特定のデータをデータベースファイルから読み込み、対応する出力を表示する簡単なプログラムを作成します。
以下の演習を完了すると、サンプルのアプリケーションは 1 つのモジュールでのみ構成されます(プログラムで使用されるデータフィールドはプログラム内で定義されます)。
このドキュメントには次の演習が含まれています。
デモデータベース SAG-DEMO-DB
は自動的に開始されません。 このチュートリアルの演習に進む前に、デモデータベースが開始していることを確認する必要があります。 デモデータベースが開始していないと、例が動作しません。
次の説明は、Adabas を Windows でローカルにインストールした場合に適用されます。 UNIX バージョンを使用し、デモデータベースが稼動していない場合は、開始するよう UNIX 管理者に依頼してください。
デモデータベースを開始するには
メニューから、 を選択します。
デモデータベースのステータスは、結果のデータベースリストに表示されます。 ステータスが "Active" の場合、以下の手順は不要となり、[DBA Workbench]アプリケーションウィンドウを閉じることができます。
ステータスが "Active" でない場合は、以下の手順に従ってください。
データベースリストの[SAG-DEMO-DB]を選択します。
メニューの を選択します。
データベースが開始したことを示すダイアログボックスが表示されます。
ボタンを選択して、ダイアログボックスを閉じます。
[DBA Workbench]アプリケーションウィンドウを閉じます。
このチュートリアルの残りの部分で使用する新しいプログラムを作成します。 新しいプログラムは、Hello World プログラムを新しい名前で保存することによって作成します。
プログラムを新しい名前で保存するには
メニューの を選択します。
ヒント:
プログラムエディタが選択されていることを確認します。 プログラムエディタが選択されていないと、上記のコマンドを使用できません。
[名前をつけて保存]ダイアログボックスが表示されます。
プログラムの新しい名前として「PGM01」と指定します。
ボタンを選択します。
新しい名前がプログラムエディタのタイトルバーに表示されます。
ライブラリワークスペースで、新しいプログラムが Programs ノードに表示されます。 このプログラムはまだ格納されていないため、プログラムアイコンに緑色の点は表示されません。
プログラムエディタですべてのコードを削除します(例えば、Ctrl キーを押したまま A キーを押してすべてのテキストを選択してから、Delete キーを押します。これは Windows の標準機能です)。
プログラムで使用するデータベースファイルおよびフィールドは、プログラムの先頭にある DEFINE DATA
と END-DEFINE
との間で指定する必要があります。
Natural がデータベースファイルにアクセスできるようにするには、物理データベースファイルの論理定義が必要です。 このような論理ファイル定義は、データ定義モジュール(DDM)と呼ばれます。 DDM には、ファイルの個々のフィールドに関する情報が含まれます。 DDM は通常、Natural 管理者が定義します。
Natural プログラムでデータベースフィールドを使用できるようにするには、ビューで DDM からフィールドを指定する必要があります。 システムライブラリ SYSEXDDM
には、サンプル DDM が用意されています。 このチュートリアルでは、EMPLOYEES
データベースファイル用の DDM を使用します。
必要なフォーマットおよび長さの定義を含め、DDM からプログラムエディタにフィールドをインポートすることができます。
DEFINE DATA
ブロックを指定するには
プログラムエディタで次のコードを入力します。
DEFINE DATA LOCAL END-DEFINE * END
ヒント:
Windows バージョンの Natural では、大文字と小文字は区別されません。 しかし、メインフレームバージョンの Natural では、キーワードと識別子は常に大文字で入力され、テキスト定数に小文字が含まれることがあります。 したがって、メインフレームでもプログラムを編集する場合には、メインフレームの場合を想定してプログラムコードを入力することをお勧めします。
LOCAL
は、次の手順で定義する変数がこのプログラムにのみ適用されるローカル変数であることを示します。
DDM からデータフィールドをインポートするには
LOCAL
の下の行にカーソルを置きます。
メニューの を選択します。
[データフィールドのインポート]ダイアログボックスが表示されます。
[ライブラリ]ドロップダウンリストボックスから[SYSEXDDM]を選択します。
[DDM]オプションボタンが選択されていると、定義済みのすべての DDM が[オブジェクト]リストボックスに表示されます。
EMPLOYEES
という名前のサンプル DDM を選択します。
インポートできるデータフィールドがダイアログボックスの下部に表示されます。
Ctrl キーを押して、次のフィールドを選択します。
FULL-NAME
NAME
DEPT
LEAVE-DATA
LEAVE-DUE
ボタンを選択します。
[ビューの定義]ダイアログボックスが表示されます。
デフォルトでは、DDM 名がビュー名として選択されています。 他の任意の名前を指定できます。
ビュー名として「EMPLOYEES-VIEW」と入力します。
ボタンを選択します。
[データフィールドのインポート]ダイアログボックスの ボタンのラベルが になります。
[データフィールドのインポート]ダイアログボックスを閉じます。
ボタンを選択して、プログラムエディタで次のコードが挿入されました。
1 EMPLOYEES-VIEW VIEW OF EMPLOYEES 2 FULL-NAME 3 NAME (A20) 2 DEPT (A6) 2 LEAVE-DATA 3 LEAVE-DUE (N2)
