REGENERATE 機能は、2 つのチェックポイント間に実行されたすべての更新を再適用します。
通常の更新がリストアされるのに加えて、ADARES REGENERATE では選択したファイルに指定されたチェックポイント間で実行された次の ADADBS ユーティリティ(または Adabas Online System)機能の更新もすべてリストアされます。
ALLOCATE | DELETE | NEWFIELD | RELEASE |
CHANGE | DSREUSE | PRIORITY | RENAME |
DEALLOCATE | ISNREUSE | RECOVER | RENUMBER |
DELCP | MODFCB | REFRESH | UNCOUPLE |
データベースについては、ファイルに関連する上記のすべての処理以外に、データベースに関連する次の ADADBS(または Adabas Online System)機能がすべて実行されます。
ADD | INCREASE(データセットのサイズ) |
DECREASE(データセットのサイズ) | RECOVER |
このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
プロテクションログのログ番号(PLOGNUM)またはセッション番号(FROMPLOG)のどちらかを、REGENERATE 処理の開始ポイントとして指定できます。 セッション番号を指定する場合は、TOPLOG パラメータを使用すると、処理するセッションの範囲も指定できます。
FROMPLOG は、指定された ADARES 機能の開始時のセッション番号を指定します。 ADARES は PLOG 入力ファイル内で正しい開始セッションを検索します。 開始点をさらに明確に定義したい場合には、FROMCP および FROMBLK パラメータを指定します。
PLOGNUM は、再生成処理の入力として使用されるデータプロテクションログのログ番号です。 ログ番号は、データベースステータスレポートから得ることができます。
ALLOCATION は、配置パラメータ ACRABN、DSRABN、NIRABN または UIRABN に従ってファイルエクステント割り当てが得られない場合に取るべき動作を指定します。
ALLOCATION は、再生成の一部として再生される次の処理に関係します。
ADADBS ALLOCATE
Adabas Online System の "ファイル定義"
Adabas Online System の "DLOG AREA のインストール/変更"
デフォルト(すなわち ALLOCATION=FORCE)の場合は、RABN 配置パラメータに従ったファイルエクステント割り当てができないと、このユーティリティはエラーで終了します。
ALLOCATION=NOFORCE の場合は、配置パラメータによる割り当てができないと、配置パラメータなしで再度割り当てようとします。
TOCP パラメータを指定すると、通常は処理の最後に不完全トランザクションのバックアウトは行われません。 したがって、この TOCP チェックポイントに対応するユーティティ機能を再実行し、開始チェックポイントを指定する FROMCP を使用して別の ADARES 処理を続けることができます。
TOCP チェックポイントで REGENERATE/BACKOUT を終了する必要がある状況では、AUTOBACKOUT パラメータを使用して不完全トランザクションをバックアウトすることによって、データベースに論理的な不整合が発生しないようにすることができます。 AUTOBACKOUT は、TOCP が指定されている場合にのみ使用できることに注意してください。
CONTINUE は、ファイルの再生成中に不完全なトランザクションによって行われた変更の AUTOBACKOUT を許可します。 CONTINUE を指定すれば、FILE パラメータによって指定されたデータセットの不完全トランザクションによるすべての変更がバックアウトされます。
ファイルリストにカップリングされたコンポーネントファイルまたは拡張コンポーネントファイルが存在する場合に CONTINUE を指定すると、カップルファイルのペアまたはコンポーネントファイルセットがすべて揃っているかどうかに関する通常のリストのチェックは実行されません。したがって、IGNORECOUPLE または IGNOREEXP を指定してそれぞれのファイルリストのチェックを中止する必要はありません。
CONTINUE を指定すると、REGENERATE 機能のみで使用するためにデータベース全体がロックされます。
EXCLUDE では、REGENERATE 処理から除外する、つまり再生成しないファイルの番号をリストします。 これらのファイルに関するプロテクションレコードはすべて無視されます。
このパラメータは省略可能です。指定しなかった場合、ファイルは一切除外されません。 ファイル番号は 1 度だけリスト可能です。
FILE パラメータが指定されている場合、EXCLUDE パラメータに指定されたすべてのファイルが FILE パラメータにも指定されている必要があります。
EXCLUDE パラメータは、REGENERATE 実行時にトランザクションロジックが使用されるかどうかには関係ありません。
