バージョン 8.1.3
 —  Adabas 8 の導入計画  —

Adabas 8 対応のアドオン製品のサポート

このドキュメントでは、バージョン 8 でアドオン製品がどのようにサポートされるのかについて説明します。

注意:
ここに記載されている内容は、製品リリースの前に変更される可能性があります。 Software AG は、リリース前に本製品および本ドキュメントの内容を変更する権利を留保します。また、記載されている機能がすべて実装されているとは限りません。 しかし、この情報はバージョン 8 へのアップグレードを正しく評価するためには十分に的確なものです。

クライアントベースのアドオン製品の互換性に関する全般的な情報

クライアントベースのアドオン製品としては、次のものがあります。

Adabas 8 の基本的な拡張機能はほとんど、これらのアドオン製品には直接、影響しません。 つまり、アップグレードの際に、Adabas 8 拡張機能が障害になることはありません。 例えば、スパンドレコードのような内部的な Adabas 8 の特性や、またはユーティリティの内部仕様の変更は、これらの製品には影響しません。

これらの製品では、必要に応じて、Adabas の新機能や変更された機能が次のようにサポートされています。

特定の Adabas 8 機能のサポート 特定の Adabas 8 機能が現行のアドオン製品の機能に直接関係する場合、該当するアドオン製品は、Adabas 8 の機能拡張をサポートするように機能が追加されます。
Adabas 8 機能の対応状況 特定の Adabas 8 機能が現行のアドオン製品の機能に直接的には関係しない場合、その Adabas 8 機能は制限なく使用できますが、アドオン製品からは使用できないことがあります。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

特定の Adabas 8 機能のサポート

クライアントベースのアドオン製品では、次の Adabas 8 機能がサポートされています。

Adabas 8 機能の対応状況

その他の Adabas 8 機能は、クライアントベースのアドオン製品には特に影響がないため、これらの製品とともに使用できます。

Adabas 8 のサポートに必要な作業

必要に応じて、Adabas のバージョンレベルが自動的に検知されるため、クライアントベースのアドオン製品側では、Adabas 8 をサポートするための操作は特に必要ありませんが、 これとは別に変換作業が必要になります。

具体的な例としては、クライアントベースのアドオン製品で共有されるシステムコンフィグレーションファイルがあります。 システムコンフィグレーションファイルには、実行時にソフトウェアで効率的な処理を行うために必要な情報がすべて格納されています。 システムコンフィグレーションファイルは、次の手順に従って、以前のリリースから変換する必要があります。

Adabas 7.4 の互換性

次の条件に合致する場合、バージョン 8.1 クライアントベースのアドオン製品は、Adabas 7.4 と Adabas 8 のデータベースと併用することができます。

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Adabas System Coordinator バージョン 8 のサポート

Adabas System Coordinator は、Adabas に対応したクライアントベースのアドオン製品です。 Adabas System Coordinator およびその他のクライアントベースのアドオン製品のバージョン 8 への移行についての一般的な情報は、「クライアントベースのアドオン製品の互換性に関する一般情報」を参照してください。

Adabas System Coordinator は、Adabas Fastpath、Adabas SAF Security、Adabas Transaction Manager、および Adabas Vista に基本テクノロジを提供します。 このため、これらのその他の製品が高度に統合化されるように、いくつかの機能拡張が Adabas System Coordinator に実装されました。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

クライアントのランタイムコンフィグレーション

同じジョブの中で Adabas クライアントセッションを別々に処理する必要性が高くなってきました。 例としては、次のような場合があります。

このようなランタイム制御を実行できることが、非常に重要になってきました。 例えば、トレースオプションの対象は、全体ではなく、ごく少数のセッションに限定することができます。 これにより、メモリ消費量全体を最小に抑えられ、同時に調査対象のセッションのみをチェックして問題を集中的に追求できるようになります。

Adabas System Coordinator バージョン 8.1 では、本来の基本ジョブレベル制御に、任意指定の上書き制御を追加することで、これらの設定をあらかじめ指定することができます。 バージョン 8.1 では、次の事項について、上書き制御を事前に設定することができます。

