バージョン 8.1.3
 —  ユーティリティ  —

UNLOAD FILE:指定したファイルのアンロード

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このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。


基本パラメータ

FILE

アンロードするファイルの番号を指定します。 チェックポイントファイルおよびセキュリティファイルはアンロードできません。

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オプションのパラメータとサブパラメータ

CODE:サイファコード

アンロードするファイルが暗号化されている場合、CODE で適切なサイファコードを指定する必要があります

DDISN:アンロードした ISN の DD/ISN 出力ファイルの作成

DDISN パラメータを指定すると、ADAULD ではアンロードした ISN のリストをシーケンシャル出力ファイル DD/ISN に書き込みます。 DD/ISN は、アンロードされたレコードを削除するために ADALOD UPDATE の入力として使用できるように、構造化されています。

DDISN キーワードを指定すると、次のように処理されます。

ERRLIM:エラーの限界値

ERRLIM は、処理が終了する前に ADAULD によって受け付けられるニュークリアスレスポンスコードの最大数を設定します。 デフォルト設定は 1 です。つまり最初のエラーが発生すると、ADAULD はエラー 124 で終了します。

ERRLIM の値を 1 よりも大きく設定すると、レスポンスコード 255(すべてのアタッチドバッファが割り当て済み)のような、周期的に発生する状態に対応することができます。 この場合、ユーティリティはリターンコード 8 で終了し、ユーザーアベンドは発生しません。 ADAULD の出力ファイルを使用できます。ただし、返されるニュークリアスレスポンスコードによってはレコードが存在しない可能性があります。

ETID:マルチクライアントファイルオーナー ID

マルチクライアントファイルをアンロードする場合は、ETID パラメータを使用すると、UNLOAD 処理の対象を指定されたユーザーの所有するレコードのみに制限できます。 ETID パラメータを指定しなければ、全レコードをアンロードします。

マルチクライアントファイルに対して SELCRIT/SELVAL パラメータが指定されている場合は、必ず ETID パラメータも指定しなければなりません。

LPB:プリフェッチバッファサイズ

LPB は、内部プリフェッチバッファの大きさを指定します。 最大値は 32767 バイトです。

デフォルトでは、ADAULD はプリフェッチバッファをできるだけ大きくして、最高のパフォーマンスを得ようとします。 LPB パラメータを使用すると、ユーザーはプリフェッチバッファを小さくすることを選択できます。 このことは、ADAULD でプリフェッチが頻繁に使用されることによって、他のユーザーに関連するニュークリアスリソースが大量に消費される場合などに役立ちます。

デフォルト値は、ADARUN LU パラメータによって設定された中間ユーザーバッファの長さに依存します。 ADAULD は、Adabas 制御情報を格納するために必要なスペース(108 バイト)および指定した最大圧縮レコード長(LRECL)を LU の値から引いて、デフォルトの LPB 値を決定します。 この結果は、LPB に許された最大値(32767 バイト)以下である必要があります。

ニュークリアスを必要とする ADAULD のようなユーティリティのレコードバッファを格納するために、LU のデフォルト値は 65535(最大値)に設定されます。 LU の値が小さすぎる場合、ADAULD は LPB パラメータに指定された値を縮小することがあります。

LRECL:最大圧縮レコード長

LRECL は、返される最大圧縮レコード長(DVT を含む)をバイト単位で指定します。

この長さは、Adabas レコードバッファ長として使用されます。 この値が小さすぎる場合はレスポンスコード 53 が発生します。 デフォルト値は 4000 バイトで、許容最大値は 32760 バイトです。

MODE=SHORT:ディスクリプタ情報の排除

このパラメータは、ノーマルインデックスおよびアッパーインデックスの構築に使用されるディスクリプタ情報を出力に含めるかどうかを指定します。

MODE=SHORT を指定すると、ディスクリプタ情報はアンロードされません。フィールド定義テーブル(FDT)が出力データセットに書き込まれるとき、FDT からすべてのディスクリプタ情報が削除されます。

出力が ADALOD ユーティリティへの直接入力として使用される場合、ファイルにディスクリプタは含まれません。

スーパーディスクリプタの場合は、MODE=SHORT を指定するとスーパーフィールドとしてアンロードされます。 出力が ADALOD への直接入力として使用される場合、ロードされたファイルにはスーパーフィールドが含まれます。

NOUSERABEND:アベンドなし終了

機能の実行中にエラーになると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してユーザーアベンド 34(ダンプあり)またはユーザーアベンド 35(ダンプなし)で終了します。

NOUSERABEND を指定すると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してもアベンドしません。 代りに、メッセージ "utility TERMINATED DUE TO ERROR CONDITION"(エラーのためユーティリティを終了します)を表示してコンディションコード 20 で終了します。