EXCLUDE パラメータは、Adabas Recovery Aid(ADARAI)によって構築されたリカバリジョブで使用するためのパラメータです。
除外されたファイルは ADAREP レポートの拡張 CPLIST にリストされます。
FILE は再生成処理の対象とするファイルを指定します。 すべてのファイルを対象とする場合は、FILE パラメータを指定しないでください。 指定ファイルが Adabas 拡張ファイルのコンポーネントファイルである場合、拡張ファイルの全コンポーネントファイルも指定しなければなりません。 指定されたファイルが他のファイルとカップリングされている場合、カップリングされている他方のファイルも指定しなければなりません。
注意:
開始前に、ADARES は指定されたすべてのファイルを REGENERATE の実行期間中ロックします。 したがって、FILE
パラメータの指定がなければ、データベース全体をロックします。
FROMBLK は、FROMCP チェックポイントエントリが含まれるブロック番号を指定します。 このブロック番号は、前回の ADASAV リストア出力またはデータベースステータスレポートから取得できます。 PLOGNUM または FROMPLOG を参照します。 FORMBLK は、FROMCP が指定された場合のみ指定できます。
FROMCP は、REGENERATE 処理を開始するチェックポイントを定義します。 処理は、指定されたチェックポイントの直後の情報から開始されます。 このチェックポイント名は、前回の ADASAV リストアの出力(SYN2/5)、データベースステータスレポート、あるいは UTICPLIST の指定による ADARES COPY/PLCOPY 出力から取得できます。 処理をログの最初から開始する場合は、FROMCP パラメータを指定しないでください。 FROMCP は PLOGNUM または FROMPLOG によって指定されるプロテクションログを参照します。
SYNS,INCLUDE オプションの詳細については、「INCLUDE(再生成へのチェックポイントのインクルード)」を参照してください。
IGNORECOUPLE(または CONTINUE)を指定した場合、REGENERATE 機能では、FILE リストに対して、カップルファイルのペアがすべて揃っているかかどうかのチェックが行われません。 CONTINUE および IGNORECOUPLE の双方が指定されず、またその FILE リスト内でカップルファイルの一方が指定されていない場合、ADARES はエラーメッセージを発行して終了します。
FILE リスト内に Adabas 拡張コンポーネントファイルが含まれている場合、ADARES BACKOUT では通常、関連するすべてのコンポーネントファイルもリストに存在していることをチェックします。存在していない場合、ADARES は REGENERATE 処理を終了し、エラーメッセージを発行します。 IGNOREEXP(または CONTINUE)を指定すると、関連するコンポーネントファイルに対するチェックが行われなくなります。
オプションキーワードである INCLUDE を FROMCP または TOCP に指定すると、処理で再生成が開始または停止するチェックポイントがインクルードされます。つまり、そのチェックポイントに関連する機能が再実行されます。 チェックポイント名は SYNS にする必要があります。これは、ADARES では SYNS チェックポイントに関連する機能のみが再実行可能であるためです。 チェックポイント名とパラメータを組み合わせた 'SYNS,INCLUDE' はアポストロフィで囲む必要があります。
INCLUDE を指定しない場合(デフォルト)、REGENERATE 処理は FROMCP で指定したチェックポイントの直後に開始され、TOCP で指定したチェックポイントの直前で停止します。
INCLUDE パラメータは、Adabas Recovery Aid(ADARAI)によって構築されたリカバリジョブで使用するためのパラメータです。
MTR が YES の場合はマルチスレッド再生成機能をアクティブにし、NO の場合は使用不可にします。
マルチスレッド再生成機能がアクティブであるときは、性能を向上するために、PLOG 情報を含む複数のバッファが同時に Adabas ニュークリアスに送られます。 マルチスレッド再生成機能が使用されないときは、一度に Adabas に送られるバッファは 1 つだけです。
ニュークリアス ADARUN パラメータ MODE=SINGLE が指定されると、MTR は自動的に NO に設定されます。 Adabas がシングルユーザーモードで実行しているときはマルチスレッドは使用できません。
FILE パラメータを指定しないか、あるいは CONTINUE パラメータ付きで指定すると、MTR のデフォルト値は YES になります。 この場合、マルチスレッド再生成はデータベース全体を排他制御し、通常は有効になります。