ジョブタイプ 上書き制御
バッチジョブ
  1. ステップ名

  2. LOGIN(例えば RACF LOGIN ユーザー ID)

  3. 特別な API

TSO、CMS、TIAM など 特別な API
COM-PLETE、CICS、IMS、UTM
  1. 特別な API

  2. LOGIN

  3. トランザクションコード

端末オペレータが 1 つのトランザクションから別のトランザクションに移動するときは、コンフィグレーションファイルに指定した内容に従って、実行時の処理を動的に変更することができます。

機能向上したダイナミッククライアントランタイム設定

異なる設定を事前指定して実行時に選択できるだけでなく、現在のセッションのランタイム制御を動的に変更できるようになりました。 例えば、コンフィグレーションファイルの指定内容に関係なく、トレースのオン/オフを切り替えることができます。

Natural では、"SETCOR xxx" 機能を使用して、このような動的変更が行われます。xxx の部分は、AFP、AVI、ATM または COR という製品コードで置き換えられます。

システムコンフィグレーションファイルの変更

システムコンフィグレーションファイルは、ランタイム処理で非常に重要な役割を担います。 したがって、このファイルに問題があるとシステム全体に影響が波及します。 このため、Adabas System Coordinator 8.1 では、代替のコンフィグレーションファイルを定義できるようになりました。

注意:
2 つのコンフィグレーションファイルの内容が常に同じになるように、ユーザー側でファイルを維持する必要があります。

各セッションは、通常、プライマリのシステムコンフィグレーションファイルを使用しますが、 そのファイルが使用できない場合は、代替のシステムコンフィグレーションファイルを使用します(定義されている場合)。 セッションでコンフィグレーションファイルが認識されると、セッションが継続している間、そのファイルはプライマリのコンフィグレーションファイルとして扱われますが、そのファイルが使用できなくなると、代替のコンフィグレーションファイルが使用されます。 長期的に見ると、別々のセッションが同時に異なるファイルを使用する可能性があります。どちらかのコンフィグレーションファイルを長期間使用できないようにして、すべてのセッションが使用しているコンフィグレーションファイルを強制的に切り替えるまで、この状態が続きます。

代替のコンフィグレーションファイルを使用する場合、プライマリと代替のコンフィグレーションファイルを両方とも、Coordinator デーモンの起動時と終了時に使用できるようにする必要があります。 このファイルにはリカバリ情報と再開情報が保存されるため、同じ情報が両方のファイルに保存されないと、ファイル間の整合性が取れなくなるからです。

可変長データのサポート

コンフィグレーションファイルに独自の可変長データを保存できるようになりました。 このデータは、基本設定または上書き設定と同時に入力することができます。 可変長データを使用して説明を入力できるだけでなく、ランタイム API コールを使用すれば、入力したデータ(最大 256 バイト)を取得することもできます。 したがって、使用する設定に応じて、目的に合わせて実行時のセッションを簡単に区別することができます。

バージョン管理機能

バージョン管理機能を使用すると、バージョン 8.1 に完全に移行するまで段階的にバージョンをアップグレードすることができます。 アップグレードの対象は、このソフトウェアが組み込まれているクライアントとデータベースです。 TP システムには、ADALNK テクノロジに対するフロントエンドが組み込まれており、例えば ADALNK74 と ADALNK81 を同じクライアントジョブで使用することが可能です。 ADALNK パスは、デフォルトでトランザクションコードに従って選択されます。 この方式を使用すると、段階的な変換が可能です。

Adabas ターゲットデータベースのソフトウェアにも同様の方式が採用されています。 例えば、Adabas System Coordinator および Adabas Fastpath 7.4 を Adabas System Coordinator および Adabas Fastpath 8.1. と併用することができます。これにより、クライアントは 7.4 から 8.1 まで一度に移行することが可能です。

他のクライアントベースのアドオン製品を使用せずに Adabas System Coordinator をクライアントジョブに適用する

Adabas System Coordinator の通常機能の中には、他のクライアントベースのアドオン製品を使用しなくても、ジョブに適用できる機能があります。 例えば、コマンド再試行機能がジョブに必要なことがありますが、Adabas Fastpath は必要ありません。 Adabas System Coordinator 8.1 は、他の製品がなくても稼動できます。

