要件定義

データ ビューの要件定義には、対象となる領域の意味論的データ モデルの記述が含まれます。 ARIS に規定される分割アプローチに従って、ここには、プロセス連鎖の開始イベントと終了イベントを指定するオブジェクトと、関連するプロセス連鎖環境の現在状態の説明の両方が含まれます。

ファンクションのモデリングと違い、データのモデリングは手法に関するかぎり特に要求が厳しくなります。 ファンクション ビューでは、調査対象のオブジェクトはファンクションだけです。 さらに、ファンクション間の関係は上位・下位関係のみが示されます。

Chen が開発した ERM (実体関連モデル) は、意味論的データ モデルの設計手法として広く利用されています (Chen 著『Entity-Relationship Model』(1976 年) を参照)。 このモデリング手法では、エンティティ タイプ、関係タイプ、属性などさまざまな特殊用語を使います。これらのオブジェクト間には多くの関係が存在し、ファンクション モデリングに比べると分類がかなり難しくなっています。

次に、ERM のモデリング手法を紹介します。 最初に、Chen のベース モデルのオブジェクトとそれらの関係を説明します。 次に、別の章で後からベース モデルに追加された複数のルールについて説明します。