このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
Adabas は、さまざまなオペレーティング環境をサポートしています。Adabas の本リリースのサポートプラットフォームについては、『リリースノート』の「サポートされるプラットフォーム」を参照してください。
Adabas(Adabas、Adabas クライアント、Software AG Installer パッケージを含む)には、約 1 GB のハードディスクスペースが必要です。
Adabas のインストールには、追加で次のソフトウェア要件が適用されます。
オペレーティングシステムプラットフォーム | 要件 |
---|---|
Red Hat Enterprise Linux Server 6(IBM System z 64 ビット) |
ホスト名が正しく設定されていることを確認してください。コマンド |
libstdc++ パッケージがインストールされている必要があります。 |
ここでは、次のように設定されていることを前提に説明しています。
Software AG 製品の管理者用ユーザーアカウントは "sag" です。
Software AG 製品の管理者およびすべてのユーザーが割り当てられるグループは "sag" です。
ユーザー "sag" のホームディレクトリは /opt/softwareag です。
Software AG 製品のルートディレクトリは /opt/softwareag です。
注意:
別の管理者ユーザーまたはグループ名(あるいはその両方)を使用する場合、Adabas ニュークリアスでも使用される showipc は、一部の環境変数が設定された後でのみ機能します。詳細については、『ユーティリティ』ドキュメントの「ADANUC」および『管理マニュアル』の「showipc」を参照してください。
これから説明する手順を実行するには、処理内容に適したシステム管理ツール(smit など)を使用します。
管理者のアカウントおよびグループの作成
Software AG 製品を初めてインストールする場合は、全 Software AG 製品用に 1 つの管理者アカウントおよびグループを作成してください。
使用環境にインストールされているすべての Software AG 製品が属する管理者アカウントを定義します。製品のすべての環境定義ファイルが Bourne シェル用に書き込まれるため、管理者アカウントのログインシェルとして Bourne シェルが必要です。
Software AG 製品の管理者およびすべてのユーザーが属するグループを定義します。
ユーザー "sag" のログインディレクトリを作成します。
ユーザーアカウントおよびグループアカウントが /etc 内の各ファイルに定義されているとします。
システムファイル /etc/group 内のエントリの例を次に示します。
sag:*:21:sag
システムファイル /etc/passwd 内のエントリの例を次に示します。
sag::100:21:SAG - Product Administrator:/opt/softwareag:/bin/sh
Adabas では System V リソースを増やす必要があります。コマンド showipc -s を使用して、現在の設定を確認できます。以下では、Adabas に必要なリソースについて説明します。IPC リソースを必要とする実行中のプロセスは他にもあります。つまり、システム全体でのリソースの最大数または最大サイズを規定するパラメータには、他のプロセスで必要とされる IPC リソースも加える必要があります。リソースの最大サイズを規定するパラメータについては、他のプロセスで必要とされる IPC リソースを考慮して十分大きな値にしなければなりません。
注意:
カーネルパラメータ | 説明 | 推奨される最小値 |
---|---|---|
SHMMAX |
共有メモリセグメントの最大サイズ(バイト)。 |
すべてのデータベースの最大値: LBP + LWP + (ワーカースレッド数 / 10 + 1) MB LAB LABX 注意: |
SHMMNI |
システム全体の共有メモリセグメントの最大数。 | データベース数 * 4。 |
SHMSEG |
プロセスごとの共有メモリセグメントの最大数。 | 4 セグメント。 |
SEMVMX |
セマフォの最大値。 | 32767 |
SEMAEM |
セマフォの終了時調整値の最大値。 | 1024 |
SEMMNI |
システム全体のセマフォセットの最大数。 | データベース数 * 2 |
SEMMNS |
システム全体のセマフォの最大数。 | データベース数 * (2 + NCL )
|
SEMMNU |
システム全体の undo 構造体の最大数。 | すべてのデータベース -SUM (2 + NCL ) を計算します。
|
SEMMSL |
セマフォセットごとのセマフォの最大数。 |
このパラメータは、データベースあたりのユーザー数( このパラメータは、すべてのデータベースで最も大きい |
MSGMAX |
送信できるメッセージの最大バイト数。 | 64 バイト。 |
MSGMNB |
1 つのキュー内でキューイングできる最大バイト数(つまり、そのキュー内の全メッセージの合計)。 | すべてのデータベース - NCL パラメータの最大値 * 32 バイトを選択します。
|
MSGMNI |
システム全体のメッセージキューの最大数。 | すべてのデータベース - (2 + NCL + (2 か NT/3) の最大) の合計を計算します。
|
MSGTQL |
システム全体のメッセージの最大数。 | すべてのデータベース - (32 * NCL ) の合計を計算します。
|
Solaris 10 以降では、カーネルパラメータを設定するためのリソース制御機能が提供されています。この機能の詳細については、Solaris のマニュアルを参照してください。
Solaris でゾーンを使用しているかどうかにかかわらず、Solaris リソース制御機能に対するカーネルパラメータの変更が必要です。ゾーンを含む構成では、グローバルゾーンでこれらの変更を行います。
カーネルパラメータ | Solaris パラメータ | 説明 |
---|---|---|
SHMMAX |
max-shm-memory |
共有メモリセグメントの最大サイズ(バイト)。 |
SHMMNI |
max-shm-ids |
システム全体の共有メモリセグメントの最大数。 |
SEMMNI |
max-sem-ids |
システム全体のセマフォセットの最大数。 |
SEMMSL |
max-sem-nsems |
セマフォセットごとのセマフォの最大数。 |
MSGMNB |
max-msg-qbytes |
1 つのキュー内でキューイングできる最大バイト数(つまり、そのキュー内の全メッセージの合計)。 |
MSGMNI |
max-msg-ids |
システム全体のメッセージキューの最大数。 |
MSGTQL |
max-msg-messages |
システム全体のメッセージの最大数。 |
Linux システムでは、前述の一般的なカーネルパラメータに加えて、"inotify" ファイルシステムモニタリングメカニズムのカーネルパラメータを構成する必要があります。Adabas クライアントプロセスの数に応じて、/etc/sysctl.conf で次のパラメータを設定する必要があります。
fs.inotify.max_user_instances
これは、実際のユーザー ID ごとに作成できる inotify インスタンス数の上限を指定します(少なくとも、同時使用データベースの数にクライアントプロセスの数を掛けた値)。
fs.inotify.max_user_watches
これは、実際のユーザー ID ごとに作成できる監視対象数の上限を指定します(少なくとも、同時使用データベースの数にクライアントプロセスの数を掛けた値)。
詳細については、/proc/sys/fs/inotify も参照してください。
スレッドスケジューリングモデルの一部を変更することで、Adabas のパフォーマンスを向上させることができます。デフォルトでは、AIX はカーネルスレッドに対するユーザースレッドの割合として 8:1 を使用します。この割合を変更するには、次の 2 つの方法があります。
環境変数 AIXTHREAD_MNRATIO
を設定する方法。この方法では、任意の割合を指定できます。
AIXTHREAD_MNRATIO=1:1 export AIXTHREAD_MNRATIO
環境変数 AIXTHREAD_SCOPE
を設定する方法。
AIXTHREAD_SCOPE=S export AIXTHREAD_SCOPE
この例では、割合が 1:1 になります。
AIXTHREAD_SCOPE=P export AIXTHREAD_SCOPE
この例では、割合が M:N になります。
AIXTHREAD_SCOPE=S
は推奨設定です。この場合、割合は 1:1 になります。