インストールの完了

このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。


デーモンの登録およびファイル権限の設定

UNIX システムに Natural をインストールした場合で、sudo を使用しなかったときは、インストーラはデーモンを登録できず、対象となる製品のファイル許可を設定できていません。また、インストールに使用しているユーザーが runpath ディレクトリに対する完全な読み取り/書き込み権限を持っていない場合は、runpath ディレクトリ /opt/softwareag/Natural/v<version>/lib が作成されていない可能性があります。runpath ディレクトリは、以前の Natural のインストールによって作成された可能性があることに注意してください。これらのタスクは、ルートユーザーとしてスクリプト afterInstallAsRoot.sh を実行して今すぐ実行してください。このスクリプトは、メインインストールディレクトリの bin ディレクトリにあります。インストールされているすべての Software AG 製品のアクションが含まれています。

重要:
インストール中に sudo を使用しなかった場合は、スクリプト afterInstallAsRoot.sh を実行する必要があります。そうしない場合、一部の製品が正しく動作しないことがあります。

Natural にデーモンを登録しない場合は、ファイル許可を設定するか、runpath ディレクトリを作成し、以下の手順に従います。

  • afterInstallAsRoot.sh スクリプトを実行する前に、このスクリプトにあるセットアップスクリプトを開始するコマンドを削除します。デーモンを登録するためのスクリプトは、install_daemon_natbpsrvinstall_daemon_natdvsrv、および install_daemon_nwosrvd です。ファイル権限を設定するためのスクリプトは、install_bin_apx および install_bin_nwo です。実行パスライブラリを設定するスクリプトは、install_lib_to_runpath です。これらのスクリプトはすべて <install-dir>/Natural/INSTALL ディレクトリにあります。

デーモンには、アンインストールスクリプトが使用できます。したがって、デーモンを登録したくない場合は、次の手順も実行できます。

  • すべてのデーモンをインストールしてから(sudo を使用した場合はインストール時に自動的にインストールされ、sudo を使用しなかった場合には afterInstallAsRoot.sh スクリプトを手動で実行します)、<install-dir>/Natural/INSTALL ディレクトリの uninstall_daemon_natbpsrvuninstall_daemon_natdvsrv、および uninstall_daemon_nwosrvd スクリプトを使用して Natural デーモンをアンインストールします。

sagenv.new による環境変数の設定

製品を起動する前に、<install-dir>/bin ディレクトリで sagenv.new スクリプト(ソース)を実行することをお勧めします。これにより、製品やその他の Software AG 製品を実行するために必要な環境変数が設定されます。

重要:
sagenv.newファイルは、新しいインストールのたびに置き換えられます。独自の環境設定ファイル(例えば、sagenv という名前)を設定した場合は、既存の sagenv ファイル内の変更済みの製品固有部のみを置換します。

また、SYSPCI ユーティリティを使用してインストール済み製品を設定する前に、sagenv.new スクリプトを実行することをお勧めします。

重要:
別のインストールディレクトリに切り替えて sagenv.new スクリプトを実行する前に、新しいシェルを開始することをお勧めします(例えば、テスト環境のディレクトリから本番環境のディレクトリに切り替える場合)。

SYSPCI ユーティリティを使用した製品のセットアップ

製品をインストールしたら、環境に応じて、多数のファイル、パラメータ、および個別の設定をセットアップする必要があります。これらについて、以下で説明します。セットアップするには、SYSPCI ユーティリティを使用します。このユーティリティに関する詳細については、Natural の『ツールおよびユーティリティ』ドキュメントの「SYSPCI ユーティリティ - 製品コンフィグレーションおよび初期化」を参照してください。

Natural コマンドプロセッサには、NCP ファイルが必要です。

Natural Security には、Adabas FSEC システムファイルが必要です。

Natural Security は機能 Logging of Maintenance Functions を提供します。ロギングがアクティブの場合、Adabas では Natural Security ログファイル(NSL)が必要であり、SYSPCI ユーティリティを使用してセットアップする必要があります。このバージョンでは、既存の Natural Security ログファイルを引き続き使用できます。Natural Security ログファイルをセットアップする場合は、Natural Security 用の FSEC ファイルをセットアップする前に行うことをお勧めします。このために、SYSPCI ユーティリティを 1 回だけ起動することで、両方のファイルをセットアップできます。

Natural 開発サーバーには、Adabas FDIC システムファイルが必要です。Natural 開発サーバーのインストール後、FDIC パラメータは自動的に設定されません。FDIC パラメータを設定せずに Natural を開始し、Natural エディタを使用すると、FDIC ファイルをロックできないため Natural エラー NAT7399 が発生します。

