バージョン 8.1.3
 —  ユーティリティ  —

ユーティリティ構文

ADAWRK ユーティリティの構文を以下に示します。 このドキュメントには、この構文を使用したサンプルの JCL が記載されています。

graphics/util_adawrk.png

ADAWRK をパラメータなしで単独で指定すると、サマリレポートを生成することができます(デフォルトは SUMMARY=YES)。 他のパラメータ値を任意で追加することによって、ADAWRK で生成されるレポートをカスタマイズすることができます。 それぞれのパラメータを以下に示します。

ABEND34

ABEND34 パラメータを使用すると、ADAWRK ユーティリティにエラーが発生したときに、ユーザーアベンド 35 をユーザーアベンド 34 に変更することができます。 これにより、このユーティリティが異常終了したときにダンプが確実に出力されます。

CHECKPOINT

CHECKPOINT パラメータを使用すると、WORK パート 1 の自動再スタートエリアで見つかったチェックポイントを ADAWRK レポート出力に出力する必要があるかどうかを示すことができます。 有効な値は "YES" または "NO" です。 "YES" の値は見つかったチェックポイントレコードを出力することを示し、"NO" の値は出力しないことを示します。 デフォルトは "NO" です。

CMID

CMID パラメータを使用すると、32 バイトのコミュニケーション ID を 16 進形式で 24 個まで指定することができます。 WORK パート 1 の自動再スタートエリアレコードの中で、CMID パラメータで指定された値に等しいコミュニケーション ID を持つもののみが、ADAWRK ユーティリティによって処理され、レポートに出力されます。

ETID

ETID パラメータを使用すると、32 個以下の ETID を文字形式で指定することができます。 ETID には 1~8 バイトの長さが必要です。 ETID を指定すると、その ETID に対応する WORK パート 1 の自動再スタートエリアレコードのみが ADAWRK ユーティリティによって処理され、レポートに出力されます。

FILES

FILES パラメータを使用すると、レポートに含める必要があるファイル番号を 64 個まで指定できます。 FILES パラメータに示されたファイルに対応する WORK パート 1 の自動再スタートエリアレコードのみが、ADAWRK ユーティリティによって処理され、レポートに出力されます。 ただし、FILES パラメータを指定しない場合は、デフォルトでデータベース内のすべてのファイルが処理されます。

必要に応じて、このパラメータにファイル番号の範囲を指定することができます。 例えば、FILES=2-20 は、2~20 のファイル番号を持つすべてのファイルをユーティリティで処理する必要があることを示します。

FORCE

FORCE パラメータを使用すると、WORK パート 1 の自動再スタートエリア内で矛盾が発生したときに、ADAWRK 処理をどのように実行する必要があるかを示すことができます。 有効な値は "YES" または "NO" です。 "YES" の値は ADAWRK ユーティリティでは、アベンドを発生させることなく、データの解釈を続行する必要があることを示し、"NO" の値は WORK パート 1 の自動再スタートエリア内の矛盾が発生すると、適切なメッセージを出力し、アベンドが発生してユーティリティが終了することを示します。

LWP

LWP パラメータを使用すると、ADAWRK ユーティリティによって内部で使用されるワークプールのサイズを指定することができます。 有効な値は 100K~1048576K(つまり 1 GB)です。 デフォルトは 1024K(1 MB)です。 LWP はキロバイト単位で指定する必要があります。"K" を指定しなかった場合はエラーが発生します。 例えば、LWP=500K という指定は有効ですが、LWP=500 は有効ではありません。

NOPPT

NOPPT パラメータを使用すると、データベースのアソシエータ(ASSO)データセットがユーティリティによって開かれないようにすることができます。 このパラメータを指定すると、ASSO データセットは開かれません。 このパラメータを指定しない場合に、ユーティリティに ASSO データセットが与えられると、ユーティリティは PPT を使用します。

このパラメータによって、WORK データセットを利用できてもアソシエータを利用できない場合の対処法が提供されます。

NOUSERABEND

NOUSERABEND パラメータを使用すると、ユーザーアベンドが発生したときに、ユーティリティがリターンコード 20 で終了する必要があることを示すことができます。 このパラメータを指定すると、アベンドが発生する代わりに、リターンコード 20 が出力されます。 このパラメータを指定しない場合は、必要に応じてユーザーアベンドが発生します。

