バージョン 8.1.3
 —  Adabas 8 の導入計画  —

ユーティリティの変更点

Adabas ユーティリティはすべて、Adabas 8 の新しい拡張機能をサポートするように更新されています。 このサポートの一部は、新規、または修正されたユーティリティパラメータの形で現れます。 それ以外の場合は、サポートは内部的に追加され、ユーティリティの使用に影響はありません。

注意:
Adabas 8 のユーティリティ使用上の制限および制約事項については、「制限および制約事項」に記載されているユーティリティの制約事項を参照してください。

次の表では、このリリースでユーザーインターフェイスが変更された Adabas ユーティリティについて説明します。 Adabas ユーティリティの機能の詳細については、「ユーティリティ」を参照してください。

ユーティリティ 変更の概要
ADAACK

ADAACK ユーティリティでは、スパンドレコードのサポートが提供されます。 ただし ADAACK は、渡された ISN をプライマリ ISN、またはレコードの唯一の ISN と見なします。 ISN がスパンドレコードのプライマリ ISN の場合、スパンドレコードの関連するすべてのセグメントレコードは、自動的にセカンダリアドレスコンバータ内でチェックされます。

特定の ISN についてのエラー情報を出力する場合、ADAACK ユーティリティでは、レコードがスパンされている場合に、問題がプライマリ ISN とセカンダリ ISN のどちらかなのかを示すようになりました。

ADACDC

現時点では、スパンドレコードは ADACDC ユーティリティでサポートされていません。 ただし、ADACDC 実行で IGNORESPANNED パラメータが指定されると、ADACDC 処理はスパンドレコードを無視して警告メッセージを発行し、処理を続行します。 リターンコード "4" が返されます。

ADACMP

次の新しいパラメータが ADACMP COMPRESS ユーティリティに追加され、MU/PE 拡張、スパンドレコードおよび LB フィールドがサポートされました。

  • DATADEVICE パラメータは、スパンドレコードのセグメンテーションに使用されるデータストレージデバイスタイプを指定します。 SPAN パラメータが指定された場合、ADACMP はスパンされた長い圧縮レコードをセグメントに分割します。このセグメントは、DATADEVICE パラメータで暗示的に指定されるデータストレージのブロックサイズよりわずかに小さくなります。

    SPAN パラメータなしで DATADEVICE が指定された場合、このパラメータは許容される最大の圧縮レコード長を得るために使用されます。 長すぎる圧縮レコードは、エラーと見なされ、DD/FEHL データセットに書き出されます。

  • HEADER パラメータは、ADACMP 圧縮ロジックが、非圧縮入力レコードの中にセグメント化された ADACMP レコードヘッダーが存在するかどうかを示します。 デフォルトは NO です。 (これは、このリリースで ADACMP DECOMPRESS 用に導入された HEADER パラメータとは逆です)

  • LOBDEVICE パラメータは、COMPRESS 機能で生成される LOB ファイルのロードに使用されるデバイスタイプを指定します。

  • LOBVALUES パラメータは、非圧縮入力データが長い LB 値(253 バイトよりも大きい値)を含むことができるかどうかを示します。

  • MAXLOGRECLEN パラメータは、物理的にセグメント化された非圧縮レコードを論理的に圧縮レコードに編成するために ADACMP により使用されるバッファのサイズ(バイト単位)の指定に使用されます。 このバッファは、HEADER=YES が指定された場合のみ割り当てられ、使用されます。

  • MUPEX パラメータは、ファイルの拡張 MU/PE の制限が可能かどうかを示します。 このオプションが指定されない場合、指定できる MU フィールドの最大値および PE フィールドの最大値は 191 です。

  • MUPECOUNT パラメータは、COMPRESS 機能用の入力レコードのバリューカウントフィールドのサイズを指定します。 有効な値は、"1" または "2" です。 "1" が指定された場合、入力データで MU または PE 値に先行する各バリューカウントフィールドは 1 バイトである必要があり、"191" を超えることはできません。 "2" が指定された場合、入力データで MU または PE 値に先行する各バリューカウントフィールドは 2 バイトである必要があります。 MUPEX パラメータが指定されている場合のみ、バリューカウントは 191 を超えることができます。