NUMOUT:出力ファイルの数

NUMOUT は、作成される出力ファイルの数を指定します。 1 よりも大きな数を指定する場合は、ユーザー出口 9 を使用して、出力ファイルの選択(DD/OUT1 または DD/OUT2)を制御する必要があります。 詳細については、『Adabas DBA リファレンスマニュアル』を参照してください。 使用できる値は 1(デフォルト)および 2 です。

NUMREC:アンロードするレコード数

NUMREC は、アンロードするレコードの数を制限します。 このパラメータを省略すると、すべての制限が無効になります。

PASSWORD:ファイルパスワード

アンロードするファイルがセキュリティ保護されている場合は、PASSWORD パラメータを指定する必要があります。

PLOGNUM:プロテクションログ番号

SAVETAPE を指定し、かつ ADAULD の入力としてオンラインセーブテープを使用する場合、DD/PLOG シーケンシャル入力データセットとして対応するプロテクションログが必要です。

ADASAV バージョン 5.1 で作成したオンラインセーブテープを使用する場合は、追加パラメータ PLOGNUM と SYN1 または SYN4 を指定しなければなりません。

ADASAV バージョン 5.2 以上で作成したオンラインセーブテープは、この情報を含んでいます。 PLOGNUM SYN1 または SYN4 を指定すると、テープ情報は書き換えられます。

SAVETAPE

セーブテープからファイルをアンロードします。 このオプションは、セーブテープのファイルをブロックサイズの異なるデータベースに移動する場合、およびテスト環境の異なるセーブテープのファイルを使用する場合に役立ちます。

オンラインセーブテープを使用する場合は、TEMPDEV パラメータも指定する必要があります。 オンラインセーブテープが ADASAV バージョン 5.1 で作成されている場合は、PLOGNUM と SYN1 または SYN4 も指定する必要があります。 PLOGNUM と SYN1 または SYN4 を ADASAV バージョン 5.2 以降で作成されたオンラインセーブテープに指定すると、テープに含まれている情報が書き換えられます。

詳細については、「入力セーブテープの処理」のセクションを参照してください。

SORTSEQ パラメータと SELCRIT パラメータを SAVETAPE と同時に使用することはできません。

ETID パラメータを SAVETAPE と同時に使用することはできません。 マルチクライアントファイルの特定クライアントのレコードを選択するにはユーザー出口 9 を使用する必要があります。 詳細については、「ADAULD ユーザー出口 9」を参照してください。

セーブテープからアンロードするファイルが暗号化されている場合は、通常どおり CODE パラメータを指定する必要があります。

注意:
Adabas Delta Save Facility で使用するための特殊な SAVETAPE 機能が用意されています。 詳細については、『Adabas Delta Save Facility マニュアル』を参照してください。

SELCRIT:選択条件

SELCRIT パラメータを使用すると、指定した選択条件を満たすレコードのみがアンロードされるように制限できます。 選択条件は、『Adabas コマンドリファレンスマニュアル』の説明に従い、サーチバッファ構文を使用して指定する必要があります。

複数の条件を指定する場合は、次のように、それぞれの条件に個別の ADAULD SELCRIT ステートメントを付加します。

ADAULD SELCRIT ='AA, 20, A, D,'
ADAULD SELCRIT ='AB, 10, A.'

ADAULD によって、これらの条件が次のように連結されます。

'AA, 20, A, D, AB, 10, A.'

選択条件に対応する値は、SELVAL パラメータを使用して指定する必要があります。

SELVAL:選択条件に対する値

SELVAL は、SELCRIT パラメータで指定した選択条件に対応する値を指定します。 値のフォーマットはバリューバッファに使用するものと同じです。詳細は『Adabas コマンドリファレンスマニュアル』を参照してください。

値は複数の行に指定できます。 パックされた 10 進数またはバイナリ値は、次の例に示すように 16 進形式で指定することができます。

SELVAL='PARIS   '
SELVAL=X'00149C'
SELVAL='AB100'
SORTSEQ:アンロードの順序

SORTSEQ は、アンロードする ISN のソート順を指定します。 SORTSEQ を指定しない場合、ISN は物理順でアンロードされます。

ディスクリプタ名を指定すると、そのディスクリプタ値の論理順の昇順にレコードがアンロードされます。 ディスクリプタ、サブディスクリプタ、ハイパーディスクリプタまたはスーパーディスクリプタの名前を指定できます。 ピリオディックグループ内のフィールドは参照しないでください