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Adabas Fastpath バージョン 8 のサポート

Adabas Fastpath は、Adabas に対応したクライアントベースのアドオン製品です。 Adabas System Coordinator およびその他のクライアントベースのアドオン製品のバージョン 8 への移行についての一般的な情報は、「クライアントベースのアドオン製品の互換性に関する一般情報」を参照してください。

Adabas System Coordinator は、Adabas Fastpath、Adabas SAF Security、Adabas Transaction Manager、および Adabas Vista に基本テクノロジを提供します。 このため、これらのその他の製品が高度に統合化されるように、いくつかの機能拡張が Adabas System Coordinator に実装されました。 詳細は、「Adabas System Coordinator サポート」を参照してください。 Adabas Fastpath は、Adabas System Coordinator 8.1 で導入されたダイナミッククライアントランタイム設定に対応しています。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

バッファ自動再スタート機能の拡張

バッファ自動再スタート機能が拡張され、"n 時間おきに再スタートするだけでなく、時刻が n 時になると再スタート" できるようになりました。

Adabas Fastpath のバッファが 24 時間無休で常時稼動している環境では、コマンドの統計データが現行の 4G の制限を超えてしまい、出力しても意味のないデータになってしまうため、これを回避できるように機能が拡張されました。 この機能を使用すると、制限の超過が発生する標準の時間帯になる前に、再スタートを実行することができます。 また、実際の再スタート時間をシステムの稼働率が低い時間帯に設定できるため、ピーク時を避けて再スタートを実行することもできます。

今後のリリースでは、4G を超える統計データが作成できるようになる予定です。

保護ファイルに対するダイレクトアクセスの最適化

Adabas Fastpath のデフォルトの動作では、保護ファイルはキャッシュされません。これは、セキュリティ上、データがどのセッションで使用されているかを区別できるようにする方が望ましいという前提に立っています。 しかし、環境によっては、このようにデータを保護せずに、保護ファイルをキャッシュする方が要件に合っていることがあります。 その場合でも、この機能は注意して使用してください。

AFPLOOK の変更点

AFPLOOK サンプラによる予測は、現行レベルの Adabas Fastpath の最適化に適合するように変更されました。 また、オンラインの管理ツールを使用しなくても、Adabas に付属の AFPLOOK バージョンを事前設定することができるようになります。

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Adabas SAF Security バージョン 8 のサポート

Adabas SAF Security は、Adabas に対応したクライアントベースのアドオン製品です。 Adabas System Coordinator およびその他のクライアントベースのアドオン製品のバージョン 8 への移行についての一般的な情報は、「クライアントベースのアドオン製品の互換性に関する一般情報」を参照してください。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

可変長リソースの名前変更

Adabas SAF Security 8.1 では、保護されているリソースの名前として、番号ではなく、論理名を使用できるようになります。 したがって、リソースの集合を作成しやすくなります。

ストアドプロシージャの保護

PC コールの実行を保護するオプションが導入されます。

ホールドベースのコマンド

アクセスコマンドではなく更新コマンドとして、ホールドベースのコマンド(L4、L5 など)を利用できるオプションが導入される予定です。

Adabas Security

ADASCR パスワードとして SAF ベースの GROUP ID を使用できるオプションが導入されます。

Adabas SAF Security の非アクティブ化

条件によっては、Adabas SAF Security がデータベースの初期化に失敗する可能性があります。 この場合、データベースごとに Adabas ニュークリアスを終了させるかどうかを設定できる方が便利なこともあります。 これを実現する機能が、Adabas SAF Security バージョン 8.1 に導入される予定です。

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Adabas Transaction Manager バージョン 8 のサポート

Adabas Transaction Manager は、Adabas に対応したクライアントベースのアドオン製品です。 Adabas System Coordinator およびその他のクライアントベースのアドオン製品のバージョン 8 への移行についての一般的な情報は、「クライアントベースのアドオン製品の互換性に関する一般情報」を参照してください。

