ADABCK(データベースまたはファイルのダンプおよびリストア)

このドキュメントでは ADABCK ユーティリティについて説明します。

次のトピックについて説明します。


機能概要

バックアップユーティリティ ADABCK は、Adabas バックアップコピーを作成して、データベースが壊れたときに備えます。ADABCK は定期的に使用してください。

このユーティリティは、データベースまたは選択ファイルをデータベースからダンプ、またはデータベースにリストアします。

ADABCK は、同じプラットフォーム上で作成された入力ファイルも、異なるエンディアンモードのプラットフォーム上で作成された入力ファイルも処理できます。ファイルが書き込まれたフォーマットは、リストア処理によって認識されます。リストア中に、エンディアンモードに依存するすべてのデータが、ターゲットプラットフォームの要件に合致するよう変換されます。

このユーティリティは、データベースの内部構造を利用して最適なパフォーマンスを提供します。未使用ブロックは読み取る必要がないため、ダンプ時に省略されます。そのようなブロックは、Adabas バックアップコピーに含まれていなくてもリストア中に再作成できます。

バックアップコピーはテープに直接割り当てることができ、このオプションは連続するテープをサポートします『Adabas Basics』の「ユーティリティの使用」を参照)。

さらに、バックアップコピーは、バックアップデータのパイプ渡しをサポートするために、stdout に送ることができます(この機能は UNIX プラットフォームのみで使用可能です)。この機能は環境変数(BCK001)を -(マイナス)に設定すると有効になります。この場合、出力メッセージは stderr に送られます。RESTORE および OVERLAY 機能もこの方法で使用することができます。つまり、バックアップコピーは stdin から読み取ることができます。この場合、ADABCK コントロールステートメントはコマンド行に指定する必要があります『Adabas Basics』の「ユーティリティの使用」を参照してください。

利用できる機能は次のとおりです。

  • COPY 機能は、Adabas バックアップコピーをコピーします。バックアップデータセットは、同じエンディアンモードのマシン上でのみ複製できます。異なるエンディアンモードのマシン上でバックアップを複製しようとすると、拒否されます。

  • DUMP 機能は、データベースまたは選択ファイルをデータベースから Adabas バックアップコピーと呼ばれる 1 つまたは複数のシーケンシャルファイルにダンプします。ダンプの進行中に、ニュークリアスがアクティブな可能性があり、この場合はダンプ対象ファイルの同時更新が許されます。DUMP 機能は、プロセッサのエンディアンモードでデータを書き込みます。

  • EXU_DUMP 機能は、データベースまたは選択ファイルをデータベースから Adabas バックアップコピーと呼ばれる 1 つまたは複数のシーケンシャルファイルにダンプします。ダンプの実行中には、ACC ユーザーのみがダンプ対象ファイルへのアクセスが許されます。

  • IOSTAT 機能は、データ転送率および I/O 待ち時間に関する情報を表示します。

  • OVERLAY 機能は、選択ファイルまたはデータベースをリストアします。リストア対象ファイルは、すでにデータベース内にロードされている可能性があります。その場合、ADABCK は、ファイルをリストアする前に黙示的な削除を実行します。

  • READ_CHECK 機能は、Adabas バックアップコピーの読み取り可能性(すなわち、パリティエラーが存在しないこと)および完全性をチェックします。これらのチェックは、ダンプファイルが RESTORE または OVERLAY 機能によって読み取られることを確実にするためのものです。

  • RESTORE 機能は、既存の Adabas バックアップコピーからデータベースまたは選択ファイルをリストアします。ターゲットデータベース内のファイルにセキュリティ定義がない場合には、そのファイルのリストア時に対応するエントリが(ファイルダンプ時の定義のまま)セキュリティテーブルにセットアップされます。

  • リスト機能 CONTENTS、FILES、および SUMMARY は、Adabas バックアップコピーに関する情報を表示します。リスト機能を使用するとき、DBID を最初に入力する必要はありません。バックアップファイルが RAW セクションにあるときは例外です。この場合は DBID が必要になりますが、データベース自体は存在する必要がありません(UNIX プラットフォームのみ)。

DUMP、EXU_DUMP、OVERLAY および RESTORE 機能は相互に排他的であり、このユーティリティの 1 回の実行では、それらの機能の 1 つだけを実行できます。リスト機能は、READ_CHECK、RESTORE または OVERLAY 機能とだけ一緒に使用できます。

RESTORE 機能または OVERLAY 機能を実行し、データベースが小さすぎるかデータベースコンテナがない場合、ADABCK ではデータベースのサイズの拡大またはコンテナの作成が自動的に行われます。

注意:

  1. RESTORE および OVERLAY 機能は、以前の Adabas バージョンで作成されたバックアップファイルを処理できますが、通常、より新しい Adabas バージョンで作成されたバックアップファイルは処理できません。ただし、構造が変更されていない場合は、以前の Adabas バージョンでもリストアできます。例えば、文字セットエンコーディングを含むスーパーディスクリプタを使用していなければ、バージョン 6.6 のバックアップファイルをバージョン 6.5 でリストアできます。以前のバージョンで機能がサポートされていない場合は、構造レベルチェックが失敗します。
  2. RESTORE オプション PARALLEL=MULTIPROCESS は、異なるエンディアンモードのプラットフォームで作成されたバックアップファイルに対してはサポートされません。ただし、複数のエクステントに分割されたバックアップはロードできます。