  • SPAN パラメータにより、レコードの圧縮後にその圧縮レコードがデバイスのデータストレージのブロックサイズを超過した場合に、レコードをスパンすることが可能になります。

既存の ADACMP COMPRESS パラメータに次の変更が行われました。

  • DEVICE パラメータにより生成されるレポートに、ファイルに MUPEX パラメータが設定されたかどうかを表す項目が追加されました。

  • FNDEF パラメータの構文が変更され、MU および PE オプションのオカレンス数を指定できるようになりました。 また、NB および LB フィールドオプションを指定することもできます。

  • Adabas 8 の ADACMP COMPRESS 機能では、MAXPE191 パラメータはサポートされなくなりました。 このパラメータが指定された場合、警告メッセージが発行され、処理が続行されます。

  • USERISN が、HEADER=YES とともに指定された場合、ADAH ヘッダーの直後に ISN が論理レコードの一部として続きます。

LB フィールドを含むファイルに ADACMP COMPRESS を実行すると、LOB ファイルに LB フィールド値が格納されるように、DDAUSB1 JCL DD コントロールステートメントに指定されているシーケンシャル出力データセットがもう 1 つ作成されます。

ADACMP DECOMPRESS 処理では、拡張 MU および PE の制限が可能です。また、スパンドレコードを入力とすることも可能です。 各非圧縮出力レコードの MU または PE 値に先行するバリューカウントのサイズは、拡張 MU および拡張 PE がファイルでサポートされているかによって異なります。 拡張 MU および拡張 PE がファイルでサポートされている場合、バリューカウントは 2 バイトになります。 拡張 MU および拡張 PE がファイルでサポートされていない場合、バリューカウントは 1 バイトになります。 さらに、次の機能がサポートされています。

  • LB フィールドの圧縮解除。 この機能を使用できるように、LOBVALUES パラメータが新しく追加されました。

  • 新しい HEADER パラメータが ADACMP DECOMPRESS ユーティリティに追加され、ADACMP 非圧縮ロジックがグメント化された ADACMP レコードヘッダー(ADAH および ADAC)を非圧縮出力の一部として生成すべきかどうかを示します。 デフォルトは NO です。

  • 新しい MAXLOGRECLEN パラメータを使用して、非圧縮出力データの物理レコードを 1 つ以上スパンしている論理レコードを ADACMP が編成するのに使用するバッファのサイズ(バイト単位)を指定できます。 このバッファは、HEADER=YES が指定された場合のみ割り当てられ、使用されます。

  • ISN パラメータが変更され、HEADER=YES が指定されている場合には、ISN は論理レコードの一部として ADAH ヘッダーの直後に続きます。

従来、ADACMP エラーに生成される DD/FEHL エラーデータセットは、FEHL 物理レコード長を超える拒否レコードを切り捨てていました。 バージョン 8 では、拒否されたレコードは切り捨てられずにセグメント化されます。 この変更により、DD/FEHL LRECL 設定には、最低 500 バイトが必要となります。

ADADBS

ADADBS ユーティリティに、4 つのデータベースサービスが追加され、MU/PE フィールドの数の増加とレコードのスパンがサポートされました。

  • MUPEX 機能により、ファイルの MU または PE フィールドに許可される最大オカレンス数を指定できます。

  • RECORDSPANNING 機能は、ファイルでスパンドレコードの使用を有効にします。

  • RESETPPT 機能は、ASSO データセット上の PPT ブロックをリセットします。

  • SPANCOUNT 機能は、ファイルに含まれるスパンドレコードの件数をカウントします。

ADADCK

ADADCK ユーティリティは、次のようにスパンドレコードのヘッダーの妥当性をチェックします。

  • ヘッダーに含まれている ISN が検証されます。 ヘッダーには、スパンドレコードチェーン内のプライマリレコードの ISN、チェーン内の直前のスパンドレコード、およびチェーン内の次のスパンドレコードの ISN が含まれています。

