管理コマンド

この章では、Adabas 拡張オペレーション(AEO)で一般的に使用するコマンドについて説明します。


コンフィグレーションファイルに格納されている情報の取得と変更:adaini

使用法:adaini [DBID=<dbid>] {<add> | <del> | <show>}

<dbid> は、0~255 の範囲の数値です。DBID パラメータが指定されていない場合、または DBID=0 が指定されている場合は、ADABAS.INI ファイルが処理されます。それ以外の場合は、DB<dbid>.INI ファイルが処理されます。

コンフィグレーションファイルへの情報の追加または変更

<add> は、コンフィグレーションファイルに 1 つ以上の項目を追加または変更する際に使用します。構文は次のとおりです。

{ADD | MOD[IFY] } <topic_list> <item_value_list>

注意:
ADD と MOD[IFY] は同じです。ADD を使用して項目を変更することも、MOD[IFY] を使用して項目を追加することもできます。

<topic_list> の構文は次のとおりです。

{ TOPIC=<topic> } ...

ここで、<topic> はトピックの名前です。処理する項目がサブトピックに属している場合は、その項目が属しているトピックの完全な階層を指定する必要があります。

注意:
トピック名は大文字に変換されます。

<item_value_list> の構文は次のとおりです。

{ITEM=<item>[=<value>] } ...

ここで、<item> は項目の名前で、<value> は項目の値です。

注意:

  1. 項目は、値ありでも値なしでも定義できます。
  2. トピック名とは異なり、項目名と項目値は大文字に変換されません。
  3. adaini では、指定したトピックや項目が Adabas で実際に使用されているかどうか、指定した項目値が有効かどうかはチェックされません。adaini は、コンフィグレーションファイルの構文が正しいことのみを保証します。

adaini mod topic=node_parameter topic=analyser item=ACTION=no

このコマンドで、トピック NODE_PARAMETER、サブトピック ANALYSER の項目 ACTION が no に設定され、その結果 AEO が非アクティブ化されます。

コンフィグレーションファイルからの情報の削除

<del> は、コンフィグレーションファイルから 1 つ以上の項目を削除する際に使用します。構文は次のとおりです。

DEL[ETE] <topic_list> <item_list>

<topic_list> は、<add> の場合と同じ方法で使用されます。

<item_list> の構文は次のとおりです。

{ITEM= *} | {ITEM = <item>} ...

ここで、<item> は項目の名前です。指定した項目が削除されます。「*」を指定すると、すべての項目とその項目が属しているトピックが削除されます。

注意:

  1. Unix シェルでは「*」は特殊文字となっているので、前にバックスラッシュを付けるか、引用符または二重引用符で囲む必要があります。
  2. トピックに属しているすべての項目を明示的に指定した場合は、項目のみが削除され、項目が属しているトピックは、コンフィグレーションファイルに空のトピックとして残ります。トピックも削除するには、ITEM=* を指定する必要があります。

adaini dbid=36 del topic=environment item=ADAHYX_4

このコマンドは ADAHYX_4 の環境設定を削除し、ハイパー出口 4 を非アクティブ化します。

コンフィグレーションファイルの情報の表示

<show> は、コンフィグレーションファイルに格納されている 1 つ以上の項目を表示する際に使用します。構文は次のとおりです。

show [<format>] <topic_list> [<item_list>]

<format> の構文は次のとおりです。

FORMAT={ BAT | BSH | CMD | CSH}

FORMAT を指定した場合、指定したシェルのステートメントが生成されます。これにより環境変数が作成されますが、その名前は処理する項目名になり、その値は項目の値になります。

<topic_list> は、<add> の場合と同じ方法で使用されます。

<item_list> の構文は <del> と同じです。ITEM=* を指定した場合は、指定したトピックに属しているすべての項目が表示されます。<format> が指定されていない場合、これらは <item>=<value> のフォーマットで表示され、その後に改行が続きます。項目を名前で明示的に指定した場合は、これらの項目が表示されます。<format> が指定されていない場合は、項目の値のみが表示され、その後に改行が続きます。

<item_list> が指定されていない場合は、トピックに属しているすべての項目が表示されます。フォーマットが指定されていない場合、これらは <item>=<value> のフォーマットで表示されます。サブトピックも表示されます。以下の例にレイアウトを示します。