上記以外のデフォルト値は NO です。 CONTINUE なしで FILE が指定されたときなど、マルチスレッド再生成が一部のファイルだけを排他制御する場合は、異なるファイルにアクセスする通常のアプリケーションを同時に実行できますが、運用中のアプリケーションの性能に悪い影響を与える可能性があります。
NOAUTOBACKOUT を指定すると、REGENERATE 処理の最後で通常行われる不完全なトランザクションのバックアウトが停止されます。 通常、ADARES では、下記の 2 つの条件が両方満たされる場合に、この機能の最後で、不完全なすべての論理トランザクションの自動バックアウトを実行します。
REGENERATE がデータベース全体を対象にしている場合(FILE パラメータの省略)、または CONTINUE パラメータが指定されている場合
TOCP パラメータの指定がなく、入力データセットの最後まで処理が実行される場合
1 つの Adabas セッションで作成されたマルチプロテクションログを処理するために、REGENERATE を連続して複数回実行する必要がある場合は、最後の入力ログに対してのみ自動バックアウトを実行する必要があります。 したがって、最後の入力ログが使用される実行を除くすべての REGENERATE 実行に対して NOAUTOBACKOUT パラメータを指定しなければなりません。
注意:
NOAUTOBACKOUT パラメータはシングルユーザーモードでは指定できません。
機能の実行中にエラーになると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してユーザーアベンド 34(ダンプあり)またはユーザーアベンド 35(ダンプなし)で終了します。
NOUSERABEND を指定すると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してもアベンドしません。 代りに、メッセージ "utility TERMINATED DUE TO ERROR CONDITION"(エラーのためユーティリティを終了します)を表示してコンディションコード 20 で終了します。
MTR=YES のとき、Adabas ニュークリアスに送られる同時コール数を制限するために NPCALLS パラメータを指定できます。
NPCALLS のデフォルト値は、FILE パラメータが指定されていないか、あるいは COUTINUE 付きで指定されている場合は、ニュークリアス ADARUN パラメータ NT に 1 を加えた値か NC のどちらか小さい方になります。
FILE パラメータが CONTINUE なしで指定されている場合は、デフォルト値はニュークリアス ADARUN パラメータ NT に 1 を加えた値か、NC を 2 で割った値のどちらか小さい方になります。
NPCALLS は、主として、デフォルト値で許可される同時コール数を減らすために使います。 同時コール数が少ないと、ADARES がニュークリアスにかける負荷も少なくなります。 これは、REGENERATE FILE と同時に実行されるアプリケーションプログラムが利用できるリソースを増やすときに特に役立ちます。
PARALLELREAD パラメータを使用すると、データベース全体およびファイル指向の両方の機能で、ADARES REGENERATE で処理されているファイルに同時読み取り専用アクセスができるようになります。
ファイル指向機能では、PARALLELREAD を指定することにより、ADARES はレコードバッファに "EXU=file-list" を含む OPEN コールを発行します。 これは、ADARES がアクティブな間、他のユーザーのためにファイルへの読み取り専用アクセスを可能にします。
FILE が指定されていないとき、または CONTINUE が指定されているときは、PARALLELREAD パラメータはデータベース全体でのセッション再生成に有効です。 このパラメータによって、データベースセッションが再生成されているときでも読み取り専用ユーザーがデータベースにアクセスできるようになります。
更新コマンドは拒否されます。
再生成が行われているデータベースセッションで更新されたレコードを、同時アクセスしているユーザーが読み取った場合は、アプリケーションから見ると論理的に間違ったレコードイメージ、または矛盾を示すレスポンスコード(113 など)が表示されることがあります。
注意:
PARALLELREAD での ADARES
オペレーション中に、アソシエータとデータストレージが位置的に異なると、ニュークリアスレスポンスが 113 または 199
になる可能性があります。
PLOGDBID は、PLOG の取得元となった代替 DBID を指定します。 ADARUN ステートメントの DBID パラメータで指定されたデータベース以外のデータベースのプロテクションログを使用して再生成を実行する場合は、PLOGDBID を使用して代替プロテクションログのデータベース ID を指定します。 デフォルトは、ADARUN で指定されたデータベース ID(DBID)です。
RAID パラメータは、ユーティリティチェックポイント(ADADBS または Adabas Online System チェックポイントを除く)に到達したか、ファイルのニュークリアスレスポンスコードを受け取ったためにファイルが除外されるたびに、エラー 146 で再生成を終了します。