注意:
Adabas INI ファイルを使用せず、代わりに環境変数を使用してコンテナファイル名を指定し、かつ ADABCK を開始する前に環境変数/論理名の割り当てを忘れた場合は、データベースのコピーがデータベースディレクトリに作成されます。Adabas ニュークリアスがアクティブなときにファイルオーバーレイまたはリストアを実行し、データベースを拡張する必要がある場合、データベースは ADABCK ではなくニュークリアスによって拡張されます。この場合 OPTION=AUTOEXPAND が指定されていなくても、ニュークリアスによってデータベースが拡張されます。環境変数を使用してデータベースコンテナを指定する場合は、リストア/オーバーレイ用に新しいコンテナを作成する必要があるときに、以下の点を考慮する必要があります。ニュークリアスは、新しいコンテナの正しい環境変数設定で開始することが重要です。新しいコンテナはニュークリアスによって作成されるので、ADABCK プロセスの環境変数を指定しても効果がありません。

このユーティリティは単一機能ユーティリティです。

処理フロー

graphics/adabck1.png

graphics/adabck2_new.png

データセット 環境
変数/
論理名
記憶
媒体
追加情報
アソシエータ ASSOx ディスク  
バックアップコピー BCK00n ディスク、テープ(注 1 参照)
stdin/
SYS$INPUT(注 2 参照)、
stdout/
SYS$OUTPUT(注 3 参照)
DUMP/EXU_DUMP 機能の出力、
その他の機能の入力
BCKOUT ディスク、テープ(注 1 参照) COPY 機能の出力
データストレージ DATAx ディスク  
DBnnn.INI   ディスク Adabas 拡張オペレーション
コントロールステートメント stdin
SYS$INPUT
  ユーティリティ
ADABCK メッセージ stdout/
SYS$OUTPUT(注 4 参照)、
stderr/
SYS$ERR(注 5 参照)
  メッセージとコード
WORK WORK1 ディスク  

注意:

  1. このシーケンシャルファイルには、名前付きパイプを使用できます(UNIX プラットフォームのみ、詳細については、『Adabas Basics』の「ユーティリティの使用」を参照してください)。
  2. DUMP または EXU_DUMP 以外の機能で(BCK001 のみ)使用します。
  3. DUMP または EXU_DUMP の機能で(BCK001 のみ)使用します。
  4. BCK001 が stdout/SYS$OUTPUT ではない場合。
  5. BCK001 が stdout/SYS$OUTPUT の場合。

シーケンシャルファイル BCK00n は、複数エクステントを持つことができます。複数のエクステントを持つシーケンシャルファイルの詳細については、『管理マニュアル』の「ユーティリティの使用」を参照してください。

チェックポイント

次の表は、各機能に対するニュークリアス条件と記録チェックポイントを示しています。

機能 ニュークリアスのアクティブ化が必要 ニュークリアスの非アクティブ化が必要 ニュークリアスは不要 記録チェックポイント
CONTENTS     X -
COPY     X -
DUMP X(注 1 参照)   X SYNX
EXU_DUMP X(注 1 参照)   X SYNX
FILES     X -
NEW_PLOG       SYNC
OVERLAY   X(注 2 参照) X(注 3 参照) SYNP
READ_CHECK     X -
RESTORE   X(注 2 参照) X(注 3 参照) SYNP
SUMMARY     X -

注意:

  1. ニュークリアスは、AUTORESTART がこの機能の最後で保留状態のときのみ必要です。
  2. データベースまたはシステムファイルのリストアの場合。
  3. ファイルのリストアの場合。

制御パラメータ

次のコントロールパラメータを使用できます。

     CONTENTS

     COPY [= number]

M    DBID = number 

     DUMP = {*|(number[-number][,number[-number]]...)}
            [,BLOCKSIZE = number [K|M]]                           
D           [{,DRIVES = number} |
D           {,[NO]DUAL } ]
            [,ET_SYNC_WAIT = number]
D           [,[NO]NEW_PLOG]
            [,REPLICATION]                           

     EXU_DUMP = {*|(number[-number][,number[-number]]...)}
 	        [[,BLOCKSIZE = number [K|M]]
D	        [{,DRIVES = number} |
D	        {,[NO]DUAL} ]
D	        [,[NO]NEW_PLOG]
            [,REPLICATION]                           

     FILES = { * | (number[-number][,number[-number]]...)}

     IOSTAT

     OVERLAY = {*|(number[-number][,number[-number]]...)}
 	       [,FMOVE [=(number [,number [-number]]...)]]
 	       [,FORMAT = (keyword [,keyword])]
 	       [,KEEP_FILE_ALLOC]
 	       [,NEW_DBID = number]
 	       [,RENUMBER = (number[-number] [,number [-number]]...)]]
         [,REPLICATION]

     PARALLEL = keyword

     READ_CHECK

     RESTORE = {*|(number[-number][,number[-number]]...)}
 	       [,FMOVE [=(number [,number [-number]]...)]] 
 	       [,FORMAT = (keyword [,keyword])]
 	       [,NEW_DBID = number]
 	       [,RENUMBER = (number[-number] [,number [-number]]...)]]
         [,REPLICATION]

     SUMMARY

CONTENTS

CONTENTS

このパラメータは、DUMP または EXU_DUMP パラメータで作成された Adabas バックアップコピー内のファイルのリストを表示するものです。

adabck cont
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 11:42:37, <Version number>
Files dumped on 30-OCT-2015 10:51:14

Database 34, GENERAL-DATABASE

File     4, Update-log      , loaded on 17-SEP-2014 14:44:19
File     9, EMPLOYEES       , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40
File    14, miscellaneous   , loaded on 11-JUN-2015 13:22:19
File    17, Timezone        , loaded on 19-SEP-2014 11:44:42
File    19, LARGE           , loaded on  2-SEP-2014 15:37:18
File    51, PCA24SYSF1      , loaded on 14-APR-2014 16:55:22
File    91, ADAOS-2544      , loaded on  8-APR-2015 13:19:27
File    95, P299255         , loaded on 20-MAR-2014 11:35:30
File    98, ADAOS-4591      , loaded on 16-JUL-2015 10:03:16
File  1009, LOBFILE of 9    , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40



