キャパシティ リソースは特別なリソース タイプです。ファンクションの実行に使用されるときにキャパシティが増減可能な点で、人材リソースや技術的リソースとは異なります。キャパシティ リソースを制御フローで使用し、現在のキャパシティに従って、分岐においてプロセス フォルダーが取るパスを決定することもできます。
リソースの代替割り当てと加算割り当て
[消費される] および [使われる] 接続線を使用してファンクションに割り当てられているキャパシティ リソースは加算的に使用されます。つまり、ファンクションを実行するためにはすべての割り当てリソースが必要なります。割り当て戦略は、ファンクションの [リソースの割り当て] 属性で変更できます。[代替] または [加算] を選択します。
キャパシティ リソースのキャパシティの確認
キャパシティ リソースの開始キャパシティは、[開始キャパシティ] リソース属性の値によって示されます。この属性が指定されていない場合、シミュレーション開始時に [現在のキャパシティ] 属性に 0 が追加されます。キャパシティ リソースのキャパシティの変化には、継続的に増加する、継続的に減少する、およびファンクション実行中に一時的に減少するの 3 通りがあります。
キャパシティ リソースのキャパシティが継続的に増加
キャパシティ リソースのキャパシティが [生産する] 接続線によってファンクションに接続され、そのファンクションが実行されている場合、そのキャパシティは増加します。[シミュレーション] 属性タイプ グループの [量] 接続線属性を使用すると、増加する量を制御できます。[量] 属性が指定されていない場合、リソースのキャパシティは、ファンクション実行時に増加しません。ファンクションを実行すると、リソースのキャパシティが、[最大キャパシティ] 属性で指定された値を超える場合、ファンクションは実行されません。
キャパシティ リソースのキャパシティが継続的に減少
キャパシティ リソースが [消費される] 接続線によってファンクションに接続され、そのファンクションが実行される場合、キャパシティは減少します。[シミュレーション] 属性タイプ グループの [量] 接続線属性を使用すると、減少する量を制御できます。[量] 属性が指定されていない場合、リソースのキャパシティは、ファンクション実行時に減少しません。 これによりリソースのキャパシティが、[最小キャパシティ] 属性で指定された値未満に減少する場合、ファンクションは実行されません。
キャパシティ リソースのキャパシティが一時的に減少
キャパシティ リソースが [使われる] 接続線によってファンクションに接続されている場合、そのキャパシティは一時的に減少します。[シミュレーション] 属性タイプ グループの [量] 接続線属性を使用すると、減少する量を制御できます。ファンクションが実行されている間のみ減少します。ファンクションの実行が完了すると、元のキャパシティ量がふたたび利用可能になります。 これによりリソースのキャパシティが、[最小キャパシティ] 属性で指定された値未満に減少する場合、ファンクションは実行されません。
最大キャパシティと最小キャパシティが遵守されているかを確かめるチェックは、暫定的な値で行われます。量は、ファンクションが実行されたあとにのみ増減します。ただし、ファンクションは実行開始と同時に暫定的なキャパシティ量を報告します。このファンクションのあとに実行されるファンクションも、この暫定値を使用してキャパシティ量を計算します。これにより、キャパシティを変化させる複数のファンクションが並行して実行されたときに、キャパシティが最大値を上回ったり、最小値を下回ったりすることを防げます。
1 つのキャパシティ リソースによるプロセス フォルダーのパス決定
XOR または OR ルールの動作は、確率を指定することによって制御できます。プロセス フォルダーが通過するパスを決定するには、ルールがアクティブになる際にキャパシティ リソースのキャパシティを固定値と比較することもできます。分岐直後の各パスにイベントが必要です。 各イベントは、[比較される] 接続線によってキャパシティ リソースに接続されている必要があります。[比較演算子] および [比較値 (数値)] 属性は各イベントに対して設定する必要があります。[比較値] はリソースの定義されたキャパシティ値です。この値は、比較方法を定義する [比較演算子] (>=/<=) と比較されます。
OR ルールでは、分岐後に特定のイベントがアクティブになります。[現在のキャパシティ] と [比較値 (数値)] 属性を [比較演算子] で比較した結果が「真」の場合、プロセス フォルダーは次の制御オブジェクトに転送されます。 条件が完全に指定されていない場合、プロセス フォルダーはルールの位置で待機します。
リソースに基づいて決定される転送は、ERM 属性または確率に基づく転送より優先されます。
2 つのキャパシティ リソースによるプロセス フォルダーのパス決定
1 つのキャパシティ リソースを使用してプロセス フォルダーのパスを決定する場合、リソースのキャパシティを固定値と比較して、プロセス フォルダーが特定のパスを取るかどうかを決定します。このオプションの他に、2 つのリソースの現在のキャパシティを比較する方法もあります。プロセス フォルダーはこの比較の結果に従って転送されます。分岐直後の各パスにイベントが必要です。 各イベントは、[比較される] 接続線によってキャパシティ リソースに接続されている必要があります。両接続線の [オペランドの位置] 属性には、それぞれ異なる値が設定されている必要があります。各イベントに [比較演算子] 属性が設定されている必要があります。
OR ルールでは、分岐後に特定のイベントがアクティブになります。2 つのリソースを [比較演算子] で比較した [現在のキャパシティ] の結果が真の場合、プロセス フォルダーは次の制御オブジェクトに転送されます。演算子の左辺の値は、[オペランドの位置] 属性値が小さい方のリソースから取得され、右辺の値はこの属値が大きい方のリソースから取得されます。 条件が完全に指定されていない場合、プロセス フォルダーはルールの位置で待機します。
リソースに基づいて決定される転送は、ERM 属性または確率に基づく転送より優先されます。