FDIC ファイルを使用して Natural Security を使用する場合は、まず FDIC ファイルを設定します。FDIC ファイルを設定すると、初期化時に追加の FDIC 情報が FSEC ファイルに書き込まれます。したがって、Natural 開発サーバーおよび Natural Security 用に、次の順序でファイルをセットアップすることをお勧めします。

  1. FDIC

  2. NSL

  3. FSEC

SYSPCI ユーティリティを使用して指定した、新規または既存のファイル(FSECFDIC または NCP)のデータベース ID とファイル番号は、Natural Security(NSCPARM)、Natural 開発サーバー(NDVPARM)、および Natural(NATPARM)用にデフォルトのパラメータファイルに入力されます。

注意:
Natural Security がすでにアクティブで、SYSPCI ユーティリティを使用して新しい FSEC ファイルを作成する場合、データベース ID とファイル番号は、現在の NSCPARM ファイには入力されません。

FSEC の定義は、NDVPARM パラメータファイルにも書き込まれます。

SYSPCIユーティリティを使用して Natural Security を初期化(アクティブ化)する場合、または Natural 開発サーバーを起動する場合は、インストールのデフォルトの FNAT システムファイル(すなわち <install-dir>/Natural/fnat)を使用する必要があります。これを使用しない場合、以降のアップデートのインストールができなくなります。

注意:
Natural 開発サーバーと Predictの両方で同じ FDIC ファイルを使用する場合は(推奨されない方法です)、FDIC ファイルを初期化せずに Natural 開発サーバーをインストールすることをお勧めします。続いて Predict をインストールし、初期化を実行します。その後、SYSPCI ユーティリティを実行し、Predict FDIC ファイルを処理して[Initialize product]オプションを無効にします。続いて、Natural 開発サーバーで新しく作成した FDIC ファイルを使用することもできます。Natural 開発サーバーの FDIC ファイルのセットアップ後に Predict の FDIC ファイルを設定すると、Predict は常に最新の FDIC ファイルを提供するため、不整合の問題が発生します。

必要な Adabas ファイルは、ローカルまたはリモートのいずれかです。

  • リモートアクセス
    ファイルがリモートデータベースにある場合は、Entire Net-Work がアクティブで、データベースにアクセスできる必要があります。

    注意:
    Natural Security に関しては、『Natural Security』ドキュメントの「Using Natural Security on Multiple Platforms」も参照してください。

  • 既存のローカルファイル
    SYSPCI ユーティリティを開始する前に、必要なファイルを格納する Adabas データベースがアクティブであることを確認してください。このバージョンでは、既存のファイルを引き続き使用できます。以前のバージョンから現行バージョンへのデータの移行は必要ありません。

  • 新規ファイル
    SYSPCI ユーティリティを開始する前に、必要なファイルを格納する Adabas データベースがアクティブであることを確認してください。SYSPCI ユーティリティがこれらのファイルをロードして初期化します。この手順は、製品に別のファイルが必要な場合にも実行する必要があります。

SYSPCI ユーティリティを使用して新しいファイルを作成する前に、Adabas データベースの ASSO と DATA サイズがこれらのファイルに適していることを確認してください。したがって、使用するサイズについては、<install-dir>/<product>/INSTALL/<product-code> ディレクトリ内の Adabas .fdu ファイルを確認することをお勧めします。必要に応じて、ファイルを作成できるようにデータベースのセットアップを変更します。

例えば、Natural Security では、デフォルトのデータベースを使用している場合、ASSO や DATA サイズは適切ではありません。Natural Security 用の .fdu ファイルは、<install-dir>/Natural/INSTALL/nsc ディレクトリにあります。

また、次の表に示す Adabas ニュークリアスのパラメータが、データベースの起動時に使用するデータベースに設定されていることを確認してください。デフォルトのニュークリアスパラメータを使用している場合、これらは適切ではありません。

LWP 1,000,000 以上である必要があります。
OPTIONS オプション[TRUNCATION]は、OPTIONS パラメータで設定する必要があります。

注意:

  1. SYSPCI ユーティリティを使用して Natural Security が初期化(アクティブ化)された後、Natural を起動するには Natural Security ニュークリアスを使用する必要があります。Natural Security インストールに付属している Natural Security ニュークリアスは "natsec" と呼ばれ、<install-dir>/Natural/bin ディレクトリに含まれています。natsec parm=NSCPARM で Natural Security を起動します。または、"natural" と呼ばれるニュークリアスをバックアップして、"natsec" の名前を "natural" に変更することもできます。
  2. Natural Security をインストールした場合は、Natural Security ニュークリアスを使用して Natural 開発サーバーを起動する必要があります(natdvsrv –s=natsec など)。

