RACI マトリクス

RACI マトリクスを使用すると、プロセス内に存在する責任を表示および分析できます。RACI は、Responible、Accountable、Supportive、Consulted、Informed の頭字語です。

マトリクスには、プロセスのアクティビティに参加する組織ユニットとその参加方法が表示されます。

対応するオブジェクト接続線が使用されているプロセス モデルは、RACI マトリクスを使って評価し、ARIS に出力できます。

サテライト モデリングを使用して RACI のサテライトを作成する場合は、デフォルト セットなどの適切な内容タイプ セットがアクティブ化されていることを確認してください。

RACI マトリクス用のプロセス モデルの作成

RACI マトリクスとして評価できるプロセスをモデル化できます。

必要条件

「ARIS Connect Designer」のライセンス権限を持っていること。

手順 (クイック ビデオ)

  1. プロセス モデルを作成します。

  2. RACI マトリクスにより評価できるオブジェクト接続線を使用します。

  3. プロセスを保存します。

RACI マトリクスを使用して表すことができる関係を持つプロセスがモデル化されました。

また、モデルに表示されない内容を RACI マトリクス用に作成することもできます。

RACI マトリクスの表示

RACI マトリクスは、プロセスのアクティビティと関連する組織的責任を表示します。

手順 (クイック ビデオ)

  1. アプリケーション起動ツール [アプリケーション起動ツール] の 公開内容 [公開内容] をクリックします。

  2. 管理者が複数のデータベースを公開している場合は、データベース データベース シンボルの横にある現在のデータベース名をクリックして、目的のデータベースの名前を選択します。

  3. クラシック [グループ] またはデフォルト設定セットの [プロセス] をクリックします。

  4. 表示されていない場合は、ナビゲーション [ナビゲーション] バーを表示させます。

  5. ナビゲーション [ナビゲーション] で、目的のプロセスが保管されているグループを開きます。

  6. RACI マトリクスを表示するプロセスの名前をクリックします。[RACI] ファクト シートが表示されます。

  7. [RACI] をクリックします。

選択したプロセス モデルの RACI マトリクスが表示されます。プロセスのファンクションは行に配置され、組織要素は列に配置されます。 ポータルでは、プロセス参加はデフォルトではクラシック ビューデフォルト ビューの RACI マトリクスとして表示されます。RACI のかわりに、RA(S)CI マトリックスとしてマトリクスを設定することもできます。 担当の Software AG 営業部までご連絡ください。

開かれているプロセス モデルの RACI マトリクスを Microsoft® Excel 形式で出力する「RA(S)CI - プロセスの組織的参加を出力」レポートを使用できます。デフォルトでは、レポートにより [Supportive] 情報は返されません。この情報を出力するには、スクリプト管理者が「g_bRASCI」変数を「true」に設定する必要があります。

モデルはさまざまな方法で開くことができます。

必要条件

  • 「ARIS Connect Designer」のライセンス権限を持っていること。

  • 使用中のメソッド フィルターで、そのモデル タイプが許可されていること。

手順

  1. 複数のデータベースを使用する権限がある場合は、アクセスする内容を含むデータベースを選択します

  2. アプリケーション起動ツール [アプリケーション起動ツール] の 公開内容 [公開内容] をクリックします。

  3. クラシック [グループ] またはデフォルト設定セットの [プロセス] をクリックします。

  4. 目的のモデルを含むグループ領域またはプロセス領域をクリックします。選択したグループ領域またはプロセス領域の内容の一覧が表示されます。

  5. 目的のモデルの名前をクリックします。

  6. モデルのグラフィックを表示する場合は、[図] をクリックします。

  7. 編集 [編集] の モデルの編集 [モデルの編集] をクリックします。

  1. アプリケーション起動ツール [アプリケーション起動ツール] の モデルとオブジェクト [モデルとオブジェクト] をクリックします。 レポジトリで [モデルとオブジェクト] ビューが開きます。

  2. データベースで、目的のモデルを含むグループを選択します。選択したグループの内容の一覧が表示されます。

  3. 開くモデルの名前をクリックします。

  1. 複数のデータベースを使用する権限がある場合は、アクセスする内容を含むデータベースを選択します

  2. アプリケーション起動ツール [アプリケーション起動ツール] の モデルとオブジェクト [モデルとオブジェクト] をクリックします。 レポジトリで [モデルとオブジェクト] ビューが開きます。

