仕様設計では、要件定義で設計した論理的なデータ構造を、具体的なデータベース システムを構築できるような形式の記述に変換します。ARIS では、これにを実現できるリレーション図が使用できます。
リレーション図および属性割当図を使用して、既存の関係および属性、また、それらと要件定義で導入された情報オブジェクトとの関係を定義できます。
最初に、リレーション図で、必要なリレーションを定義します。
リレーションのエンティティ タイプは、その属性によって表されます。リレーションは、各属性が取り得る値の範囲を組み合わせたサブセットです。
リレーションは、次のようにグラフィックで示されます。
これで、すべての eERM エンティティ タイプはリレーション図で関係を構成します。eERM の関係タイプを実現する場合、その関係タイプに独立したリレーションを作成するかどうかを判断する際に、多重度がとても重要な要素になります。1:n 関係と異なり、n:m 関係は、個別のリレーションにそれぞれ表す必要があります。
次に、リレーション図は、リレーションが表す eERM のエンティティ タイプまたは関係タイプを示します。
また、属性を列挙することによって、リレーションをより詳細に指定できます。対応する属性がキー属性、外部キー属性、記述属性のいずれであるかは、リレーションとその属性を接続する関連する接続線を指定して定義できます。また、すべての属性に関して、表される要件定義の ERM 属性への関係も構築できます。
表現の複雑さを低減するために、各リレーションの属性は、リレーションと接続されている属性割当図に定義できます。次の図に例を示します。
仕様設計では、要件定義のクラスター/データ モデルは、「ビュー」という別個のオブジェクト タイプを使用して実現されます。クラスター/データ モデルの定義に基づいて、「ビュー」は次のように定義されます。
「ビュー」は、複数のリレーションの論理ビューです。
「ビュー」に割り当てられたリレーションも、リレーション図に表すことができます。
ERM の 1:n 関係は、リレーション図の個別のリレーションでは表されません。この関係は、上位のエンティティ タイプのキー属性を下位のエンティティ タイプのリレーションに統合することによって示されます。このプロセスで、元々のキー属性がリレーションの外部キーになります。
リレーション図で使用できる接続線は、ERM の関係タイプを示すリレーション図の属性を表すこともできます。
リレーション図で使用可能なオブジェクト タイプと関係タイプの一覧は、インストール媒体に含まれている『ARIS メソッド マニュアル - テーブル』マニュアル (ARIS Method tables.pdf) を参照してください。