REPORTFILE

REPORTFILE パラメータを使用すると、ファイル統計レポートを出力する必要があるかどうかを示すことができます。 有効な値は "YES" または "NO" です。 "NO" はファイル統計レポートを出力しないことを示し、"YES" はファイル統計レポートを出力することを示します。

デフォルトは "NO" です。

REPORTFILE パラメータとともに CMID、FILES、USERID、または ETID のパラメータを指定すると、すべてのパラメータによって指定される基準をすべて満たす更新のみがファイル統計レポートに含まれます。

SUMMARY

SUMMARY パラメータを使用すると、サマリレポートを出力する必要があるかどうかを示すことができます。 有効な値は "YES" または "NO" です。 "NO" はサマリレポートを出力しないことを示し、"YES" はサマリレポートを出力することを示します。

デフォルトは "YES" です。

SUMMARY パラメータとともに CMID、FILES、USERID、または ETID のパラメータを指定すると、すべてのパラメータによって指定される基準をすべて満たす更新のみがサマリレポートに含まれます。

TEST

TEST パラメータを使用すると、ADAWRK ユーティリティに指定したパラメータが正しいかどうかをテストすることができます。 TEST パラメータを指定した場合、レポートは出力されません。

TIMEZONE

TIMEZONE パラメータを使用すると、ADAWRK レポートを出力する前に時間の値を特定のタイムゾーンに変換することができます。 TIMEZONE パラメータに有効な値は LOCAL、MACHINE、および +|- nn 形式(nn は 0~23 の有効な値)による時差指定です。

パラメータ値 説明
LOCAL 時間はマシンで見つかったローカルの調整値によって調整されます。 これがデフォルトです。
MACHINE 時間は見つかったとおりに出力されます。
-23~+23 時間は指定された時間数だけ戻して(マイナス記号が指定された場合)または進めて(プラス記号が指定された場合)調整されます。
TRANSACTIONS

TRANSACTIONS パラメータを使用すると、トランザクションレポートを出力する必要があるかどうかを示すことができます。 有効な値は "YES"、"NO"、"DETAIL"、および "FULL" です。

パラメータ値 説明
NO トランザクションレポートを出力しません。 これがデフォルトです。
YES トランザクションレポートを出力します。
DETAIL WORK パート 1 の自動再スタートエリアで見つかったトランザクションデータに関する追加の詳細を出力します。詳細には各トランザクションで更新されたファイルおよび ISN 番号などが含まれます。
FULL トランザクションの各更新に関連するすべてのデータストレージおよびインバーテッドリスト(ディスクリプタバリューテーブル DVT)が出力されます。

TRANSACTIONS パラメータとともに CMID、FILES、USERID、または ETID のパラメータを指定すると、すべてのパラメータによって指定される基準をすべて満たす更新のみがトランザクションレポートに含まれます。

USERID

USERID パラメータを使用すると、ユーザー ID 値を 24 個まで指定できます。このユーザー ID 値を使用して、ユーティリティによって処理された WORK パート 1 の自動再スタートエリアレコードをフィルタリングできます。 ユーザー ID は、レコードのコミュニケーション ID の最後の 8 バイトに格納されています。 USERID パラメータに示されているユーザー ID に最後の 8 バイトが一致するコミュニケーション ID を持つレコードのみが ADAWRK ユーティリティによって処理され、レポートに出力されます。

ユーザー ID は長さ 1~8 バイトの文字形式または 16 進形式で指定する必要があります。 ユーザー ID を文字形式で指定する場合は、アスタリスク(*)をワイルドカード文字として使用できます。ユーザー ID を 16 進形式で指定する場合は、ワイルドカードは使用できません(16 進形式のユーザー ID でアスタリスクを指定すると、ADAWRK 処理で X'5C' に変換されます)。

文字形式のユーザー ID に含まれるアスタリスクのワイルドカード文字は、ユーザー ID の最後に指定する必要があります。 例えば、USERID=ABC* と指定すると、WORK パート 1 の自動再スタートエリアレコードの中で "ABC" という文字で始まるユーザー ID の値を持つすべてのレコードが ADAWRK ユーティリティによって処理されます。 ただし、USERID=*ABC と指定すると、アスタリスクのワイルドカードは無視され、WORK パート 1 の自動再スタートエリアレコードの中で "ABC" というユーザー ID の値を持つすべてのレコードが ADAWRK ユーティリティによって処理されます。

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