バージョン 4.2.5
 —  プログラミングガイド  —

NaturalX アプリケーションの開発

このドキュメントでは、クラスを定義および使用してアプリケーションを開発する方法について説明します。

次のトピックについて説明します。


開発環境

Top of page

クラスの定義

クラスを定義するときは、Natural クラスモジュールを作成する必要があります。この中で DEFINE CLASS ステートメントを作成します。 DEFINE CLASS ステートメントを使用して、外部的に使用可能な名前をクラスに割り当て、そのインターフェイス、メソッドおよびプロパティを定義します。 クラスのインスタンスのレイアウトを記述するオブジェクトデータエリアをクラスに割り当てることもできます。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

Natural クラスモジュールの作成

Start of instruction set Natural クラスモジュールを作成するには

クラスの指定

DEFINE CLASS ステートメントは、クラスの名前、クラスがサポートするインターフェイス、およびそのオブジェクトの構造を定義します。

Start of instruction set クラスを指定するには

インターフェイスの定義

クラスの各インターフェイスは、クラス定義内部の INTERFACE ステートメントで指定されます。 INTERFACE ステートメントは、インターフェイスの名前と多数のプロパティおよびメソッドを指定します。 COM クラスとして登録されるクラスについては、インターフェイスのグローバルユニーク ID も指定されます。

クラスには 1 つ以上のインターフェイスを定義できます。 インターフェイスごとに 1 つの INTERFACE ステートメントがクラス定義に指定されます。 各 INTERFACE ステートメントには 1 つ以上の PROPERTY 節および METHOD 節が含まれます。 通常、1 つのインターフェイスに含まれるプロパティとメソッドは、技術またはビジネスのいずれかの観点から関連付けられます。

PROPERTY 節はプロパティの名前を定義し、オブジェクトデータエリアからプロパティに変数を割り当てます。 この変数を使用して、プロパティの値を保存します。

METHOD 節はメソッドの名前を定義し、メソッドにサブプログラムを割り当てます。 このサブプログラムを使用して、メソッドを実装します。

Start of instruction set インターフェイスを定義するには

オブジェクトデータ変数のプロパティへの割り当て

PROPERTY ステートメントは、複数のクラスが同じインターフェイスを異なる方法で実装するときにのみ使用されます。 この場合、クラスは同じインターフェイス定義を共有し、Natural コピーコードからインクルードします。 次に PROPERTY ステートメントを使用して、インターフェイス定義のでオブジェクトデータエリアからプロパティに変数を割り当てます。 INTERFACE ステートメントの PROPERTY 節と同様に、PROPERTY ステートメントはプロパティの名前を定義し、オブジェクトデータエリアからプロパティに変数を割り当てます。 この変数を使用して、プロパティの値を保存します。

Start of instruction set オブジェクトデータ変数をプロパティに割り当てるには

サブプログラムのメソッドへの割り当て

METHOD ステートメントは、複数のクラスが同じインターフェイスを異なる方法で実装するときにのみ使用されます。 この場合、クラスは同じインターフェイス定義を共有し、Natural コピーコードからインクルードします。 METHOD ステートメントは、インターフェイス定義のでサブプログラムをメソッドに割り当てるために使用されます。 INTERFACE ステートメントの METHOD 節と同様に、METHOD ステートメントはメソッドの名前を定義し、サブプログラムをメソッドに割り当てます。 このサブプログラムを使用して、メソッドを実装します。

Start of instruction set サブプログラムをメソッドに割り当てるには

メソッドの実装

メソッドは次のような一般形式の Natural サブプログラムとして実装されます。

DEFINE DATA statement
*
* Implementation code of the method
*
END

DEFINE DATA ステートメントの詳細については、『ステートメント』ドキュメントを参照してください。

DEFINE DATA ステートメントのすべての節はオプションです。

データの整合性を確保するために、インラインデータ定義ではなくデータエリアを使うことをお勧めします。

PARAMETERを指定すると、メソッドにパラメータや戻り値を指定することができます。

パラメータデータエリアの BY VALUE とマークされたパラメータは、メソッドの入力パラメータです。

BY VALUE とマークされていないパラメータは、"BY REFERENCE" によって渡される入力/出力パラメータです。 これがデフォルトです。

BY VALUE RESULT とマークされている最初のパラメータが、メソッドの戻り値として返されます。 複数のパラメータがこのようにマークされている場合は、その他のパラメータは入力/出力パラメータとして扱われます。

OPTIONAL としてマークされているパラメータは、Natural バージョン 4.1 以降のすべてのリリースで使用可能です。 オプションのパラメータは、メソッドが呼び出される場合は指定する必要はありません。 SEND METHOD ステートメントで nX 表記を使用することにより、これらを未指定にしておくことができます。

メソッドサブプログラムが、クラス定義内の対応する METHOD ステートメントに指定されたものとまったく同じパラメータを受け入れるようにするには、インラインデータ定義ではなくパラメータデータエリアを使用します。 対応する METHOD ステートメント内のものと同じパラメータデータエリアを使用します。

メソッドサブプログラムでオブジェクトデータ構造にアクセスするために、OBJECT 節を指定できます。 メソッドサブプログラムがオブジェクトデータに正しくアクセスできるようにするには、インラインデータ定義ではなくローカルデータエリアを使用します。 DEFINE CLASS ステートメントの OBJECT 節に指定されているものと同じローカルデータエリアを使用してください。

