メソッド設定について

メソッド設定は、SAP® プロジェクトブランチからのダウンロード、または SAP® 同期が実行されたあと ARIS でのデータベース アイテムをどのように表示するかを決定します。

ARIS では、SAP® ソリューション マネージャ要素の階層構造は、定義されたアサインメント構造を使用して構成されます。構造要素は、ファンクションによって表されます。階層要素は、独特の [SAP ファンクション タイプ] 属性があるファンクション、データベースの下位グループ、関連する [SAP モデル タイプ] 属性があるモデル別に処理されます。 ファンクションに使用されるデフォルト シンボルは、アサインメントに対して選択されたモデル タイプによって異なります。ファンクションの [SAP ファンクション タイプ] 属性は、アサインされたモデルの [SAP モデル タイプ] 属性と一致する必要があります。このモデルには、1 階層下の SAP ファンクション タイプのファンクション オカレンスのみを含める必要があります。EPC やファンクション割当図などは、同じタイプの複数のモデルを 1 つのファンクションにアサインできます。BPMN モデルを使用する場合、アサインできる BPMN モデルは 1 つのみです。[SAP モデル タイプ] 属性は同期に関連する 1 つのモデルのみに設定され、アサインメント構造が一貫している必要があります。

SAP® ソリューション マネージャ 7.1 では、プロジェクト ノードの下のプロセス構造は、[シナリオ]、[業務プロセス]、[プロセス ステップ] の 3 層階層に固定されています。

SAP ファンクション
タイプの
オブジェクト:

モデルがアサインされる
SAP モデル タイプ:

これらのモデルに含まれている
SAP ファンクション タイプのオブジェクト:

プロジェクト

プロジェクト

シナリオ

シナリオ

シナリオ

プロセス

プロセス

プロセス

プロセス ステップ

この構造は SAP® 同期に必須であるため、ARIS では 新しい SAP ファンクションはウィザードを使用して作成できます。 これにより、すべての割り当てを自動的に作成できます (手順については「SAP ソリューション マネージャ 7.1」と「SAP ソリューション マネージャー 7.2」を参照してください。両者の手順は異なります)。

SAP® ソリューション マネージャ 7.2 では、ブランチ ノードの下でこの構造が依然として必要です。 任意の入れ子フォルダー構造に要素を配置して、必要な数のレベルにすることができます。ARIS SAP フォルダーは、下位グループ、[SAP ファンクション タイプ] 属性の値が [フォルダー] のファンクション、[SAP モデル タイプ] 属性の値が [フォルダー] のモデル別に処理されます。 フォルダーは、シナリオとプロセス ステップ ライブラリ (PSL) を構成するのに使用できます。業務プロセス構造下のフォルダーは、下位要素としてシナリオまたはフォルダーのみを持つことができます。上位要素は、フォルダーかルート ノードのいずれかになります。同じルールが PSL にも適用されます。しかし、シナリオやプロセスは PSL では使用できないため、プロセス ステップ フォルダーの下位要素として持てるのはプロセス ステップのオリジナルのみです。

ARIS では、フォルダーが、すべてのほかの SAP 構造要素のブランチ、シナリオ、プロセス、プロセス ステップのように処理されます。 フォルダー アイテムには、新しい [フォルダー]、[プロセス ステップ フォルダー]、[実行可能ファイル フォルダー]、[インターフェイス フォルダー] の SAP ファンクション タイプと SAP モデル タイプを使用できます。

階層

SAP モデル タイプ/
SAP ファンクション タイプ

下位

上位

ブランチ

プロジェクト

フォルダー

プロセス ステップ フォルダー (PSL)

実行可能ファイル フォルダー

インターフェイス フォルダー

-

フォルダー

フォルダー

フォルダー

シナリオ

ブランチ

シナリオ

シナリオ

プロセス

フォルダー

プロセス

プロセス

プロセス ステップ

PSL オカレンス*

シナリオ

プロセス ステップ

プロセス ステップ

-

プロセス

プロセス ステップ フォルダー (PSL)