%ADABCK-I-IOCNT, 1 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 11:42:37, elapsed time: 00:00:00

COPY

COPY [= number]

このパラメータは、既存の Adabas バックアップコピーから新規ファイルを作成するものです。入力ファイル(BCK0xx)および出力ファイル(BCKOUT)は、ディスクまたはテープ上のいずれにあっても構いません。ここで xx は、指定した番号、または番号が指定されない場合は 01 のいずれかです。

DBID

DBID = number

このパラメータは、使用対象となるデータベースを選択するためのものです。

DUMP

DUMP = { * | (number[-number][,number[-number]]...)}
       [,BLOCKSIZE = number [K|M]]
       [ {,DRIVES = number} | 
       {, [NO]DUAL } ]
       [,ET_SYNC_WAIT = number ]
       [,[NO]NEW_PLOG ]
       [,REPLICATION] 

この機能は、ファイルレベルの場合、リスト内の番号で指定されたファイルをダンプします。LOB ファイルが指定された場合は無視されますが、すべての基本ファイルに割り当てられた LOB ファイルはダンプされます。アスタリスク'*'は、データベース全体をダンプすることを意味します。ダンプの実行中に、ダンプ対象ファイルに対する同時更新が許されます。

ニュークリアスが並行して稼働している(オンラインバックアップ)場合、ADABCK は、ADABCK が終了するまでに、ダンプされるファイルに影響するすべてのトランザクションが、全ユーザーによって完了されていることを確認する必要があります。これは ET 同期と呼ばれます。詳細については、『管理マニュアル』の「ET 同期」セクションを参照してください。NONEW_PLOG オプションを指定してファイルレベルでダンプを実行すると、ET 同期はファイルレベルで実行されます。そうでない場合は、データベース全体に対して ET 同期が実行されます。

参照制約を含むファイルを指定する場合、参照整合性を維持するために、参照制約を介してこれらのファイルに接続したすべてのファイルも指定する必要があります。

BLOCKSIZE = number[K|M]

このパラメータを指定すると、I/O 転送ブロックサイズを変更できます。PARALLEL を指定した場合、デフォルトブロックサイズは 512 KB になります。次の値を指定することができます。64KB、128KB、256KB、512KB、1MB、2MB、...12MB。指定されたブロックサイズは、次回の RESTORE 機能で使用されます。

DRIVES = number

このパラメータは、並行して処理する出力デバイスの最大数を制限します。バックアップファイルを複数のエクステントに分割するのに使用できます。出力は BCK0xx に送られます。

デフォルト値は 1、最大値は 10 です。

パラメータ DRIVES と DUAL は相互に排他的です。DUMP 機能の 1 回のコールで指定できるのはいずれか一方のみです。

[NO]DUAL

DUAL は、ダンプ情報の物理的なコピーを 2 つ作成することを指定します。出力は BCK001 と BCK002 に送られます。

デフォルトは NODUAL です。

パラメータ DUAL と DRIVES は相互に排他的です。DUMP 機能の 1 回のコールで指定できるのはいずれか一方のみです。

ET_SYNC_WAIT = number

このパラメータは、DUMP 機能の最後で ET ロジックユーザーが ET ステータスになるまで ADABCK が待機する時間(秒単位)を定義します。ET 同期の開始時に、トランザクションがすでに ET_SYNC_WAIT で指定された秒数(またはそれ以上)の間アクティブになっている場合、待機時間は 0 です。それ以外の場合は、トランザクションの待機時間(秒単位)は、パラメータに指定された値から、ET 同期が開始された時点でトランザクションがアクティブになっていた秒数を引いた値になります。待機時間が経過した時点でまだ終了していないトランザクションはロールバックされます。

このパラメータを省略すると、ET 同期は、通常の ADABAS タイムアウトロジック(ADANUC パラメータ TT)を使用して、すべてのオープントランザクションが終了するまで待機します。

最小値は 1 で最大値は 32767 です。

注意:

  1. ADABCK の ET_SYNC_WAIT パラメータの指定を忘れ、オープントランザクションによって ADABCK がハングしている場合は、次のいずれかを実行して、ADABCK を続行できます。一時的に TT を小さな値に設定します。ADABCK が終了した後で、値を元に戻すことができます。または、オープントランザクションがあるユーザーを停止します(ADAOPR STOP を使用)。
  2. ET 同期中にデータベースで更新が実行された場合、すべてのオープントランザクションがコミットまたはロールバックされたときに、変更されたすべてのブロックをデータベースコンテナおよびバックアップコピーに書き込む必要があります。したがって、ET 同期の合計時間(IOSTAT パラメータで表示可能)は、ET_SYNC_WAIT パラメータで指定された時間よりも長くなる場合があります。

[NO]NEW_PLOG

このオプションは、DUMP 機能の最後でプロテクションログファイルをクローズして新しいログファイルを作成するかどうかを指定します。

データベースダンプのデフォルトは NEW_PLOG です。ファイルダンプの場合は NONEW_PLOG です。

注意:
V6.3 SP1 Fix 13 以前では、ファイルダンプのデフォルトは NEW_PLOG でした。ほとんどの場合、この変更は影響を与えませんが、PLOG スイッチが実際に必要な場合は、NEW_PLOG を明示的に指定する必要があります。

REPLICATION

パラメータ REPLICATION は、Adabas を搭載した Adabas Event Replicator(Adabas レプリケーション)を使用している顧客にのみ関係します。

このパラメータは、Adabas に ADABCK を使用する場合に指定する必要があります(Adabas レプリケーションの初期状態処理)。このパラメータを指定する場合、ダンプされるファイルのレプリケーションのステータスは、自動的に更新されます。

詳細については、ADAOPR CHANGE_REPLICATION_STATUS を参照してください。

EXU_DUMP

EXU_DUMP = {*|(number[-number][,number[-number]]...)}
           [,BLOCKSIZE = number [K|M]]
           [ {,DRIVES = number} | 
           {,[NO]DUAL} ]
           [,[NO]NEW_PLOG]
           [,REPLICATION] 