GLOBAL 節、LOCAL 節、および INDEPENDENT 節は、他の任意の Natural プログラムで使用できます。

技術的には可能ですが、通常はメソッドサブプログラムで CONTEXT 節を使用することは意味がありません。

次の例は、特定の人物に関するデータをテーブルから検索します。 検索キーは BY VALUE パラメータとして渡されます。 結果のデータは、"BY REFERENCE" パラメータで返されます。"BY REFERENCE" はデフォルト定義です。 メソッドの戻り値は BY VALUE RESULT 指定によって定義されます。

Example

Top of page

クラスとオブジェクトの使用

ローカルの Natural セッションで作成されたオブジェクトは、同じ Natural セッションの他のモジュールからアクセスできます。

CREATE OBJECT ステートメントは、特定のクラスのオブジェクト(インスタンスとも呼ばれます)を作成するために使用します。

Natural プログラムのオブジェクトを参照するには、オブジェクトハンドルを DEFINE DATA ステートメントで定義する必要があります。 オブジェクトのメソッドは SEND METHOD ステートメントで呼び出されます。 オブジェクトにはプロパティを指定できます。プロパティには通常の割り当て構文を使用してアクセスできます。

次の手順について説明します。

オブジェクトハンドルの定義

Natural プログラムのオブジェクトを参照するには、オブジェクトハンドルを DEFINE DATA ステートメントで次のように定義する必要があります。

DEFINE DATA
   level-handle-name [(array-definition)] HANDLE OF OBJECT
   ...
END-DEFINE

例:

DEFINE DATA LOCAL
1 #MYOBJ1 HANDLE OF OBJECT
1 #MYOBJ2 (1:5) HANDLE OF OBJECT
END-DEFINE

クラスのインスタンスの作成

Start of instruction set クラスのインスタンスを作成するには

オブジェクトの特定メソッドの呼び出し

Start of instruction set オブジェクトの特定メソッドを呼び出すには

プロパティへのアクセス

プロパティには、次のように ASSIGN(または COMPUTE)ステートメントを使用してアクセスできます。

ASSIGN operand1.property-name = operand2
ASSIGN operand2 = operand1.property-name

オブジェクトハンドル - operand1

operand1 はオブジェクトハンドルとして定義する必要があり、プロパティがアクセスされるオブジェクトを識別します。 オブジェクトがすでに存在している必要があります。

operand2

operand2 として、プロパティのフォーマットに対してデータ転送互換を必要とするフォーマットのオペランドを指定します。 詳細については、データ転送の互換性規則の説明を参照してください。

property-name

オブジェクトのプロパティの名前です。

プロパティ名が Natural 識別子構文に対応する場合は、次のように指定できます。

create object #o1 of class "Employee"
  #age := #o1.Age

プロパティ名が Natural 識別子構文に対応しない場合は、次のように山カッコで囲む必要があります。

create object #o1 of class "Employee"
  #salary := #o1.<<%Salary>>

プロパティ名は、インターフェイス名で修飾することもできます。 同じ名前のプロパティが含まれる複数のインターフェイスがオブジェクトにある場合は、修飾が必要になります。 この場合、修飾したプロパティ名は山カッコで囲む必要があります。

create object #o1 of class "Employee"
  #age := #o1.<<PersonalData.Age>>

例:

define data
  local
  1 #i         (i2)
  1 #o         handle of object
  1 #p         (5) handle of object
  1 #q         (5) handle of object
  1 #salary    (p7.2)
  1 #history   (p7.2/1:10)
  end-define
  * ...
  * Code omitted for brevity.
  * ...
  * Set/Read the Salary property of the object #o.
  #o.Salary := #salary
  #salary := #o.Salary
  * Set/Read the Salary property of
  * the second object of the array #p.
  #p.Salary(2) := #salary
  #salary := #p.Salary(2)
  *
  * Set/Read the SalaryHistory property of the object #o.
  #o.SalaryHistory := #history(1:10)
  #history(1:10) := #o.SalaryHistory
  * Set/Read the SalaryHistory property of
  * the second object of the array #p.
  #p.SalaryHistory(2) := #history(1:10)
  #history(1:10) := #p.SalaryHistory(2)
  *
  * Set the Salary property of each object in #p to the same value.
  #p.Salary(*) := #salary
  * Set the SalaryHistory property of each object in #p
  * to the same value.
  #p.SalaryHistory(*) := #history(1:10)
  *
  * Set the Salary property of each object in #p to the value
  * of the Salary property of the corresponding object in #q.
  #p.Salary(*) := #q.Salary(*)
  * Set the SalaryHistory property of each object in #p to the value
  * of the SalaryHistory property of the corresponding object in #q.
  #p.SalaryHistory(*) := #q.SalaryHistory(*)
  *
  end

配列が値として正しく含まれるオブジェクトハンドルとプロパティの配列を使用するためには、次の知識が重要です。

オブジェクトハンドルの配列のオカレンスのプロパティは、次のインデックス表記で指定します。

#p.Salary(2) := #salary

配列が値として含まれるプロパティは、常に全体としてアクセスされます。 したがって、プロパティ名でのインデックス表記は不要です。

#o.SalaryHistory := #history(1:10)

結果的に、配列が値として含まれるオブジェクトハンドルの配列のオカレンスのプロパティは、次のように指定します。

#p.SalaryHistory(2) := #history(1:10)

Top of page