プロセス ステップのフォルダー

プロセス ステップのオリジナル (PSL)

 

プロセス ステップ フォルダー (PSL)

 

プロセス ステップのオリジナル (PSL)

プロセス ステップのフォルダー

-

プロセス ステップ フォルダー (PSL)

実行可能ファイル フォルダー

実行可能ファイル フォルダー

実行可能ファイル フォルダー

実行可能ファイル フォルダー

インターフェイス フォルダー

インターフェイス フォルダー

インターフェイス フォルダー

なし**

インターフェイス フォルダー

*SAP とは異なり、ARIS ではプロセス ステップのオリジナルのオカレンスを、プロセスの下位要素として使用できます。

**SAP とは異なり、ARIS のインターフェイスは構造要素としてはマッピングされず、アサインメントとしてマッピングされます。 この例では、ARIS でこの SAP ソリューションがどのようにマッピングされるかについて説明します。

SAP ソリューション (例)

[DEMO_ARIS Branch] ソリューションの [開発] ブランチが、SAP データベースの下位グループにダウンロードされました。最上位の構造は、必ず [プロジェクト] SAP ファンクション タイプのルート ファンクションで始まります。このルート ファンクションと下位グループはブランチの内容を含み、SAP プロジェクトまたはブランチと常に同じ名前を持ちます。

ルート オブジェクト

下位グループに、階層レベルの内容が保存されます。

ブランチの内容

[業務プロセス]、[プロセス ステップ ライブラリ]、[ロール]、[システム ランドスケープ] 下位グループが含まれます。

SAP ソリューション マネージャ 7.1

SAP ソリューション マネージャ 7.2

プロジェクト

ブランチ

シナリオ

シナリオフォルダー (オプション)

プロセス

プロセス

プロセス ステップ

プロセス ステップ

 

PSL の構造は似ていますが、異なる要素タイプが使用されます。

プロジェクトまたはブランチの設定で使用されるモデル タイプを変更できます。これらのモデルでは、定義済みのシンボルと接続線タイプが使用されます。設定管理者は、[メソッド設定ウィザード] で定義済みのモデル、シンボル、および接続線タイプを調整できます。BPMN™ 図を使用する場合は、BPMN™ を使用するためにメソッド設定をカスタマイズする必要があります。

競合がある場合、整合性ルールを使用して同期の前に検出されます。 同期中に、SAP® 同期の現在のメソッド設定が確認されます。メソッド設定が変更されている場合は、元のメソッド設定の全アイテムが現在のメソッド フィルターにも含まれていることを確認してください。

警告

不完全なメソッド フィルターまたは異なるメソッド設定で同期すると、予期せぬエラーやデータの損失が生じる可能性があります。

たとえば、シナリオに使用されているシンボルを現在のメソッド フィルターから誤って削除した状態で、削除オプションをオンにした SAP ソリューション マネージャにデータを転送すると、シナリオがフィルターによって無視されるので、プロジェクト全体が削除されることになります。

エンド ユーザー ロールのオブジェクト タイプとシンボルを変更すると、メソッド フィルターによってはエラーが発生する可能性があります。 エンド ユーザー ロールはロール プールから再利用されているため、シンボル、オブジェクト、または接続線タイプが一致しなくなる可能性があります。 この場合は、デフォルトのシンボルが使用されます。 ただし、これはメソッド フィルターに含まれている必要があります。

あとで変更したメソッド設定では、以前に同期したアイテムは更新されません。 データベース内でアイテムが既に同期されており、あとでメソッド設定内でシンボル、オブジェクト、または接続線タイプを変更した場合、それ以降に同期が実行されても、これらは存在し続けることになります。 これでは、データベース内に古いタイプと新しいタイプが混在するという結果になります。