ARIS サーバー管理

ARIS Server または ARIS 管理ツールをインストールしていれば、ARIS サーバー管理のコマンド ライン ツールが使用できます。

ARIS Server をインストールしている場合は、<ARIS インストール パス>\server\bin\work\work_abs_<s、m 、または l>\tools\arisadm に移動し、バッチ ファイルを実行します。

aris10adm-<数値>-1.x86_64 ファイルがインストールされている Linux オペレーティング システムでは ARIS サーバー管理 (arisadm.sh) を使用できます (『ARIS Server Installation - Linux』を参照)。

どのクライアント コンピューターからでも ARIS サーバー管理を実行して、サーバー上のデータベースにアクセスできます。

  1. インストール プログラムで推奨されたプログラム グループにインストールした場合は、[スタート] から [プログラム] を選択し、[ARIS] の [管理] から [ARIS サーバー管理 10.0] を選択します。Linux オペレーティング システムでは、代わりに arisadm.sh シェル スクリプトを実行します。コマンド プロンプトが開き、ARIS サーバー管理がインタラクティブ モードで起動します。
  2. サーバーとテナントの接続を確立します。

    構文: server <サーバー名>:<ポート番号> <テナント> <ユーザー名> <パスワード>

    例: server arissrv:1080 default system manager

ARIS サーバー管理がサーバーに接続されます。

コマンドの使用に関する情報を得るには、「help」または「help <コマンド>」を入力します。

コンソール アプリケーションである ARIS サーバー管理を使用して、テナントの ARIS データの管理や、テナント設定のバックアップや復元などを行います。各コマンドは、コマンド ライン パラメーターとして転送されます。このプログラムでは、各コマンドが異常なく実行されたかどうか、また実行されたコマンドによってどのような効果がもたらされたかに関する情報が提供されます。

ARIS サーバー管理は、ARIS クライアントがインストールされているすべてのコンピューターからインタラクティブ モードまたはコマンドライン モードで起動できます。コマンドライン モードでは、プロンプトによるメッセージは表示されないためアクションを自動的に実行できます。各テナントの [ARIS 管理] で「データベース管理者」以上の利用権限を持つシステム ユーザーとしてログオンすれば、このテナントのデータベースすべてを管理できます。

[スタート] の [プログラム] から、[ARIS]、[管理]、[ARIS サーバー管理 10.0] の順にクリックして、インタラクティブ モードを開始します。

コマンドライン モードは、<ARIS インストール ディレクトリ>\tools\ArisAdm ディレクトリからコマンド プロンプトを開いて開始します。

コマンドライン モードの構文には、次のコマンドとオプションを使用できます。

<_arisadm><バージョン> [<オプション>] <コマンド> [<コマンド引数 1>]

インタラクティブ モードの場合は、次の構文を使用します。

<コマンド> [<コマンド引数 1>]

オプション

説明

-s <server[:<ポート>]>

コマンドを実行するサーバーです。

-u <ユーザー> <パスワード>

必要な権限を持つシステム ユーザーのユーザー名とパスワードです。

-l <ファイル名>

指定したログ ファイルに、すべてのプログラム操作を記録するようにします。ファイルには、実行された操作、実行された日時、および結果が示されます。

-cf <コマンド ファイル>

実行可能なコマンドを含むコマンド ファイルを開始します。

-sc <スキーマ コンテキスト>

スキーマが使用するコンテキストです。デフォルトとして、ARIS が設定されています。

-t <テナント>

コマンドを実行する対象のテナントです。デフォルトは [テナントなし] です。

-ssl

SSL 接続が使用されます。

角括弧 ([]) で囲まれたコマンド部分はオプションです。必要に応じて使用できます。

コマンド

説明と構文

backup

データベース <dbname> を adb ファイルとして、ディレクトリ <archivedir> に保存します。

-c オプションを使用してバックアップが開始された場合、マージ処理や XML インポートなどの進行中の操作がすべて完了してから、データベースのバックアップ ファイルへの保存が始まります。

構文

backup <dbname>|-c |all <archivedir> [-p <暗号化のパスワード>] [<alternatename>]

backupasn

指定した変更リスト番号 <asn> に対応する状態をバージョン管理されたデータベース <dbname> から抽出して、ディレクトリ <archivedir> の ADB ファイルにインポートします。状態には、変更リスト番号 <asn> または head のいずれかを選択できます。「head」はバージョンが付けられた最新の状態を表します。

構文

backupasn <dbname>|all <archivedir> <asn>|head [-p <password for encryption>] [<alternatename>]

backupsystemdb

フィルター、モデル テンプレート、スクリプトなどのデータを含む中央システム データベースを、ディレクトリ <archivedir> の ADB ファイルに保存します。