このコマンドは、

adaini show topic=db_list

次の出力を生成する場合があります。

[DBID_001]
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db001\DB001.INI
  NAME=V33-DATABASE
  STRLVL=12
[DBID_001-END]

[DBID_002]
  AUTOSTART=V616
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db002\DB002.INI
  NAME=P289591
  STRLVL=12
[DBID_002-END]

[DBID_003]
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db003\DB003.INI
  NAME=DEFAULT-DATABASE
  STRLVL=15
[DBID_003-END]

[DBID_004]
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db004\DB004.INI
  NAME=TEST-ICU
  STRLVL=15
[DBID_004-END]

[DBID_005]
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db005\DB005.INI
  NAME=ADA618-DB
  STRLVL=15
[DBID_005-END]

[DBID_012]
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db012\DB012.INI
  NAME=GENERAL_DATABASE
  STRLVL=15
[DBID_012-END]

[DBID_036]
  AUTOSTART=NO
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db036\DB036.INI
  NAME=GENERAL_DATABASE
  STRLVL=15
[DBID_036-END]

[DBID_062]
  AUTOSTART=NO
  INI_FILE=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db062\DB062.INI
  NAME=GENERAL_DATABASE
  STRLVL=16
[DBID_062-END]

このコマンドは、

adaini dbid=36 show format=bat topic=backup item=BCK001 item=BCK002 item=BCK003

次の出力を生成する場合があります。

set BCK001=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db036\BCK001.036
set BCK002=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db036\BCK002.036
set BCK003=C:\Program Files\Software AG\Adabas\db036\BCK003.036 

コンフィグレーションファイルのインストール:adainst

PC プラットフォームの場合:

用途:adainst <dbid>

<dbid> が欠落し、ADABAS.INI が %ADADATADIR%\etc に存在しない場合、adainst は、%ADADATADIR%\etc\ADABAS.INI を作成します。

このスクリプトにより、次の手順が実行されます。

  • ディレクトリ %ADADATADIR%\etc の作成

  • まだ存在しない場合は、テンプレートファイル %ADAPROGDIR%\ADABAS.INI%ADADATADIR%\etc\ADABAS.INI にコピーします。

  • %ADADATADIR%\etc\ADABAS.INI がすでに存在している場合、それにトピック NODE_PARAMETER と、DB_DEFAULTS トピックの DB_PARAMETER サブトピックがすでに含まれているかどうかをチェックします。含まれていない場合、テンプレートからコピーします。

  • 必要に応じて次の値を代用します。
    トピック MISCELLANEOUS の NODE_NAME
    トピック NODE_PARAMETERS 内のサブトピック LOGGING の LOG_FILE

<dbid> が指定されていて、かつトピック DBID_<dbid> が ADABAS.INI に存在しない場合、adainst%ADADATADIR%\db<dbid>\DB<dbid>.INI を作成します。このスクリプトにより、次の手順が実行されます。

  • ADABAS.INI からトピック DB_DEFAULTS を読み取り、それを DB<dbid>.INI にコピーします。

  • ディレクトリ %ADADATADIR%\db<dbid> 内の assign.*sh および adanuc.*sh ファイルを検索し、コンテナ定義をトピック CONTAINER にコピーします。

  • ディレクトリ %ADADATADIR%\db<dbid> 内の adanuc.*sh ファイルを検索し、ニュークリアスパラメータをトピック NUCPARMS にコピーします。

  • トピック ACTION_DBA 内のユーザー名を問い合わせます。

  • 有効/無効のアクションを表示します。

  • adarep dbid=<dbid>summary を使って、データベース名を取得し、項目 NAME を ADABAS.INI のトピック DBID_<dbid> に挿入します。

UNIX の場合:

用途:adainst <dbid>

<dbid> が欠落し、ADABAS.INI が $ADADATADIR/etc に存在しない場合、adainst は、$ADADATADIR/etc/ADABAS.INI を作成します。

このスクリプトにより、次の手順が実行されます。

  • ディレクトリ $ADADATADIR/etc の作成

  • まだ存在しない場合は、テンプレートファイル $ADAPROGDIR/ADABAS.INI$ADADATADIR/etc/ADABAS.INI にコピーします。

  • $ADADATADIR/etc/ADABAS.INI がすでに存在している場合、それにトピック NODE_PARAMETER と、DB_DEFAULTS トピックの DB_PARAMETER サブトピックがすでに含まれているかどうかをチェックします。含まれていない場合、テンプレートからコピーします。

