ユース ケース: レポート スクリプト テンプレートの使用方法

この場合には、レポート スクリプト テンプレートから独自のレポート スクリプトを作成する方法について説明します。

レポート スクリプト テンプレートは、定義済みのレポート スクリプトです。スクリプト エディターのデザイン ビューで、要件に応じた変更を加えることができます。デザイン ビューでのレポート スクリプトの作成には、プログラミングの知識は必要ありません。

レポート スクリプト テンプレートを作成、編集、エクスポートおよびインポートすることができます。

レポート スクリプト テンプレートを使用してレポート スクリプトを作成するには、ARIS メソッドの知識が必要です。

シナリオ

レポートを使用して、データベースの EPC を評価することになりました。特に、すべての EPC をグラフィックとして出力し、詳細な説明や時間と費用の情報など、それに含まれるファンクションの一覧を出力する必要があります。レポートは、データベースのすべてのグループで実行できる必要があります。

これを実行するには、レポート スクリプト テンプレートからレポート スクリプトを作成し、目的のクエリを設定します。

以下の手順を実行します。

レポート スクリプトの作成

事前定義レポート スクリプト テンプレートを使用して新しいレポート スクリプトを作成し、要件に合わせて調整します。

手順 (クイック ビデオ)

  1. ARIS Architect で、[ARIS] から 管理の表示 [管理] をクリックします。

  2. [ナビゲーション] バーで ARIS サーバー をダブルクリックします。

  3. ナビゲーション ツリーで、評価 [評価] フォルダー、[レポート] フォルダーの順にクリックします。

  4. レポート スクリプトを割り当てるカテゴリを右クリックするか、新しいカテゴリを作成します。

  5. [新規作成] から [レポート] を選択します。

  6. [スクリプト ウィザード] が開きます。使用する言語でエントリを入力します。スクリプトに文字列テーブルが設定されているエントリは、すべての言語で設定する必要があります。名前と説明は特に重要です。

  7. [次へ] をクリックします。

  8. コンテキストとして [グループ] を選択します。

    これにより、レポートをデータベースのすべてのグループで実行できるようになります。

  9. [次へ] をクリックします。

  10. [レポート スクリプト テンプレートの使用 (デザイン ビュー)] を選択します。

  11. 空のテンプレートを選択します。

  12. 出力形式として、[HTML] および [RTF] を選択します。

    これにより、レポートを HTML 形式または RTF 形式で出力できるようになります。

  13. [次へ] をクリックします。

  14. [カバー ページの使用] を選択します。

    この結果、レポート作成中にカバー ページが出力されます。その際にカバー ページを設定できます。

  15. [完了] をクリックします。

    レポート スクリプトは選択したテンプレートに基づいて作成され、デザイン ビューで開き、選択したカテゴリで保存されます。

  16. 表示されているカバー ページを非表示にするには、[構造] 列にある [折りたたむ] (n_アイコン_展開する) ボタンをクリックします。

以下のようなレポート スクリプトが作成されます。

例: デザイン ビューで表示した空のレポート スクリプト テンプレート

空のテンプレート

カバー ページの設定

レポートのカバー ページには、タイトルと日付を記載します。カバー ページに、目的のテキスト フィールドを挿入することができます。

手順 (クイック ビデオ)

  1. カバー ページを表示するには、[構造] 列の [カバー ページ] 行にある n_アイコン_折りたたむ [展開] をクリックします。

    カバー ページが表示されます。

  2. 表示されたカバー ページの任意の場所をクリックし、「選択したグループの EPC の評価」などのタイトルをテキストとして入力します。

  3. タイトルの後ろに、改行を挿入します。

  4. 新しい行に、「日付:」というテキストを入力します。

  5. その後ろにテキスト ボックスを挿入して、現在の日付を表示します。

    1. 「日付:」の後ろで右クリックして、[挿入] の テキスト フィールドの挿入 [テキスト フィールド] を選択します。

    2. テキスト ボックスに対して、[日付] を選択します。

    3. [OK] をクリックします。

  6. タイトルのある行を選択し、タブ バーで、フォント タイプには [SansSerif]、フォント サイズには [20]、フォント スタイルには [太字]、配置には [中央揃え] を選択します。