構文

backupsystemdb <archivedir> [<alternatename>]

backupunversioned

バージョン管理されている <dbname> データベースを、バージョン管理されていない ADB ファイルとして <archivedir> ディレクトリに保存します。

構文

backupunversioned <dbname> <archivedir>

copy

<fromdbname> から <todbname> へデータベースをコピーします。

構文

copy <fromdbname> <todbname>

createdb

<dbname> という名前の新しい ARIS データベースを作成します。

構文

createdb <dbname> [versioned]

delete

データベース <dbname> を削除します。force オプションを使用すると、ユーザーがログオンしている場合でもデータベースは削除されます。

構文

delete <dbname>|all [force]

dropversion

バージョン <new min version> までのデータベース <dbname> のすべてのバージョンを削除します。

構文

dropversions <dbname> <new min version>

encrypt

パスワード <password> を使用するために、バッチ ファイルに暗号化します。

構文

encrypt <password>

exit

インタラクティブ モードを終了します。

exportscript

識別子 <scriptid> を持つ <MACRO|REPORT|REPORTTEMPLATE|SEMCHECK|PROFILE> タイプのスクリプトを、<exportdirectory> エクスポート ディレクトリにエクスポートします。

構文

<MACRO|REPORT|REPORTTEMPLATE|SEMCHECK|PROFILE> <scriptid> <exportdirectory>

help

help は、構文の説明と使用できるパラメーターを含むすべてのコマンドの概要を表示します。help <command> は、指定したコマンドのヘルプを表示します。

構文

help [<command>]

importfilter

メソッド ファイル <importfile> をインポートします。

構文

importfilter <importfile>

importscript

<MACRO|REPORT|REPORTTEMPLATE|SEMCHECK|PROFILE> タイプの <importfile> スクリプトを指定したカテゴリ <categoryname> にインポートします。

構文

importscript <MACRO|REPORT|REPORTTEMPLATE|SEMCHECK|PROFILE> <importfile> <categoryname>

indexstate

内部クラウド検索データ インデックスのステータスを表示します。

構文

indexstate <データベース名>

interactive

プログラムをインタラクティブ モードで起動します。

kill

現在のテナントの接続 <sessionid> を閉じます。

構文

kill <sessionid>|all

killtask

完了不可能なレポートなどのインスタンス <instanceid> の該当のサーバー アクティビティ <taskid> を終了します。

構文

killtask <instance id> <task id> [force]

<instanceid> と <taskid> 識別子を取得するには、monitor コマンドを使用します。

list

テナントに登録されているデータベースをすべて一覧します。デフォルトでは、現在設定されているスキーマ コンテキストのデータベースのみが一覧表示されます。all オプションを使用すると、(たとえば BO データベースを含める) すべてのデータベースが一覧表示されます。

構文

list [all]

lockdb

名前が <dbname> のデータベース、またはすべてのデータベースをロックします。ユーザーはログオンできなくなります。

構文

lockdb <dbname>|all

maintain

指定した ARIS データベース、またはすべての ARIS データベースの検索インデックス (Cloud Search) の再生成が開始されます。このコマンドの実行は非常に時間がかかる可能性があります。エラーが発生した場合または保守時間枠内に計画している場合のみ実行することを推奨します。

構文

maintain <dbname>|all

migrate

ARIS 7.1 または 7.2 データベース <dbname> を ADB ファイル <archive> から移行、またはディレクトリ <archivedir> からすべての ADB ファイルを移行します。各データベースを移行するには、system システム ユーザーのパスワードが必要です。複数のデータベースを移行するには、すべてのデータベースのパスワードをコマンドライン モードで提供する必要があります。

構文

migrate [<archive>|<archivedir>]|<systempassword>

monitor

バックアップや XML エクスポートなど、すべての処理中のテナント アクティビティが表示されます。

rename

<olddbname> から <newdbname> にデータベースの名前を変更します。force オプションを使用すると、ユーザーがそのときログオンしている場合でもデータベースの名前は変更されます。

構文

rename <olddbname> <newdbname> [force]

reorg

モデルにオカレンスがないすべてのオブジェクトと接続線定義を削除して、<dbname> データベースまたはすべてのデータベースを意味的に整理します。

使用可能なオプション:

  • CXNDEFS_IN_MATRIX_MODELS

    オカレンスが存在しない接続線定義でも、[マトリクス モデル] タイプのモデルで使用されている場合は削除されません。

  • USERDEF_CONTENT_SYMBOLS

    現在のサーバー上の ARIS メソッドで許可されないユーザー定義シンボルは、メソッドベースのデフォルト シンボルに置き換えられます。

  • USERDEF_CONTENT_MODELS

    現在のサーバー上の ARIS メソッドで許可されないユーザー定義モデルは、削除されます。

  • USERDEF_CONTENT_ATTRS

    現在のサーバー上の ARIS メソッドで許可されないユーザー定義属性は、削除されます。

  • NO_DEFS

    オプションを設定しない場合、オカレンスが存在しないオブジェクト定義はデフォルトで削除されます。

構文

<dbname>|all [オプション]

restore

<archive> ADB ファイルからデータベース <dbname> を復元します。または、ディレクトリからすべての ADB/BDB ファイルを復元します。

構文

restore <archive>|<archivedir> [<dbname>] [-p <暗号化のパスワード>] [-b <バケット ID>]

restoresystemdb

フィルター、モデル テンプレート、スクリプトなどのデータを含む中央システム データベースをシステム データベース バックアップ ファイル (ADB) <archive> ファイルから復元します。updatesystemdb コマンドを使用して、システム データベースを更新することもできます。

構文

restoresystemdb <archive>

restoreunversioned

バージョンが管理されないデータベース <dbname> を、バージョン管理されているデータベースの ADB ファイル <archive> から生成します。また、ディレクトリの複数の ADB/BDB ファイルに基づいてデータベースを復元します。

構文

restoreunversioned <archive>|<archivedir> [<dbname>] [-p <password for decryption>]

restoreversioned

バージョン管理されていないデータベースの ADB ファイル <archive> から、バージョン管理可能な <dbname> データベースを作成します。また、ディレクトリの複数の ADB/BDB ファイルに基づいてデータベースを復元します。-no_baseline オプションを指定すると、アーカイブに初期バージョンは作成されません。

構文

restoreversioned <archive>|<archivedir> [<dbname>] [-p <password for decryption>] [-no_baseline]

schemacontext

現在のテナントのスキーマ コンテキストを変更します。その結果、ARIS Optimizer データベースを保存できます。使用できる値は、aris と bo です。

構文

schemacontext <new schema context>

server

現在の ARIS Server を変更します。

構文

server <server[:<port>]> <tenant> <user> [<password>] [-ssl]

sessions

現在のテナントのすべてのデータベース接続を表示します。

構文

sessions [byuser|bydatabase]

set

テナント設定を表示または変更します。パラメーターが設定されていない場合は、すべての設定が表示されます。<key> のみを入力すると、すべての設定は削除されます。<key> が <value> とあわせて入力されると、設定がそれに従って変更されます。

構文

set [<key>] [<value>]

setindexbucket

データベースに バケット ID を指定します。

構文

setindexbucket <dbname> <バケット ID>

setindexrank

データベース <dbname> に初期インデックス ランクを設定します。クラウド検索の起動中に、ランク <rank> の値が大きいインデックスから先に開始されます。ランクは「5」などの数値です。

構文

setindexrank <dbname> <rank>

statistic

すべてのデータベース オブジェクトの数が返ります。

構文

statistic <dbname>|all

threaddump

インスタンス <インスタンス ID> でスレッド ダンプをトリガーします。インスタンス ID は、「abs <s、m、または l>」または「report <s、m、または l>」などのランナブル、あるいは「abs」または「report」などのランナブル タイプを参照できます。

スレッド ダンプは、threaddump.log ファイルに書き込まれます。

構文

threaddump <instanceID>

unlockdb

名前が <dbname> のデータベース、またはすべてのデータベースのロックを解除します。

構文

unlockdb <dbname>|all

updatesystemdb

更新セットアップをインストールした後に、提供されたシステム データベース (ARIS_DVD\Content\SystemDB\*.adb) に基づいた各運用テナントのシステム設定 (フィルター、テンプレート、スクリプト) を更新します。作成したすべての内容は保持されます。

構文

updatesystemdb <archive>

このコマンドは複数のテナントに対して同時に実行できます。

userwipeout

1 つまたはすべてのデータベースから 1 人または複数の削除済みユーザーのユーザー識別を削除します。[Last modifier] (最終変更者) 属性、[作成者] 属性、変更リストの説明にあるユーザー名に [不明] が設定されます。

構文

userwipeout <dbname>|all [<user>][,<user>]

version

プログラムのバージョンおよび使用しているライブラリを表示します。

次の例では、データベース内にオカレンスを持たないすべてのオブジェクトと接続線が削除され、データベースが整理されます。

警告

オブジェクト ライブラリを使用している場合は、各オブジェクト定義のオカレンスが少なくとも 1 つの概要モデルにある状態でのみデータベースを整理してください。 あとで使用する目的で作成されたがまだモデルに存在していない要素があると、その要素はコンソリデーション中に削除されてしまいます。

インタラクティブ モードの整理

コマンドライン モードの整理

ARIS サーバー管理コマンドの情報を取得するには、「help」または「help <コマンド>」と入力します。