  • コピー先ファイルで次の値を置き換えます。
    トピック MISCELLANEOUS の NODE_NAME
    トピック LOGGING(NODE_PARAMETER)内の LOG_FILE

<dbid> が指定されていて、かつトピック DBID_<dbid> が ADABAS.INI に存在しない場合、adainst$ADADATADIR/db<dbid>/DB<dbid>.INI を作成します。このスクリプトにより、次の手順が実行されます。

  • ADABAS.INI からトピック DB_DEFAULTS を読み取り、それを DB<dbid>.INI にコピーします。

  • ディレクトリ $ADADATADIR/db<dbid> 内の assign.*sh および adanuc.*sh ファイルを検索し、コンテナ定義をトピック CONTAINER にコピーします。

  • ディレクトリ $ADADATADIR/db<dbid> 内の adanuc.*sh ファイルを検索し、ニュークリアスパラメータをトピック NUCPARMS にコピーします。

  • トピック ACTION_DBA 内のユーザー名を問い合わせます。

  • 有効/無効のアクションを表示します。

  • adarep dbid=<dbid>summary を使って、データベース名を取得し、項目 NAME を ADABAS.INI のトピック DBID_<dbid> に挿入します。

データベースの停止:adakill

使用法:adakill <dbid>

adakill はデータベース <dbid> の Adabas ニュークリアスを次のように停止します。

  • PC プラットフォーム:割り込み(CTRL/BREAK)の送信による停止。<dbid> パラメータは必須です。

  • UNIX:UNIX シグナル 15 で停止。<dbid> パラメータは必須です。

注意:
このコマンドは、ABORT オプションを指定した adastop がニュークリアスを停止できない場合以外は使わないでください。Adabas はメモリダンプを出力し、次回の起動時に自動再スタートを行います。

このスクリプトコマンドは、次の手順を行います。

  • adanuc のプロセス ID を取得します。

  • 割り込みを送信します。

ログファイルの表示:adalog

使用法:adalog [<dbid>] [-t]

adalog は Adabas ログファイルを表示します。

<dbid> を指定した場合、このデータベースの全エントリを表示します。<dbid> を指定しない場合、すべてのデータベースのエントリを表示します。オプション -t を指定すると、adalog はログファイルの最後の行を表示し、ログファイルに新しい行が書き加えられるつれて、その行に続けて表示していきます。

ログファイルにメッセージを書き出す:adamsg

使用法:adamsg DBID=<dbid> PID=<プロセス ID> UTILITY=<ユーティリティ名> MESSAGE=<メッセージ ID> TEXT=<メッセージテキスト>

次のメッセージ ID をサポートします。

  • ABORTED

    TEXT には、このメッセージ ID に応じた異常終了の原因が出力されます。

  • INCNUCP

    TEXT には、このメッセージ ID に応じた、nucleus parameter=<パラメータ>、current size=<現在のサイズ>、new size=<新サイズ> が出力されます。このオプションはアクション ada_inuc(ニュークリアスパラメータの増加)で使います。

  • INP

    TEXT には、このメッセージ ID に応じたパラメータ割り当てが出力されます。

  • STARTED

    このメッセージ ID では、TEXT は空白です。

  • TERMINATED

    このメッセージ ID では、TEXT は空白です。

adamsg はバッチファイルから Adabas ログファイルへのインターフェイスです。すべてのバッチファイル(AEO アクションと同様に)は、ログメッセージに対してこのインターフェイスを使うことができます。TEXT パラメータは必ずパラメータリストの最後にすることを除けば、パラメータの順番は任意です。TEXT パラメータ値以外のすべてのパラメータ値は大文字に変換されます。

例:

adamsg DBID=77 PID=4711 UTILITY=my_uti MESSAGE=ABORTED TEXT=file abc is empty

ログファイルの最後に次のメッセージ行を生成します。

004711 <date + time> 00077 <user name> %my_uti-F-ABORTED, file abc is empty

さらに、現在のユーザー ID(有効な場合)が ACTION_DBA トピックに挿入されます。

デフォルトデータベースの定義:adaset

使用法(PC プラットフォームの場合):[CALL] adaset <dbid>

使用法(UNIX):adaset <dbid>

adaset は次の環境変数を定義します。

  • ADADBID=<dbid>(これは、デフォルトのデータベース ID です)

