ADATST(Adabas コマンドの発行)

このドキュメントでは ADATST ユーティリティについて説明します。

次のトピックについて説明します。


機能概要

ADATST ユーティリティは、Adabas コマンドを発行するためのコントロールブロックおよび必要なバッファを設定するために使用します。

古い ACB Adabas コマンドインターフェイスと新しい ACBX コマンドインターフェイスの両方がサポートされます。コマンドインターフェイスの詳細については、『コマンドリファレンス』を参照してください。ACB インターフェイスは、ACBX インターフェイスのサブセットと見なすことができます。古い ACB Adabas コントロールブロック内のフィールドは、新しい ACBX コントロールブロック(または ABD、Adabas バッファ記述)にも含まれますが、一部の ACB フィールドは、新しいインターフェイスの対応するフィールドよりも小さいという違いがあります。特にバッファの長さが拡大され、現在では 64 KB より大きい Adabas バッファが可能です。インターフェイス間の切り替えが可能ですが、古い ACB インターフェイスに戻すときは、古い ACB インターフェイスの制約事項に配慮する必要があります。

このユーティリティは多機能ユーティリティです。

処理フロー

graphics/adatst.png

データセット 環境
変数/
論理名
記憶
媒体
追加情報
コントロールステートメント stdin/
SYS$INPUT
  ユーティリティマニュアル
ADATST メッセージ stdout/
SYS$OUTPUT
  メッセージおよびコード

チェックポイント

このユーティリティはチェックポイントを書き込みません。

制御パラメータ

注意:
次の中で使用される "string" は、ASCII 文字列か、0x を伴う 16 進です。

次のコントロールパラメータを使用できます。

      A1 {=|:} string

      A2 {=|:} string

      A3 {=|:} string

      A4 {=|:} string

      A5 {=|:} string

      A6 {=|:} string

      ABD

      ALOOP [= number]

      CB

      CBDUMP

      CC = string

      CID = string

      CO1 = string

      CO2 = string

      CO3 = string

      CO4 = string

      CO5 = string

      CO6 = string

      CO7 = string

      CO8 = string

M     DBID = number

      DLOOP

      ELOOP

      ERRORS = number

      EXECUTE = { number |  ISNQ }

      FB [{=|:} string]

      FB2  [{=|:} string]

      FB3  [{=|:} string]

      FBL = number 

      FB2L [= number] 

      FB3L [= number]

      FILE = number

      GO  [= { number | ISNQ } ]

      IB [= (number [,number]...)]

      IBL = number

D     INTERFACE = keyword

      ISN = number

      ISND = number

      ISNI = number

      ISNL = { number |  ISN }

      ISNQ = number

      LOOP

      MB = (number_buffers, number_isns)

D     [NO]OUTPUT

      OVERWRITE_RB = string

      OVERWRITE_RB2 = string

      OVERWRITE_RB3 = string

      RB [{=|:} string]

      RB2 [{=|:} string]

      RB3 [{=|:} string]

      RBL = number

      RB2L [= number]

      RB3L [= number]

      READ_RB = string

      READ_RB2 = string

      READ_RB3 = string

      RESPONSE = number

      SB [{=|:} string]

      SBL = number

      SET_PWD = string

      SET_UID = string

      TIME

D   [NO]TRACE

      VB [{=|:} string]

      VBL = number

D   WAIT [= [time]]

      WRITE_RB = string

      WRITE_RB2 = string

      WRITE_RB3 = string

A1

A1 {=|:} string

このパラメータは、アディション 1 フィールドを設定します。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

A2

A2 {=|:} string

このパラメータは、アディション 2 フィールドを設定します。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

A3

A3 {=|:} string

このパラメータは、アディション 3 フィールドを設定します。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

A4

A4 {=|:} string

このパラメータは、アディション 4 フィールドを設定します。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

A5

A5 {=|:} string

このパラメータは、アディション 5 フィールドを設定します。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