  3. 最近の変更 [最近使用したアイテム] をクリックします。最近変更または作成したすべてのモデルが一覧表示されます。

  4. 開くモデルのタイルをクリックします。

公開内容 [公開内容] ビューでモデルを選択し、別のタブで編集するために開くことができます。

必要条件

「ARIS Connect Designer」のライセンス権限を持っていること。

手順

  1. アプリケーション起動ツール [アプリケーション起動ツール] の 公開内容 [公開内容] をクリックします。

  2. クラシック [グループ] またはデフォルト設定セットの [プロセス] をクリックします。

  3. 目的のモデルに移動します

  4. 編集するモデルの名前をクリックします。

  5. 編集 [編集] の モデルの編集 [モデルの編集] をクリックします。 モデルが個別のタブで開きます。

  6. 必要な変更を行います。

  7. 保存 [保存] をクリックします。

変更内容がモデルに保存されます。

  1. 複数のデータベースを使用する権限がある場合は、アクセスする内容を含むデータベースを選択します

  2. 検索 [検索] フィールドをクリックして、モデル名に含まれる語句を入力します。検索結果に、その語句が名前にあるすべてのモデルの一覧が表示されます。

  3. [モデル] カテゴリで、開くモデルの名前をクリックします。

モデルが別のタブで開きます。

以下で説明される管理者ロールは、サーバーおよびデータベースのレベルでさまざまな権限によって定義されます。管理者に割り当てられたロールに応じて、特定のファンクションを実行できます。

superuser

ユーザー「superuser」は自動的に作成されます。デフォルトでは、このユーザーには、「ユーザー管理」、「ライセンス管理」、および「設定管理者」利用権限が割り当てられます。このユーザーは、ほかのユーザーに対して、この利用権限を有効にすることもできます。「superuser」タイプのユーザーは、ライセンスで許可されているユーザー数にはカウントされません。「superuser」はシステム管理を担当しますが、ライセンスの制限のため ARIS を使用することはできません。デフォルト パスワードは「superuser」です。 不正なアクセスを防止するために、デフォルト パスワードを変更する必要があります。 「superuser」は削除できない唯一のユーザーなので、そのパスワードはとても重要です。 ユーザー名以外のすべてのユーザー データを変更できます。 superuser は、その他のデフォルト ユーザー (system、arisservice、guest) が削除された場合、それらを再作成できます。

system

システム ユーザー「system」は、システム管理者の管理者ロールを担い、テナントのすべてのデータベースで、すべての利用権限とアクセス権を持ちます。認証に LDAP システムなどの外部システムを使用している場合でも、認証されたユーザーは、この非常時用のユーザー名でデータベースにログオンできます。

名前「system」は変更できません。このユーザーの [システム ユーザー] チェック ボックス (ARIS Design Server の [利用権限] プロパティ ページ) をオフにすることもできません。不正なアクセスを防ぐために、「manager」というパスワードはただちに変更してください。

問題を回避するためには、追加のシステム ユーザーを作成してください。 複数のシステム ユーザーがいれば、ひとりしかいないシステム ユーザーがパスワードを忘れた場合などの問題を回避できます。すべてのシステム ユーザーのパスワードを忘れた場合は、すべての機能が利用できず、データへのアクセスが完全に不可能になります。

次の管理者ロールが定義されます。

データベース管理者

[ARIS 管理] では、データベース管理者には「データベース管理者」利用権限が必要です。このロールを持つユーザーは、すべての利用権限とアクセス権限を持ち、クライアントのすべてのデータベースのデータを編集できます。

データベース管理者は、サーバー レベルで以下の作業を行います。

  • データベースの作成

  • データベースの削除

  • データベースのバックアップ

  • バックアップを使用したデータベースの復元

  • データベースの整理

定義されている利用権限を持つユーザーは、データベース レベルでその他のアクションを実行できます。

設定管理者

[ARIS 管理] では、設定管理者には「設定管理者」利用権限が必要です。

以下のタスクを実行します。

  • モデル作成の規則を定義し、自社の企業設計に合わせてモデルの表示設定を調整する

    • フィルターの作成

    • 属性編集で属性を並べ替える

    • オブジェクト シンボルの順序の変更

    • フィルターのインポート

    • フィルターとテンプレートのエクスポート

    • テンプレートの作成

    • テンプレートのインポート

    • 言語の作成

    • フォントの作成

  • データベースで使用できる ARIS メソッドの内容を定義する

    • モデル タイプの作成

    • モデル タイプの派生

    • オブジェクト シンボルの派生

    • 属性タイプ グループの作成

    • 属性タイプの作成

    • 属性タイプのシンボルの作成

    • 属性値のシンボルの定義

    • 代替属性値のシンボルの定義

  • メソッドの設定可能な名前を複数の言語で変更する

スクリプト管理者

[ARIS 管理] では、スクリプト管理者には「スクリプト管理者」利用権限が必要です。

スクリプト管理者は、以下の作業を行います。

  • レポート スクリプトの記述

  • レポート スクリプトの定義 (デザイン ビュー)