  • スパンドレコードの ID ビットがチェックされます。 スパンドレコードのヘッダーには、このレコードがプライマリスパンドレコードか、セカンダリスパンドレコードであるかを示すビットが含まれます。 すべてのスパンドレコードでは、これらのビットの 1 つのみをオンにすることができます。

新しい MAXPISN パラメータが導入され、データストレージファイルがスパンされているかどうかのチェックが行われるプライマリ ISN の最大数を設定できるようになりました。 デフォルトは 1000 です。

ADAFRM

ADAFRM ユーティリティを使用して、PLOG 全体の再フォーマットをすることなく、PLOG から複数の PLOG ヘッダーを消去できるようになりました。 これを行うには、FROMRABN パラメータと同時に NUMBER パラメータも指定する必要があります。また、SIZE パラメータを "1" に指定する必要があります。

さらに、このユーティリティは、Adabas 8 で可能なより多くの物理アソシエータおよびデータストレージエクステント(99 個)を扱えるようになりました。

ADAICK

ADAICK DSCHECK 機能を実行すると、プライマリおよびセカンダリ ISN が出力で識別されるようになりました。

ADALOD

ADALOD LOAD および UPDATE 機能で、スパンドレコードおよび関連するセカンダリアドレスコンバータをサポートする次の新しいパラメータが導入されました。

  • AC2RABN パラメータにより、セカンダリアドレスコンバータのスペース割り当てを指定または更新できます。 セカンダリアドレスコンバータは、セカンダリスパンドレコードのセカンダリ ISN を、セカンダリレコードが格納されているデータストレージブロックの RABN にマッピングするために使用されます。

  • オプションの MAXISN2 パラメータにより、ISN 内のセカンダリアドレスコンバータ(AC2)を目的のサイズに設定できます。 セカンダリアドレスコンバータは、セカンダリスパンドレコードのセカンダリ ISN を、セカンダリレコードが格納されているデータストレージブロックの RABN にマッピングするために使用されます。

ラージオブジェクト(LB)フィールドおよび関連する LOB ファイルをサポートできるように、次の新しいパラメータおよびパラメータ値が ADALOD LOAD 機能に導入されました。

  • オプションの LOBFILE パラメータにより、基本ファイルに関連付けられた LOB ファイルのファイル番号を指定できます。 このパラメータは、基本ファイルのロード時に使用されます。

  • オプションの BASEFILE パラメータにより、LOB ファイルに関連付けられた基本ファイルのファイル番号を指定できます。 このパラメータは、LOB ファイルのロード時に使用されます。

  • 新しいファイルタイプである LOB を FILE パラメータで指定すると、Adabas LOB ファイルを定義済みの FDT とともにロードしているかどうかが示されます。

ADAORD スパンドレコードをサポートするため、次の 2 つの新しいパラメータが、ADAORD の REORASSO、REORDB、REORFASSO、REORFILE、および STORE 機能に追加されました。
  • AC2RABN パラメータにより、ファイルの 2 次的なアドレスコンバータエクステントの開始 RABN を指定できます。

  • オプションの MAXISN2 パラメータにより、ISN 内のセカンダリアドレスコンバータ(AC2)を目的のサイズに設定できます。

セカンダリアドレスコンバータは、セカンダリスパンドレコードのセカンダリ ISN を、セカンダリレコードが格納されているデータストレージブロックの RABN にマッピングするために使用されます。

ADAORD STORE を使用すると、Adabas 5.1~5.3、6.1、6.2、7.1、7.2、または 7.4 のデータベースやファイルを再構築して、バージョン 8 形式で保存できるようになります。 この他、Adabas 8 データベースやファイルを再構築して、Adabas の以前のリリースのいずれかの形式で保存することもできますが、その場合には、データベースまたはファイルが、ファイルの再構築に使用したバージョン以降に導入された新機能を使っていないことが前提になります。

