バージョン 6.3.3
 —  Natural リモートプロシージャコール(RPC)  —

Natural RPC 環境の設定

Natural RPC 環境を設定するには、すべてのクライアント Natural およびサーバー Natural に対して次の手順を実行し、プラットフォーム固有の注意事項および考慮事項を確認する必要があります。


Natural クライアントの設定

別途注釈がない限り、この手順はすべての環境に適用されます。

Natural クライアントを設定するには、次の手順に従います。

サーバー名の定義

SYSRPC ユーティリティのサービスディレクトリメンテナンス機能を使用して、リモートに実行される各 CALLNAT ステートメントに対して使用されるサーバーの名前を定義します。

詳細および画面例については、SYSRPC ユーティリティのドキュメントの「サービスディレクトリの概念」を参照してください。

生成したディレクトリサブプログラム NATCLTGS は、Natural クライアントアプリケーションで有効にする必要があります。 クライアントライブラリに NATCLTGS を生成していない場合は、このライブラリまたはいずれかの steplib に NATCLTGS を移動します。

オプションで、次のサーバー選択技法のいずれかを使用できます。

Windows、UNIX、および OpenVMS 環境に関する注:

Predict サーバーは、SYSRPC ユーティリティではメンテナンスできません。 Predict サーバーへの接続方法については、グローバルコンフィグレーションファイル内のディクショナリサーバー割り当て機能またはプロファイルパラメータ USEDIC を参照してください。

クライアントスタブサブプログラムの生成

この手順は、Natural RPC 自動実行を使用しないか、または使用できない場合にのみ適用されます。「Natural RPC 環境の運用」の「Natural RPC 自動実行の操作」を参照してください。

リモートに実行される各 CALLNAT ステートメントについては、SYSRPC ユーティリティのスタブ生成機能を使用してください。「スタブサブプログラムの作成」を参照してください。

生成したスタブは、Natural クライアント環境に対して有効である必要があります。 クライアントライブラリ内にスタブサブプログラムを生成しなかった場合は、このライブラリまたはいずれかの steplib にスタブサブプログラムを移動します。

RPC クライアント固有の Natural パラメータの設定

リモートプロシージャコールのクライアント固有の処理に関連した Natural プロファイルパラメータを設定します。

必須パラメータ:

パラメータ 機能
MAXBUFF 最大バッファサイズ(RPC 自動実行の場合のみ)
RPCSIZE Natural RPC によって使用されるバッファのサイズ(メインフレームクライアントの場合のみ)

オプションパラメータ:

パラメータ 機能
ACIVERS EntireX Broker ACI で使用する ACI バージョンの定義
AUTORPC Natural RPC 自動実行
COMPR RPC バッファ圧縮の設定

Natural RPC 環境の運用」の「圧縮の使用」も参照してください。

CPRPC コードページ名の定義
DFS RPC クライアントのデフォルトサーバーアドレスの指定
RDS リモートディレクトリサーバーの定義
TIMEOUT RPC サーバーレスポンスに対する待機時間
TRYALT 代替サーバーアドレスの試行

次の注は、EntireX Broker を使用する場合に該当します。

注意:

  1. 1. DFS で指定する名前はアクティブな EntireX Broker を識別する必要があり、EntireX Broker 属性ファイル内のサーバー定義と一致している必要があります。「EntireX Broker 環境の設定」を参照してください。
  2. 2. TIMEOUT で指定する待機時間は、EntireX Broker ACI の WAIT フィールドの設定に使用されます。 TIMEOUT をゼロに設定した場合、WAIT=YES が設定され、クライアントは CLIENT-NONACT 時間待機します。 待機時間が経過すると、リモートプロシージャコールは該当するエラーメッセージで終了します。 TIMEOUT を使用すると、EntireX Broker スタブによって提供されるトランスポートタイムアウトメカニズムを利用できます。

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Natural サーバーの設定

Natural サーバーは、Natural サブプログラム(サービス)の実行が可能な Natural タスク(サーバータスク)です。 この Natural タスクは、基本的に非同期またはバックグラウンドタスク(デタッチプロセス)です。 EntireX Broker およびクライアントは、nodename および servername を使用してそれを識別します。

Natural サーバーを設定するには、次の手順に従います。

RPC サーバー固有の Natural パラメータの設定

Natural サーバーに対するリモートプロシージャコールの全体的およびサーバー固有の処理に関連するプラットフォーム依存の Natural パラメータを設定します。

メインフレームサーバーの場合:

  1. RPC 固有の Natural パラメータモジュールを作成します。

  2. 必要に応じて、Natural プロファイルパラメータ RPC(次の表を参照)のサブパラメータを設定します。

Windows、UNIX、または OpenVMS サーバーの場合:

  1. RPC 固有の Natural パラメータファイルを作成します。

  2. 必要に応じて、Natural プロファイルパラメータ(次の表を参照)を設定します。

必須パラメータ:

パラメータ 機能
MAXBUFF 最大バッファサイズ
RPCSIZE Natural RPC によって使用されるバッファのサイズ(メインフレームサーバーの場合のみ)
SERVER RPC サーバーセッションとしての Natural セッションの開始
SRVNAME RPC サーバーの名前。次の EntireX Broker に関する注意事項を参照してください。
SRVNODE

ノードの名前。次の EntireX Broker に関する注意事項を参照してください。

オプションパラメータ:

パラメータ 機能
ACIVERS EntireX Broker ACI で使用する ACI バージョンの定義
CPRPC コードページ名の定義
LOGONRQ RPC サーバー要求のログオン指定
NTASKS サーバーレプリカ数の最小および最大(メインフレームサーバーの場合のみ)
SRVUSER RPC サーバーレジストリ用のユーザー ID
SRVWAIT クライアント要求に対する RPC サーバーの待機時間
TRACE Natural RPC サーバーのトレースレベルの定義
TRANSP サーバートランスポートプロトコル(現在は不要)

次の注は、EntireX Broker を使用する場合に該当します。

注意:

  1. SRVNODE で指定する名前はアクティブな EntireX Broker を識別する必要があり、SRVNAME で指定する名前は EntireX Broker 属性ファイル内のサーバー定義と一致している必要があります。「EntireX Broker 環境の設定」を参照してください。
  2. SRVWAIT で指定する待機時間は、EntireX Broker ACI の WAIT フィールドの設定に使用されます。 SRVWAIT を指定しないかゼロに設定した場合、WAIT=YES が設定され、サーバーは SERVER-NONACT 時間待機します。 待機時間が経過すると、該当するメッセージが RPC サーバートレースファイルに書き込まれ、RPC サーバーは次のクライアント要求を待機し続けます。 SRVWAIT を使用すると、EntireX Broker スタブによって提供されるトランスポートタイムアウトメカニズムを利用できます。

サーバーセッションでのコマンドモード使用の確認

Start of instruction setNatural サーバーセッションがコマンドモードに入ることを確認するには

Warning
次のことは行わないでください。
  • 終了しない Natural スタックにプログラムを置く。

  • 終了しない STARTUP プログラムを使用する。

  • Natural Security で、サーバーライブラリに対して NEXT モードを禁止にする。

一意の Adabas ETID の使用の確認

Natural サーバーセッションが使用する Adabas ETID が特定の Adabas ニュークリアス内で一意であることを確認してください。

Natural サーバーの起動

Natural サーバーを起動するには、「Natural RPC サーバーの起動」セクションの説明に従ってください。

その後、このサーバーはクライアントからのリモート CALLNAT 要求を待機します。

z/OS または z/VSE 上のバッチモードの Natural に関する注:

プロファイルパラメータ RPC のサブパラメータ NTASKS を使用するサーバーについては、「レプリカ付きメインフレーム Natural RPC サーバーの考慮事項」を参照してください。

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EntireX Broker アクセスの設定

EntireX Broker インターフェイスを設定するには、次の手順に従います。

EntireX Broker スタブへのアクセスの提供

Natural 環境へ EntireX Broker スタブをアクセス可能にします。 この手順は、使用するプラットフォームによって異なります。

メインフレームでの EntireX Broker スタブへのアクセスの提供

Natural に EntireX Broker スタブ NATETB23 をリンクします。または、ランタイム時にダイナミックに NATETB23 をロードするためにプロファイルパラメータ RCA=BROKER を指定します。

次の場合には NATETB23 は使用できないため、別の Broker スタブを使用する必要があります。

BKIMBTIA または BKIMBTSO をランタイム時にダイナミックにロードするには、RCA=BROKER RCALIAS=(BROKER,stubname) を指定します。

現在、CICSETB をランタイム時にダイナミックにロードすることはできません。

詳細については、EntireX Communicator のドキュメントを参照してください。

UNIX での EntireX Broker スタブへのアクセスの提供

Natural 固有のブローカースタブ natetb.so / natetb.sl を、ディレクトリ $EXXDIR/$EXX/VERS/lib から、ローカルコンフィグレーションファイル NATURAL.ININATEXTLIB で指定されたディレクトリにコピーします。

Windows での EntireX Broker スタブへのアクセスの提供

EntireX Broker スタブは、EntireX のインストール中に自動的に使用可能になります。

ACI バージョンの設定

要件に従って、プロファイルパラメータ ACIVERS を設定します。

注意:
Natural パラメータモジュール(メインフレーム)またはパラメータファイル(Windows、UNIX、または OpenVMS)内に設定する ACIVERS 値は、EntireX Broker および EntireX Broker スタブもこのバージョンをサポートする場合のみ作用可能です。