  7. [構造] 列にある [折りたたむ] (n_アイコン_展開する) ボタンをクリックします。

    カバー ページが非表示になります。

カバー ページが設定され、1 行に縮小して表示されます。テキスト ボックスの現在の日付は、レポートの実行時に挿入されます。レポート スクリプトのカバー ページは、展開すると次のような外観になります。

例: レポートのカバー ページ セクション

カバー ページ

ヘッダーおよびフッターの設定

ヘッダーおよびフッターには、会社名、レポート名、日付、ページ番号などの一般的な情報が出力されます。ヘッダーおよびフッターに、目的のテキスト フィールドを挿入することができます。

手順 (クイック ビデオ)

  1. 1 行×3 列の書式テーブルをヘッダーに挿入します。

    1. [内容] 列のヘッダーをクリックします。

    2. [開始] タブ バーで、[挿入]、書式テーブルの挿入 [書式テーブル] の順にクリックします。

    3. [列数] には「1」を、[行数] には「3」を入力します。

    4. [OK] をクリックします。

  2. ヘッダーにコンテンツを追加します。

    1. 書式テーブルの左側の列をクリックします。

    2. [開始] タブ バーで、[挿入]、画像の挿入 [画像] の順にクリックします。

      ロゴとして挿入する画像を選択し、[OK] をクリックします。

    3. [開始] タブ バーの [左揃え] (左揃え) をクリックします。

  3. 書式テーブルの中央の列をクリックします。

    1. [開始] タブ バーで、[挿入]、テキスト フィールドの挿入 [テキスト フィールド] の順にクリックします。

    2. [レポート名] テキスト ボックスを選択します。

    3. [開始] タブ バーの [中央揃え] (中央揃え) をクリックします。

  4. 同様に、書式テーブルの右側の列で、「日付:」というテキストに続けてスペースを入力し、その後に [日付] テキスト ボックスを挿入します。

    テキストを右揃えにします。

  5. ページ フッターをクリックして、ページ番号の表示に使用するテキストとテキスト ボックスを挿入します。

    1. 「ページ: /」などのテキストを入力します。

    2. 「ページ: 」の後ろに [ページ番号] テキスト ボックスを挿入し、「/」の後ろに [総ページ数] テキスト ボックスを挿入します。

    3. 両方のテキスト ボックスを選択して、[太字] フォント スタイルを適用します。

    4. [開始] タブ バーの [右揃え] (左揃え) をクリックします。

以上の作業によって、ヘッダーとフッターのテキストおよびテキスト ボックスが設定されました。以下のようなレポート スクリプトが作成されます。

例: テキスト、ロゴ、およびテキスト ボックス

ラベル付けされたレポート スクリプト

目次の挿入

目次は、自動的に挿入されます。該当するテキストをレポート スクリプトに挿入することができます。

手順 (クイック ビデオ)

  1. レポート スクリプトの任意の場所をクリックします。

  2. [開始] タブ バーで、[挿入]、テキスト フィールドの挿入 [テキスト フィールド] の順にクリックします。

  3. [使用できるテキスト フィールド] の一覧から、[目次] エントリを選択します。

  4. [OK] をクリックします。

[目次] テキスト ボックスが配置された [静的範囲] セクションが、自動的に挿入されます。目次が自動的に作成され、レポートの実行時に表示されます。以下のような外観のレポートが作成されます。

例:目次が配置されたレポート

目次

グループ パスを見出しとして挿入する

各グループのグループ パスは、最初のレベルの見出しとして出力されます。各グループの見出しを出力するには、[選択したグループ] セクションのデザイン ビューにおけるレポート スクリプトの構造領域に見出しを挿入する必要があります。

