ADASAV SAVE FILES 機能は、1 つ以上のファイルの内容をシーケンシャルデータセットにセーブします。 ファイルに使用されている全ブロックがセーブされます。
SAVE FILES 機能は、Adabas ニュークリアスがアクティブであっても、アクティブでなくても実行できます。 実行しているときに、Adabas ニュークリアスの状態によって、次のようになります。
ニュークリアスがアクティブな状態で実行した場合、後でファイルをリストアするには、RESTONL 機能を使用する必要があります。
ニュークリアスがアクティブでない状態で実行した場合、後でファイルをリストアするには、RESTORE 機能を使用する必要があります。
どちらの場合も、SAVE データセットにセーブされたすべてのファイルから 1 つのみ、またはいくつかのファイルをリストアすることができます。
Adabas ニュークリアスがアクティブでない場合、SAVE 機能の実行中にニュークリアスを起動することはできません。また、セーブ中にセーブされているファイルを変更するユーティリティ(ADALOD など)を実行することもできません。 ニュークリアスセッションの自動再スタートがペンディングの場合、またはセーブされるファイルで別のオフラインユーティリティ(ADALOD や ADASAV など)を現在実行している場合は、SAVE 機能をオフラインで実行することはできません。
セーブ処理の実行中に Adabas ニュークリアスがアクティブな状態でいる場合、ユーザーはセーブされているファイルにフルアクセスできます。 ユーザーは、読み込み、検索、更新、挿入、削除コマンドを発行できます。 ただし、セーブするファイルを変更するユーティリティ(ADALOD、ADAINV、ADADBS REFRESH など)をセーブ機能の実行中に実行しないでください。また、これらのユーティリティを開始することもできません。 ニュークリアスがプロテクションログなしで稼動している場合、オンラインセーブ処理も実行できません。
オンラインセーブ処理では、ADASAV がセーブ処理を実行している間にセーブするファイルを変更できます。 したがって、Adabas ニュークリアスは、ファイルの変更されたすべてのブロックをプロテクションログに書き込みます。 このプロテクションログは後続のリストア処理(RESTONL 機能)に指定しなければなりません。
ファイルのオンラインセーブ開始は SYN4 チェックポイントでマークされます。 オンラインセーブの終了時、ニュークリアスは現在アクティブなすべてのトランザクションの同期を取ります。 これは、Adabas は、ET 状態のユーザーに余分な更新コマンドを発行しませんが、他のアクティブなユーザーを ET 状態になるまで継続させることを意味します。 このとき、この状態は SYN5 チェックポイントでマークされます。 したがって、SYN5 チェックポイントは、処理中のトランザクションがない、データベースの整合性が保たれている状態をマークします。 この状態は、後でファイルを SAVE データセットからリストアするときに再現されます。
トランザクションの同期に必要な最大時間は、TTSYN パラメータで制限できます。
パラメータ UTYPE=EXU が指定され、Adabas ニュークリアスがアクティブな場合、セーブ処理はオフラインセーブと同様に実行されます。 ADASAV は、同時更新に対して EXU オープンでセーブされるすべてのファイルをロックします。 このファイルを後でリストアするには、RESTONL 機能ではなく RESTORE 機能を使用する必要があります。
複数のオフラインセーブ(ファイル)処理、または UTYPE=EXU でのファイルのセーブは異なるファイルに並行して実行することができます。 一度にアクティブにできるオンラインセーブ(ファイル)処理は 1 つのみです。
複数のディスクボリュームに存在するデータベースのファイルは、DRIVES パラメータが指定されたとき、複数の SAVE データセットに並行してセーブされます。 この処理モードは、セーブの経過時間を大きく縮小します。 ドライブ番号の昇順に連結するとき、結果の SAVE データセットは、DRIVES パラメータを指定しないで作成した SAVE データセットに等しくなります。
SAVE FILES 機能では、インバート、ロード、リフレッシュ、リオーダ、リストア状態のファイルをセーブしません。 実際には、ファイルリストからこのようなファイルを削除し、メッセージ ADAU15 を出力して、残りのファイルのセーブ処理を実行します。 最後に、ADASAV はリターンコード 4 で終了します。
このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
FILES ファイルリストには、セーブするファイルを指定します。 指定されたファイルが他のファイルにカップリングされているか、または拡張ファイルのコンポーネントである場合、ADASAV SAVE FILES 機能は、条件に応じて、次のように実行されます。
ニュークリアスがアクティブである場合は、拡張ファイルのすべてのコンポーネントファイルまたはファイルにカップリングされているすべてのファイルが FILES ファイルリストに指定されているときにのみ、ADASAV は SAVE FILES 処理を受け入れます。
ニュークリアスがアクティブでない場合は、拡張ファイルのコンポーネントファイルの 1 つまたはカップリングされているファイルの 1 つが指定されているとき、SAVE FILES 処理が可能になります。 この後、ADASAV はファイルリストを自動的に拡張します。
BUFNO 値は、SAVE 処理用の固定バッファを割り当てます。 通常、2 または 3 の値で最適なパフォーマンスが得られ、255 まで指定可能です。 ただし、5 を超える値を指定してもパフォーマンスが大きく向上することはなく、大量のスペースを割り当てることになります。 デフォルトは 1(1 ドライブ当たり 1 バッファ)です。
