このドキュメントでは、z/OS および z/VSE 環境で共通する Natural グローバルバッファプールのオペレーティング機能の概要について説明します。
以下のトピックについて説明します。
グローバルバッファプールパラメータモジュール NATGBPRM
は、すべての機能およびバッファプールに適用されるグローバル処理オプションを設定するために使用します。 グローバルバッファプールパラメータモジュールは、ソース形式およびすべてデフォルト設定のオブジェクト形式で提供されます。
以下のパラメータを使用できます。
このパラメータは、グローバルバッファプールメッセージの小文字/大小文字混在サポートを有効または無効にします。
UCTRAN=NO |
小文字/大小文字混在サポートが完全に有効になります。
これはデフォルト値です。 |
UCTRAN=YES |
すべてのグローバルバッファプールメッセージは大文字で表示されます。 |
次の機能を使用できます。
注意:
機能を指定しないと、プロファイルパラメータ BPNAME
を指定している場合は CREATE
、それ以外の場合は NOP
と見なされます。
この機能は、キャッシュストレージを既存のグローバルバッファプールに追加します。
この機能は、指定されたパラメータでグローバルバッファプールを作成します。
この機能は、バッファプール自体はシャットダウンせずに、グローバルバッファプールのキャッシュストレージを削除します。
グローバルバッファプールがシャットダウンされ、ストレージエリアが解放されます。
バッファプール内にアクティブなオブジェクトがない場合は、直ちに FSHUT
が実行されます。
バッファプール内にアクティブなオブジェクトが残っている場合は、オペレータに通知されます。 オペレータに確認を求めるか直ちに FSHUT
を実行するかは、パラメータ CONFIRM
の設定によります。
この機能は、ステートメントに適用されなかったパラメータも含めて、すべてのグローバルパラメータ設定を表示します。
また、グローバルバッファプールのストレージキーも表示されます。
この機能は、ジョブが現在所有しているすべてのグローバルバッファプールキャッシュをリストします。
このファンクションコードは、特にグローバルパラメータを設定する際に使用されます。
REFRESH
コマンドでは、すでにアクティブになっているバッファプールを再初期化できます。 ストレージ割り当ては行われないため、バッファプールのサイズと場所(16 MB より上または下)は元のままで変更されません。 ただし、テキストブロックのサイズは変更できます(NATBUFFER
パラメータを参照)。
この機能は、Current Use Count(「SYSBPM - ディレクトリ情報」の「バッファプールオブジェクトのフィールド」を参照)が 0 の場合(下記の「警告」を参照)またはバッファプールが破損した場合にのみ使用してください。
注意: バッファプール内でアクティブなセッションによって Natural オブジェクトが実行されているときに、このバッファプールを再初期化すると、アクティブなセッションで予測できない結果が発生し、Natural が異常終了することもあります。 |
現在存在しているすべてのバッファプールを表示します。
GBP オペレーティングプログラムを終了します。 この終了は、アクティブなグローバルバッファプールには影響しません。
グローバルバッファプールオペレーティングプログラムに適用されたすべての Zap を表示します。
Natural GBP オペレーティングプログラムの機能は、パラメータを使用して制御できます。 これらのパラメータは任意の順序で指定できます。 一意であれば省略形を使用することもできます。
注意:
キャッシュが関連付けられている複数のグローバルバッファプールを起動する場合は、単一のジョブまたは単一の開始タスク(z/OS 環境のみ)を使用して、入力データセットに個別に CREATE
コマンドを指定することをお勧めします。 「z/OS 環境下の Natural グローバルバッファプール」の「例 4」または「z/VSE 環境下の Natural グローバルバッファプール」の「例 4」を参照してください。
以下のパラメータを使用できます。
このパラメータは必須です(TERMINATE
機能を除く)。 作成されるグローバルバッファプールの名前を指定します。
BPNAME=name |
name は、グローバルバッファプールの 8 バイトの名前です。 指定した名前が 8 バイト未満の場合は、空白が追加されます。
|
DELCACHE
機能と FSHUT
機能の場合は、値 "*" を指定すると、特定の Natural サブシステムのすべてのバッファプールを処理できます。
このパラメータは、プリロードリストの名前を指定します。
BPLIST=name |
name は、プリロードリストの 8 バイトの名前です。 指定した名前が 8 バイト未満の場合は、空白が追加されます。
|
このパラメータは、バッファプールキャッシュへのデータスペースの割り当てに使用されるストレージの容量(KB 単位)を指定します。
BPCSIZE=size |
キャッシュサイズは、MB または GB 単位で指定することもできます。例えば、10 MB の場合は 10M と指定します。 BPCSIZE パラメータを省略(または 0 に設定)すると、バッファプールにキャッシュは提供されません。 注意: |
このパラメータは、バッファプール内にアクティブなオブジェクトが残っている場合の FSHUT
の動作を制御します。
CONFIRM=Y |
FSHUT 機能の実行には、オペレータの確認が必要です。 オペレータは、FSHUT 機能を中止するか強制的に実行するかを決定できます。
これはデフォルト値です。 |
CONFIRM=N |
FSHUT は、オペレータの介入なしに強制的に実行されます。
|
このパラメータは、このパラメータが指定されている FSHUT
コマンドにのみ有効です。このため、CONFIRM
は FSHUT
パラメータごとに指定する必要があり、後続の FSHUT
コマンドには適用されません。
このパラメータは、タスクにバッファプールキャッシュがない場合は無視されます。
IDLE=nn |