次の表に、Natural RPC に関連する機能に関連付けられた ACIVERS の値のみを示します。

設定 機能
ACIVERS=2

デフォルト。EntireX Broker の LOGON および LOGOFF 機能をサポートします。

サーバーは REGISTER を実行する前に EntireX Broker への LOGON を実行し、DEREGISTER の後で LOGOFF を実行します。 これは、どのようなセキュリティチェックも伴わない、純粋な EntireX Broker 管理機能です。EntireX Broker のドキュメントの EntireX Broker の LOGON 機能を参照してください。

ACIVERS=3

EntireX Broker の非数値会話 ID をサポートし、データ量は 30 KB を超えます。

ACIVERS を 3 以上の値に設定すると、EntireX Broker は非数値会話 ID も割り当てます。

Natural クライアントが OPEN CONVERSATION ステートメントを発行し、クライアントの ACIVERS が 3 以上の場合、EntireX Broker は自動的に非数値会話 ID を割り当てることができます。 関連するサーバーが非数値会話 ID を受け付けるかどうかはチェックしませんが、要求側(この場合は Natural クライアント)の ACIVERS のみが明白になります。

したがって、Natural クライアントおよびサーバーの両方が、対応する ACI バージョンをサポートすることを確認してください。

また、EntireX Broker ACI バージョン 3 以上では、トランスポートメソッド TCP/IP が使用される場合、1 つの要求でクライアントとサーバー間で交換できるデータ量が 30 KB を超えることが可能です。

注意:

  1. EntireX Broker ACI バージョン 1 または 2 では、データ量は 30 KB に制限されます。
  2. トランスポートメソッド NET では、30 KB を超えるデータ量をサポートするために、EntireX Broker 属性 EXTENDED-ACB-SUPPORT を "YES" に設定する必要があります。
ACIVERS=4

コードページおよび(サーバーのみ)Natural Security をサポートします。

EntireX Broker ACI V4 以上では、Natural RPC はコードページをサポートします。 このために、コードページの名前を、クライアントおよびサーバー用のプロファイルパラメータ CPRPC に指定することができます。

コードページの評価は EntireX Broker により行われます。 つまり、EntireX Broker は送信した RPC データをクライアントおよびサーバーのコードページから該当するターゲットコードページに変換します。

プロファイルパラメータ CPRPC は、クライアント/サーバーで設定できます。 現在のプロセスに対して適用します。 これは、クライアントコードページはサーバーコードページと同一である必要のないことを意味します。

サーバーは認可したユーザー ID を使用することにより、EntireX Broker へのログオンが可能となります。

プロファイルパラメータ SRVUSER*NSC に設定されており、サーバーが Natural Security 環境で実行されている場合、Natural RPC は、Natural Security 内に定義された現在の Natural ユーザーID(*USER)およびパスワードを EntireX Broker へ自動的に渡します。そこで、EntireX Broker セキュリティデータとの一致が確認されます。

ACIVERS=6

EntireX 暗号化(ENCRYPTION-LEVEL)をサポートします。

EntireX Broker ACI バージョン 6 以上では、アプリケーションプログラミングインターフェイス USR4009N を使用して ACI フィールド ENCRYPTION-LEVEL を設定できます。

ACIVERS=7 EntireX 圧縮(COMPRESSLEVEL)をサポートします。

EntireX Broker ACI バージョン 7 以上では、アプリケーションプログラミングインターフェイス USR4009N を使用して ACI フィールド COMPRESSLEVEL を設定できます。

ACIVERS=8 スタブ出口のない EntireX Security をサポートします(メインフレームのみ)。

EntireX Broker ACI バージョン 8 以上では、Natural RPC サーバーは、KERNELVERS コールを発行して ACI フィールド KERNELSECURITY の正しい値を取得します。 この場合、EntireX Security 出口を EntireX Broker スタブにリンクする必要はなくなりました。

ACIVERS=9 クライアントおよびサーバー環境の EntireX アプリケーション識別および(サーバーのみ)Integrated Authentication Framework(IAF)をサポートします。

EntireX Broker ACI バージョン 9 以上では、EntireX Broker スタブは、クライアントおよびサーバーの環境情報(ジョブ名など)を EntireX Broker に送信します。

EntireX Broker ACI バージョン 9 以上では、Natural RPC サーバーは、オプションでクライアント認証に IAF を使用できます。

詳細については、最新の EntireX ドキュメントを参照してください。

トランスポートメソッドとしての TCP/IP の使用

トランスポートメソッドとして TCP/IP が使用されており、ホスト名を使用してサーバーノードをアドレスする場合、次の代替手段があります。

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EntireX Broker 環境の設定

EntireX Broker 属性ファイル内に、以下を追加します。

  1. 各Natural RPC サーバーについて、サービス定義を次のように指定する必要があります。

    CLASS=RPC, SERVICE=CALLNAT, SERVER=servername.

  2. 会話サービスを使用する場合は、CONVERSION=userexit を設定します。 この場合、プロファイルパラメータ CPRPC を設定する必要があります。

注意:
EntireX 属性ファイルで AUTOLOGON=NO または SECURITY=YES が設定されている場合、ACIVERS=2 以上を設定する必要があります。

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