  • スクリプトの削除

  • ルールの定義 (意味論分析)

  • ルール タイプの定義 (意味論分析)

  • Define profiles (semantic check)

  • マクロの定義

  • スクリプトのエクスポート

  • スクリプトのインポート

  • スクリプト テンプレートのインポート

  • スクリプト テンプレートのエクスポート

  • ARIS の以前のバージョンのカスタムまたは変更されたスクリプトの転送

分析公開者

分析公開者には、[ARIS 管理] で分析公開者の利用権限が必要です。

分析公開者は、以下のアクションを行います。

  • クエリの公開

  • クエリの非公開

  • アドホック分析の公開

  • アドホック分析の非公開

分析管理者

分析管理者には、[ARIS 管理] で分析管理者の利用権限が必要です。

分析管理者は、以下のアクションを行います。

  • クエリのエクスポート

  • クエリのインポート

  • アドホック分析のエクスポート

  • アドホック分析のインポート

  • 分析とクエリのバックアップ

  • 分析とクエリの復元

RACI マトリクスに使用される図

RACI マトリクスは、次のを基準にできます。

  • EPC (API 名 MT_EEPC)

  • EPC (列表示) (API 名 MT_EEPC_COLUMN)

  • EPC (マテリアル フロー) (API 名 MT_EEPC_MAT)

  • EPC (行表示) (API 名 MT_EEPC_ROW)

  • EPC (テーブル表示) (API 名 MT_EEPC_TAB)

  • EPC (水平テーブル表示) (API 名 MT_EEPC_TAB_HORIZONTAL)

  • BPMN collaboration diagram (BPMN 2.0) - (API 名 MT_BPMN_COLLABORATION_DIAGRAM)

  • BPMN process diagram (BPMN 2.0) (API 名 MT_BPMN_PROCESS_DIAGRAM)

  • Enterprise BPMN collaboration diagram (API 名 MT_ENTERPRISE_BPMN_COLLABORATION)

  • Enterprise BPMN process diagram (API 名 MT_ENTERPRISE_BPMN_PROCESS)

  • ファンクション割当図 (API 名 MT_FUNC_ALLOC_DGM)このモデルはファンクションにアサインする必要があります。

  • 付加価値連鎖図 (API 名 MT_VAL_ADD_CHN_DGM)

RACI マトリクスに使用されるオブジェクト

RACI マトリクスで評価されるプロセスのオブジェクトは、次のとおりです。

  • ファンクション (API 名 OT_FUNC)

  • グループ (API 名 OT_GRP)

  • 組織ユニット (API 名 OT_ORG_UNIT)

  • 組織ユニット タイプ (API 名 OT_ORG_UNIT_TYPE)

  • 要員 (API 名 OT_PERS)

  • ロール (API 名 OT_PERS_TYPE)

  • 役職 (API 名 OT_POS)

RACI マトリクスに使用される接続線

組織要素とファンクション間の次の接続線は、RACI マトリクスにより評価されます。

Responsible (R)

  • 実行する (API 名: CT_EXEC_1)

  • 実行する (API 名: CT_EXEC_2)

Accountable (A)

  • 決定する (API 名: CT_DECD_ON)

  • 決定する (API 名: CT_DECID_ON)

  • 承認する (API 名: CT_AGREES)

Consulted (C)

  • 技術的責任を持つ (API 名 CT_IS_TECH_RESP_1)

  • 技術的責任を持つ (API 名 CT_IS_TECH_RESP_3)

  • コンサルティングする (API 名 CT_HAS_CONSLT_ROLE_IN_1)

  • コンサルティングする (API 名 CT_HAS_CONSLT_ROLE_IN_2)

Informed (I)

  • 結果を通知される必要がある (API 名: CT_MUST_BE_INFO_ABT_1)

  • 結果を通知される必要がある (API 名: CT_MUST_BE_INFO_ABT_2)

  • キャンセル時に通知される必要がある (API 名: CT_MUST_BE_INFO_ON_CNC_1)

  • キャンセル時に通知される必要がある (API 名: CT_MUST_BE_INFO_ON_CNC_2)

RA(S)CI が設定されている場合は、次の接続線も使用できます:

Supportive (S)

  • 寄与する (API 名 CT_CONTR_TO_1)

  • 寄与する (API 名 CT_CONTR_TO_2)