バージョン 8.1.3
 —  オペレーションマニュアル  —

Adabas ユーティリティの実行

各 Adabas ユーティリティの機能と実行の詳細については、『Adabas ユーティリティマニュアル』を参照してください。

Adabas Online System を使用して、さまざまなユーティリティ機能をオンラインで実行できます。

このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。


コンディションコード/終了コード

各ユーティリティのコンディションコードおよび終了コードの詳細については、『Adabas メッセージおよびコードマニュアル』を参照してください。

Adabas ユーティリティでは、次のコンディションコードを設定できます。

コード ユーティリティの処理結果
0 正常終了しました。
4 正常終了しましたが、警告状態になりました。
8 エラー状態になりましたが、処理は継続されました。
16 メイン機能は正常終了しましたが、エラー状態になりました。
20 完了できませんでした。 処理はエラー状態になりましたが、NOUSERABEND が指定されていたので、異常終了はしませんでした。

ユーティリティ実行中に発生したエラーについては、次の終了コードが返されます。

コード ユーティリティ終了に関する情報
34 ダンプあり。
35 ダンプなし。
36 ダンプあり。 DDDRUCK または DDPRINT への書き込み中の I/O エラーが原因で終了されました。 JCL を確認してください。

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ファイルおよびデータベースの使用方法

このセクションの表では、各ユーティリティに必要なファイル/データベースの使用方法、必要なデータベースステータス、Adabas ユーティリティ実行時に Adabas ニュークリアスをアクティブにしておく必要があるかどうか、および機能がデータ保全ブロック(DIB)にエントリを作成するかどうかを示します。

ニュークリアスを必要とするユーティリティは、ニュークリアス JCL ステートメントが指定されている場合に限り、シングルユーザーモードで使用できます。

表の中で使用する記号は次のとおりです。

コード 説明
該当なし。
  ファイル/データベースの使用方法
ACC アクセスオンリーの使用。他のユーザーはファイル/データベースにアクセスして更新できます。
EXF 排他ファイル制御。他のユーザーはファイルをアクセス/更新できません。
EXU 排他ファイル更新。他のユーザーはファイルを更新できません。
UTI ユーティリティ更新制御。他のユーザーはファイルをアクセス/更新できません。
UTS ユーティリティ SAVE 制御。他のユーザーはファイルにアクセスして更新できます。
* 排他データベース制御。他のデータベースアクティビティは許可されません。
** チェックポイントまたはセキュリティファイルが使用される場合の排他データベース制御。使用されない場合、ユーティリティ操作の読み込みフェーズで読み取り専用アクセスが許可されます。
*** CONTINUE パラメータが指定された場合のデータベース排他制御。
UPD 更新/ET ユーザーステータスは、ユーティリティには適用されません。 ユーティリティがタイムアウトになることはありません。
  データベースステータス
NP 当該データベースに対する他の処理は許可されません。
P 他のデータベースファイルに対する処理が許可されます。
  Adabas ニュークリアスステータス
A Adabas ニュークリアスをアクティブにする必要があります。
C Adabas ニュークリアスはアクティブであってもかまいません。
N Adabas ニュークリアスはアクティブにしてはなりません。
ユーティリティ 機能 ファイル/データベースの使用方法 データベースアクティビティ Adabas ニュークリアス DIB エントリの作成
ADAACK すべて EXU P C X
ADACDC すべて P C X
ADACMP COMPRESS FDT=...
データの圧縮
データの圧縮解除
DECOMPRESS
INFILE=...
ACC
-
-

EXU(EXF)

P
P
A
C
C

A
X
X
X

X
ADACNV すべて
TEST パラメータ使用
*
ACC
NP
P
N
C

X
ADADBS すべて(次の場合を除く)
RECOVER
RESETDIB
OPERCOM DDIB
ACC/UTI
UTI
-
-
P (1)
(2)
P
P
A
A
C
C
X
X
X
X
ADADCK すべて EXU P C X
ADADEF すべて * NP N X
ADAFRM TEMP/SORT データセット以外のフォーマット
TEMP/SORT データセットのフォーマット
シングルブロックの
フォーマット
-

