMS ドライバ NATCMS は、Natural モジュールと保存済みセグメントに含まれます。 NATCMS ASSEMBLE は、ドライバを生成するマクロ 1 つで構成されます。

マクロパラメータの説明

マクロパラメータの詳細については、インストール手順の該当手順を参照してください。 ドライバ NATCMS とパラメータモジュール NATPARM は、インストール処理中にアセンブルされます。 オプションで、モジュール NATTEXTNATTXT2NATTXT3NATCONFG、および NATPM を変更して再アセンブルできます。

Natural モジュールまたは DCSS にインクルードされるテキストファイルのリストは、REXX プログラム NAT$LOAD EXEC(変数 LOADLIST)に含まれています。 Natural システムをカスタマイズするには、XEDIT を使用してこの EXECLOADLIST を必要に応じて変更します。

インストールに使用するユーザー ID

インストールに使用するユーザー ID は、3390 タイプディスクの 80 シリンダのミニディスクまたは 14000 ブロックの SFS ディレクトリを持っている必要があります。 コマンド CP SAVESYS を発行するには、CP 権限クラス E が必要です。 そのユーザー ID で使用できる仮想マシンのサイズは、生成する予定の保存済みセグメントの最高アドレスに十分対応できる必要があります。

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CMS 環境での Natural のインストールテープ

インストールテープは z/OS 環境で作成されており、標準 z/OS ラベルおよびヘッダーがあります。 以下の表に挙げられているデータセットが収録されています。 データセットの収録順については、インストールテープに付属の「テープ作成レポート」を参照してください。

データセット名 内容
NATvrs.LICS Natural ライセンスキーファイル。 ライセンスキーファイル、ライセンスキーファイルのインストール、製品ライセンスチェック、および製品ライセンスチェックの FAQ については、「Natural のライセンス」を参照してください。

ライセンスキーファイルが電子メールの添付ファイルで提供される場合は、「FTP による PC からホストへのライセンスキーファイルの転送」を参照してください。

NATvrs.SYSF 空の Natural システムファイル。
NATvrs.TAPE CMS インストールマテリアル。 このデータセットは TAPE DUMP フォーマットであり、インストールミニディスクにロードされる必要があります。
NATvrs.ERRN Natural エラーメッセージ。
NATvrs.LDEL バージョン 4.1 の Natural システムオブジェクトの削除手順。
NATvrs.INPL Natural システムオブジェクト。
NATvrs.EXPL Natural サンプルオブジェクト。

ディスクへのテープ内容のコピー

  1. Natural インストールテープには、ライセンスキーファイルが収録されています。

    テープ作成レポート」に示されているように、NATvrs.LICS のシーケンス番号がn であるとすると、3 n - 2 テープマーク(つまり、最初のデータセットは FSF 1、2 番目は FSF 4、以下同様)の位置に移動する必要があります。

    FILEDEF IN TAP1 (RECFM FB LRECL 80 BLKSIZE 3120
    FILEDEF OUT DISK NATLIC DATA A (RECFM F LRECL 80 BLKSIZE 80
    MOVEFILE IN OUT
    
  2. TAPE LOAD コマンド用の位置までテープを巻くには、以下の式に従ってテープマーク数を計算します。

    テープ作成レポート」に示されているように、NATvrs.LICS のシーケンス番号がn であるとすると、3 n - 2 テープマーク(つまり、最初のデータセットは FSF 1、2 番目は FSF 4、以下同様)の位置に移動する必要があります。

  3. Natural インストールファイルを保存するディスクにディスク A としてアクセスします。

    このディスクのサイズは、少なくとも 14000 の 4 KB ブロック(例えば、3390 タイプディスクで 80 シリンダ)である必要があります。

  4. システムオペレータに依頼して、仮想マシンのアドレス X'181' にテープドライブを接続し、Natural インストールテープをマウントします。

  5. 以下の CMS コマンドを発行して、テープを目的の位置まで巻きます。

    TAPE FSF fsfs

    fsfs は、上記で計算したテープマーク数です。

  6. 以下の CMS コマンドを発行して、CMS インストールマテリアルの Natural をロードします。

    TAPE LOAD * * A
  7. テープは引き続きインストール手順でも必要であるため、テープドライブは仮想マシンに接続したままにします。

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FTP による PC からホストへのライセンスキーファイルの転送

ライセンスキーファイルが電子メールの添付ファイルで提供された場合は、添付されたライセンスキーファイル natvr.xml を PC からメインフレームに転送する必要があります。ネイティブ FTP コマンドを使用します。

注意:
ライセンスキーファイルの転送にネイティブ FTP コマンドではなくユーティリティを使用すると、ライセンスキーが破損し、後で Natural を実行できない場合があります。 これは、本来のバイナリファイル転送ではない、特定の文字を変換する 3270 端末エミュレーションに基づくファイル転送などに該当します。

ライセンスキーファイルを PC からメインフレームに転送するには、次の手順に従います。

  1. 電子メールの添付ファイルで提供された製品ライセンスキーファイルを PC のハードディスクに保存します。

  2. コマンドプロンプトウィンドウを開きます。 コマンドプロンプトウィンドウで、製品ライセンスキーファイルが保存されているディレクトリに移動します。

  3. z/VM ホストと通信する FTP セッションを開始します。

    ftp host-name

    host-name は z/VM ホストの名前です。

  4. z/VM ホストのログイン ID とパスワードを入力します。例:<cmsmachine.by.user>

  5. FTP セッションが確立されたら、ライセンスキーファイルの CMS ファイルシステム(SFS)を指定するか、ライセンスキーファイルのミニディスクにアクセスします。

    ftp>cd 'SFS'
  6. バイナリデータモードに切り替えます(転送中、ライセンスファイルの ASCII フォーマットを維持する必要があるため)。

    ftp>binary
  7. ライセンスキーファイルのデータセットが RECFM FIX 80 で書き込まれるように指定します。

    ftp>quote site fix 80
  8. ライセンスをデータセットとして z/VM システムに書き込みます。 例えば、ライセンスキーファイル名が natvrs.xml の場合は、以下のように入力します。

    ftp>put natvr.xml

    このコマンドにより、NATvr.LICS というデータセットが作成されます。

  9. 以下のように指定して、データセットを名前変更するかコピーします。

    NATLIC DATA A

    データセットに保存されるライセンスキー情報は ASCII フォーマットです。

  10. 以下のコマンドを入力して、FTP セッションを停止します。

    ftp>quit

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CMS 環境での Natural のインストール手順

手順 1: VM への Natural 非連続保存済みセグメントの定義

手順 2: FNAT システムファイルのロード

手順 3: FUSER システムファイルのロード

手順 4: FDIC システムファイルのロード

手順 5: FSEC システムファイルのロード

手順 6: スクラッチパッドファイルのロード

手順 7: Software AG ライセンスキーファイルからの TEXT ファイルの生成

手順 8: Natural パラメータモジュールのカスタマイズ

手順 9: Natural をリンクするための INCLUDE リストのカスタマイズ

手順 10: Adabas インターフェイスのリンク

手順 11: Natural モジュールの生成

手順 12: Natural DCSS の生成

手順 13: Natural システムオブジェクトの削除

手順 14: Natural システムファイルおよびエラーメッセージのロード

手順 15: Natural モジュールをユーザーに使用可能にする

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CMS 環境での Natural のインストール確認

インストールを確認するには、次の手順に従います。

  1. 以前の手順で作成した Natural モジュールの名前を CMS コマンドとして発行します。

  2. 以下の事項を確認します。

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