バージョン 6.3.3
 —  ツールおよびユーティリティ  —

SYSNCP - はじめに

ユーザーがダイレクトコマンドを使用してあるアクティビティから別のアクティビティに移動できるアプリケーションは、ユーザーがメニュー階層を経由して目的のアクティビティに移動するアプリケーションよりも、有用性の点ではるかに上回っています。

上の図は、ダイレクトコマンドを使用することの利点を示しています。 メニュー階層がナビゲーションの基盤となっているアプリケーションでは、Display Document(ドキュメント表示)機能から Delete File(ファイル削除)機能へ移動するユーザーは、ドキュメント関連のブランチを経由して Main Menu(メインメニュー)に戻ってから、ファイル関連のブランチに入る必要があります。 これは、Display Document(ドキュメント表示)機能から Delete File(ファイル削除)機能に直接アクセスする場合と比べて、明らかに非効率的です。

以下に参考情報を示します。


オブジェクト指向のデータ処理

Natural コマンドプロセッサを使用して、アプリケーション内のナビゲーションを定義および制御します。 例えば、コマンドプロセッサを使用して、Display Document(ドキュメント表示)機能に直接アクセスできる DISPLAY DOCUMENT コマンドを定義します。 このコマンドを使用できる画面のコマンド行にこのコマンド文字列を入力すると、Natural コマンドプロセッサによって入力が処理され、コマンドに割り当てられているアクションが実行されます。

メニュー方式のアプリケーションとは対照的に、Natural コマンドプロセッサで実装されるコマンド方式のアプリケーションは、オブジェクト指向のデータ処理に向かって大きな一歩を踏み出しています。 このアプローチには次の利点があります。

Natural コマンドプロセッサには、さらに次の利点があります。

Top of page

コマンドプロセッサの機能

Natural コマンドプロセッサには、効率的で使いやすいコマンド操作のための機能が数多く備えられています。

Top of page

コマンドプロセッサの構成

Natural コマンドプロセッサは、開発とランタイムの 2 つの部分で構成されます。

Top of page

コマンドとは

コマンドとは、コマンド行に入力される一連の値であり、アプリケーションによって認識および処理されます。 コマンドは、最大 3 つの要素を含むことができます。

コマンドは、常にアプリケーション内のある状態から実行されます。この状態に達した位置をロケーションと呼びます。 コマンドによって、ユーザーはあるロケーションから別のロケーションに導かれます。そのため、各コマンドはベクトルとみなすことができます。

特定のコマンドを発行できるロケーションを、システム全体またはユーザーベースで制限することができます。 例えば、システム全体を基準とした場合、コマンド内に指定する機能をローカルまたはグローバルにすることができます。 グローバル機能はあらゆるロケーションから発行できるのに対し、ローカル機能は指定されたロケーションからのみ発行できます。 ただし、Natural Security がアクティブになっている環境では、キーワードおよび機能に制限を設けることができます。

Top of page

コマンドプロセッサの作成

SYSNCP ユーティリティを使用して、コマンドプロセッサを作成およびメンテナンスします。 コマンドプロセッサには、ユーザーが有効なコマンドを入力したときの処理を決定するデシジョンテーブルが含まれています。

コマンドプロセッサの作成は累積的な作業であり、プロセッサの全般的な設定を構築するヘッダー定義から、キーワード定義、機能定義、および機能に対するアクションの関連付けまでのさまざまな手順を伴います。 SYSNCP には、キーワード、機能、およびアクションを指定するための特別なエディタが用意されています。

コマンドプロセッサ開発の最終的な成果物は複合的なコマンドプロセッサソースであり、このソースをカタログすると、プロセッサタイプの Natural オブジェクトが生成されます。 このオブジェクトを Natural の PROCESS COMMAND ステートメントで参照するたびに、Natural コマンドプロセッサのランタイムシステムが起動されます。

コマンドプロセッサの作成手順

コマンドプロセッサの作成に必要な手順の概要は、以下のとおりです。

Start of instruction set コマンドプロセッサを作成するには

  1. セッションプロファイルを確認および修正します。
    SYSNCP 自体が使用するセッションプロファイルには、SYSNCP による特定のアクションの実行方法および情報の表示方法を制御するさまざまなパラメータが含まれています。 必要な修正を行った後、そのプロファイルを指定のユーザー ID で保存することができます。 「セッションプロファイル」を参照してください。

  2. コマンドプロセッサを初期化します。
    コマンドプロセッサの名前およびコマンドプロセッサを保存するライブラリを指定します。

  3. グローバル設定(ヘッダー)を定義します。
    コマンドプロセッサに対するさまざまなグローバル設定を定義します。 例えば、キーワード編集時の記述テキスト、キーワードの最小文字数と最大文字数、ランタイム時に処理するキーワードの順番、ランタイムエラー処理、およびランタイム時の機能呼び出しに PF キーを使用できるかどうかを設定できます。 「ヘッダーレコード」を参照してください。

  4. キーワードを定義します。
    コマンドプロセッサで処理するキーワードはそれぞれ、コマンドの 1~3 番目のどのエントリとして入力するかに関する指定とともに定義します。 キーワードのシノニムは、パラメータインジケータとしても定義できます。 キーワードごとにユーザーテキストを定義できます。 このテキストは、その後、PROCESS COMMAND ACTION TEXT ステートメントを使用して、ランタイム時に読み込むことができます。 「キーワードのメンテナンス」を参照してください。

  5. 機能を定義します。
    機能は、キーワード結合を有効にすることで定義します。 機能は、ローカル(アプリケーション内の特定のロケーションからのみ呼び出し可能)またはグローバル(アプリケーション内のどこからでも呼び出し可能)あるいはその両方として定義できます。 「機能のメンテナンス」を参照してください。

  6. ランタイムアクションを定義します。
    ランタイム時にコマンドが発行されたときに、コマンドプロセッサによって実行されるアクションを定義します。 例えば、Natural プログラムを取り出す、コマンドを Natural スタックの先頭に置く、データを Natural スタックの先頭に置く、およびコマンド行の内容を変更するアクションを定義します。 「ランタイムアクション」を参照してください。

  7. コマンドプロセッサをカタログします。
    作成したソースを Natural オブジェクト(プロセッサタイプ)として、指定した Natural ライブラリにカタログします。 これで、PROCESS COMMAND ステートメントを使用して、Natural プログラムからこのコマンドプロセッサを呼び出すことができます。 「プロセッサのカタログ化」を参照してください。

Top of page