手順 (クイック ビデオ)

  1. [選択したグループ] セクションの反復範囲をクリックして、「グループ パス」というテキストを入力します。

  2. [開始] タブ バーで、[挿入]、データ フィールドを挿入する [データ フィールド] の順にクリックします。

  3. [次のアイテム: 選択したグループ] で、データ フィールドとして [グループ パス] を選択します。

  4. [次へ] をクリックします。

  5. [完了] をクリックします。

  6. [開始] タブ バーで、[フォント] ボックスの [見出し 1] を選択します。

グループ パスの出力に使用される見出しが、レポート スクリプト テンプレートに表示されます。以下のようなレポート スクリプトが作成されます。

例: グループ パスが配置された見出し

見出し

EPC グラフィックをクエリとして挿入する

選択したグループのすべての EPC に対してクエリが実行され、グラフィックとして出力されます。また、各モデルの名前が、対応するモデルの見出しとして表示されます。

このため、該当するクエリのサブセクションを反復範囲に挿入して、クエリのデータを定義し、データ フィールドを使用して見出しおよび EPC グラフィックを出力します。

サブセクションの挿入

手順 (クイック ビデオ)

  1. グループ パスの見出しの後ろに、改行を挿入します。

  2. [開始] タブ バーで、[挿入]、セクションをここに挿入 [セクションをここに] の順にクリックします。

    [セクションの作成] ウィザードが開きます。

  3. [次へ] をクリックします。

  4. [使用可能なデータ] の一覧の [次のアイテム: 選択したグループ] で[モデル一覧 (タイプ別にフィルター可能)] を選択し、 [反復に追加] をクリックします。

  5. [次へ] をクリックします。

  6. [パラメーター] グループ ボックスの [モデル タイプ] で、[EPC] モデル タイプを選択します。

    必要なモデルは、[EPC] タイプだけです。

  7. [再帰的] オプションを選択します。

    すべてのサブフォルダーがクエリに含まれます。

  8. [並べ替え基準] 選択ボックスで [名前] を選択します。

  9. [完了] をクリックします。

[EPC] タイプのすべてのモデルに対するクエリとともに、サブセクションが挿入されます。

プロセス名を見出しとして挿入する

手順 (クイック ビデオ)

  1. 新しいサブセクションの反復範囲に、「プロセス:」というテキストを入力します。

  2. その後ろに、プロセス名を表示するためのデータ フィールドを挿入します。

    1. [開始] タブ バーで、[挿入]、データ フィールドを挿入する [データ フィールド] の順にクリックします。

      [データ フィールドの挿入] ウィザードが開きます。

    2. [次のアイテム: 選択したグループ.モデル一覧 (タイプ別にフィルター可能)] で、[名前] アイテムを選択します。

    3. [次へ] をクリックします。

    4. [完了] をクリックします。

  3. [見出し 2] を使用して、テキストの書式を設定します。

個別の EPC の名前を出力する見出しが挿入されます。

グラフィックをデータ フィールドとして挿入する

手順 (クイック ビデオ)

  1. 見出しの後ろに、改行を挿入します。

  2. [グラフィック] データ要素を持つデータ フィールドを見出しの下に挿入します。

    1. [開始] タブ バーで、[挿入]、データ フィールドを挿入する [データ フィールド] の順にクリックします。

      [データ フィールドの挿入] ウィザードが開きます。

    2. [次のアイテム: 選択したグループ.モデル一覧 (タイプ別にフィルター可能)] で、[グラフィック] アイテムを選択します。

    3. [次へ] をクリックします。

    4. [完了] をクリックします。

個別の EPC のグラフィックをすべて出力するデータ フィールドが挿入されます。以下のようなレポート スクリプトが作成されます。

例: 名前とグラフィックを出力するモデル タイプに対するクエリ

クエリ

属性一覧をデータ テーブルとして挿入する

個別の EPC に含まれているファンクションの一覧が出力されます。また、それぞれについて、指定されている説明および時間と費用に関するデータが表示されます。

このため、EPC クエリの反復範囲にデータ テーブルを挿入します。データ テーブルによって EPC のすべてのファンクションに対するクエリが実行され、データ フィールドを使用して、ファンクションの名前、説明、時間、および費用が出力されます。

