このドキュメントでは、スワッププールのダイナミック再構成の前提条件、処理、制御、および開始について説明します。
以下のトピックについて説明します。
スワッププールをダイナミックに再構成できるのは、物理スワッププールに含まれる論理スワッププールが 1 つの場合のみです。 この場合、スワッププールスロットはすべて同じサイズです。 必要に応じて、要件を満たすように論理スワッププール数とスロットサイズを調整できます。 スロットサイズは、スワッププールをダイナミックに再構成することにより調整します。
スワッププールディレクトリの統計エリアには、スワッププールの再構成に使用する以下の 2 つの統計テーブルが含まれています。
スワッププールの再構成プラステーブル
スワッププールの再構成マイナステーブル
スワッププールの再構成プラステーブルには、圧縮長がスワッププールのスロットサイズを超えるためにスワッププールに配置できない Natural ユーザーエリアに関する情報が含まれています。
テーブルには、以下の 11 のエントリがあります。
最初の 9 つのエントリは、スロットサイズを上回る長さが 1~9 ユニットのユーザーエリアの数を数えます。
10 番目のエントリは、スロットサイズを上回る長さが 9 ユニットを超えるユーザーエリアの数を数えます。
11 番目のエントリには、10 番目のエントリが数えるユーザーエリアの平均長が含まれます。
スワッププールの再構成マイナステーブルには、圧縮長がスワッププールのスロットサイズよりも小さい Natural ユーザーエリアに関する情報が含まれています。
テーブルには、以下の 11 のエントリがあります。
最初の 9 つのエントリは、スロットサイズを下回る長さが 1~9 "ユニット" のユーザーエリアの数を数えます。
10 番目のエントリは、スロットサイズを下回る長さが 9 ユニットを超えるユーザーエリアの数を数えます。
11 番目のエントリには、10 番目のエントリが数えるユーザーエリアの平均長が含まれます。
"ユニット" のサイズは、キーワードパラメータ SWPFACT
で定義します。
スワッププールのダイナミック再構成は、マクロ NTSWPRM
の以下のキーワードパラメータで制御されます。
パラメータ | 指定内容 |
---|---|
SWPSLSZ |
スワッププールの初回初期化用のスロットサイズ。 デフォルトのサイズは 62 KB です。 |
SWPTFIX |
スロットサイズを固定にするかダイナミックにするか。 スロットサイズを固定にした場合は、スワッププールはダイナミックに再構成されません。 スロットサイズを固定に定義しなかった場合は、スワッププールは必要に応じてダイナミックに再構成されます(これがデフォルトです)。 |
SWPTIM1 |
スワッププールの再構成が必要かどうかを確認するためにチェックを実行する時間間隔。 デフォルトでは、チェックは 30 分ごとに実行されます。 |
SWPTIM2 |
スワッププールの再構成が必要かどうかをチェックしてから再構成を開始するまでの経過時間。 デフォルトでは、再構成は、再構成が必要であると確認されてから 2 分後に開始されます。 |
SWPUSER |
実際の SWP スロット長には長すぎる圧縮ユーザースレッドの割合(%)。 この値に達し、物理 SWP に 1 つの論理スワッププールしか含まれていない場合は、SWP の再構成が通知されます。 |
SWPFACT |
スワッププールの再構成プラステーブルおよびマイナステーブルの "ユニット" のファクタ。 |
スロットサイズの最適化が効率的に実行されていない場合以外は、これらのパラメータのデフォルト値を変更する必要はありません。
テストおよび最適化のために、Natural ユーティリティ SYSTP
の一部である Natural スワッププールマネージャを使用して、これらのパラメータの値をオンラインでダイナミックに変更できます。
チェックは以下に基づきます。
チェック間のダイアログステップの総数
SWPUSER
パラメータで定義された比率
SWPLSWP
パラメータで定義された論理スワッププールの最大数
異なる論理スワッププールのスロットサイズの最小差
スワッププールの再構成プラステーブルおよびマイナステーブルの値(これらのテーブルは SWPFACT
パラメータの設定に影響されます)
物理スワッププールの合計サイズ
対応するスロットサイズを持つ必要な論理スワッププールの数は、圧縮長が現在のスロットサイズよりも最低 1 ユニット大きいか小さいユーザーエリアの数がダイアログステップ数より n %(n
は SWPUSER
パラメータの値)多い場合に計算されます。
スワッププールが再構成されるときは、新しい論理スワッププールが使用されます。 再構成後に物理スワッププールに複数の論理スワッププールが含まれている場合は、スワッププールのダイナミック再構成はそれ以上行われません。
Natural は、物理スワッププールに含まれる論理スワッププールが 1 つの場合のみ、スワッププールの再構成が必要かどうかをチェックします。
SWPTIM1
パラメータで指定された時間が経過すると、スワッププールの再構成が必要かどうかを確認するためのチェックが実行されます。
スワッププールの再構成が不要な場合は、SWPTIM1
パラメータで設定されたタイマー(チェック間の時間間隔)が再度アクティブになります。
スワッププールの再構成が必要な場合は、SWPTIM2
パラメータで設定されたタイマー(チェックの終了から再構成の開始までの時間間隔)がアクティブになります。それ以上のユーザーエリアをスワッププールに配置することはできません。スワッププールに保持されるユーザーエリアは、引き続き使用でき、ユーザースレッドに読み込むことができます。
この 2 番目の時間間隔が経過すると、スワッププールの再構成が開始されます。
SWPTIM2
パラメータで指定された時間が経過した後、現在のオンラインセッション中にスワッププールが再構成されます。
スワッププールに引き続き保持される圧縮ユーザーエリアは、スワップファイル(または CICS 環境でのロール機能)に書き込まれます。
スワッププール再構成の統計テーブルの内容は、SYSLST
に書き込まれ、テーブルから削除されます。
スワッププールは、新しく計算された値で再度初期化されます。
SWPTIM1
パラメータで設定されたタイマー(チェック間の時間間隔)が再度アクティブになります。
Natural ユーティリティ SYSTP
(Natural 『ユーティリティ』ドキュメントを参照)の一部である Natural スワッププールマネージャを使用して、スワッププールの統計データと Natural バッファおよびユーザースレッドのサイズに関する情報を取得できます。