  • (PC プラットフォーム:)ADADBDIR=%ADADATADIR%\db<dbid>
    (UNIX:)ADADBDIR=$ADADATADIR/db<dbid>(これは、デフォルトデータベースのデータベースワーキングディレクトリです)。

PC プラットフォーム

さらに、adaset は次のように PATH 変数を次のように拡張します。

PATH=%ADAPROGDIR%;%ADAPROGDIR%\tools;%PATH%

adaset が、コマンドプロンプトからではなくバッチファイルから実行されるときは、CALL コマンドを使用しなければならないことに注意してください。

UNIX

さらに、adaset は次のように PATH 変数を次のように拡張します。

PATH=$ADAPROGDIR:$ADAPROGDIR/tools:$PATH

C シェル環境では、adaset は adaset.csh のコールによって作成されるエイリアスです。Bourne シェル環境では、adaset は adaset.bsh のコールによって作成される機能です。adaset を使う前に、次のコマンドのいずれかを発行する必要があります。

. $ADATOOLS/adaset.bsh  (Bourne shell)
source $ADATOOLS/adaset.csh (C shell)

これらのステートメントは、adaenv.bsh(Bourne シェル)または adaenv.csh(C シェル)によってすでに実行されています。

データベース(複数)の表示:adashow

使用法:adashow [<dbid>] [-a]

adashow はデータベース <dbid> の次の情報を表示します。

  • データベース ID:ADADBID によって指定された値

  • 名前:トピック DBID_<ADADBID の値> 内の NAME

  • バージョン:廃止

  • コンフィグレーションファイル:トピック DBID_<ADADBID の値> 内の INI_FILE

  • ステータス:ONLINE、OFFLINE、ERROR のいずれか

<dbid> がない場合、adashow は、環境変数 $ADADBID に指定されたデフォルトのデータベースの情報を表示します。

オプション -a を指定すると、adashow は Adabas.INI 内の DB_LIST セクションにある、このノード上に構成された Adabas データベースすべてのデータベース ID、名前、バージョン、ステータスを表示します。

データベースの開始:adastart

使用法:adastart [<dbid>]

adastart は Adabas データベース <dbid> を開始します。最初にコールされたときにニュークリアスログファイル adanuc.log, が作成され、後続のコールでニュークリアスログがタイムスタンプとともに保存されます(adanuc.log.timestamp)。

PC プラットフォームの場合:

このスクリプトにより、次の手順が実行されます。

  • ニュークリアスがすでにオンラインかどうか調べます。

  • Adabas という名前のユーティリティを使用してニュークリアスを開始します。これは DB<dbid>.INI からパラメータを読み込みます。

  • ニュークリアスがオンラインになるか、または Adabas エラーが発生するまで待機します。

UNIX の場合:

このスクリプトにより、次の手順が実行されます。

  • DB<dbid>.INI からニュークリアスパラメータを読み、ファイル $ADADBDIR\nucparms.<dbid> に書き出します。

  • ニュークリアスがすでにオンラインかどうか調べます。

  • 環境変数 ADANUCLOGOLD が "COPY" として定義されていて、前のセッションのニュークリアスログが存在する場合(ファイル名 $ADADATADIR/db<dbid>/adanuc.log)、ニュークリアスログが $ADADATADIR/db<dbid>/adanuc.log.old にコピーされます。

  • 環境変数 ADANUCLOGOLD が "APPEND" として定義されていて、前のセッションのニュークリアスログが存在する場合(ファイル名 $ADADATADIR/db<dbid>/adanuc.log)、ニュークリアスログが $ADADATADIR/db<dbid>/adanuc.log.old に追加されます。

  • パラメータファイル $ADADBDIR/nucparms.<dbid> を使ってニュークリアスを開始します。

  • ニュークリアスがオンラインになるか、または Adabas エラーが発生するまで待機します。

データベースの停止:adastop

使用法:adastop [<dbid>]

adastop はデータベース <dbid> を停止します。<dbid> がない場合には、adastop は環境変数 ADADBID によって指定されたデフォルトのデータベースを停止します。

このスクリプトにより、次の手順が実行されます。

  • ニュークリアスがオンラインかオフラインか調べます。

  • DB<dbid>.INI からトピック定義 TERMINATE_ADANUC を読みます。

  • トピック内に定義されているシャットダウンオプションを受け取り、定義されている時間の間、ニュークリアスの停止を待機します。