RESTORE FILES 機能では、Adabas ニュークリアスがアクティブでないときに作成されたファイルまたはデータベースの SAVE データセット、または UTYPE=EXU で作成されたファイルの SAVE データセットから、ファイルをリストアします。 1 つ以上のファイルをリストアできます。 ファイルは、既存のデータベースに元の RABN でリストアされます。
注意:
このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
RESTORE FILES 機能を使用する場合は、次の条件が満たされている必要があります。
正しい SAVE データセットを指定しなければなりません。 指定するデータセットは、データベースまたはファイルの SAVE データセットで、リストアするファイルが含まれていなければなりません。
ファイルは、異なるデータベースを使用して作成した SAVE データセットを使用してリストアすることができます。ただし、使用するデバイスタイプは同じである必要があります。
データベースはすでに存在している必要があります。 リストアするファイルは、そのデータベースからでも、または異なるデータベースから作成されたものでもかまいません。 Adabas バージョン 5.1 以上の SAVE データセットを使用できます。
リストアするファイルに使用された元のすべての RABN は、フリー（フリースペーステーブルに従って使用できる）であるか、または上書きされるファイルに占有されている必要があります。
Adabas ニュークリアスは出力データベースでアクティブであっても、アクティブでなくてもかまいません。
Adabas ニュークリアスがチェックポイントまたはセキュリティファイルをリストアするためにアクティブになっている場合、ADASAV ユーティリティに排他的なデータベース制御が必要になります。つまり、データベース上にアクティブなユーザーが存在しない必要があります。
SAVE 処理が DRIVES パラメータを指定して実行された場合、作成された SAVE データセットのリストアでも DRIVES パラメータを指定できます。 そのとき、リストア処理は異なる SAVE データセットと並行して実行されます。 あるいは、その SAVE データセットを、DRIVES パラメータなしでリストアされる 1 つの SAVE データセットに連結することができます。
マルチボリュームデータベースの SAVE データセットからほんのわずかのファイルをリストアする場合、リストアするファイルのデータを実際に含むテープボリュームだけを ADASAV ジョブ制御に指定する必要があります。 対応する SYNV チェックポイントと同様に SAVE 処理のジョブプロトコルは各ボリュームに含まれるファイルまたはファイル群の一部を示します。
拡張ファイルおよびカップリングされたファイルのリストアまたは上書きは全体でしかできません。 つまり、拡張ファイルの 1 ファイルを指定するときは、拡張ファイルの他のファイルもすべて指定しなければならないということです。 カップリングの関係にある一方のファイルを指定する場合は、他方のファイルもすべて指定しなければなりません。
チェックポイント、セキュリティ、トリガ、またはユーザー定義のシステムファイルの上書きは、それぞれ、別のチェックポイント、セキュリティ、トリガ、またはユーザー定義のシステムファイルのみの場合に可能です。 このようなファイルがすでに異なるファイル番号で存在している場合、チェックポイント、セキュリティ、トリガの各ファイはリストアできません。
NEWFILES パラメータでリストアするファイルに新規ファイル番号を割り当てることができます。
この機能を実行すると、指定したファイルの物理ステータスが ADASAV SAVE 処理時と同じになります。
FILES のファイルリストは、リストアするファイル（群）を指定します。
Adabas 拡張ファイルの場合、アンカーファイルを含む拡張ファイルの全コンポーネントファイルを指定する必要があります。 指定されたファイルが他のファイルとカップリングされている場合、カップリングされている他方のファイルも指定しなければなりません。
指定したファイルリストが、対応する SAVE 機能に使用したファイルリストと一致する必要はありません。 ファイルリストが対応する SAVE 機能に使用されなかった場合でも、ファイルリストを指定できます。
ファイルは、異なるデータベースを使用して作成した SAVE データセットを使用してリストアすることもできます。ただし、使用するデバイスタイプは同じである必要があります。
ALLOCATION は、配置パラメータ ACRABN、DSRABN、NIRABN または UIRABN に従ってファイルエクステント割り当てが得られない場合に取るべき動作を指定します。
ALLOCATION は、セーブデータセットのファイルから取得した RABN 指定に基づいて行われます。
デフォルト（すなわち ALLOCATION=FORCE）の場合は、RABN 配置パラメータに従ったファイルエクステント割り当てができないと、このユーティリティはエラーで終了します。
ALLOCATION=NOFORCE の場合は、配置パラメータによる割り当てができないと、配置パラメータなしで再度割り当てようとします。
BUFNO 値に DRIVES パラメータ値を掛けたものが RESTORE 機能に対する固定割り当てバッファとなります。 通常、2 または 3 の値で最適なパフォーマンスが得られ、255 まで指定可能です。 ただし、5 を超える値を指定してもパフォーマンスが大きく向上することはなく、大量のスペースを割り当てることになります。 デフォルトは 1（1 ドライブ当たり 1 バッファ）です。