A6

A6 {=|:} string

このパラメータは、アディション 6 フィールドを設定します。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

ABD

ABD

このパラメータは、INTERFACE=ACBX の指定後に限って使用できます。現在定義されている Adabas バッファの Adabas バッファ定義が表示されます。

ALOOP

ALOOP [= number]

このパラメータは、行を何行でも追加できるようにループを開始します。"number" には行番号を指定します。行番号が指定されると、その位置から既存行を上書きする形で新規行が追加されます。行番号が指定されない場合、新規行は最後に追加されます。このループは ELOOP があるところまで続きます。

CB

CB

この機能は、コントロールブロックの内容を表示します。

パラメータ INTERFACE=ACB を指定した場合は、古い ACB Adabas コントロールブロックに含まれるフィールドのみが表示されます。

パラメータ INTERFACE=ACBX を指定した場合は、新しい ACBX Adabas コントロールブロックに含まれるフィールドだけでなく、古い ACB Adabas コントロールブロックに含まれているフィールドも表示されます。

CBDUMP

CBDUMP

この機能は、コントロールブロックを 16 進形式でダンプ出力します。

CC

CC = string

このパラメータは、コマンドコードを指定するものです。

CID

CID= string

このパラメータは、コマンド ID を指定するものです。

CO1

CO1 = string

このパラメータは、コマンドオプション 1 を設定します。

CO2

CO2 = string

このパラメータは、コマンドオプション 2 を設定します。

CO3

CO3 = string

このパラメータは、コマンドオプション 3 を設定します。

CO4

CO4 = string

このパラメータは、コマンドオプション 4 を設定します。

CO5

CO5 = string

このパラメータは、コマンドオプション 5 を設定します。

CO6

CO6 = string

このパラメータは、コマンドオプション 6 を設定します。

CO7

CO7 = string

このパラメータは、コマンドオプション 7 を設定します。

CO8

CO8 = string

このパラメータは、コマンドオプション 8 を設定します。

DBID

DBID = number

このパラメータは使用するデータベースを指定します。

DLOOP

DLOOP

この機能は、蓄積されたコマンドループを表示します。

ELOOP

ELOOP

この機能は、ループを終了させます。

ERRORS

ERRORS = number

このパラメータは、強制的に終了されるまでのエラー許容数を指定するものです。

EXECUTE

EXECUTE = { number |  ISNQ }

このパラメータは、n 回分のループを実行するためのものです。n の部分には "number" または ISNQ を指定します。ループを終了するには、Ctrl キーを押したまま C キーを押します。

FB

FB [{=|:} string]

このパラメータは、最初のフォーマットバッファの表示またはフォーマットバッファへのデータ入力に使用します。長さは暗黙的に設定されます。

FB2

FB2 [{=|:} string]

このパラメータは、第 2 フォーマットバッファの表示またはフォーマットバッファへのデータ入力に使用します。長さは暗黙的に設定されます。

FB3

FB3 [{=|:} string]

このパラメータは、第 3 フォーマットバッファの表示またはフォーマットバッファへのデータ入力に使用します。長さは暗黙的に設定されます。

FBL

FBL = number

このパラメータは、コントロールブロック内の最初のフォーマットバッファ長を定義するものです。

FB2L

FB2L = number

このパラメータは、コントロールブロック内の 2 番目のフォーマットバッファ長を定義するものです。

FB3L

FBL3 = number

このパラメータは、コントロールブロック内の 3 番目のフォーマットバッファ長を定義するものです。

FILE

FILE = number

このパラメータは、ファイル番号を指定するものです。

GO

GO [= { number |  ISNQ } ]

この機能は、Adabas を 1 回コールするか、n 回コールするもので、n の部分には "number" または ISNQ を指定します。ループを終了するには、Ctrl キーを押したまま C キーを押します。

IB

IB [= (number [,number]...)]