RAID を指定しない場合(デフォルト)、ADARES は 1 つのファイルが REGENERATE 処理から除外された後もその他のファイルの処理を続行します。
RAID は、Adabas Recovery Aid(ADARAI)によって構築されたリカバリジョブで使用するためのパラメータです。
TEST パラメータは、処理を実際には行わずに構文のみをテストします。 指定したパラメータの構文だけがテストされ、値や変数の正当性はテストされません。
TOBLK は、TOCP チェックポイントエントリが含まれるブロック番号を指定します。 TOBLK は、TOCP が同時に指定されていなければ指定できず、TOPLOG(指定されている場合)、あるいは PLOGNUM または FROMPLOG によって指定されたプロテクションログを参照します。
TOCP は、REGENERATE 処理を直前で終了させるチェックポイントを指定します。 処理は指定したチェックポイントまで継続されますが、このチェックポイントは処理の対象になりません。 REGENERATE 処理をログの最後まで続ける場合は、TOCP を指定しないでください。 TOCP は TOPLOG(指定されている場合)、あるいは PLOGNUM または FROMPLOG によって指定されたプロテクションログを参照します。
SYNS,INCLUDE オプションの詳細については、「INCLUDE(再生成へのチェックポイントのインクルード)」を参照してください。
TOPLOG は、指定された ADARES 機能によって処理される最終セッションを指定します。 指定された TOPLOG セッションよりも番号が大きいセッションが、ADARES によって PLOG 入力ファイルで検出された場合、そのセッションは ADARES 処理の対象から除外されます。 また TOPLOG が指定されない場合には、FROMPLOG セッションがデフォルトとなります。
ADARES REGENERATE PLOGNUM=4
すべてのファイルが再生成処理の対象になります。 プロテクションログ番号は 4 です。 再生成処理は、ログの先頭で始まり、ログの末尾で終了します。 REGENERATE 処理の最後に、不完全なトランザクションが自動的にバックアウトされます。
ADARES REGENERATE FILE=4,7,FROMPLOG=11,FROMCP=CH01,FROMBLK=106, ADARES TOPLOG=12,TOCP=CH05,TOBLK=2031
再生成処理は、ファイル 4 と 7 に限定されます。 チェックポイント CH01 と CH05 の間でファイル 4 と 7 に適用された更新のすべてが再適用されます。 CH01 はデータプロテクションログ 11 のブロック 106 にあります。 CH05 はデータプロテクションログ 12 のブロック 2031 にあります。 上記の例と同様に、REGENERATE 処理の後に不完全なトランザクションの自動バックアウトは行われません。
ADARES REGENERATE EXCLUDE=10,11,12
ファイル 10~12 が REGENERATE データベース機能から除外されます。 これらのファイルに対する変更は再生されません。
ADARES REGENERATE ADARES FROMCP='SYNS,INCLUDE',FROMBLK=123 ADARES TOCP=SYNP,TOBLK=234
ADARES がデータベースを再生成します。
REGENERATE は PLOG ブロック 123 の SYNS チェックポイントで開始され、ADARES は関連する ADADBS/Adabas Online System 機能を再実行します。
REGENERATE はブロック 234 の SYNP チェックポイントの直前で終了し、ADARES は関連するユーティリティ機能を再生しません。
ADARES REGENERATE FILE=10 ADARES FROMCP='SYNS,INCLUDE',FROMBLK=345 ADARES TOCP='SYNS,INCLUDE',TOBLK=456
ADARES が ファイル 10 を再生成します。
REGENERATE は PLOG ブロック 345 の SYNS チェックポイントで開始され、ADARES は関連する ADADBS/Adabas Online System 機能がファイル 10 に関するものである場合のみ再実行します。
REGENERATE はブロック 456 の SYNS チェックポイントで終了し、ADARES は関連する ADADBS/Adabas Online System 機能がファイル 10 に関するものである場合にのみ再生します。
ADARES REGENERATE ADARES RAID
ADARES がデータベースを再生成します。
ADARES は、入力 PLOG で見つかったすべてのデータベース更新を再実行します。
ADARES は、ニュークリアスレスポンスコードを受け取るか、または ADADBS または Adabas Online System 以外のユーティリティチェックポイントに到達すると、ただちにエラー 146 で終了します。