-

-
NP

P

P
N

C

C
X

X

X
ADAICK ICHECK EXU P C X
ADAINV すべて EXU/UTI P A
ADALOD すべて UTI P C
ADAMER ADAM 統計表 P C X
ADAORD REORDER A/D/DB
REORDER FILE(A)
REORDER FILE(D)
REORDER FILE
RESTRUCTURE DB
RESTRUCTURE FILE
STORE
*
EXU/UTI **
EXU/UTI **
EXU/UTI **
*
EXU **
UTI
NP
P
P
P
NP
P
P
A
A
A
A
A
A
A






ADAPLP すべて P C X
ADAPRI メンテナンス出力 P C X
ADARAI DISABLE,
PREPARE,
REMOVE CHKDB,
LIST
RECOVER
       
ADAREP データベースのレポート作成
CPLIST/CPEXLIST
-
ACC
P
P
C
A
X
X
ADARES ファイルの再生成、
ファイルのバックアウト
再生成、
バックアウト
コピー
デュアル/マルチログのコピー
修復

UTI ***

*
-
-
UTI

P

NP
P
P
P

A

A
A/C
C
A

X

X
X
X
X
ADASAV ファイルのセーブ
データベースのセーブ
ファイルのリストア
データベースのリストア
プロテクションログのリストア
UTS
UTS
UTI
*
*
P
P (3)
P
NP
NP
C
C
C
N
N




ADASEL プロテクションログデータの選択 P C X
ADAULD ファイルのアンロード セーブテープからのファイルのアンロード EXU(EXF) - P P A C X X
ADAVAL 整合性チェック EXU P A X
ADAZAP すべて * NP N X

注意:

  1. 完了したとき、ADADBS ADD/INCREASE は、再割り当てやフォーマットを行えるように、ニュークリアスセッションを終了します。
  2. 他のユーティリティが実行中のときは、ADADBS RECOVER は実行できません。
  3. アクティブなニュークリアスで ADASAV SAVE を実行しているときに(オンライン)、データベースを更新する他のユーティリティは実行できません。

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ユーティリティと機能によるディスクアクセス

次の表に、各ユーティリティ機能がアクセスするディスク上のデータセットを示します。

ユーティリティ 機能 直接アクセスされるディスク
ADAACK すべて ASSO、DATA
ADACDC すべて ASSO
ADACMP すべて
ADACNV すべて ASSO、DATA、WORK、デュアル PLOG(指定された場合)
ADADBS OPERCOM DDIB、RESETDIB
その他
ASSO(ニュークリアスがアクティブでない場合)
ADADCK すべて ASSO、DATA
ADADEF DEFINE NEWWORK ASSO、DATA、WORK ASSO、WORK
ADAFRM すべて フォーマットされるデータセット
ADAICK DATAPRINT、DSCHECK
その他
ASSO、DATA
ASSO
ADAINV すべて ASSO
ADALOD すべて ASSO、DATA、WORK
ADAMER すべて
ADAORD REORDB、REORFILE、REORDATA、
REORFDATA、STORE REORASSO、REORFASSO、
RESTRUCTUREDB、RESTRUCTUREF
ASSO、DATA
ASSO
ADAPLP WORKPRI
PLOGPRI
その他
WORK
デュアル PLOG
ADAPRI すべて ASSO + 出力されるデータセット
ADARAI PREPARE、REMOVE
その他すべて
ASSO
ADAREP すべて

SAVETAPE からのレポート*
ASSO。DATA は必須ではありませんが、ADAREP でボリューム番号を出力するため、推奨されています。 -
ADARES CLCOPY、PLCOPY

その他すべて
デュアル CLOG、PLOG。
ASSO は推奨されますが必須ではありません。
ASSO
ADASAV SAVE DB、SAVE FILE、RESTORE FILE ASSO、DAT。WORK(ニュークリアスのダウン時に追加)。
ADASEL すべて ASSO
ADAULD すべて
ADAVAL すべて
ADAZAP すべて
DATA を対象とする ADAZAP
WORK を対象とする ADAZAP
ASSO
DATA
WORK

* Adabas は、SAVETAPE からの ADAREP では DATA および ASSO をオープンしません。 通常の ADAREP の場合、DATA をオープンしようとします。