ADAREP

ADAREP により生成されるレポートに、MUPEX およびスパンドレコードオプションがデータベースに設定されたかどうかを表す項目が追加されました。

レポートの[Contents of Database]セクションでは、次の変更が行われました。

  • この表からパディングファクタが削除され、大きなエクステント値が収まるようになりました。 ただし、従来どおりレポートで提供される個々のファイル詳細にもこの値を表示させることができます。これは、LAYOUT=1 が指定されている場合に表示されます。

  • レポートの作成中に LAYOUT=1 が指定された場合、Adabas 8 でサポートされる大きなエクステント値がファイルごとに表示されます。

  • ファイルが 10 個以上のファイルエクステントをさらに構築することができない場合、ADAREP は、そのファイルの右にアスタリスク(*)マークを付けます。

レポートの[File Options]セクションでは、"T" は、2 バイトの MU/PE インデックスがファイルでアクティブであることを示し、"S" は、ファイルでスパンドレコードの使用が有効になっていることを示します。 さらに、[Contains LOB Fields]列は、ファイルが 1 つまたは複数の LB フィールドを含んでいるかどうかを示し(含まれている場合は "L" を表示)、[LOB File]列(最後の列)は、ファイルが LOB であるかどうかを示します(LOB ファイルの場合は、"L" を表示)。 これらの 2 つの LB フィールド列は互いに排他的であり、どちらか一方しかマークされません。

レポートの[Physical Layout of the Database]セクションでは、2 次的なアドレスコンバータエクステント(スパンドレコード用)は[Table File Type]列で[AC2]と表示されます。

レポートの[File Information]セクションでは、[Two Byte MU/PE]という新しいフィールドが 2 バイトの MU/PE インデックスがファイルでアクティブかどうかを示します。 同じセクションでは、最大、予想される最大、および最小のセカンダリ ISN が表示され、また、新しい[Spanned Rec Supp]フィールドには、スパンドレコードがファイルでアクティブかどうかが示されます。 さらに、[Contain LOB Fields]フィールドは、ファイルに 1 つ以上の LB フィールドが含まれているかどうかを示し、[LOB File]フィールドはファイルが LOB ファイルであるかどうかを示します。

レポートの[Space Allocation]セクションでは、2 次的なアドレスコンバータエクステント(スパンドレコード用)は[List Type]列で[AC2]と表示されます。

最終的に、Adabas ニュークリアス 75、76 および 77 により、3 個の新しいチェックポイントが書き込まれる可能性があります。

ADASAV

ADASAV RESTONL FMOVE および ADASAV RESTORE FMOVE 機能で、スパンドレコードおよび関連するセカンダリアドレスコンバータをサポートする次の新しいパラメータが導入されました。

  • AC2RABN パラメータにより、FMOVE により指定されたファイルごとに、セカンダリアドレスコンバータ開始 RABN を指定できます。

  • MAXISN2 パラメータにより、FMOVE により指定された各ファイルに割り当てられる、セカンダリ ISN の新しい数を指定できます。

ADASEL 新しいパラメータはありませんが、ADASEL は更新され、MU/PE の拡張がサポートされました。 特に、ADASEL SELECT IF ステートメントで MU または PE フィールドのインデックスを指定する場合、インデックスは "1" から "65,534" の範囲で指定できるようになりました。 以前のリリースの Adabas では、これらのインデックス値の範囲は、"1" から "191" に制限されていました。

ADASEL は、その処理中にスパンドレコードを認識しますが、スパンドレコードが含まれたファイルを処理することができません。

ADAULD

新しいパラメータはありませんが、ADAULD が更新され、MU/PE の拡張とスパンドレコードがサポートされました。 特に、実行中に読み書きされるレコードセグメント数を表示する 2 つの新しい統計が ADAULD ユーティリティにより生成されます。

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