FTOUCH ユーティリティは、ダウンロード済みのオブジェクトを Natural で実行可能なオブジェクトにする場合に使用します。このためには、オブジェクトを Natural システムファイル FNAT または FUSER にインポートし、FILEDIR.SAG ファイルを更新します。
「FTOUCH ユーティリティ」ドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
「ファイル FILEDIR.SAG」 - 『オペレーション』ドキュメント
「NFS を使用した Natural ライブラリの保存」 - 『オペレーション』ドキュメント
「Natural 生成プログラムの転送」 - 『プログラミングガイド』
このセクションでは、FTOUCH ユーティリティの実行手順について説明します。
注意:
角カッコ([ ]
)で囲まれている部分はオプションです。太字は実際の値であり、表示されているとおりに入力する必要があります。
FTOUCH ユーティリティを実行するには
オペレーティングシステムのコマンドプロンプトを表示します。
転送するファイルが(グローバルコンフィグレーションファイルに指定した)FNAT または FUSER ディレクトリ内に、正しい拡張子付きで存在することを確認します。
次の構文を使用して ftouch
コマンドを入力します。
ftouch [fnat=
dbid,fnr] [fuser=
dbid,fnr][bp=
bp-name] [parm=
parm-file] [lib=
library-name] [encoding=
encoding-name]
[userep=
rep-use] [-ignoreext][-v] [-q] [
mode] [
kind]
files
または:
移行する場合は、次の構文を使用します。
ftouch [fnat=
dbid,fnr] [fuser=
dbid,fnr] [parm=
parm-file] [lib=
library-name][encoding=
encoding-name][-q] convert
または:
FILEDIR.SAG ファイルをエンディアン変換する場合は、次の構文を使用します。
ftouch
[fnat=
dbid,fnr][fuser=
dbid,fnr]
[parm=
parm-file] [lib=
library-name][endian=
endian-mode]
または:
FILEDIR.SAG ファイルにある 1 つまたは複数のオブジェクトをエンコードする場合は、次の構文を使用します。
ftouch
[fnat=
dbid,fnr][fuser=
dbid,fnr]
[parm=
parm-file] [lib=
library-name][objname=
object-name][encoding=
encoding-name]
または:
FILEDIR.SAG でライブラリの行番号省略状態を設定する場合は、次の構文を使用します。
ftouch
[fnat=
dbid,fnr][fuser=
dbid,fnr]
[parm=
parm-file] [lib=
library-name][suprln=
library-state]
ftouch
コマンドには次のオプションがあります。
オプション | 説明 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
fnat=dbid,fnr |
使用する FNAT システムファイルのデータベース ID とファイル番号を指定します。デフォルト値は、NATPARM パラメータファイルで指定されています。 「例 2」も参照してください。 |
||||||||||
fuser=dbid,fnr |
使用する FUSER システムファイルのデータベース ID とファイル番号を指定します。デフォルト値は、NATPARM パラメータファイルで指定されています。 「例 2」も参照してください。 |
||||||||||
bp=bp-name |
使用するバッファプールを指定します。デフォルトの Natural バッファプール NATBP を使用する場合は、 注意:
|
||||||||||
parm=parm-name |
デフォルトの NATPARM パラメータファイルを使用しない場合は、使用するパラメータファイルの名前を指定します。 | ||||||||||
lib=library-name |
使用するライブラリを指定します。すでに適切なサブディレクトリで行っている場合は、library-name を省略できます。それ以外の場合は、該当する library-name を指定する必要があります。
|
||||||||||
userep=rep-use |
|
||||||||||
-v |
処理中のディスク I/O に関する統計を表示します。 | ||||||||||
-q |
quiet モードを使用することを示します。エラーメッセージだけが表示され、ステータスメッセージは表示されません。 | ||||||||||
-ignoreext |
ライブラリに含まれるファイルのうち、不明な拡張子を持つファイルを無視するように指定します。-ignoreext オプションは、次のいずれかのオプションと組み合わせて指定できます。
|
||||||||||
mode
|
プログラミングモードを指定します。 「例 1」も参照してください。 |
||||||||||
kind |
入力用にサブディレクトリ SRC や GP を指定します。次のいずれかを指定できます。
「例 2」も参照してください。 |
||||||||||
files |
処理するファイルを指定します。ファイルごとに
注意: 「例 4」も参照してください。 |
||||||||||
-f |
FILEDIR.SAG に指定されているオブジェクトのタイムスタンプを更新します。このオプションは、個々のファイルが files オプション(上記参照)で指定されている場合にのみ使用できます。