このパラメータは、ISN バッファの表示または ISN の入力に使用します。長さは暗黙的に設定されます。

IBL

IBL = number

このパラメータは、コントロールブロック内の ISN バッファ長を指定するものです。

INTERFACE

INTERFACE = keyword

このパラメータは、古い Adabas コマンドインターフェイスと新しい Adabas コマンドインターフェイスを切り替えるために使用します。有効なキーワードは ACB と ACBX です。デフォルトは ACB です。INTERFACE = ACB を指定すると、Adabas コールは古い ACB Adabas インターフェイスで実行されます。新しい ACBX Adabas コントロールブロックのみに含まれるフィールド、および増設のフォーマットバッファとレコードバッファは無視されます。古い Adabas インターフェイスと新しい Adabas インターフェイスの切り替えは、その Adabas セッションのみで有効です。

ISN

ISN = number

このパラメータは、数値指定により ISN を設定します。

ISND

ISND = number

このパラメータは ISN から "number" を減算します。

ISNI

ISNI = number

このパラメータは ISN に "number" を加算します。

ISNL

ISNL = { number |  ISN }

このパラメータは、指定数値で ISN 下限値を設定するか、コントロールブロックから ISN 下限値内へ ISN を移動するのに使用します。

ISNQ

ISNQ = number

このパラメータは、指定数値により ISN 量を指定するものです。

LOOP

LOOP

この機能は、ループの開始を定義するものです。後続のコマンドはすべて ELOOP が入力されるまで蓄積されます。

MB

MB = (number_buffers, number_isns)

このパラメータは、マルチフェッチバッファの数、およびマルチフェッチバッファに保存できる IS エントリの数を定義します。number_buffers は 0 から 3 の数値にすることができます。number_isns は 0 より大きい数値にする必要があります。

MB パラメータは、INTERFACE = ACBX の指定後に限って指定できます。マルチフェッチバッファは純粋な出力バッファなので、マルチフェッチバッファに情報を入力することはできません。

マルチフェッチバッファを指定したら、RB、RB2、RB3 のパラメータでその内容を表示できます。

[NO]OUTPUT

[NO]OUTPUT

このオプションを NOOUTPUT に設定すると、Adabas が n 回コールされた場合にメッセージが表示されません。エラーメッセージだけが出力されます。

デフォルトは OUTPUT です。

OVERWRITE_RB

OVERWRITE_RB = string

このパラメータは、最初のレコードバッファの内容を書き込む既存ファイルの名前を指定します。ファイルの現在の内容は上書きされます。

OVERWRITE_RB2

OVERWRITE_RB2 = string

このパラメータは、2 番目のレコードバッファの内容を書き込む既存ファイルの名前を指定します。ファイルの現在の内容は上書きされます。

OVERWRITE_RB3

OVERWRITE_RB3 = string

このパラメータは、3 番目のレコードバッファの内容を書き込む既存ファイルの名前を指定します。ファイルの現在の内容は上書きされます。

RB

RB [{=|:} string]

このパラメータは、最初のレコードバッファの表示か、または最初のレコードバッファへのデータ入力に使用します。ファイルに入力する場合、長さは暗黙的に設定されます。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

最初のレコードバッファを表示し、最低 1 つのマルチフェッチバッファが MB パラメータで定義されている場合は、最初のマルチフェッチバッファも表示されます。

RB2

RB2 [{=|:} string]

このパラメータは、2 番目のレコードバッファの表示か、または 2 番目のレコードバッファへのデータ入力に使用します。ファイルに入力する場合、長さは暗黙的に設定されます。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

2 番目のレコードバッファを表示し、最低 2 つのマルチフェッチバッファが MB パラメータで定義されている場合は、2 番目のマルチフェッチバッファも表示されます。

RB3

RB3 [{=|:} string]

このパラメータは、3 番目のレコードバッファの表示か、または 3 番目のレコードバッファへのデータ入力に使用します。ファイルに入力する場合、長さは暗黙的に設定されます。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