最初の行には、ビューの名前およびフィールドが取得されるデータベースファイルの名前が含まれています。 最初の行は、常にレベル 1 で定義されます。 レベルは、行の先頭に示されます。 DDM のデータベースフィールドの名前は、レベル 2 および 3 で定義されます。
レベルはフィールドグルーピングと合わせて使用します。 2 またはそれ以上のレベル番号が付いたフィールドは、それより小さいレベル番号が付いた直前のグループの一部であるとみなされます。 グループで定義すると、グループ名を使用して一連のフィールド(または 1 つのフィールドだけでもよい)を参照することができます。 これは一連の連続フィールドを参照するのに便利で効果的な方法です。
各フィールドのフォーマットおよび長さは、カッコで囲んで示されます。 "A" は英数字を示し、"N" は数字を示します。
必須データの定義が完了したので、READ
ループを追加します。 このループは、定義されたビューを使用してデータベースファイルからデータを読み込みます。 各ループでは、データベースファイルから 1 人の従業員を読み込みます。 この従業員の名前、部署、および休暇の残り日数が表示されます。
すべての従業員が表示されるまで、データが読み込まれます。
注意:
トランザクションが中止されたことを示すエラーメッセージが表示されることがあります。 これは通常、Adabas によって決められる非アクティビティタイムリミットを超えた場合に発生します。 このようなエラーが発生した場合は、最後に実行されたアクションを単に繰り返す(RUN
コマンドを再発行するなど)必要があります。
データベースからデータを読み込むには
END-DEFINE
の下に次の行を挿入します。
READ EMPLOYEES-VIEW BY NAME * DISPLAY NAME 3X DEPT 3X LEAVE-DUE * END-READ
BY NAME
は、データベースから読み込むデータが名前別にアルファベット順にソートされることを示します。
DISPLAY
ステートメントは、出力を列形式で配列します。 指定されたフィールドごとに列が作成され、列の上にヘッダーが表示されます。 3X
は、列間に 3 文字分の空白が挿入されることを示します。
プログラムを実行します。
次の出力が表示されます。
Page 1 05-05-18 16:06:49 NAME DEPARTMENT LEAVE CODE DUE -------------------- ---------- ----- ABELLAN PROD04 20 ACHIESON COMP02 25 ADAM VENT59 19 ADKINSON TECH10 38 ADKINSON TECH10 18 ADKINSON TECH05 17 ADKINSON MGMT10 28 ADKINSON TECH10 26 ADKINSON SALE30 36 ADKINSON SALE20 37 ADKINSON SALE20 30 AECKERLE SALE47 31 AFANASSIEV MGMT30 26 AFANASSIEV TECH10 35 AHL MARK09 30 AKROYD COMP03 20 ALEMAN FINA03 20
DISPLAY
ステートメントの結果、列ヘッダー(DDM から取得)に下線が引かれ、下線とデータの間に 1 行の空行が挿入されます。 各列の幅は、DEFINE DATA
ブロックで定義された値(ビューで定義された値)と同じになります。
各ページ上部のタイトルにはページ番号および日時が含まれ、これも DISPLAY
ステートメントによって表示されます。
Enter キーを繰り返し押して、すべてのページを表示します。
すべての従業員が表示されると、プログラムエディタに戻ります。
ヒント:
すべての従業員が表示される前にプログラムエディタに戻るには、Esc キーを押します。
前の出力は非常に長いため、それを制限します。 "Adkinson" で始まり "Bennett" で終わる範囲の名前のデータのみを表示します。 これらの名前はデモデータベースに定義されています。
出力をデータの範囲に制限するには
新しい変数を使用する前に、それを定義する必要があります。 したがって、LOCAL
の下に次の行を挿入します。
1 #NAME-START (A20) INIT <"ADKINSON"> 1 #NAME-END (A20) INIT <"BENNETT">
これらはユーザー定義変数であり、デモデータベースには定義されていません。 名前の先頭にあるハッシュ(#)は、ユーザー定義変数とデモデータベースに定義されているフィールドを区別するために使用されていますが、必須文字ではありません。
INIT
はフィールドのデフォルト値を定義します。 デフォルト値は、山カッコおよび引用符で囲んで指定する必要があります。
READ
ステートメントの下に次の行を挿入します。
STARTING FROM #NAME-START ENDING AT #NAME-END
プログラムは次のようになります。
DEFINE DATA LOCAL 1 #NAME-START (A20) INIT <"ADKINSON"> 1 #NAME-END (A20) INIT <"BENNETT"> 1 EMPLOYEES-VIEW VIEW OF EMPLOYEES 2 FULL-NAME 3 NAME (A20) 2 DEPT (A6) 2 LEAVE-DATA 3 LEAVE-DUE (N2) END-DEFINE * READ EMPLOYEES-VIEW BY NAME STARTING FROM #NAME-START ENDING AT #NAME-END * DISPLAY NAME 3X DEPT 3X LEAVE-DUE * END-READ * END
プログラムを実行します。
出力が表示されます。 Enter キーを繰り返し押すと、数ページ後(Bennett という名前の最後の従業員のデータが表示された後)でプログラムエディタに戻ります。
プログラムを格納します。
次の演習「ユーザー入力」に進みます。