DRIVES は並行するリストア処理で使用するテープドライブの数を指定します。 1 から 8 までの数が指定可能であり、デフォルトは 1 です。
EXCLUDE は、リストアオペレーションから除外するファイル（リストアされないファイル）の番号をリストします。
このパラメータは省略可能です。指定しなかった場合、ファイルは一切除外されません。 ファイル番号は 1 度だけリスト可能です。
NEWFILES パラメータが
指定されていない場合、EXCLUDE パラメータに指定されたすべてのファイルが FILES パラメータにも指定されている必要があります。
指定されている場合、EXCLUDE パラメータに指定されたすべてのファイルが NEWFILES パラメータにも指定されている必要があります。 この場合 EXCLUDE パラメータに指定されたファイル番号は、FILES パラメータに指定された古いファイル番号ではなく、NEWFILES の新しいファイル番号を参照します。
EXCLUDE パラメータは、Adabas Recovery Aid（ADARAI）によって構築されたリカバリジョブで使用するためのパラメータです。
NEWFILES パラメータは、FILES で指定された各ファイルに割り当てる新規ファイル番号を指定します。 このパラメータは、オプションです。ファイル番号を新しく割り当てる必要がない場合は、元のファイル番号が保持されます。 NEWFILES は、拡張ファイル、物理的にカップリングされているファイル、またはレプリケートされたファイルには指定できません。
NEWFILES で指定したファイル番号がすでにデータベースに存在している場合、対応するファイルは、OVERWRITE パラメータも指定しないと、リストアされません。 上書きされるファイルがパスワードで保護されている場合、対応する PASSWORD パラメータも指定する必要があります。
複数のファイルをリストアする場合、NEWFILES パラメータのファイル番号リストは、FILES パラメータのファイルリストに対応させなければなりません。 あるファイルに新規ファイル番号を割り当てない場合、NEWFILES のファイル番号リストの該当ファイル番号のエントリには、0 を指定する必要があります。 例を参照してください。
NEWFILES を使用して基本ファイルまたは LOB ファイルのファイル番号を再割り当てできるのは、LOB ファイルグループのファイルが両方ともリストアされる場合のみです。 この場合、ADASAV は NEWFILES パラメータによって指定された新しいファイル番号を両ファイルに割り当て、2 つのファイル間のリンクを適宜調整します。 ただし、LOB ファイルグループの 1 ファイルのみをリストアした場合、NEWFILES パラメータを使用して新しいファイル番号を割り当てることはできません。代わりに ADADBS または AOS RENUMBER 機能を使用してください。
機能の実行中にエラーになると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してユーザーアベンド 34（ダンプあり）またはユーザーアベンド 35（ダンプなし）で終了します。
NOUSERABEND を指定すると、ユーティリティは、エラーメッセージを出力してもアベンドしません。 代りに、メッセージ "utility TERMINATED DUE TO ERROR CONDITION"（エラーのためユーティリティを終了します）を表示してコンディションコード 20 で終了します。
このパラメータが指定されると、既存ファイルの削除後にリストアが行われます。 リストア対象のファイルがすでにデータベース内に存在している場合には、このパラメータが指定されていないと ADASAV はそのファイルをスキップします。
注意:
不用意にデータベースを上書きしないために、OVERWRITE パラメータは、必ず FILES
ファイルリストの前ではなく、後ろに指定してください。
FILES に指定された 1 つ以上のファイルがパスワードで保護されている場合は、パスワードまたはパスワードリストを指定します。 このことは、すでにデータベース内に存在し、上書きされるファイルにのみ当てはまります。 NEWFILES パラメータが指定されている場合、PASSWORD パラメータは、新規ファイル番号に関連するパスワードを指定する必要があります。
複数のパスワード保護ファイルをリストアする場合、FILES リストの保護されたファイル番号の位置に対応する位置決め値として正しいパスワードを指定しなければなりません。 PASSWORD パラメータの詳細については、例を参照してください。 パスワード保護ファイルを上書きするときは、Adabas ニュークリアスをアクティブにしなければなりません。
TEST パラメータは、処理を実際には行わずに構文のみをテストします。 指定したパラメータの構文だけがテストされ、値や変数の正当性はテストされません。
ADASAV RESTORE FILES=3,4,5,OVERWRITE, ADASAV PASSWORD='PWD3,,PWD5'
ファイル 3、4、5 をリストアします。 既存のファイル 3、4、5 は、リストアされたファイルによって上書きされます。 ファイル 3 と 5 にはパスワード PWD3 と PWD5 が設定されています。
ADASAV RESTORE FILES=11,12,13,14,OVERWRITE ADASAV NEWFILES=16,0,17
ファイル 11、12、13、14 をリストアします。 ファイル 11 と 13 はファイル 16、17 としてリストアされます。 ファイル 12 と 14 は、対応する NEWFILES パラメータ値が 0 または指定されていないので、変更されません。 ファイル 12、14、16、17 は（すでにデータベースに存在している場合）上書きされます。