3 番目のレコードバッファを表示し、最低 3 つのマルチフェッチバッファが MB パラメータで定義されている場合は、3 番目のマルチフェッチバッファも表示されます。

RBL

RBL = number

このパラメータは、コントロールブロック内の最初のレコードバッファ長を指定するものです。

RB2L

RB2L = number

このパラメータは、コントロールブロック内の 2 番目のレコードバッファ長を指定するものです。

RB3L

RB3L = number

このパラメータは、コントロールブロック内の 3 番目のレコードバッファ長を指定するものです。

READ_RB

READ_RB = string

このパラメータは、最初のレコードバッファに読み込むファイルの名前を指定します。

READ_RB2

READ_RB2 = string

このパラメータは、2 番目のレコードバッファに読み込むファイルの名前を指定します。

READ_RB3

READ_RB3 = string

このパラメータは、3 番目のレコードバッファに読み込むファイルの名前を指定します。

RESPONSE

RESPONSE = number

このパラメータは、指定ニュークリアスレスポンスコードに対するエラーテキストを表示します。

SB

SB [{=|:} string]

このパラメータは、サーチバッファの表示またはサーチバッファへのデータ入力に使用します。長さは暗黙的に設定されます。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

SBL

SBL = number

このパラメータは、コントロールブロック内のサーチバッファ長を指定するものです。

SET_PWD

SET_PWD = string

このパラメータは、パスワード資格情報を設定します。

この資格情報は、コマンド処理中に Adabas サーバーによってチェックされます。

使用する場合は、コントロールパラメータ SET_UID も設定する必要があります。どちらかの値が欠落している場合や無効な場合は、Adabas エラーが返されます。

SET_UID

 SET_UID = string

このパラメータは、ユーザー ID 資格情報を設定します。

この資格情報は、コマンド処理中に Adabas サーバーによってチェックされます。

使用する場合は、コントロールパラメータ SET_PWD も設定する必要があります。どちらかの値が欠落している場合や無効な場合は、Adabas エラーが返されます。

TIME

TIME

この機能は、現在の時刻をマークし、そのマークとそれ以前の最終マーク間の違いを表示します。

[NO]TRACE

[NO]TRACE

このオプションは、ループ実行のトレースを行います。

デフォルトは NOTRACE です。

VB

VB [{=|:} string]

このパラメータは、バリューバッファの表示、またはバリューバッファへのデータ入力に使用します。長さは暗黙的に設定されます。"string" が RB と同じである場合、レコードバッファはバリューバッファに移動されます。

等号を指定する場合、「文字列」に指定された値が大文字に変換されます。コロンを指定した場合、大文字の変換は実行されません。

VBL

VBL = number

このパラメータは、コントロールブロック内のバリューバッファ長を指定するものです。

WAIT

WAIT [= seconds]

このパラメータを使用すると、指定した時間まで ADATST が待ち状態となります。待機時間は秒単位で入力します。一度時間を設定すると、何も追加せずに「WAIT」と入力するだけで、同じ時間待機します。

デフォルト時間は 10 秒です。

adatst: wait = 15

ADATST は 15 秒待機します。

WRITE_RB

WRITE_RB = string

このパラメータは、最初のレコードバッファの内容を書き込むファイルの名前を指定します。レコードバッファは、指定した名前のファイルが存在していない場合にのみ書き込まれます。

WRITE_RB2

WRITE_RB2 = string

このパラメータは、2 番目のレコードバッファの内容を書き込むファイルの名前を指定します。レコードバッファは、指定した名前のファイルが存在していない場合にのみ書き込まれます。

WRITE_RB3

WRITE_RB3 = string

このパラメータは、3 番目のレコードバッファの内容を書き込むファイルの名前を指定します。レコードバッファは、指定した名前のファイルが存在していない場合にのみ書き込まれます。