バージョン 8.1.3
 —  ユーティリティ  —

機能概要

ADARES ユーティリティは、データベースリカバリに関連する機能を実行します。


ADARES の使用について

  1. BACKOUT(BACKOUT DPLOG/MPLOG を除く)、REGENERATE、REPAIR の各機能では、プロテクションログデータを含むシーケンシャルデータセットが入力として必要です。 デュアル/マルチプロテクションログを直接使用することはできません。 デュアル/マルチプロテクションログをシーケンシャルログに変換するには、ADARES PLCOPY 機能を使用します。

  2. REGENERATE、BACKOUT、COPY の各機能は、次の条件を満たしている場合に限り、1 つのジョブ内で複数のセッションを処理できます。

  3. 1 つのセッションのみを選択するには、PLOGNUM を使用するか、TOPLOG なしで FROMPLOG を使用してセッション番号を指定します。セッションの範囲を指定するには、FROMPLOG と TOPLOG を指定します。

  4. ADARES COPY 機能は、ADASAV 出力セーブ(DD/SAVEn)ファイルを対象としても実行できます。 セーブファイルを指示するパラメータは指定できません。ADARES では、セーブファイルの構造によってセーブファイルを認識します。 ADARES COPY の 1 回の実行では、1 つのセーブファイルのみコピーできます。 セーブファイルをコピーするには、PLOGNUM でそのセッション番号を指定します。

  5. Adabas 拡張ファイルについて:(ファイルの)BACKOUT 機能および REGENERATE 機能では、拡張ファイル全体の処理のみが行われます。 指定されたファイルが拡張ファイルのアンカーファイルまたはコンポーネントファイルである場合は、拡張ファイルのその他すべてのコンポーネントファイルも指定する必要があります。

  6. ADARES の追加 Delta Save Facility 処理を実行するには、DD/CARD 入力に ADARUN パラメータ DSF=YES を指定する必要があります。

  7. マルチスレッドの BACKOUT、BACKOUT DPLOG/MPLOG、および REGENERATE では、メインメモリを追加する必要があります。メモリの量は、対応するニュークリアス ADARUN パラメータ NT および NU の値を使用して、次の式で計算できます。

    (NT x 70,000) + (NU x 72) 

    例えば NT = 28 で NU = 1000 の場合は、約 2 MB のメインメモリが必要になります。

  8. マルチスレッドのバックアウト/再生成機能の使用時に最適な処理を行うために、ニュークリアス ADARUN パラメータ NAB を次の式で求められる値よりも大きく設定することをお勧めします。

    NAB = NT x (32K + 108) / 4096 

Adabas ニュークリアスクラスタ環境での ADARES の使用

Adabas ニュークリアスクラスタ環境では、クラスタ内のすべての個々のニュークリアスのプロテクションログ(およびオプションでコマンドログ)は、全体としてすべてのニュークリアスによって共有されるクラスタデータベースの年代順でそれぞれ 1 つのログファイルにマージされます。 年代順は、すべての個々のニュークリアスログレコードのタイムスタンプに基づいて決定されます。これらのタイムスタンプは、オペレーティングシステムによってクラスタ全体で同期が取られます。

ログのマージ

リカバリ処理のために、すべてのプロテクションログデータセット(PLOG)は、クラスタデータベースごとに 1 つのログストリームにマージしなければなりません。 PLOG は、ADARES PLCOPY が実行されるときに自動的にマージされます。 PLCOPY プロセスは、Parallel Participant Table(PPT)にアクセスしてコピー対象の PLOG を決定し、ダイナミックアロケーションを使用して適切なデータセットにアクセスします。

既存の PLCOPY ジョブはクラスタ環境で実行するために修正しなければなりません。 ユーザー出口 2 の修正も必要になる場合があります。 必要な中間データセットの追加を示すサンプルの PLCOPY ジョブ ADARESMP およびサンプルのユーザー出口 2(USEREX2P)が提供されています。 「ニュークリアスクラスタプロテクションログの自動的なコピー/マージ」を参照してください。 ただし、PLOG DD ステートメントを削除する必要はありません。 これらのステートメントが残っている場合は、無視されます。

デフォルトでは、デュアル/マルチコマンドログデータセット(CLOG)は、ADARES CLCOPY 機能を使用して各ニュークリアスのシーケンシャルデータセットにコピーできますが、結果として得られたデータセットが、その後、クラスタ全体でクラスタデータベースの 1 つの CLOG データセットに自動的にマージされることはありません。 ADARES MERGE CLOG 機能を使用すると、各ニュークリアスからの CLCOPY 出力を手動でマージできます。 デフォルトでは、CLOG データセットをユーザー出口 2 JCL に指定する必要があります。これらのデータセットは動的には割り当てられません。