DRIVES は、並行する SAVE 処理で使用するテープドライブの数を指定します。 最大 8 つのドライブを指定できます。 デフォルトは 1 です。
INCREMENTAL は、最後の ADASAV SAVE 処理以降に変更された FILES リスト内のファイルのみをセーブします。 INCREMENTAL が指定されない場合、SAVE 機能によって FILES リストのすべてのファイルがセーブされます。
機能の実行中にエラーになると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してユーザーアベンド 34(ダンプあり)またはユーザーアベンド 35(ダンプなし)で終了します。
NOUSERABEND を指定すると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してもアベンドしません。 代りに、メッセージ "utility TERMINATED DUE TO ERROR CONDITION"(エラーのためユーティリティを終了します)を表示してコンディションコード 20 で終了します。
PASSWORD は、FILES ファイルリスト内の 1 つ以上のファイルがパスワード保護されている場合のパスワードまたはパスワードリストを指定します。 パスワード保護ファイルが複数ある場合は、正しいパスワードを指定する必要があります。このパスワードは、FILES リストの保護ファイル番号の位置に対応する、位置が固定されている値になります。 PASSWORD パラメータの詳細については、このセクションの最後にある例を参照してください。 パスワード保護ファイルをセーブするときは、Adabas ニュークリアスをアクティブにする必要があります。
PERDRIVE は、1 つのテープドライブに対して割り当てるディスクドライブの数を指定します。 例えば、データベースが 7 つのディスクドライブ上に存在し、SAVE 処理に 3 つのテープドライブを使用できる場合は、PERDRIVE=3,2,2 と指定すると、最初の 3 つのディスクドライブがテープドライブ 1 に書き込まれ、次の 2 つのディスクドライブがテープドライブ 2 に書き込まれ、次の 2 つのディスクドライブがテープドライブ 3 に書き込まれます。 ドライブの順序は、このマニュアルの最後で説明しているように、DDSAVEn/DDDUALn または SAVEn/DUALn のジョブ制御指定に一致します。
PERDRIVE で指定されたドライブの合計数は、すべてのアソシエータ(ASSO)ディスクおよび DATA ディスクの合計数と等しくなければならず、ASSO および DATA が同じ 1 つのディスク上にある場合には、2 つの別個のディスクとして計算されます。 DRIVES パラメータが使用され、PERDRIVE パラメータが省略された場合には、ADASAV によって最も効率的なテープドライブ使用が決定されます。
TEST パラメータは、処理を実際には行わずに構文のみをテストします。 指定したパラメータの構文だけがテストされ、値や変数の正当性はテストされません。
このパラメータを使用すると、現在の ADASAV 処理の同期チェックポイント処理時におけるニュークリアスの ADARUN TT(最大トランザクションタイム)を減少させることができます。 指定値は、秒単位でのおおよその時間(TT * 1.05 秒)であり、ニュークリアスの ADARUN TT 値未満でなければなりません。 TTSYN が省略されるか、ニュークリアスの TT 値よりも大きい場合には、ニュークリアスの TT 値がデフォルトとなります。
注意:
UTYPE=EXU が指定されると TTSYN は効力を失います。
ADASAV SAVE 実行時に Adabas ニュークリアスがアクティブ状態の場合、同期チェックポイント SYN5 は、この SAVE 処理の終了時に取得されます。 これはすべてのユーザーが確実に ET 状態になる時間です。 ユーザーが 1 人でも ET 状態になっていない場合は、それ以外のユーザーに対する新たなトランザクションを開始できず、他のユーザーはこの SYN5 チェックポイントを取得できるようになるまで待機する必要があります。
ADARUN TT 値は、論理トランザクションに対する許容最大経過時間を制御します。 SYN5 チェックポイントの処理が可能になるまでの最大待機時間です。 ADASAV SAVE TTSYN パラメータを使用した場合、同期チェックポイント処理の間だけ TT 値を減少させることができます。 本来の TT 値は、ADASAV による SAVE 処理が終了すると、再び効力を持つようになります。
TWOCOPIES は、ADASAV 出力の物理コピーを 2 つ作成します。
ADASAV では、レコードバッファ "EXU=file-list" を指定した Adabas オープンコマンドが発行されます。 これにより、Adabas ニュークリアスがアクティブでかつプロテクションログを使用していない場合でもファイルセーブが可能となります。 SAVE 機能の処理中は、セーブされているファイルに対する更新は許可されません。 対応する RESTORE ファイル処理ではプロテクションログを必要としません。
ADASAV SAVE FILES=10,15
ファイル 10 およびファイル 15 をセーブします。
ADASAV SAVE FILES=3,4,5, ADASAV PASSWORD='PWD3,,PWD5'
ファイル 3、4、5 をセーブします。 ファイル 3 およびファイル 5 はパスワード保護されており、そのパスワードはそれぞれ PWD3 および PWD5 です。