読み取り専用デバイス上の Adabas

Adabas データベースは読み取り専用デバイスに保存できます。少なくても ASSO1 が読み取り専用デバイスに保存すれば、データベース全体が読み取り専用とみなされます。

このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。


Adabas ニュークリアス使用時の制限

読み取り専用データベースの場合は、Adabas ニュークリアスの使用に関していくつかの制限があります。

ASSO1 が読み取り専用デバイスに保存されている場合、ASSO1 を書き込みモードでオープンできない場合、またはニュークリアスセッションが Adabas パラメータ OPTIONS=READONLY で開始されている場合、ニュークリアスは読み取り専用モードで実行されます。最初のケースでは、ニュークリアスは、OPTIONS パラメータの設定に関係なく、自動的に読み取り専用モードに切り換わります。2 番目のケースは、データベースが読み取り専用デバイスに保存されていないときにニュークリアスセッションを読み取り専用モードで実行するために使用できます。

書き込み可能な WORK コンテナが指定された場合、保留中の自動再スタートチェックが常に実行されます。自動再スタートが保留状態の場合、読み取り専用データベースセッションは開始できません。

ニュークリアスが読み取り専用モードで起動すると、起動パラメータとして指定されたデータベース ID は、実際のデータベース ID とは照合されません。その代わり、データベースコンテナファイルの環境変数設定がデータベースを識別します。これは、読み取り専用データベースは、有効な任意のデータベース ID で実行できることを意味しています。したがって、ニュークリアスまたはユーティリティを起動するとき、任意の番号をデータベース ID パラメータに割り当てることができます。ニュークリアスとコミュニケートするアプリケーションは、この番号を使用してデータベースにアクセスします。

部分的に読み取り専用のデータベースおよび ASSO1 が書き込み可能なデータベースは Adabas ではサポートしません。

READONLY オプション

ニュークリアスパラメータ OPTION=READONLY が設定されると、ニュークリアスは読み取り専用モードで実行します。データベースは、読み取り専用または書き込み可能なデバイスに設置することができます。ASSO1 が読み取り専用デバイスにある場合、パラメータ OPTION=READONLY が設定されていなくても、ADANUC は自動的に読み取り専用モードに切り換わります。この場合、警告メッセージが表示されます。

読み取り専用モードでは次の制限があります。

  • 更新コマンド(A1、E1、N1、N2)は無効です。

  • 書き込みチェックポイントは無効です(C1 およびユーティリティ /EXU チェックポイント)。

  • ロギングは無効です(ニュークリアス起動には NOPLOG が必要です)。

  • ホールドロジックは無効になります。したがって、コマンド L4、L5、L6、S4 を実行することは可能ですが、ホールドキューに影響しません。つまり、これらのコマンドの動作は、それぞれ L1、L2、L3、S1 とまったく同じになります。また、コマンド BT、ET、HI、RI を実行することも可能ですが、実際には何も処理しません。

  • ユーザーデータ付き ET/CL コマンドは禁止されます。

OP コマンドに指定できるすべてのファイルオープンモードが許可されるので、有効なすべてのユーザータイプも許可されます。ただし、排他制御ユーザーは OPEN および CLSE チェックポイントを書かないことに注意してください。

セッション番号は、読み取り専用モードで実行しているニュークリアスセッション実行では増えません。コマンドログはサポートされますが、コマンドログ番号は増えません。

WORK コンテナについては、2 つのオプションがあります。

  1. 必須ではないが、WORK コンテナがある。

  2. WORK がない。この場合、環境変数 WORK1 を「READONLY」に設定する必要があります。

Adabas ユーティリティ使用時の制限

指定したデータベース ID のニュークリアスが読み取り専用モードで実行している場合、または ASSO1 コンテナファイルが読み取り専用デバイスに設置されている場合、ユーティリティは読み取り専用データベースを処理することができます。どちらでもない場合、データベース ID は実際のデータベース ID と照合するパラメータとして与えられます(前述のニュークリアス処理と同じ)。ただし、実行しているニュークリアスとユーティリティの間のコミュニケーションを有効にするには、それらを同じデータベース ID で開始する必要があります(格納されたデータベース ID と異なっても構いません)。

ニュークリアスとユーティリティに指定したデータベース ID が異なっている場合、コミュニケーションリンクは失敗し、ニュークリアスと同じデータベース上で、ユーティリティはオフラインモードで実行することに注意してください。

書き込み可能な WORK コンテナが指定された場合、保留中の自動再スタートチェックが常に実行されます。WORK1 環境変数に READONLY を設定すると、ASSO1 コンテナは読み取り専用デバイスに設置する必要があります。または OPTIONS=READONLY でニュークリアスを実行しなければなりません。そうでないと、ユーティリティはエラーメッセージ RDONP("Dataset WORK1, READONLY is not permitted")で終了します。

データベースを修正するためのユーティリティは、読み取り専用データベースで使用することができません。これらのユーティリティに対するオープンデータベースコールは、エラーメッセージ UNPRRD("Readonly database, utility not permitted to run")で終了します。このことは次のユーティリティに適用されます。

  • ADACVT

  • ADADBM

  • ADAFDU

  • ADAREC

他のユーティリティについては、機能設定が制限されます。これらのユーティリティは警告 RONLYDB("Readonly database, some functions disabled")を表示します。

次のユーティリティが関連します。

  • ADABCK:RESTORE および OVERLAY 機能は使用できません。

  • ADAINV:SUMMARY と VERIFY 機能だけが使用できます。

  • ADAMUP:SUMMARY 機能だけが使用できます。

  • ADAORD:EXPORT 機能だけが使用できます。

  • ADAOPR:

    • LOCK と UNLOCK 機能は使用できません。

    • FEOF=CLOG は有効ですが、CLOG 番号が増えても、次のニュークリアスセッションには引き継がれません。後続の読み取り専用ニュークリアスセッションはどれも同じ CLOG 番号で開始するということです。

  • ADASCR:DISPLAY 機能だけが使用できます。

ニュークリアスが読み取り専用モードで実行するとき、または ASSO1 が読み取り専用デバイスに存在するデータベースに対してユーティリティを実行するとき、それらはパラメータとして与えられたデータベース ID とデータベースのデータベース ID とを照合しません。ただし、ニュークリアスとユーティリティ間のコミュニケーションを有効にするために、それらは同じデータベース ID で起動しなければなりません(データベースに格納されたものと異なっても構いません)。

読み取り専用 RAW セクションはサポートされません。