SYSPCI ユーティリティの呼び出し

SYSPCI ユーティリティを呼び出すには、最初に Natural を起動する必要があります。その後で、Direct Command ウィンドウを使用して SYSPCI ユーティリティを起動できます。

Start of instruction setSYSPCI ユーティリティを呼び出すには

  1. UNIX システムのプロンプトで次のコマンドを入力して Natural を起動します。

    natural
  2. Direct メニューを選択して、ENTER を押すと、Direct Command ウィンドウが表示されます。

  3. Direct Command ウィンドウに次のコマンドを入力します。

    SYSPCI

    詳細については、Natural の『ツールおよびユーティリティ』ドキュメントの「SYSPCI ユーティリティ - 製品コンフィグレーションおよび初期化」を参照してください。

シェルスクリプトの使用による SYSPCI ユーティリティの呼び出し

UNIX シェルスクリプトを使用して SYSPCI ユーティリティの特定の機能を実行することができます。<install-dir>/Natural/INSTALL ディレクトリでは 2 つのシェルスクリプトが利用できます。これらは、syspci_reuse.sh および syspci_create.sh と呼ばれます。これらのスクリプトを使用して、インストールされている各製品に SYSPCI を自動的に呼び出し、製品を初期化できます。

スクリプトは、以下のタスクに使用できます。

  • syspci_reuse.sh
    このスクリプトは SYSPCI ユーティリティを実行し、既存の Adabas ファイルを使用してインストール済みの Natural 製品を初期化します。

    注意:
    このスクリプトを開始する前に、新しいバージョンへの Adabas ファイルの変換を実行する必要があります。

  • syspci_create.sh
    このスクリプトは SYSPCI ユーティリティを実行して、インストール済みの Natural 製品を初期化し、必要な Adabas ファイルを作成します。

詳細については、Natural の『ツールおよびユーティリティ』ドキュメントの「SYSPCI ユーティリティ - 製品コンフィグレーションおよび初期化」を参照してください。

Natural ニュークリアスの再リンク

Natural のインストールでは、<install-dir>/Natural/bin ディレクトリで 2 つの標準 Natural ニュークリアスが提供されます。一方のニュークリアスは従来の Adabas コントロールブロック(ACB)とリンクされていますが、Natural Security はありません。このニュークリアスは "natural" と呼ばれます。もう一方のニュークリアスも従来の Adabas コントロールブロック(ACB)とリンクされており、Natural Security があります。このニュークリアスは "natsec" と呼ばれます。

変更した Natural ニュークリアスをニーズに適したドライバにリンクする場合は、以下の手順に従う必要があります。

注意:
Natural Security がインストールされている場合に、変更した Natural ニュークリアスをリンクすると、Natural Security インターフェイスが自動的にリンクされます。Natural Security を含むニュークリアスの名前は("natsec" ではなく)"natural" になります。

Start of instruction set変更された Natural ニュークリアスをリンクするには

  1. Adabas の環境変数を設定します(下の表も参照してください)。

  2. <install-dir>/Natural/INSTALL ディレクトリで natenv スクリプトを実行して、Natural の環境変数を設定します。

  3. 以下のコマンドを使用して、<install-dir>/Natural/bin/build ディレクトリにある makefile を実行します。

    make natural {flags}

    この make は、現行ディレクトリ(<install-dir>/Natural/bin/build)に格納される名前 natural のプログラムを生成します。

    以下のフラグが利用できます。

    フラグ 説明
    ada=yes 従来の Adabas コントロールブロック(ACB)とリンクします。メイクファイルの実行時に、以下の環境変数を設定する必要があります。

    ADADIR:Adabas ベースディレクトリ。
    ADAVERS:Adabas バージョン。

    ada2=yes 拡張 Adabas コントロールブロック(ACBX)とリンクします。メイクファイルの実行時に、以下の環境変数を設定する必要があります。

    ADADIR:Adabas ベースディレクトリ。
    ADAVERS:Adabas バージョン。
    ACLDIR:Adabas クライアントディレクトリ。
    ACLVERS:Adabas クライアントバージョン。

    ACL* 変数はランタイム中にも必要です。

    osx=yes SQL インターフェイス(OSX)とリンクします。makefile を実行する際、SQL インターフェイスライブラリが <install-dir>/Natural/bin/build ディレクトリ内でアクセスできる必要があります。さらに、以下の環境変数を設定する必要があります。

