ADACLP(コマンドログレポート)

このドキュメントでは ADACLP ユーティリティについて説明します。

次のトピックについて説明します。


機能概要

ADACLP ユーティリティでは、132 文字の行幅でコマンドログが出力されます。

注意:
ADACLP は、ADANUC パラメータ CLOGLAYOUT=5(5 がデフォルト値)で開始されたニュークリアスセッションのコマンドログのみを処理できます。詳細については、「ADANUC」、「CLOGLAYOUT」を参照してください。

発行された Adabas コマンドごとに対して、コマンドログ内にレコードが書き込まれます。コマンドロギングは、ニュークリアスパラメータ LOGGING で Adabas を起動している間に、または ADAOPR パラメータ LOGGING でニュークリアスがすでにアクティブになっているときに有効にする必要があります。

注意:
パフォーマンス上の理由で、Adabas ニュークリアスは、コマンドロギングが有効になっている場合に限り、コマンドの起動タイムスタンプを判断します。このため、コマンドロギングをオンに切り替えたとき、すでにアクティブになっているがまだ終了していない Adabas コマンドでは、コマンドの起動日付とコマンドの実行時間が表示されません。

ADACLP パラメータはいずれもコマンドログ情報のサブセットを選択します。

このユーティリティは単一機能ユーティリティです。

処理フロー

graphics/adaclp.png

データセット 環境
変数/
論理名
記憶
媒体
追加情報
コマンドログ CLPCLG ディスク、テープ(* 注参照) ユーティリティマニュアル、
ADACLP
コントロールステートメント stdin/
SYS$INPUT
  ユーティリティマニュアル
ADACLP レポート stdout/
SYS$OUTPUT
  メッセージおよびコード

注意:
(*)このシーケンシャルファイルには、名前付きパイプを使用できます(OpenVMS にはない。詳細については、『Adabas Basics』の「ユーティリティの使用」を参照)。

シーケンシャルファイル CLPCLG には複数エクステントを持つことができます。複数のエクステントを持つシーケンシャルファイルの詳細については、『Adabas Basics』の「ユーティリティの使用」を参照してください。

チェックポイント

このユーティリティはチェックポイントを書き込みません。

制御パラメータ

次のコントロールパラメータを使用できます。

[NO]ADDITIONS_2

[NO]ADDITIONS_2

このパラメータは、コマンド ID の代わりにアディッション 2 フィールドを表示するのに使用されます。

デフォルトは、NOADDITIONS_2 です。

CLASS

CLASS = (keyword [,keyword]...)

このパラメータは、指定コマンドクラスに従うコマンドコードを持つログレコードを選択します。CLASS パラメータも COMMAND パラメータも指定されない場合には、すべてのレコードが選択対象となります。

CLASS パラメータと COMMAND パラメータは、相互に排他的です。

次のキーワードを使用できます。

キーワード 用途
CONTROL open や close などの制御コマンドを選択します。
FIND 検索コマンドを選択します。
READ 読み込みコマンドを選択します。
UPDATE 更新コマンドを選択します。

例:

adaclp: class = find

コマンド S1、S2、S4、S8 および S9 のログレコードが選択されます。

CLOG

CLOG = (number [,number])

コマンドログが RAW セクションにある場合、このパラメータは必須です。コマンドログがファイルシステム内にある場合は任意です。CLOG 番号およびエクステンションカウントは指定することができます。エクステンションカウントを指定しない場合、Adabas は必要に応じて、後続のエクステントをオープンします。エクステンションカウントを指定すると、指定されたエクステントだけが処理されます。

注意:
このパラメータは UNIX プラットフォームにのみ適用されます。

COMMAND

COMMAND = (keyword [,keyword]...)

このパラメータは、キーワードによって指定された Adabas コマンドコードを持つログレコードを選択します。10 個までのキーワードを定義できます。COMMAND パラメータも CLASS パラメータも指定しない場合には、全レコードが選択対象となります。

COMMAND および CLASS は相互に排他的です。

すべての有効な Adabas コマンド(A1~S9)をキーワードとして使用できます(詳細については『コマンドリファレンス』を参照)。

DATE

DATE = ([absolute-date] [,[absolute-date]])

このパラメータは、任意の日付文字列によって指定された範囲にあるログレコードを選択します。指定する日付文字列は、次の絶対日付および時刻の形式をとらなければいけません。

dd-mmm-yyyy[:hh:mm:ss]

日付と時刻の仕様の上位桁のゼロは、省略される可能性があります。指定されていない数字は、0 に設定されます(例:28-jul-2012 は 28-jul-2012:00:00:00 と同じです)。