Adabas System Coordinator は、Adabas Fastpath、Adabas SAF Security、Adabas Transaction Manager、および Adabas Vista に基本テクノロジを提供します。 このため、これらのその他の製品が高度に統合化されるように、いくつかの機能拡張が Adabas System Coordinator に実装されました。 詳細は、「Adabas System Coordinator サポート」を参照してください。 Adabas Transaction Manager は、Adabas System Coordinator 8.1 で導入されたダイナミッククライアントランタイム設定に対応しています。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

非アクティビティタイムアウト処理

この処理は、Adabas Transaction Manager 固有の機能ではなく、Adabas System Coordinator に用意されている同等の通常機能によって実行されます。

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Adabas Vista バージョン 8 のサポート

Adabas Vista は、Adabas に対応したクライアントベースのアドオン製品です。 Adabas System Coordinator およびその他のクライアントベースのアドオン製品のバージョン 8 への移行についての一般的な情報は、「クライアントベースのアドオン製品の互換性に関する一般情報」を参照してください。

Adabas System Coordinator は、Adabas Fastpath、Adabas SAF Security、Adabas Transaction Manager、および Adabas Vista に基本テクノロジを提供します。 このため、これらのその他の製品が高度に統合化されるように、いくつかの機能拡張が Adabas System Coordinator に実装されました。 詳細は、「Adabas System Coordinator サポート」を参照してください。 Adabas Vista は、Adabas System Coordinator 8.1 で導入されたダイナミッククライアントランタイム設定に対応しています。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

正式版とドラフト版に代わる世代管理

旧バージョンの Adabas Vista では、個別ファイルのルールとして、正式版とドラフト版の作成が可能でした。 したがって、変更が加えられても、そのランタイムルールがアクティブなまま存在している状態でしたが、 実行可能なランタイムルールとして多数のドラフトルールを一度にアクティブにすることはできませんでした。

ルールを世代ごとに管理できれば、完全な新しいルールの組み合わせをバックグラウンドで作成し、同時にアクティブ化することが可能になります。 これは、ランタイム処理に変更を適用する際に、非常に優れた制御方式です。

複数世代のルールを同時に作成できるだけではなく、特定の世代を、アクティブな世代として指定することもできます。 また、いつでもアクティブな世代として別の世代を定義することができます。 この場合、元のアクティブな世代は自動的にアクティブではない状態に設定されます。

世代の基本ルールは直接、変更することはできません。 世代を変更する場合は、差分修正を定義する必要があります。 1 つの世代に対して複数の差分を定義することもできます。 差分修正を定義し終わったら、その差分修正を適用して、基本世代を更新します。

ファイル変換ページ

Adabas Vista 8.1 では、複数ページの変換ルールを定義できるようになりました。 データベース管理者は、ページごとに名前を付けることができます。 各ページは、1 つ以上のファイル変換ルールで構成されます。 Adabas Vista を使用するように定義されているジョブには、そのジョブの実行時に使用する名前の付いたページを 8 つまで含めることができます。 Adabas Vista は、これらのページをすべて 1 つの変換ルールにまとめ、実行時に使用できるようにします。

ルールは必須のものとして定義することができます。また、ルールに優先順位の番号を付けることもできます。 マージ処理では、この必須設定と優先設定が保持されます。

上記に加えて、必須ページ自体を設定することも可能です。その場合、そのページに含まれる変換ルールが必須である必要はありません。 必須ページは、存在する場合、必ず使用されます。 Adabas Vista のジョブ制御では、必須ページに名前を付ける必要はありません。名前を付けない方が、旧バージョンとの互換性が高くなります。 Adabas Vista 8.1 変換ユーティリティでは、既存の 7.4 ルールに従って変換できるように処理されます。

ソース名の廃止

ソース名フィールドは、変換ルールから削除されました。 Adabas Vista 8.1 変換ユーティリティでは、これらの変換ルールが自動的に除外されます。

パーティション分割ファイルのターゲットカテゴリの廃止

ターゲットカテゴリは、パーティション分割ファイルの定義から除外されました。 ターゲットカテゴリは、変換ルールにのみ使用されます。

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