この機能は、ファイルレベルの場合、リスト内の番号で指定されたファイルをダンプします。LOB ファイルが指定された場合は無視されますが、すべての基本ファイルに割り当てられた LOB ファイルはダンプされます。アスタリスク'*'は、データベース全体をダンプすることを意味します。ダンプの実行中には、ACC ユーザーのみがダンプ対象ファイルへのアクセスが許可されます。ET 同期は必要ありません。

参照制約を含むファイルを指定する場合、参照整合性を維持するために、参照制約を介してこれらのファイルに接続したすべてのファイルも指定する必要があります。

BLOCKSIZE = number[K|M]

このパラメータを指定すると、I/O 転送ブロックサイズを変更できます。PARALLEL を指定した場合、デフォルトブロックサイズは 512 KB になります。次の値を指定することができます。64KB、128KB、256KB、512KB、1MB、2MB、...12MB。指定されたブロックサイズは、次回の RESTORE 機能で使用されます。

DRIVES = number

このパラメータは、並行して処理する出力デバイスの最大数を制限します。バックアップファイルを複数のエクステントに分割するのに使用できます。出力は BCK0xx に送られます。

デフォルト値は 1、最大値は 10 です。

パラメータ DRIVES と DUAL は相互に排他的です。DUMP 機能の 1 回のコールで指定できるのはいずれか一方のみです。

[NO]DUAL

DUAL は、ダンプ情報の物理的なコピーを 2 つ作成することを指定します。出力は BCK001 と BCK002 に送られます。

デフォルトは NODUAL です。

パラメータ DUAL と DRIVES は相互に排他的です。DUMP 機能の 1 回のコールで指定できるのはいずれか一方のみです。

[NO]NEW_PLOG

このオプションは、EXU_DUMP 機能の最後でプロテクションログファイルをクローズして新しいログファイルを作成するかどうかを指定します。

ダンプするファイルが 1 つだけの場合には、このオプションを使用しないでください。

EXU_DUMP=* の場合には、デフォルトは NEW_PLOG です。

REPLICATION

パラメータ REPLICATION は、Adabas を搭載した Adabas Event Replicator(Adabas レプリケーション)を使用している顧客にのみ関係します。

このパラメータは、Adabas に ADABCK を使用する場合に指定する必要があります(Adabas レプリケーションの初期状態処理)。このパラメータを指定する場合、ダンプされるファイルのレプリケーションのステータスは、自動的に更新されます。

詳細については、ADAOPR CHANGE_REPLICATION_STATUS を参照してください。

DUMP/EXUDUMP の例

例 1

データベースは、並行して 3 台の出力デバイスにダンプされます。

adabck db=34 parallel=multi_process dump=\* drives=3
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 11:05:25, <version number>
%ADABCK-I-DBOFF, database 34 accessed offline

Database dumped on 30-OCT-2015 11:05:25

Database 34, GENERAL-DATABASE

File     1, CHECKPOINT-FILE , loaded on  4-SEP-2014 13:52:43
File     2, SECURITY-FILE   , loaded on  4-SEP-2014 13:52:43
File     3, USER-DATA-FILE  , loaded on  4-SEP-2014 13:52:43
File     4, Update-log      , loaded on 17-SEP-2014 14:44:19
File     9, EMPLOYEES       , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40
File    14, miscellaneous   , loaded on 11-JUN-2015 13:22:19
File    17, Timezone        , loaded on 19-SEP-2014 11:44:42
File    19, LARGE           , loaded on  2-SEP-2014 15:37:18
File    30, FILE-30         , loaded on 31-MAR-2015 13:40:33
File    51, PCA24SYSF1      , loaded on 14-APR-2014 16:55:22
File    80, P295170         , loaded on  4-AUG-2015 12:42:43
File    91, ADAOS-2544      , loaded on  8-APR-2015 13:19:27
File    95, P299255         , loaded on 20-MAR-2014 11:35:30
File    98, ADAOS-4591      , loaded on 16-JUL-2015 10:03:16
File   101, COLLATION-TESTS , loaded on 14-APR-2014 16:47:30
File   111, TESTOPT         , loaded on 29-NOV-2011 10:34:23
File   113, lob_LB          , loaded on 23-JUN-2015 15:48:48
File   146, XMA-REPOSITORY  , loaded on 10-DEC-2014 09:39:52
File   215, ADAOS-4647      , loaded on 27-APR-2012 15:52:49
File  1009, LOBFILE of 9    , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40
File  1080, LOBFILE of 80   , loaded on  4-AUG-2015 12:42:43
File  1113, LOBFILE of 113  , loaded on 23-JUN-2015 15:48:48
File 22111, LOBFILE of 111  , loaded on 29-NOV-2011 10:34:23


%ADABCK-I-IOCNT, 2 IOs on dataset WORK
%ADABCK-I-IOCNT, 135 IOs on dataset DATA
%ADABCK-I-IOCNT, 275 IOs on dataset ASSO
%ADABCK-I-IOCNT, 41 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-IOCNT, 34 IOs on dataset BCK002
%ADABCK-I-IOCNT, 80 IOs on dataset BCK003
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 11:05:26, elapsed time: 00:00:01

例 2

ファイル 215 がダンプされ、バックアップの 2 つの物理コピーが作成されます。ダンプの実行中は、ACC ユーザーのみファイル 30 へのアクセスが許されます。

adabck db=34 exu_dump=215 dual
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 10:45:43, <version number>
%ADABCK-I-DBON, database 34 accessed online

