バージョン 4.2.5
 —  オペレーション  —

z/OS および z/VSE 環境下の共通 Natural GBP オペレーティング機能

このドキュメントでは、z/OS および z/VSE 環境で共通する Natural グローバルバッファプールのオペレーティング機能の概要について説明します。

以下のトピックについて説明します。


グローバルバッファプールマネージャパラメータモジュール

グローバルバッファプールパラメータモジュール NATGBPRM は、すべての機能およびバッファプールに適用されるグローバル処理オプションを設定するために使用します。 グローバルバッファプールパラメータモジュールは、ソース形式およびすべてデフォルト設定のオブジェクト形式で提供されます。

以下のパラメータを使用できます。

UCTRAN - 小文字/大小文字混在サポート

このパラメータは、グローバルバッファプールメッセージの小文字/大小文字混在サポートを有効または無効にします。

UCTRAN=NO 小文字/大小文字混在サポートが完全に有効になります。

これはデフォルト値です。

UCTRAN=YES すべてのグローバルバッファプールメッセージは大文字で表示されます。

Top of page

グローバルバッファプールのオペレーティング機能

次の機能を使用できます。

注意:
機能を指定しないと、プロファイルパラメータ BPNAME を指定している場合は CREATE、それ以外の場合は NOP と見なされます。

ADDCACHE - 既存のグローバルバッファプールへのキャッシュ割り当て

この機能は、キャッシュストレージを既存のグローバルバッファプールに追加します。

CREATE - グローバルバッファプールの作成

この機能は、指定されたパラメータでグローバルバッファプールを作成します。

DELCACHE - グローバルバッファプールのキャッシュの解放

この機能は、バッファプール自体はシャットダウンせずに、グローバルバッファプールのキャッシュストレージを削除します。

FSHUT - グローバルバッファプールのシャットダウン

グローバルバッファプールがシャットダウンされ、ストレージエリアが解放されます。

バッファプール内にアクティブなオブジェクトがない場合は、直ちに FSHUT が実行されます。

バッファプール内にアクティブなオブジェクトが残っている場合は、オペレータに通知されます。 オペレータに確認を求めるか直ちに FSHUT を実行するかは、パラメータ CONFIRM の設定によります。

GLOBALS - グローバルパラメータ設定の表示

この機能は、ステートメントに適用されなかったパラメータも含めて、すべてのグローバルパラメータ設定を表示します。

また、グローバルバッファプールのストレージキーも表示されます。

LISTCACHE - ジョブが所有するすべてのグローバルバッファプールキャッシュのリスト

この機能は、ジョブが現在所有しているすべてのグローバルバッファプールキャッシュをリストします。

NOP - オペレーションなし

このファンクションコードは、特にグローバルパラメータを設定する際に使用されます。

REFRESH - グローバルバッファプールの再初期化

REFRESH コマンドでは、すでにアクティブになっているバッファプールを再初期化できます。 ストレージ割り当ては行われないため、バッファプールのサイズと場所(16 MB より上または下)は元のままで変更されません。 ただし、テキストブロックのサイズは変更できます(NATBUFFER パラメータを参照)。

この機能は、Current Use Count(「SYSBPM - ディレクトリ情報」の「バッファプールオブジェクトのフィールド」を参照)が 0 の場合(下記の「警告」を参照)またはバッファプールが破損した場合にのみ使用してください。

注意:
バッファプール内でアクティブなセッションによって Natural オブジェクトが実行されているときに、このバッファプールを再初期化すると、アクティブなセッションで予測できない結果が発生し、Natural が異常終了することもあります。

SHOWBP - 既存のバッファプールの表示

現在存在しているすべてのバッファプールを表示します。

TERMINATE - GBP オペレーティングプログラムの終了

GBP オペレーティングプログラムを終了します。 この終了は、アクティブなグローバルバッファプールには影響しません

ZAPS - GBP に適用された Zap の表示

グローバルバッファプールオペレーティングプログラムに適用されたすべての Zap を表示します。

Top of page

グローバルバッファプールの機能パラメータ

Natural GBP オペレーティングプログラムの機能は、パラメータを使用して制御できます。 これらのパラメータは任意の順序で指定できます。 一意であれば省略形を使用することもできます。

注意:
キャッシュが関連付けられている複数のグローバルバッファプールを起動する場合は、単一のジョブまたは単一の開始タスク(z/OS 環境のみ)を使用して、入力データセットに個別に CREATE コマンドを指定することをお勧めします。 「z/OS 環境下の Natural グローバルバッファプール」の「例 4」または「z/VSE 環境下の Natural グローバルバッファプール」の「例 4」を参照してください。