nn には秒数を指定します。この時間が経過すると、GBP オペレーティングプログラムは各バッファプールキャッシュをチェックして、関連付けられたバッファプールがまだアクティブかどうかを調べます。アクティブでない場合は、そのバッファプールキャッシュが解放されます。タスクが所有していた最後のバッファプールキャッシュが解放されると、RESIDENT=Y が指定されていない限り、タスクは終了します。
デフォルト設定は 60 秒です。 |
IDLE
は "グローバル" パラメータなので、一度指定すると、再度指定しなくても、後続のコマンドに IDLE
が適用されます。
注意:
z/OS 環境では、GBP オペレーティングプログラムは指定された IDLE
時間値とジョブのタイムアウト値の比較も行います。場合によっては、タイムアウトアベンド(S322)を防ぐために IDLE
時間値が内部的に減少されます。
このパラメータは、Natural バッファプールのストレージを割り当てるためにどのアルゴリズムを使用するかを制御します。
METHOD=S |
ストレージを割り当てる際に選択プロセスを使用することを示します。 選択プロセスでは、バッファプールディレクトリ全体を参照し、最適なエントリを見つけるために各エントリを比較します。 このメソッドは以前はアルゴリズム 1 + 2 として知られていました。 これはデフォルト値です。 |
METHOD=N |
次に使用可能な未使用スペースまたはフリースペースが使用されることを示します。 次に使用可能なスペースの検索がラップアラウンド方式でポインタからディレクトリエントリに実行されます。 このメソッドはバッファプールキャッシュと組み合わせて使用できます。 |
このパラメータは、CREATE
機能にのみ有効です。 割り当てメソッドを変更するには、バッファプールを再起動します。
このパラメータは、バッファプールのサイズとモード、およびテキストブロックサイズを指定します。
NATBUFFER=(size,mode,tsize) |
size |
割り当てるストレージの容量(KB 単位)です。 Natural バッファプール( その他のバッファプールでは、デフォルトおよび最小可能サイズは 100 KB です。 指定したストレージ容量は、常に 4 KB の倍数に切り上げられます。 プールサイズは、MB または GB 単位で指定することもできます。例えば、10 MB の場合は 10M と指定します。 size で指定したストレージの次に、1 ページ(4 KB)の書き込み保護されたストレージが管理目的で割り当てられます。 |
mode |
グローバルバッファプールを 16 MB より上または下のどちらに割り当てるかを指定します。 可能な値:XA(上、デフォルト)、BL(下)。 |
|
tsize |
テキストブロックサイズ(KB 単位)を指定します。 可能な値:1、2、4、8、12、および 16。 デフォルトは 4 です。 |
|
size、mode、および tsize は、上記の順序で指定する必要があります。 |
NATBUFFER
を指定しない場合は、デフォルト値が使用されます。 後述の「NATBUFFER 指定の例」も参照してください。
このパラメータは、特定の機能が実行された後の GBP オペレーティングプログラムの動作を指定します。 可能な値は次のとおりです。
RESIDENT=Y
|
GBP オペレーティングプログラムは、特定の機能の実行後もアクティブのままで次のコマンドを待機します。 RESIDENT=Y は一度指定すると後続のコマンドにも適用されるため、再度指定する必要はありません。 GBP オペレーティングプログラムを停止するには、TERMINATE 機能を使用します。
|
RESIDENT=N |
GBP オペレーティングプログラムは、特定の機能の実行後、それ以上使用可能なコマンドがなければ終了します。 タスクがバッファプールキャッシュを所有している場合は、RESIDENT=N は無視され、タスクは終了しません。
|
RESIDENT=A |
GBP オペレーティングプログラムは、すべてのコマンドを処理した後の動作を自動的に決定します。 以下の場合は終了します。
つまり、このタスクによって所有されているバッファプールキャッシュがない場合は、 これはデフォルト設定です。 |
RESIDENT
は "グローバル" パラメータなので、一度指定すると、明示的に指定または上書きするまで、後続のコマンドにも RESIDENT
が適用されます。
このパラメータは、Natural サブシステムの ID を指定します。
SUBSID=id |
デフォルト値は NATv で、 |
SUBSID
は "グローバル" パラメータなので、一度指定すると、明示的に指定または上書きするまで、後続のコマンドにも SUBSID
が適用されます。
DELCACHE
機能、FSHUT
機能、および SHOWBP
機能の場合は、値 "*" を指定すると、特定の Natural サブシステムのすべてのバッファプールを処理できます。
Natural サブシステムの詳細については、「Natural サブシステム」(z/OS)または「Natural サブシステム」(z/VSE)を参照してください。
このパラメータは、バッファプールのタイプを指定します。 可能な値は次のとおりです。
TYPE=NAT |
Natural バッファプール(デフォルト) |
TYPE=SORT |
ソートバッファプール |
TYPE=DLI |
DL/I バッファプール |
TYPE=EDIT |
エディタバッファプール |
TYPE=MON |
Monitor バッファプール |
TYPE=RNM |
Review Natural Monitor バッファプール |
以下の例では、バッファサイズ、モード、およびテキストブロックサイズの設定に使用される NATBUFFER
パラメータを、省略形のパラメータ名(N)で使用しています。
例 1:16 MB より上、サイズ 1 MB、テキストブロックサイズ 1 KB のグローバルバッファプールを割り当てるには、以下のように指定します。
N=(1000,,1)
または
N=(1M,,1)
例 2:16 MB より上、サイズ 10 MB、テキストブロックサイズ 4 KB のグローバルバッファプールを割り当てるには、以下のように指定します。
N=(10000)
または
N=(10M)
例 3:16 MB より上、サイズ 256 KB、テキストブロックサイズ 4 KB のグローバルバッファプールを割り当てるには、以下のように指定します。
N=(,,)
これは、NATBUFFER
パラメータを省略することと同じで、デフォルト値が適用されます。