Files dumped on 30-OCT-2015 10:45:44

Database 34, GENERAL-DATABASE

File   215, ADAOS-4647      , loaded on 27-APR-2012 15:52:49


%ADABCK-I-IOCNT, 51 IOs on dataset DATA
%ADABCK-I-IOCNT, 29 IOs on dataset ASSO
%ADABCK-I-IOCNT, 40 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-IOCNT, 40 IOs on dataset BCK002
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 10:45:44, elapsed time: 00:00:01

例 3

91~99、51、または 4~19 のファイル番号を持つデータベース内のすべての基本ファイルがダンプされます(指定したファイル範囲にない場合でも、対応する LOB ファイルが含まれます)。ADABCK は、ET ロジックユーザーが ET ステータスになるまで最大 10 秒間待機します。

adabck db=34 dump=\(91-99,51,4-19\) et_sync_wait=10
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 10:51:14, <version number>
%ADABCK-I-DBON, database 34 accessed online

Files dumped on 30-OCT-2015 10:51:14

Database 34, GENERAL-DATABASE

File     4, Update-log      , loaded on 17-SEP-2014 14:44:19
File     9, EMPLOYEES       , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40
File    14, miscellaneous   , loaded on 11-JUN-2015 13:22:19
File    17, Timezone        , loaded on 19-SEP-2014 11:44:42
File    19, LARGE           , loaded on  2-SEP-2014 15:37:18
File    51, PCA24SYSF1      , loaded on 14-APR-2014 16:55:22
File    91, ADAOS-2544      , loaded on  8-APR-2015 13:19:27
File    95, P299255         , loaded on 20-MAR-2014 11:35:30
File    98, ADAOS-4591      , loaded on 16-JUL-2015 10:03:16
File  1009, LOBFILE of 9    , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40


%ADABCK-I-IOCNT, 715 IOs on dataset DATA
%ADABCK-I-IOCNT, 1145 IOs on dataset ASSO
%ADABCK-I-IOCNT, 1195 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 10:51:16, elapsed time: 00:00:02

ファイル 1、2、4、6、8、10、11 および 13 がダンプされます。ADABCK は、ET ロジックユーザーが ET ステータスになるまで最大 5 秒待ちます。

FILES

FILES = { * | (number[-number][,number[-number]]...)}

このパラメータは、指定したファイルのステータス情報をダンプファイルに出力します。

IOSTAT

IOSTAT

このパラメータを指定すると、さまざまなデバイスのデータの転送率および I/O(待ち)時間が ADABCK 処理の最後に出力されます。

例:

adabck db=36 parallel=multi_process dump=\* drives=3 iostat
...
------------------------------------------------------------------
Dump Method     :  parallel
Blocksizes      :  DB:             512 KB     BCK:          512 KB
DB I/O time     :  total:        27.09 sec    average:     8084 us
BCK  1 I/O time :  total:         1.16 sec    average:     7606 us
BCK  2 I/O time :  total:         0.00 sec    average:      944 us
BCK  3 I/O time :  total:         1.24 sec    average:     1375 us
Wait rates      :     waits    nowaits        rate   mreq
DB              :      1439       1898         43%    8
Transfer rate   :  15215 KB/sec
------------------------------------------------------------------

%ADABCK-I-IOCNT, 2 IOs on dataset WORK
%ADABCK-I-IOCNT, 3147 IOs on dataset DATA
%ADABCK-I-IOCNT, 229 IOs on dataset ASSO
%ADABCK-I-IOCNT, 153 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-IOCNT, 2 IOs on dataset BCK002
%ADABCK-I-IOCNT, 906 IOs on dataset BCK003

IOSTAT 統計には、次の情報が表示されます。

Dump Method

PARALLEL パラメータの設定に応じて、parallel または non-parallel になります。

DB I/O time

I/O 時間の合計(秒)と、ASSO および DATA コンテナへのアクセスのための I/O 処理あたりの平均時間(マイクロ秒)。

BCK n I/O time

I/O 時間の合計(秒)と、バックアップファイルへのアクセスのための I/O 処理あたりの平均時間(マイクロ秒)。

注意:
測定される I/O 時間は、I/O システム機能に必要とされた時間です。ディスクへのアクセスに実際に必要な物理 I/O 時間とは異なる場合があります。これは、オペレーティングシステムまたはストレージシステム内のキャッシュ、および非同期 I/O の使用が要因となります。

Wait rates(Dump Method が parallel の場合のみ)

並列バックアップ/リストアの場合、データベースコンテナの I/O は非同期で実行されます。待機レートには、待機処理が必要な ASSO またはデータ I/O の数が表示されます。mreq は、データベースコンテナに対するパラレル I/O 要求の最大数です。

注意:
実際のバックアップまたはリストアの I/O のみがカウントされます。ADABCK のスタートアップフェーズでは、いくつかの追加 I/O が必要になります。したがって、wait と nowait I/O の合計は、ASSO と DATA I/O の合計より少なくなります。

BF Sync Count(オンラインモードのバックアップのみ)

バッファフラッシュ中にオンラインモードでバックアップを実行する場合は、ニュークリアスと同期して、バッファフラッシュでディスクに書き込まれて変更されたデータベースブロックもバックアップファイルに書き込む必要があります。BF sync count とは、これらのバッファフラッシュ同期の数です。

ET sync time(オンラインモードのバックアップのみ)

オンラインモードでのバックアップの終了時に、ET 同期が必要です。つまり、すべての ET ロジックユーザーが ET ステータスになるまで ADABCK が待機する必要があります。ET sync time とは、この ET 同期に必要な時間です。

Transfer rate

これは、バックアップファイルに対して読み書きされたキロバイト(1 秒あたり)です。

注意:

  1. 転送レートについては、純粋なバックアップ/リストア時間のみが考慮されます。バックアップ/リストアの準備に必要な時間は考慮されません。そのため、ADABCK の合計経過時間に基づいて転送レートを計算すると、表示された転送レートより高くなる場合があります。
  2. 小規模なバックアップの場合、計算で丸め誤差が発生する可能性があります。したがって、バックアップが非常に小さい場合、転送レートは表示されません。これは、値が不正確になるためです。
  3. 通常、多くのデータベースブロックは完全には入力されていません。正味データのみがバックアップファイルにコピーされるので、転送レートは、処理済みデータベーススペースを考慮した場合の転送レートよりも低くなります。

OVERLAY

OVERLAY = {*|(number[-number][,number[-number]]...)}
          [,FMOVE [=(number [,number [-number]]...)]]
          [,FORMAT = (keyword [,keyword] ) ]
          [,KEEP_FILE_ALLOC]
          [,NEW_DBID = number]
          [,RENUMBER = (number[-number] [,number [-number]]...)]]
          [,REPLICATION]

このパラメータは、引数リスト内の数値によって指定されるファイルをファイルレベルでリストアするものです。LOB ファイルが指定された場合は無視されますが、すべての基本ファイルに割り当てられた LOB ファイルはリストアされます。リストア対象ファイルは、すでにデータベース内にロードされていても構いません。その場合、ファイルをリストアする前に、ADABCK は暗黙の削除を実行します。LOB グループのファイルが 1 つだけオーバーレイされている場合は、LOB グループのその他のファイルも削除されます。アスタリスク(*)は、データベースレベルでリストアを行うことを意味します。データベースコンテナファイルに対する排他制御が必要です。

他のファイルへの参照整合性制約がある場合でも、指定されたファイルのみがオーバーレイされます。これらの参照整合性制約は削除されます。

FMOVE [=(number [,number [-number]]...)]

このキーワードを指定すると、ADABCK は、オーバーレイするファイルまたは指定サブセットをバックアップと同じブロック範囲にリストアするのではなく、割り当て直します。このキーワードを使用すると、ファイルエクステントの数が可能な限り削減されます。

FORMAT = (keyword [,keyword])

キーワード ASSO と DATA のどちらか、または両方を指定できます。このパラメータは、アソシエータブロックやデータストレージブロックのフォーマットに使用します。ファイルレベルでリストアする際は、ファイルのエクステントの未使用エリアに含まれるブロックのみがフォーマットされます。

KEEP_FILE_ALLOC

このパラメータを指定すると、ファイルをバックアップと同じブロック範囲にリストアするのではなく、現在データベースに存在している状態のまま割り当てようと試みます。例えば、このキーワードは、バックアップが作成されてからファイルが再編成されたとき、またより多くのスペースが前もってファイルに割り当てられたときに使用することができます。バックアップに存在するファイルが、データベースで現在使用可能なブロックよりも多いブロックが必要な場合、残りのブロックは任意の位置に割り当てられます。このキーワードはファイルリストと一緒にしか使用することができません。

NEW_DBID = number

このパラメータは、リストアするデータベースの ID を変更するために使用します。データベース全体をリストアする場合にしか指定できません。

新しい ID を使用すると、アクティブなデータベースのバックアップコピーを別セットのコンテナファイルにリストアできます。新しい ID をアクティブなデータベースと同一にすることはできません。

このパラメータを省略した場合、データベース ID は変更されません。

RENUMBER = (number[-number] [,number [-number]]...)

RENUMBER は、ターゲットデータベースにオーバーレイされるファイルに番号を振り直すために使用されます。次の制限事項と要件が適用されます。

  • OVERLAY ファイルリストで指定されたファイルと RENUMBER ファイルリストで指定されたファイルの間には 1:1 の関係が必要です。

  • OVERLAY ファイルリストで範囲を指定する場合は、RENUMBER ファイルリストの対応する範囲が同じサイズになっている必要があります。

  • 通常、OVERLAY ファイルリストには LOB ファイルを指定する必要はありません。ただし、LOB ファイルの番号も変更する場合は、LOB ファイルも指定する必要があります。

  • ファイルは、OVERLAY ファイルリストで複数回指定される場合があります(例:(11-55),(44-99))。この場合、同じソースファイル番号に対して異なるターゲットファイル番号は指定できません。ファイルリストの例で、RENUMBER=(1011-1055,1044-1099) は正しい指定ですが、RENUMBER=(1011-1055,2044-2099) は正しくありません。

  • 複数のファイルを同じターゲットファイル番号に番号変更することはできません。

REPLICATION

パラメータ REPLICATION は、Adabas を搭載した Adabas Event Replicator(Adabas レプリケーション)を使用している顧客にのみ関係します。

このパラメータは、Adabas に ADABCK を使用する場合に指定する必要があります(Adabas レプリケーションの初期状態処理)。このパラメータを指定する場合、Adabas ファイルが自動的にレプリケーションターゲットファイルとしてマークされます。

詳細については、ADAOPR CHANGE_REPLICATION_STATUS を参照してください。

PARALLEL

PARALLEL = keyword

このパラメータは、並行にデバイスを使用して処理の遅いデバイス(テープデバイスなど)にあるバックアップから作成/リストアを行うとき、その処理速度を早めるために指定します。キーワード MULTI_PROCESS を指定できます。PARALLEL=MULTI_PROCESS を指定すると、BLOCKSIZE パラメータのデフォルト値は 512 KB になります。

バックアップファイル数(DUMP または EXU_DUMP の ADABCK サブパラメータ DRIVES)が 1 より大きい場合にのみ、ADABCK 操作が並行して実行されます。

注意:

  1. ADABCK RESTORE または ADABCK OVERLAY の場合は、OVERLAY または RESTORE パラメータの前に PARALLEL を指定する必要があります。
  2. PARALLEL パラメータは、Windows プラットフォームでは使用できません。
  3. ADABCK DUMP か ADABCK EXU_DUMP の出力を名前付きパイプに渡せば、ADABCK RESTORE または ADABCK OVERLAY の入力として直接使用できるようになるので、あるデータベースから別のデータベースにデータベースまたはファイルをコピーできます。
  4. PARALLEL パラメータでは、READ_CHECK 機能のパフォーマンスは向上しません。
  5. データを異なるエンディアンモードのコンピュータにリストアする場合、DUMP 処理に PARALLEL=MULTI_PROCESS を使用することは推奨されません。異なるエンディアンモードのコンピュータ上で PARALLEL=MULTI_PROCESS で作成されたバックアップファイルは、RESTORE 処理で拒否されます。

READ_CHECK

READ_CHECK

この機能は、Adabas バックアップコピーの読み取りの可能性(つまり、パリティエラーが存在しないこと)と完全性のチェックをします。これらのチェックは、ダンプファイルがこのユーティリティの RESTORE または OVERLAY 機能によるデータベースまたはファイルのリストアに使用できることを保証するために行われます。

RESTORE

RESTORE = {*|(number[-number][,number[-number]]...)}
          [,FMOVE [=(number [,number [-number]]...)]]
          [,FORMAT = (keyword [,keyword] ) ]
          [,NEW_DBID = number]
          [,RENUMBER = (number[-number] [,number [-number]]...)]]
          [,REPLICATION]

このパラメータは、リスト内の数値によって指定されるファイルをファイルレベルでリストアするものです。LOB ファイルが指定された場合は無視されますが、すべての基本ファイルに割り当てられた LOB ファイルはリストアされます。リストア対象ファイルは、データベース内にロードしないでください。* は、データベースレベルでリストアを行うことを意味します。この場合、ファイルがすでにデータベース内にロードされていると、暗黙的に削除されるか、同じファイル番号を持つダンプ内のファイルが代わりに使用されるので、データベースコンテナファイルに対する排他制御が必要です。

他のファイルへの参照整合性制約がある場合でも、指定されたファイルのみがリストアされます。これらの参照整合性制約は削除されます。

注意:

  1. RESTORE=* を使用するには、ダンプファイルが DUMP=* または EXU_DUMP=* を用いて作成されている必要があります。
  2. 異なるエンディアンモードのプラットフォーム上で作成されたバックアップは、バックアップがオプション PARALLEL=MULTI_PROCESS を指定して作成されている場合はリストアされません。

FMOVE [=(number [,number [-number]]...)]

このキーワードを指定すると、ADABCK は、リストアするファイルまたは指定サブセットをバックアップと同じブロック範囲にリストアするのではなく、割り当て直します。このキーワードを使用すると、ファイルエクステントの数が可能な限り削減されます。

FORMAT = (keyword [,keyword])

キーワード ASSO と DATA のどちらか、または両方を指定できます。このパラメータは、アソシエータブロックやデータストレージブロックのフォーマットに使用します。ファイルレベルでリストアする際は、ファイルのエクステントの未使用エリアに含まれるブロックのみがフォーマットされます。

NEW_DBID = number

このパラメータは、リストアするデータベースの ID を変更するために使用します。データベース全体をリストアする場合にしか指定できません。

新しい ID を使用すると、アクティブなデータベースのバックアップコピーを別セットのコンテナファイルにリストアできます。新しい ID をアクティブなデータベースと同一にすることはできません。

このパラメータを省略した場合、データベース ID は変更されません。

REPLICATION

パラメータ REPLICATION は、Adabas を搭載した Adabas Event Replicator(Adabas レプリケーション)を使用している顧客にのみ関係します。

このパラメータは、Adabas に ADABCK を使用する場合に指定する必要があります(Adabas レプリケーションの初期状態処理)。このパラメータを指定する場合、Adabas ファイルが自動的にレプリケーションターゲットファイルとしてマークされます。

詳細については、ADAOPR CHANGE_REPLICATION_STATUS を参照してください。

RESTORE/OVERLAY の例

例 1

データベース全体が複数のバックアップデバイスから並行してリストアされます。データベースのバックアップのみを処理できます(DUMP=* または EXU_DUMP=* で作成されたバックアップ)。DUMP/EXUDUMP の例 1 のバックアップを使用します。ニュークリアスは非アクティブである必要があります。

adabck db=34 parallel=multi_process restore=\*
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 11:13:24, <version number>
%ADABCK-I-DBOFF, database 34 accessed offline

Restore database 34 dumped on 30-OCT-2015 11:10:29

Database 34, GENERAL-DATABASE

File     1, CHECKPOINT-FILE , loaded on  4-SEP-2014 13:52:43
File     2, SECURITY-FILE   , loaded on  4-SEP-2014 13:52:43
File     3, USER-DATA-FILE  , loaded on  4-SEP-2014 13:52:43
File     4, Update-log      , loaded on 17-SEP-2014 14:44:19
File     9, EMPLOYEES       , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40
File    14, miscellaneous   , loaded on 11-JUN-2015 13:22:19
File    17, Timezone        , loaded on 19-SEP-2014 11:44:42
File    19, LARGE           , loaded on  2-SEP-2014 15:37:18
File    30, FILE-30         , loaded on 31-MAR-2015 13:40:33
File    51, PCA24SYSF1      , loaded on 14-APR-2014 16:55:22
File    80, P295170         , loaded on  4-AUG-2015 12:42:43
File    91, ADAOS-2544      , loaded on  8-APR-2015 13:19:27
File    95, P299255         , loaded on 20-MAR-2014 11:35:30
File    98, ADAOS-4591      , loaded on 16-JUL-2015 10:03:16
File   101, COLLATION-TESTS , loaded on 14-APR-2014 16:47:30
File   111, TESTOPT         , loaded on 29-NOV-2011 10:34:23
File   113, lob_LB          , loaded on 23-JUN-2015 15:48:48
File   146, XMA-REPOSITORY  , loaded on 10-DEC-2014 09:39:52
File   215, ADAOS-4647      , loaded on 27-APR-2012 15:52:49
File  1009, LOBFILE of 9    , loaded on  8-OCT-2008 17:59:40
File  1080, LOBFILE of 80   , loaded on  4-AUG-2015 12:42:43
File  1113, LOBFILE of 113  , loaded on 23-JUN-2015 15:48:48
File 22111, LOBFILE of 111  , loaded on 29-NOV-2011 10:34:23