以下のパラメータを使用できます。

BPNAME - グローバルバッファプールの名前

このパラメータは必須です(TERMINATE 機能を除く)。 作成されるグローバルバッファプールの名前を指定します。

BPNAME=name name は、グローバルバッファプールの 8 バイトの名前です。 指定した名前が 8 バイト未満の場合は、空白が追加されます。

DELCACHE 機能と FSHUT 機能の場合は、値 "*" を指定すると、特定の Natural サブシステムのすべてのバッファプールを処理できます。

BPLIST - プリロードリストの名前

このパラメータは、プリロードリストの名前を指定します。

BPLIST=name name は、プリロードリストの 8 バイトの名前です。 指定した名前が 8 バイト未満の場合は、空白が追加されます。

BPCSIZE - バッファプールキャッシュのサイズ

このパラメータは、バッファプールキャッシュへのデータスペースの割り当てに使用されるストレージの容量(KB 単位)を指定します。

BPCSIZE=size

size は、バッファプールキャッシュへのデータスペースの割り当てに使用されるストレージの容量(KB 単位)です。 有効な範囲は 100~2097148 です。

キャッシュサイズは、MB または GB 単位で指定することもできます。例えば、10 MB の場合は 10M と指定します。

BPCSIZE パラメータを省略(または 0 に設定)すると、バッファプールにキャッシュは提供されません。

注意:
キャッシュは、TYPE=NAT のバッファプールにのみサポートされます。

CONFIRM - FSHUT の確認

このパラメータは、バッファプール内にアクティブなオブジェクトが残っている場合の FSHUT の動作を制御します。

CONFIRM=Y FSHUT 機能の実行には、オペレータの確認が必要です。 オペレータは、FSHUT 機能を中止するか強制的に実行するかを決定できます。

これはデフォルト値です。

CONFIRM=N FSHUT は、オペレータの介入なしに強制的に実行されます。

このパラメータは、このパラメータが指定されている FSHUT コマンドにのみ有効です。このため、CONFIRMFSHUT パラメータごとに指定する必要があり、後続の FSHUT コマンドには適用されません。

IDLE - チェックまでの待機時間

このパラメータは、タスクにバッファプールキャッシュがない場合は無視されます。

IDLE=nn nn には秒数を指定します。この時間が経過すると、GBP オペレーティングプログラムは各バッファプールキャッシュをチェックして、関連付けられたバッファプールがまだアクティブかどうかを調べます。アクティブでない場合は、そのバッファプールキャッシュが解放されます。タスクが所有していた最後のバッファプールキャッシュが解放されると、RESIDENT=Y が指定されていない限り、タスクは終了します。

デフォルト設定は 60 秒です。

IDLE は "グローバル" パラメータなので、一度指定すると、再度指定しなくても、後続のコマンドに IDLE が適用されます。

注意:
z/OS 環境では、GBP オペレーティングプログラムは指定された IDLE 時間値とジョブのタイムアウト値の比較も行います。場合によっては、タイムアウトアベンド(S322)を防ぐために IDLE 時間値が内部的に減少されます。

METHOD - バッファプール内のスペースを割り当てるための検索アルゴリズム

このパラメータは、Natural バッファプールのストレージを割り当てるためにどのアルゴリズムを使用するかを制御します。

METHOD=S

ストレージを割り当てる際に選択プロセスを使用することを示します。 選択プロセスでは、バッファプールディレクトリ全体を参照し、最適なエントリを見つけるために各エントリを比較します。 このメソッドは以前はアルゴリズム 1 + 2 として知られていました。

これはデフォルト値です。

METHOD=N

次に使用可能な未使用スペースまたはフリースペースが使用されることを示します。 次に使用可能なスペースの検索がラップアラウンド方式でポインタからディレクトリエントリに実行されます。 このメソッドはバッファプールキャッシュと組み合わせて使用できます。