|
||||||||||
convert |
古い FILEDIR.SAG ファイルが移行されることを示します。バージョン 6.2 より前の Natural バージョンの FILEDIR.SAG ファイルが、新しい移植可能な FILEDIR.SAG ファイルに変換されます。元の古い FILEDIR.SAG ファイルのコピーが、指定されたライブラリのディレクトリ内に FILEDIR.BCK ファイルとして保存されます。指定されたライブラリに FILEDIR.BCK ファイルがすでに存在する場合、古い FILEDIR.SAG は変換されません。 詳細については、『オペレーション』ドキュメントの「Natural の移植可能なシステムファイル」を参照してください。 |
||||||||||
sync |
指定したライブラリとシステムファイルが Natural とリポジトリの間で同期を取ることを示します(Windows のみ)。この機能は、FILEDIR.SAG が FTOUCH によって変更されるたびに実行される必要があります。 注意: |
||||||||||
encoding=encoding-name |
FILEDIR.SAG に含まれているファイルに使用するコードページを指定します。
|
||||||||||
endian=endian-mode |
FILEDIR.SAG ディレクトリで使用するエンディアンフォーマットを指定します。
FILEDIR.SAG にファイルを追加する場合または FILEDIR.SAG を新規作成する場合、このオプションは適用されません。
「例 6」も参照してください。 |
||||||||||
objname=object-name |
FILEDIR.SAG 内に内部フォーマット情報を保持するオブジェクトを選択します。
|
||||||||||
suprln=library-state |
|
次のセクションでは、ftouch
コマンドの例を示します。
次のディレクトリに変更します。 |
fuser-directory/TESTLIB/SRC |
次のコマンドを入力します。 | ftouch sm TESTFILE.NSP |
この結果、TESTLIB
ライブラリの TESTFILE
プログラムが、Natural のストラクチャードモードで使用可能になります。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory/MYLIB
|
次のコマンドを入力します。 | ftouch fnat=21,21 fuser=22,22 -b |
この結果、MYLIB/SRC
ディレクトリと MYLIB/GP
ディレクトリにあるすべてのファイルが、Natural のレポーティングモード(デフォルト)で使用可能になります。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory |
次のコマンドを入力します。 | ftouch lib=MYLIB convert |
この結果、新しい移植可能な FILEDIR.SAG ファイルが MYLIB
ライブラリ用に保存され、古い FILEDIR.SAG はこのライブラリ内に FILEDIR.BCK ファイルとして保存されます。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory |
次のコマンドを入力します。 | ftouch lib=MYLIB encoding=UTF-8 -a
-s |
この結果、MYLIB/SRC
サブディレクトリから FILEDIR.SAG ディレクトリに追加されるすべてのオブジェクトの内部フォーマット情報が、UTF-8
になります。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory |
次のコマンドを入力します。 | ftouch lib=OLDLIB encoding=windows-1251
convert |
この結果、新しい移植可能な FILEDIR.SAG ファイルが OLDLIB
ライブラリ用に保存され、FILEDIR.SAG ファイルに含まれているすべてのオブジェクトの内部フォーマット情報が windows-1251
に変更されます。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory |
次のコマンドを入力します。 | ftouch lib=MYLIB endian=BIG |
この結果、MYLIB
ライブラリの FILEDIR.SAG ファイルはビッグエンディアンに変換されます。MYLIB
ライブラリに含まれているすべてのオブジェクトの内部フォーマット情報が BIG
に変更されます。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory |
次のコマンドを入力します。 | ftouch lib=MYLIB objname=MYPROG1
encoding=UTF-8 |
この結果、FILEDIR.SAG ファイルの MYLIB
ライブラリに MYPROG1
が含まれていると、MYPROG1
オブジェクトの内部フォーマット情報は UTF-8
に変更されます。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory |
次のコマンドを入力します。 | ftouch lib=MYLIB objname=MY*
encoding=UTF-8 |
この結果、名前が MY
で始まり FILEDIR.SAG ファイルの MYLIB
ライブラリに含まれているすべてのオブジェクトの内部情報が UTF-8
に変更されます。
次のディレクトリに変更します。 | fuser-directory |
次のコマンドを入力します。 | ftouch lib=MYLIB suprln=ON |
この結果、FILEDIR.SAG ファイルの MYLIB
ライブラリの行番号省略状態が ON
に設定されます。