バージョン 8.1.3
 —  ユーティリティ  —

機能概要

ADARAI ユーティリティは、 リカバリログ(RLOG)の準備、RLOG に含まれる情報のリスト、データベースを回復するためのジョブ制御ステートメントの作成、および ADARAI ロギングの無効化を行います。

Adabas セッションが異常終了したときのために、トランザクションリカバリが用意されています。 Adabas 自動バックアウトルーチンは、どの Adabas セッションでも開始時に常に自動的に起動され、中断されたすべてのトランザクションの処理内容をデータベースから削除します。 『Adabas オペレーションマニュアル』にある再スタート/リカバリに関する情報を参照してください。

ただし、データベースのデータセット(ASSO、DATA、または WORK)が破壊された場合は、データベースをリストアおよび再生成して、失われたデータをリカバリする必要があります。

Adabas Recovery Aid ユーティリティ ADARAI を使用すると、データベースのリカバリを自動化し、最適化できます。 Adabas 自動バックアウトルーチンは、データベースのリカバリに必要なすべての情報を記録および報告し、リカバリジョブストリーム(JCL/JCS)を作成します。このストリームに基づいて、最後に SAVE を実行した時点から障害およびエラーの時点までに実行したジョブが再実行されます。

注意:
ジョブストリーム生成機能は、VSE または z/VM の環境では使用できません。

このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。


概念およびコンポーネント

Adabas Recovery Aid は次の 2 つのコンポーネントで構成されています。

このセクションでは、次のトピックについて説明します。

収集インタフェース

収集インタフェースは、ニュークリアスの停止/開始、ユーティリティの実行、Adabas Online System で生成されたイベントなど、発生した各イベントに関する情報を記録するために、ニュークリアスおよびすべてのユーティリティからコールされます。

リカバリログ(RLOG)

イベント情報は、ユーティリティコンポーネントで使用するため、インタフェースによってリカバリログファイル(RLOG)にすべて記録されます。 RLOG には、リカバリジョブコントロールの構築に必要なデータセット、ユーティリティパラメータ、およびプロテクションログに関する情報が格納されます。 RLOG データセットは DD/RLOGR1 です。

ニュークリアスクラスタ環境では、すべてのニュークリアスで同じ RLOG を使用します。 RLOG の同時更新はロックによって制御されます。

注意:

  1. 実行が RLOG 上に記録されるユーティリティによって使用されるシーケンシャルデータセットは、ADALOD LOAD 操作に対する DD/EBAND 入力などのリカバリ操作に備えて、保持し、使用できる状態にしておく必要があります。
  2. ADADBS ファイルの変更が、RLOG データセットに記録されるようになりました。
  3. RLOG に記録される情報には、通常、リカバリに必要なもの以外も含まれています。また、これらの情報は、一定の期間にデータベースで発生したイベントの記録としても使用できます。

世代:リカバリの単位

情報は世代別に RLOG に格納されます。世代とは、リカバリに使用される論理単位のことです。

世代には、次の一連のオペレーション間のすべてのアクティビティが含まれます。

最初の世代には最初のオペレーションが含まれ、次の世代にまで拡張されます(ただし次の世代は除外されます)。 新しい世代は、前のオペレーションの後、データベースを完全に回復できる状態になった時点で開始します。

世代には、正常、制限付き、およびエラーの 3 種類があります。

注意:
世代が制限付きまたはエラーになった場合は、データベースのオンライン/オフラインセーブを実行して、なるべく早く新しい世代を開始することをお勧めします。 Adabas Delta Save がインストールされている場合は、SAVE DELTA を実行すると新しい世代が開始されます。

非現行世代の保持

非現行世代には、データベースに影響を与えた操作履歴が含まれており、問題の解決または監査に使用できます。

リカバリジョブの RESTORE ステップが実行された後、データベースの回復に失敗した場合は、非現行世代へアクセスできることが重要になります。 この時点では、回復対象の世代は現行世代になります。 このとき、リカバリジョブを再構築することが必要になった場合、回復対象の世代は旧世代になります。

RLOG には、ADARAI PREPARE ステップの実行中に MINGENS パラメータで指定された世代数が保持されます。 RLOG に保存された数値が MINGENS パラメータの指定値に達すると、ADARAI によって世代が再生されます。

新しい世代および保存済みの世代が使用可能な RLOG スペースを超えると、次のいずれかのイベントが発生します。

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