デフォルトでは、すべてのログレコードが選択されます。

例:

adaclp: date = 8-aug-2012

8-AUG-2012 00:00:00 に記録されたログレコードが選択されます。

adaclp: date = (8-aug-2012:12,)

8-AUG-2012 12:00:00 以後に記録された全ログレコードが選択されます。

adaclp: date = (,8-aug-2012:12:34)

8-AUG-2012 12:34:00 までに記録された全ログレコードが選択されます。

DBID

DBID = number

このパラメータは、使用対象となるデータベースを選択するためのものです。CLOG を RAW デバイスで使用するときには、このパラメータを指定しなければなりません。

注意:
このパラメータは UNIX プラットフォームにのみ適用されます。

DISPLAY

DISPLAY = (keyword [,keyword]...)

このパラメータは、コマンドログからの各種情報を表示するのに使用されます。次の各種パラメータを持つキーワードが使用可能です。ニュークリアスセッション中に対応するデータが記録された場合だけ、これらのキーワードについての情報が表示されます。

キーワード 説明
CB
  • コマンドログレコード番号

  • コマンドの開始日時

  • コマンドの期間(マイクロ秒単位)

  • 対応する OP コマンドで指定されたユーザー ID

  • ノード ID

  • ログイン ID、ES_ID が指定されている場合は環境固有の ID

  • コントロールブロックの選択したフィールド

  • X 列の「*」は、ユーティリティまたは排他的なファイルの使用を示す

  • コマンドを処理したスレッド

  • I/O 統計

注意:
バージョン 6.3 SP1 より前のバージョンで作成されたコマンドログでは、コマンドの継続時間がミリ秒単位で表示されます。

FB フォーマットバッファを表示します。
FULL_CB コントロールブロックの全フィールドを表示します。DISPLAY=CB のときに表示される他の情報はここでは表示されません。
IB ISN バッファを表示します。
IO I/O リストを表示します。
RB レコードバッファを表示します。
SB サーチバッファを表示します。
STATISTICS 選択レコードのコマンドの統計を表示します。
VB バリューバッファを表示します。

デフォルトは DISPLAY = CB です。

ES_ID

ES_ID [ = number]

このパラメータによってログイン ID の代わりに環境固有の ID が表示されます。

数値が指定すると、指定した環境固有の ID(プロセス ID)に対する情報を備えたレコードだけが選択されます。

デフォルトでは、すべてのレコードが選択されます。

FILE

FILE = (number [- number] [,number [- number]]...)

このパラメータは、コマンド付きのログレコードの中から、番号または番号の範囲で指定したファイルを参照するものを選択します。最大 20 ファイルを指定することができます。

デフォルトでは、すべてのレコードが選択されます。

[NO]HEXADECIMAL

[NO]HEXADECIMAL

このパラメータを HEXADECIMAL に設定すると、レコードバッファとバリューバッファが 16 進形式で表示されます(DISPLAY=RB または DISPLAY=VB を指定した場合) 。

デフォルトは、NOHEXADECIMAL です。

LOGIN_ID

LOGIN_ID = string

このパラメータは、指定したログイン ID を持つレコードをすべて選択します。

デフォルトでは、すべてのレコードが選択されます。

NODE_ID

NODE_ID = string

このパラメータは、指定されたノードからのログレコードを選択します。

ADAOPR の処理時にパラメータ DISPLAY=UQ で示されたノード ID を使用しなければなりません。

このパラメータは、Entire Net-Work が導入されている場合にのみ有効です。

PAGE

PAGE = number

このパラメータは、プリント出力に使用されるページサイズを行数で定義します。

デフォルトは 59 行です。

RECORDS

RECORDS = number [-number]

このパラメータは、指定された範囲のログレコード番号に該当するログレコードを選択します。ログレコード番号は、ログが稼働し始めた後に、1 から開始されます。

デフォルトでは、すべてのレコードが選択されます。

RESPONSE

RESPONSE = (number [- number] [,number [- number]] ... )

このパラメータは、指定されたレスポンスコードまたはレスポンスコードの範囲に該当するレコードを選択します。

USER_ID

USER_ID = string

このパラメータは、"string" で指定されたユーザー ID を持つレコードを選択します。

デフォルトでは、全ユーザーが対象です。

user_id = *adarep

ADAREP ユーティリティから発行されたコマンドを示す全レコードが選択されます。

WIDTH

WIDTH = number

1 行の出力の幅を設定します。有効な値は 80 または 132 です。

デフォルトは、132 です。

複数選択条件の指定

複数の選択条件を指定する場合、それらは論理 AND で結合しなければなりません。

command = l3, file = 5

これは、ファイル 5 上の L3 コマンドがすべて選択されることになります。