データ テーブルの挿入

手順 (クイック ビデオ)

  1. EPC クエリのサブセクションの反復範囲をクリックします。

  2. [開始] タブ バーで、[挿入]、データ テーブルの挿入 [データ テーブル] の順にクリックします。

    [データ テーブルの作成] ウィザードが開きます。

  3. [列数] に「4」を入力します。

  4. [ヘッダーを持つ] および [すべてのページに表の見出しを繰り返し使用する] オプションも有効にします。

  5. [次へ] をクリックします。

  6. [次のアイテム: 選択したグループ.モデル一覧 (タイプ別にフィルター可能)] で、[オブジェクト定義 (タイプ別にフィルター可能)] アイテムを選択します。

  7. [次へ] をクリックします。

  8. [パラメーター] グループ ボックスの [オブジェクト タイプ] で、[ファンクション] オブジェクト タイプを選択します。

  9. [並べ替え] グループ ボックスの [並べ替え基準] で、並べ替え基準として [名前] を選択します。

  10. [完了] をクリックします。

個々の EPC のファンクションに対してクエリを実行するデータ テーブルとともに、新しいサブセクションが挿入されます。

テーブルのヘッダーの書式設定

手順 (クイック ビデオ)

  1. データ テーブルの最初の行を選択します。

  2. 選択した行を右クリックします。

  3. [書式]、[セルの書式設定] の順にクリックします。

  4. 色選択ボックスをクリックして色を選択し、[背景色] を目的の色に設定します。

  5. [OK] をクリックします。

  6. 各列のヘッダーに、それぞれ「ファンクション」、「説明」、「平均処理時間」、「コスト」というタイトルを挿入します。

  7. ヘッダーを選択し、[開始] タブ バーでテンプレートとして [表の見出し] を選択します。

データ テーブルの最初の行に、色付きの背景と個別の列タイトルが表示されます。

データ フィールドの挿入

手順 (クイック ビデオ)

  1. タイトルが「ファンクション」の 2 番目の行を右クリックします。

  2. [開始] タブ バーで、[挿入]、データ フィールドを挿入する [データ フィールド] の順にクリックします。

  3. データ要素 [名前] を選択します。

  4. [次へ] をクリックします。

  5. [完了] をクリックします。

    EPC の個別のファンクション名を一覧表示するデータ フィールドが挿入されます。

  6. 同様に、[説明] 列の 2 番目の行に、[属性 (タイプ別にフィルター可能)] データ要素と [説明/定義] 属性タイプを持つデータ フィールドを挿入します。

  7. 残りの列には、[属性(タイプ別にフィルター可能] データ要素を持つその他のデータ フィールドを同様の方法で挿入します。

    1. 「平均処理時間」列では、[平均処理時間] 属性タイプを選択します。

    2. 「コスト」列では、[コスト] 属性タイプを選択します。

個別のクエリが、データ テーブルの 2 番目の行に挿入されます。以下のような外観のレポートが作成されます。

例: データ テーブルに挿入されたクエリ

データ テーブル

レポート スクリプトの実行

レポート スクリプトをデザイン ビューで実行し、指定した形式でレポートを出力できます。

手順 (クイック ビデオ)

  1. セクションを右クリックし、ポップアップ メニューで 実行 [実行] を選択します。

  2. 必要な設定を指定して、[完了] をクリックします。

    評価する EPC を持つデータベースのグループを選択し、レポートの出力形式を設定します。

選択した形式で、レポートが表示されます。

関連項目

デザイン ビューにおけるレポート スクリプトの構造