%ADABCK-I-IOCNT, 1 IOs on dataset WORK
%ADABCK-I-IOCNT, 133 IOs on dataset DATA
%ADABCK-I-IOCNT, 244 IOs on dataset ASSO
%ADABCK-I-IOCNT, 41 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-IOCNT, 34 IOs on dataset BCK002
%ADABCK-I-IOCNT, 80 IOs on dataset BCK003
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 11:13:26, elapsed time: 00:00:02

例 2

ファイル 215 がリストアされます。このファイルがデータベースに存在していない必要があります。データベースバックアップとファイルバックアップが処理されます。複数のバックアップファイルがある場合、バックアップがオプション PARALLEL で作成されていても、バックアップファイルは並行して処理されません。ニュークリアスはアクティブか非アクティブのいずれかになります。

adabck db=34 restore=215
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 11:18:34, <version number>

%ADABCK-I-DBOFF, database 34 accessed offline

Restore files from database 34 dumped on 30-OCT-2015 11:10:29

Database 34, GENERAL-DATABASE

File   215, ADAOS-4647      , loaded on 27-APR-2012 15:52:49


%ADABCK-I-IOCNT, 7 IOs on dataset DATA
%ADABCK-I-IOCNT, 28 IOs on dataset ASSO
%ADABCK-I-IOCNT, 41 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-IOCNT, 34 IOs on dataset BCK002
%ADABCK-I-IOCNT, 80 IOs on dataset BCK003
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 11:18:34, elapsed time: 00:00:00

例 3

91~99、51、または 11~19 のファイル番号を持つバックアップファイル内のすべての基本ファイルがリストアされます(指定したファイル範囲にない場合でも、対応する LOB ファイルが含まれます)。ファイルがすでにデータベースに存在している場合は、上書きされます。データベースバックアップとファイルバックアップが処理されます。ニュークリアスはアクティブか非アクティブのいずれかになります。

adabck db=34 over=\(91-99,51,11-19\)
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 11:38:12, <version number>
%ADABCK-I-DBON, database 34 accessed online

Overlay files dumped on 30-OCT-2015 10:51:14

Database 34, GENERAL-DATABASE

File    14, miscellaneous   , loaded on 11-JUN-2015 13:22:19
File    17, Timezone        , loaded on 19-SEP-2014 11:44:42
File    19, LARGE           , loaded on  2-SEP-2014 15:37:18
File    51, PCA24SYSF1      , loaded on 14-APR-2014 16:55:22
File    91, ADAOS-2544      , loaded on  8-APR-2015 13:19:27
File    95, P299255         , loaded on 20-MAR-2014 11:35:30
File    98, ADAOS-4591      , loaded on 16-JUL-2015 10:03:16


%ADABCK-I-IOCNT, 619 IOs on dataset DATA
%ADABCK-I-IOCNT, 1122 IOs on dataset ASSO
%ADABCK-I-IOCNT, 1195 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 11:38:13, elapsed time: 00:00:01

SUMMARY

SUMMARY

このパラメータは、DUMP/EXU_DUMP 機能を以前に実行して作成された Adabas バックアップコピーにあるデータベースの一般情報と物理レイアウトを表示するものです。

adabck summary
%ADABCK-I-STARTED,      30-OCT-2015 12:01:46, <version number>

Database dumped on 30-OCT-2015 11:57:04

Database 34, GENERAL-DATABASE

Summary of Database 34          30-OCT-2015 12:01:46


DATABASE NAME                    WO-DB-34
DATABASE ID                         34
MAXIMUM FILE NUMBER LOADED       22111
SYSTEM FILES                         1 (CHK),     2 (SEC),     3 (USR)
ACTUAL FILES LOADED                 23
CURRENT PLOG NUMBER                 99
CURRENT CLOG NUMBER                 10


Container  Device      Extents in Blocks    Number of      Block    Total Size
  File     Type         from          to     Blocks        Size     (Megabytes)
-------------------------------------------------------------------------------

 ASSO1     file            1      35,840       35,840      4,096         140.00
 ASSO2     file       35,841     166,400      130,560      2,048         255.00
 ASSO3     file      166,401     205,120       38,720     32,768       1,210.00
 ASSO4     file      205,121     210,240        5,120     16,384          80.00
 ASSO5     file      210,241     944,832      734,592      8,192       5,739.00

 DATA1     file            1       8,891        8,891      4,096          34.73
 DATA2     file        8,892      24,379       15,488      8,192         121.00
 DATA3     file       24,380      34,619       10,240     16,384         160.00
 DATA4     file       34,620     388,763      354,144     32,768      11,067.00

 WORK1     file            1     207,872      207,872      4,096         812.00

-------------------------------------------------------------------------------
                                                                      19,618.73
                                                                      =========


%ADABCK-I-IOCNT, 2 IOs on dataset BCK001
%ADABCK-I-TERMINATED,   30-OCT-2015 12:01:46, elapsed time: 00:00:00

再スタートに関する考慮事項

ADABCK には再スタート機能は備えられていません。ADABCK が異常終了した場合、最初から再実行する必要があります。

1 つ以上のファイルに対して RESTORE/OVERLAY 機能を実行しているときに処理が中断されると、RABN の割り当ては不完全になりますが、ADADBM ユーティリティの RECOVER 機能を実行すれば完全な状態に戻すことができます。データベースに対して RESTORE/OVERLAY 機能を実行しているときに処理が中断されると、そのデータベースにはアクセスできなくなります。