注意:
ディスクリプタフィールドまたは後続のフィールドが初期化されていない(値を持たない)場合は、空値省略されたディスクリプタフィールドでなくても、そのレコードはインバーテッドリストに含まれません。 したがって、そのレコードはユーティリティの実行時に除外されます。

SORTSEQ=ISN が指定されると、レコードは ISN の順序で昇順にアンロードされます。

SELCRIT/SELVAL と SORTSEQ の両方を指定すると、レコードはニュークリアスのワークプールエリアでソートされます。 したがって、ADARUN LS および LWP セッションパラメータで十分なスペースを指定する必要があります。LS および LWP パラメータの詳細については、『Adabas オペレーションマニュアル』を参照してください。

STARTISN:開始 ISN

STARTISN は SELCRIT/SELVAL パラメータおよび SORTSEQ パラメータとともに使用します。STARTISN を使用すると、アンロード対象レコードを ISN に従って制限できます。 STARTISN は単独で指定できません。

SYN1|SYN4:開始ブロック番号

SAVETAPE を指定し、かつ ADAULD の入力としてオンラインセーブテープを使用する場合、DD/PLOG シーケンシャル入力データセットとして対応するプロテクションログが必要です。

ADASAV バージョン 5.1 で作成したオンラインセーブテープを使用する場合は、追加パラメータ PLOGNUM と SYN1 または SYN4 を指定しなければなりません。

ADASAV バージョン 5.2 以上で作成したオンラインセーブテープは、この情報を含んでいます。 PLOGNUM SYN1 または SYN4 を指定すると、テープ情報は書き換えられます。

TEMPDEV:一時ストレージデバイスタイプ

SAVETAPE を指定し、ADAULD の入力としてオンラインセーブテープを使用する場合、処理中は中間データセットを使用して中間データが格納されます。 TEMPDEV パラメータは、この中間データセットに使用されるデバイスタイプを示します。 このパラメータは、使用するデバイスタイプが、ADARUN DEVICE パラメータで TEMP に割り当てられた標準のデバイスタイプと異なる場合にのみ必要です。

中間データセットのブロックサイズは、少なくとも、アンロードするファイルのデータストレージブロックサイズに 16 バイトを加えた値である必要があります。

TEMPSIZE:一時ストレージのサイズ

TEMPSIZE はファイルの中間データセットのサイズを指定します。 サイズはシリンダ単位またはブロック単位(後ろに "B" を付加)で指定できます。

中間データセットは、プロテクションログのすべてのデータストレージブロックを格納するのに十分な大きさを必要とします。 最悪の場合は、ファイルのデータストレージブロック数と同じ数のブロックが必要になります。ただし、PLOG データセットより大きくする必要はありません。 中間データセットが小さすぎると、ADAULD はエラーコード 136(temp data set too small)を返します。

TEST:構文テスト

このパラメータは、実際に処理を行わずに構文をテストします。 指定したパラメータの構文だけがテストされ、値や変数の正当性はテストされません。

UTYPE:ユーザータイプ

アンロード処理で有効とするユーザータイプを指定します。

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例 1

ADAULD FILE=6

ファイル 6 をアンロードします。 レコードはデータストレージ内に物理的に位置している順番でアンロードされます。

例 2

ADAULD FILE=6,SORTSEQ=AA

ファイル 6 をアンロードします。 レコードをアンロードする順序を制御するために、ディスクリプタ AA の値が使用されます。

例 3

ADAULD FILE=6,SORTSEQ=ISN

ファイル 6 をアンロードします。 レコードは ISN の昇順にアンロードされます。

例 4

ADAULD FILE=6,SORTSEQ=ISN,STARTISN=10000

ファイル 6 をアンロードします。 レコードは ISN の昇順にアンロードされます。 ISN が 10000 以上のレコードだけがアンロードされます。

例 5

ADAULD FILE=6,SORTSEQ=AB,MODE=SHORT

ファイル 6 をアンロードします。 レコードをアンロードする順序を制御するために、ディスクリプタ AB の値が使用されます。 ノーマルインデックスおよびアッパーインデックスの作成に使用されたエントリはアンロードされません。 出力されるフィールド定義テーブル(FDT)からすべてのディスクリプタ情報が消去されます。

例 6

ADAULD FILE=6,SELCRIT='AA,1,S,AA,2.',SELVAL='AMM'

ファイル 6 をアンロードします。 AA=A から MM のレコードだけがアンロードされます。 レコードは ISN 順に返されます。

例 7

ADAULD FILE=6,UTYPE=EXF

ファイル 6 をアンロードします。 ユーザータイプは EXF が指定されているため、アンロード処理中にファイルがロックされ、他のユーザーによるファイルの読み取りおよび更新を防ぎます。

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