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リソースの競合

注意:
ニュークリアスの起動/終了とユーティリティジョブを確実に同期させるため Adabas バージョン7 がオペレーティングシステムサービスをどのように使用しているかについては、「オペレーティングシステムサービスを使用するプログラムの同期化」を参照してください。

1 つ以上の Adabas ファイルの排他制御を必要とするような Adabas ユーティリティは、次のいずれかの条件があてはまると、エラーメッセージを出力して終了します。

  1. オペレータコマンド LOCKF(または Adabas Online System)によってファイルがロックされているとき。

    この場合、ファイルがロックされている原因を特定し、ロック解除できるかどうかを確認してください。 ロックされたファイルのロックを解除するには、UNLOCKF オペレータコマンド(またはAdabas Online System)を使用します。

  2. ファイルが他の Adabas ユーティリティによって使用中であるとマークされているとき。

    Adabas は、各 Adabas ユーティリティが使用しているファイルのリストを DIB ブロック(アソシエータの第 3 ブロック)に保持します。 オペレータコマンド DDIB(または、Adabas Online System)を使用すると、このブロックの内容が表示され、どのジョブが当該ファイルを使用中であるかを確認できます。

    このとき注意しなければならないことは、Adabas が DIB からエントリを削除するのは、ユーティリティが正常終了またはエラーメッセージを出力して終了したときのみということです。 ユーティリティが異常終了すると、そのユーティリティが使用していたファイルは使用中のままになります。 このようなファイルは、ADADBS ユーティリティの RESETDIB 機能を使用して、明示的に解放しなければなりません。 例えば、上記のようなファイルを使用しているユーティリティのジョブ名が JOBUT1 である場合、次の ADADBS パラメータを入力します。

    ADADBS RESETDIB JOBNAME=JOBUT1

    ジョブ名がユニークではない場合は、IDENT パラメータを使用して、異常終了したユーティリティのジョブ名修飾子を指定する必要があります。 DDIB コマンド(または Adabas Online System)を使用して ID を表示できます。

    ADADBS RESETDIB IDENT=identifier

    DIB は Adabas Online System を使用してリセットすることもできます。

    注意:
    DIB のリセットは、問題のユーティリティが異常終了した場合にのみ実行してください。 アクティブなユーティリティの DIB をリセットすると、予測できない結果が生じます。
  3. ファイルが他のアプリケーション(ユーザー)、またはユーティリティにより使用中であるとマークされているとき。

    Adabas は、最初に Adabas コマンドをユーザープログラムまたは Adabas ユーティリティから受けると、ユーザーキューエレメント(UQE)を作成します。 UQE には、ユーザー情報(ユーザー ID、ユーザータイプなど)とファイルリストが含まれています。 ファイルリストは、ユーザーが使用しているファイルとファイルの使用方法を識別します。 ファイルの使用方法は次のいずれかです。

    タイプ ファイルの使用方法
    ACC アクセスオンリー
    EXU 排他更新
    EXF 排他使用
    UPD 更新(ET ロジックユーザー)

    Adabas ユーティリティのファイル使用形態については、「ファイルおよびデータベースの使用方法」の表を参照してください。

    ファイルリストは、STOPU オペレータコマンドの(あるいは Adabas Online System を使用した)結果として、自動タイムアウトが発生したとき、またはユーザーが Adabas CL(クローズ)コマンドを発行したときに削除されます。 ET ユーザーのファイルリストは、ユーザーが ET ステータスになると解放されます。

    保留中の自動再スタートがあり、かつニュークリアスがアクティブでない場合、データベースを変更するユーティリティ機能は実行できません。

    保留中の自動再スタート条件は、Adabas ニュークリアスを開始することでのみ、リカバリできます。 ニュークリアスの自動再スタート機能が正常に実行されなかった場合は、次の方法でのみ再スタートできます。

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z/VM 環境でのユーティリティの繰り返し実行

同一ユーティリティ(ADAREP など)を EXEC から複数回実行する場合は、EXECOS の使用を強くお勧めします。EXECOS を使用しないと、ユーティリティ依存のプログラムチェックが発生する場合があります。 次の例は、ADAREP ユーティリティを EXECOS で実行する方法を示しています。

'EXECOS  EXEC  ADAREP REPCPLST 1'

'NUCXDROP  ADARUN'

'EXECOS  EXEC  ADAREP  REPCPLST 1'

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