バージョン 4.2.5
 —  オペレーション  —

z/VSE 環境下の Natural グローバルバッファプール

このドキュメントでは、z/VSE オペレーティングシステム環境での Natural グローバルバッファプール(GBP)の目的と使用方法について説明します。

以下のトピックについて説明します。

Natural グローバルバッファプールの特定の部分は、z/VSE および z/OS 環境で共通しています。 これらの部分については、以下のトピックを含む別のセクションで説明しています(「z/OS および z/VSE 環境下の共通 Natural GBP オペレーティング機能」を参照)。

以下の項目も参照してください。


Natural グローバルバッファプールの使用

定義

Natural グローバルバッファプールは、16 MB より上の z/VSE システム GETVIS ストレージ(または、要求に応じて 16 MB より下のストレージ)から割り当てられるストレージのセグメントであり、Natural が Natural プログラムをロードおよび実行する際に使用されます。 Natural グローバルバッファプールはストレージキー 9 に割り当てられるので、参加するすべてのパーティションはそこに書き込みアクセスできます。

利点

グローバルバッファプールを使用すると、異なる TP モニタ(CICS や Com-plete などの複数のコピー)環境や複数のバッチセッションの複数の Natural セッションで同じエリアを共有するため、環境ごとにローカルバッファプールを必要とする場合よりも必要なストレージが少なくて済みます。

前提条件

z/VSE 環境の Natural グローバルバッファプールには、ESA/390 または互換プロセッサのサブシステムストレージ保護機能が必要です。 このため、このハードウェア機能をサポートするには、最小オペレーティングシステムレベルの z/VSE バージョン 2 リリース 4 も必要となります。

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Natural グローバルバッファプールのオペレーティング

Natural GBP オペレーティングプログラムのインストール

インストール手順は必要ありません。 グローバルバッファプールは、NATGBPvr プログラムによって操作されます。このプログラムは、Natural ロードライブラリに含まれ、そこから実行されます。

Natural グローバルバッファプールの設定

NATGBPvr から使用できる機能は、以下の場合にアクティブになります。

NATGBPvr は、EXEC ジョブ制御文のパラメータフィールド(PARM=)に最初のコマンドがあると想定します。

以下を入力できます。

パラメータフィールドが提供されていないか空白の場合は、コマンドはデフォルトで SYSIPT から読み取られます。

機能の入力はコンソールで一度に 1 つずつまたはコマンドファイルを使用して 1 行に 1 つのみ可能で、それ以外の場合はエラーメッセージが返されます。

パラメータカード、ファイル入力、またはオペレータコンソール入力から取得された各コマンドは、オペレータコンソールに表示され、SYSLST に記録されます。

Natural GBP オペレーティングプログラムの起動

NATGBPvr プログラムを起動するには、NATGBPvr を実行するジョブをサブミットします。

重要:
システム障害後にグローバルバッファプールを確実に維持するには、マシンの IPL 時にグローバルバッファプールが自動的に起動される必要があります。

Natural GBP オペレーティングプログラムの停止

すべてのコマンドが処理された後、以下の場合を除いて、NATGBPvr は終了します。

NATGBPvr は、以下のいずれかのコンディションコードを返します。

0 すべての機能が正常に実行されました。
20 エラーが発生しました。詳細については、メッセージログを参照してください。

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NATGBPvr 実行ジョブの例

以下に、グローバルバッファプールを作成および終了するバッチジョブの例を示します。

以下の例で、vrs または vr は関連するバージョン(version)、リリース(release)、システムメンテナンスレベル番号(system maintenance level number)を表します。 製品バージョンの詳細については、『用語集』の「バージョン」を参照してください。

例 1:

// JOB GBPSTART 
/*
/* Starts a global buffer pool with the name NATvrGBP, a size of 1 MB and
/* a text block size of 4 KB. The global buffer pool is allocated above 16 MB.
/* The subsystem used is NATv. 
/* After the allocation, the job GBPSTART terminates.
/* 
// LIBDEF PHASE,SEARCH=SAGLIB.NATLIB
// EXEC NATGBPvr,SIZE=NATGBPvr,PARM='BPN=NATvrGBP,N=(1000)'
/*
// EXEC LISTLOG
/&

例 2:

// JOB GBPRES 
/* 
/* Starts a global buffer pool with the name GBP, a default size of
/* 100 KB and a text block size of 1 KB. The global buffer pool is allocated
/* below 16 MB. The subsystem used is SAGS. 
/* After the allocation, the job GBPRES will wait for further commands. 
/* Further commands may be entered using AR command MSG partition-id: 
/* the job GBPRES will then prompt for console input.
/*
// LIBDEF PHASE,SEARCH=SAGLIB.NATLIB
// EXEC NATGBPvr,SIZE=NATGBPvr,PARM='BPN=GBP,N=(,BL,1),S=SAGS,R=Y'
/* 
// EXEC LISTLOG
/&

例 3:

// JOB GBPSTOP 
/* 
/* Stops the global buffer pool GPB if it contains no active objects. If it
/* does contain active objects, the operator console will prompt for a reply.
/* Depending on the reply, the shutdown will be forced (Y) or aborted (N).
/* The subsystem used is NATv. 
/*
// LIBDEF PHASE,SEARCH=SAGLIB.NATLIB
// EXEC NATGBPvr,SIZE=NATGBPvr,PARM='FSHUT,BPN=GBP'
/*
// EXEC LISTLOG
/&

例 4:

// JOB GBPSTRT2 
/* Read commands from SYSIPT:
/* 
/* Start 3 global buffer pools (subsystem id Nvrs) with name
/*   NATGBP1 - size=1024KB and a cache with size 2048KB
/*   NATGBP2 - size=2048KB without cache 
/* Display all buffer pools of subsystem id "Nvrs".
/* 
/* Note: The job does not terminate by itself, but stays resident and waits
/*       for operator commands, because it owns the data space allocated for
/*       buffer pool NATGBP1.
/*
/* If the buffer pools should shut down, wake up sleeping job by MSG partition-id
/* and enter parameter "CF=*" to execute the corresponding FSHUTs. 
/*
// LIBDEF PHASE,SEARCH=SAGLIB.NATLIB
// EXEC NATGBPvr,SIZE=NATGBPvr 
CREATE,BPN=NATGBP1,S=Nvrs,N=(1M),BPC=2M
CREATE,BPN=NATGBP2,S=Nvrs,N=(2M)
SHOWBP S=Nvrs
/*
FSHUT,BPN=NATGBP1,S=Nvrs
FSHUT,BPN=NATGBP2,S=Nvrs
SHOWBP S=Nvrs
/*

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ローカリゼーション

モジュール NATGBPTX はソース形式で提供されます。 このモジュールには、すべてのエラーメッセージが英語(大文字と小文字が混在)で含まれています。 メッセージは、必要に応じて他の言語に翻訳できます。 この場合は、"新しい" NATGBPTX ソースモジュールをアセンブルし、NATGBPvr をリンクし直す必要があります。

大文字の変数部分を含むグローバルバッファプールメッセージを発行するには、UCTRAN パラメータを YES に設定してグローバルバッファプールパラメータモジュール NATGBPRM をアセンブルし、NATGBPvr をリンクし直す必要があります。

NATGBPvr をリンクし直すには、以下の JCL を使用します。

// OPTION CATAL,LIST 
ACTION NOAUTO,SMAP
PHASE NATGBPvr,*   
INCLUDE NATGBPMG
INCLUDE NATGBPRM
INCLUDE NATGBPTX
INCLUDE NATBPMGR 
ENTRY CMSTART 
/* 

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