    OSXDIR:OSX ベースディレクトリ。
    OSXVERS:OSX バージョン。

    ascii=yes Natural の(新しいバイナリインターフェイスではなく)従来の ASCII インターフェイスとリンクします。
    sax2=yes XML SAX パーサーとリンクします。Tamino アクセス用、およびライブラリ SYSEXT 内のアプリケーションプログラミングインターフェイス USR6001N(外部 XSLT プロセッサを呼び出します)用に、PARSE XML ステートメントで必要です。
    xslt=yes XSLT プロセッサとリンクします。USR6001N に必要です。
    ins=yes Tamino インターフェイスとリンクします。XML SAX パーサーは暗黙的に使用されます。したがって、ins=yes とともに sax2=yes を指定しないでください。
    apx=yes ApplinX インターフェイスとリンクします。
    shlib=yes Natural 共有ライブラリをリンクします(UNIX プラットフォームによっては、libnatural.so または libnatural.sl)。Natural Native Interface に必要です。非 Natural アプリケーションは、この共有ライブラリをダイナミックにロードし、エクスポートされたインターフェイス機能を介して Natural コードにアクセスできます。

    インタラクティブ I/O は共有ライブラリに対して抑制されているため、apx=yesshlib=yes と組み合わせて使用しないでください。

    sync=<your-libsyncsort-path> DMExpress Syncsort ライブラリとリンクします(libsyncsort.so)。ここで、<your-libsyncsort-path>libsyncsort.so ライブラリ(つまり /opt/dmexpress/lib)を含むパスを表します。
  4. 次のコマンドを使用して、生成された natural プログラムを <install-dir>/Natural/bin/build から <install-dir>/Natural/bin にコピーします。

    make install

    その後、<install-dir>/Natural/bin にある元のプログラム natural の名前が natural.old に変更されます。

  5. shlib=yes を指定した場合は、次のコマンドを使用して、生成された libnatural.so または libnatural.sl プログラムを <install-dir>/Natural/bin/build から <install-dir>/Natural/bin にコピーします。

    make install shlib=yes

    その後、<install-dir>/Natural/bin にある元のプログラム libnatural.so または libnatural.sl の名前が libnatural.so.old または libnatural.sl.old に変更されます。

詳細については、makefile のソースを参照してください。

追加の Natural コンポーネントの設定

Natural を初めてインストールした後、次の場合に追加のコンフィグレーション手順が必要になります。

  • Natural 開発サーバー
    Natural 開発サーバー(NDV)をインストールした場合は、詳細について『Natural Single Point of Development(SPoD)』ドキュメントの適切な NDV サーバーの説明を参照してください。このドキュメントは個別に利用できます。

    Natural 開発サーバーのスタートアップパラメータに関する情報を取得する場合は、Natural/bin ディレクトリに次のコマンドを入力します。

    natdvsrv -help

    次に、考えられるスタートアップパラメータと説明が表示されます。

  • Natural Web I/O インターフェイス
    Natural Web I/O インターフェイスをインストールした場合は、『Natural Web I/O インターフェイス』ドキュメントを参照して、サーバー部(つまり、デーモン)の設定方法、および Natural Web I/O インターフェイスクライアントをインストールおよび設定する方法について確認してください。クライアントとして Natural for Ajax を使用する場合は、『Natural for Ajax』ドキュメントを参照してください。このドキュメントは個別に利用できます。

  • ApplinX インターフェイス
    ApplinX インターフェイスをインストールしている場合は、Natural キャラクタユーザーインターフェイスを ApplinX GUI 機能と置き換える方法について、ApplinX ドキュメントを参照してください。このドキュメントは個別に利用できます。

Natural Security の設定

Natural Security の初期インストールにより、以下のセキュリティプロファイルおよびセキュリティ関係も作成されます。

  • ライブラリ ID SYSSEC のライブラリセキュリティプロファイル。ライブラリはユーザーから保護されます(People-protected が "Y" に設定され、Terminal-protected が "N" に設定されます)。

  • ユーザー ID "DBA"、ユーザータイプ "ADMINISTRATOR"、および "DBA" に設定されたパスワードがあるユーザーセキュリティプロファイル。

  • ライブラリ SYSSEC へのユーザー "DBA" のリンク(通常リンクであり、特殊なリンクではない)。

以前にインストールされたバージョンの Natural Security がある場合、この 2 つのセキュリティプロファイルは、以降のインストールでは変更されず、既に定義されているオブジェクトまたは関係は影響を受けません。

Natural Security を初めてインストールした場合(つまり、インストールしたバージョンが、この FSEC システムファイルで最初のバージョンの Natural Security である場合)、『Natural Security』ドキュメントの「インストール後の最初の手順」の手順に従います。Natural Security が正常にインストールされた後すぐに以下を実行してください。