ただし、会計処理をはじめとする追跡の目的で、PLOG マージプロセスを自動化する場合と同じ方法で CLOG マージプロセスを自動化すると便利です。 ADARUN CLOGMRG=YES を指定すると、ADARES CLCOPY ジョブが UEX2 からサブミットされて実行されるときに、CLOG マージプロセスが自動的に起動されます。 ADARUN LOGGING=YES も指定する必要があります。 PLCOPY プロセスと同様に、CLCOPY プロセスはその後 Parallel Participant Table(PPT)にアクセスしてコピー対象の CLOG を決定し、ダイナミックアロケーションを使用して適切なデータセットにアクセスします。

既存の CLCOPY ジョブを修正して、中間データセットを含める必要があります。 必要な中間データセットの追加を示すサンプルの CLCOPY ジョブ ADARESMC が提供されています。 「ニュークリアスクラスタコマンドログの自動的なコピー/マージ」を参照してください。 サンプルユーザー出口 2(USEREX2P)には、マージのために CLCOPY と PLCOPY の両方の機能が含まれています。

自動化された PLCOPY ジョブおよび CLCOPY ジョブでは、可能な限り多くのデータがコピー/マージされます。ニュークリアスがまだログデータセットに書き込み中である場合は、データセットが "部分的に" マージされます。

中間データセット

マージは、マージされるすべての PLOG と CLOG の最小タイムスタンプで始まり、すべてのデータセットの中で最小の終了タイムスタンプで終わります。 このポイントを超えるレコードは中間データセットに書き込まれます。それは後続のマージへの入力として供給しなければなりません。 照合が実行され、正しい中間データセットが供給されたことを保証します。

ADARES では、マージされる PLOG または CLOG の少なくとも 1 つは "完了" ステータスであることを想定しています。 これに該当しない場合、ADARES は、コピーするデータがないことをレポートします。

サンプルユーザー出口 2(PLOG および CLOG 用の USEREX2P)は、中間データセットに必要な JCL を示すために提供されています。 中間データセットが CLCOPY と PLCOPY の両方のジョブで使用される場合は、上書きされないように、それぞれのデータセット名をユニークな名前にしなければなりません。

PLCOPY であるか CLCOPY であるかに応じて、ユーザー出口 2 によってサブミットされるジョブは、適切なステートメントセットを参照する必要があります。

PLOG データセットの DD ステートメントは、一度セッション起動 JCL に指定すると、ダイナミックアロケーションでオープンされるようになるため、ADARES に対して再び指定する必要はありません。 DD ステートメントが供給された場合、それらは無視されます。

実行されるたびに JCL を手動で変更する必要はありません。 ADARES では、どの中間データセットが入力として予期されているかを判断するために、Parallel Participant Table(PPT)で制御情報を保守します。 ADARES では、入力および出力にどちらを使用するかを決定するために、両方のデータセットのヘッダー情報をチェックします。

次のチェックは中間データセットが正しく供給されたことを確認するために行われます。

  1. DBID は中間データセットヘッダーに保存され、ログの DBID と一致しなければなりません。

  2. ログ番号は中間データセットヘッダーに保存されています。この番号は、ログデータセットの現在の番号か、またはログデータセットの現在の番号から 1 を減算した番号と一致する必要があります。

  3. 中間データセットヘッダーの STCK は、PPT に保存されている STCK と一致する必要があります。

チェックのいずれかが失敗すると、ADARES ERROR 157 が返されます。

ADARES では、予期されたレコード数が中間データセットに含まれていることも確認します。 含まれていない場合は、ADARES ERROR 164 が返されます。

チェックポイントのユニークな識別

プロテクションログ(PLOG)マージプロセスの後、ブロック番号は必ずしも同じにはなりません。 この状況で、チェックポイントをユニークに識別するために、TOBLK/FROMBLK パラメータを指定できるすべての機能(つまり BACKOUT と REGENERATE)に NUCID も指定する必要があります。

マージプロセスは、ブロックにつき多くても 1 つのチェックポイントがあることを保証します。 マージが実行される前の(古い)ブロック番号とチェックポイント記述時の NUCID が記録されます。 ADAREP でレポートされるようにブロック番号と NUCID を指定すると、ADARES はユニークにブロックを識別することができます。

注意:
Adabas ニュークリアスクラスタ環境で、ADAREP は、すべてのチェックポイント情報を出力するとき、NUCID を含んでいます。

Adabas ニュークリアスクラスタ環境で必要とされる追加パラメータは、NUCID、TONUCID、および FROMNUCID です。 NUCID が開始および終了チェックポイントのものと同じであれば、NUCID だけを指定する必要があります。

注意:
ADASAV では、RESTONL 機能および RESTPLOG 機能のためにブロックをユニークに識別できるように、この情報をヘッダーに保存します。

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