このパラメータは、CREATE 機能にのみ有効です。 割り当てメソッドを変更するには、バッファプールを再起動します。

NATBUFFER - バッファサイズ、モード、テキストブロックサイズ

このパラメータは、バッファプールのサイズとモード、およびテキストブロックサイズを指定します。

NATBUFFER=(size,mode,tsize) size

割り当てるストレージの容量(KB 単位)です。

Natural バッファプール(TYPE=NAT)では、デフォルトおよび最小可能サイズは 256 KB です。

その他のバッファプールでは、デフォルトおよび最小可能サイズは 100 KB です。

指定したストレージ容量は、常に 4 KB の倍数に切り上げられます。

プールサイズは、MB または GB 単位で指定することもできます。例えば、10 MB の場合は 10M と指定します。

size で指定したストレージの次に、1 ページ(4 KB)の書き込み保護されたストレージが管理目的で割り当てられます。

mode

グローバルバッファプールを 16 MB より上または下のどちらに割り当てるかを指定します。

可能な値:XA(上、デフォルト)、BL(下)。

tsize

テキストブロックサイズ(KB 単位)を指定します。

可能な値:1、2、4、8、12、および 16。 デフォルトは 4 です。

sizemode、および tsize は、上記の順序で指定する必要があります。

NATBUFFER を指定しない場合は、デフォルト値が使用されます。 後述の「NATBUFFER 指定の例」も参照してください。

RESIDENT - 機能実行後の動作

このパラメータは、特定の機能が実行された後の GBP オペレーティングプログラムの動作を指定します。 可能な値は次のとおりです。

RESIDENT=Y GBP オペレーティングプログラムは、特定の機能の実行後もアクティブのままで次のコマンドを待機します。 RESIDENT=Y は一度指定すると後続のコマンドにも適用されるため、再度指定する必要はありません。 GBP オペレーティングプログラムを停止するには、TERMINATE 機能を使用します。
RESIDENT=N GBP オペレーティングプログラムは、特定の機能の実行後、それ以上使用可能なコマンドがなければ終了します。 タスクがバッファプールキャッシュを所有している場合は、RESIDENT=N は無視され、タスクは終了しません。
RESIDENT=A GBP オペレーティングプログラムは、すべてのコマンドを処理した後の動作を自動的に決定します。 以下の場合は終了します。
  • それ以上使用可能なコマンドがない。

  • このタスクによって作成されたキャッシュが関連付けられたバッファプールがない。

つまり、このタスクによって所有されているバッファプールキャッシュがない場合は、RESIDENT=ARESIDENT=N と同様に動作します。 タスクがバッファプールキャッシュを所有している場合は、RESIDENT=ARESIDENT=Y と同様に動作しますが、このタスクが所有するバッファプールキャッシュが関連付けられた最後のバッファプールが終了すると、自動的に RESIDENT=N に切り替わります。

これはデフォルト設定です。

RESIDENT は "グローバル" パラメータなので、一度指定すると、明示的に指定または上書きするまで、後続のコマンドにも RESIDENT が適用されます。

SUBSID - Natural サブシステム ID

このパラメータは、Natural サブシステムの ID を指定します。

SUBSID=id

id は、Natural サブシステムの 4 バイトの ID です。

SUBSID は一度指定すると後続のコマンドにも適用されるため、再度指定する必要はありません。

デフォルト値は NATv で、v は現在の Natural バージョンの先頭の数字です。

SUBSID は "グローバル" パラメータなので、一度指定すると、明示的に指定または上書きするまで、後続のコマンドにも SUBSID が適用されます。

DELCACHE 機能、FSHUT 機能、および SHOWBP 機能の場合は、値 "*" を指定すると、特定の Natural サブシステムのすべてのバッファプールを処理できます。

Natural サブシステムの詳細については、「Natural サブシステム」(z/OS)または「Natural サブシステム」(z/VSE)を参照してください。

TYPE - バッファプールのタイプ

このパラメータは、バッファプールのタイプを指定します。 可能な値は次のとおりです。

TYPE=NAT Natural バッファプール(デフォルト)
TYPE=SORT ソートバッファプール
TYPE=DLI DL/I バッファプール
TYPE=EDIT エディタバッファプール
TYPE=MON Monitor バッファプール
TYPE=RNM Review Natural Monitor バッファプール

Top of page

NATBUFFER 指定の例

以下の例では、バッファサイズ、モード、およびテキストブロックサイズの設定に使用される NATBUFFER パラメータを、省略形のパラメータ名(N)で使用しています。

例 1:16 MB より上、サイズ 1 MB、テキストブロックサイズ 1 KB のグローバルバッファプールを割り当てるには、以下のように指定します。

N=(1000,,1)

または

N=(1M,,1)

例 2:16 MB より上、サイズ 10 MB、テキストブロックサイズ 4 KB のグローバルバッファプールを割り当てるには、以下のように指定します。

N=(10000)

または

N=(10M)

例 3:16 MB より上、サイズ 256 KB、テキストブロックサイズ 4 KB のグローバルバッファプールを割り当てるには、以下のように指定します。

N=(,,)

これは、NATBUFFER パラメータを省略することと同じで、デフォルト値が適用されます。

Top of page