知識管理の目的は、知識を体系的に管理することです。知識は企業のリソースであり、ますます重要度が高まっています。知識管理は、社内における効率的な知識処理のための戦略、プロセス、組織構造、および技術の、開発、監視、サポートおよび改良まで多岐にわたります。これには、知識の獲得、準備、伝達、および活用に関するすべての活動が含まれます。これらの知識管理活動は、一般に独立して発生するものではありません。主に、企業の業務プロセスや業務プロセスを計画する場合に発生します。したがって、業務プロセス、知識処理、組織構造、情報システムなどの統合的なビューが必要になります。
これらのほとんどの側面は、EPC、組織図、ファンクション割当図、eERM など、確立されている ARIS メソッドを使用して表現できます。しかし、知識処理を正確に表現、分析、および改良するには、関連する知識カテゴリ内容の識別および構造化、組織における知識の分布に関する説明、業務プロセスにおける知識の作成および活用のモデル化を行うことができる、ほかの表現手法が必要になります。
このために、2 つの新しいオブジェクト タイプ [知識カテゴリ] と [有形知識]、および 2 つの新しいモデル タイプ [知識構造図] と [知識マップ] が追加されました。さらに、業務プロセスを表現するために使用される既存のモデル タイプ (EPC など) が拡張され、知識の作成や活用を扱える構造が追加されました。新しいオブジェクト タイプとモデル タイプは、要件定義の主要なモデル タイプ (eERM、組織図、ファンクション ツリーなど) に手法として統合され、統合的な視点を提供しています。これによって、たとえば、業務プロセス最適化プロジェクトのモデルを、知識処理の分析や改善に利用することが可能になります。
知識構造図は、要求定義のデータ ビューに配置されます。知識マップは、業務プロセス モデリングの拡張モデル タイプと同様に、要求定義のプロセス ビューに属します。