このドキュメントでは、データベース環境に適切な教育プログラムの主な特徴について簡単に説明します。
DBA は、データベース概念や、データベース環境内のオペレーション手順やテクニックに関連するすべての人々の教育や訓練についても責任があります。 したがって DBA は、教育カリキュラムを組み、使用する教材の内容を選択する必要があります。 データベース環境内の実行、オペレーションおよびメンテナンスにたずさわる人々に対し、教育を行います。 データ処理部門でない外部ユーザーについては、データベースの概念、データの可用性、データ入力、レポート生成および問い合わせ機能の使用法を教育します。
データベース環境と接触する各タイプの人々に対し、全般的な教育プログラムを作成するのが賢明です。 この教育プログラムでは、教育を受ける人が出力の期待値を達成できるように、入力(知識)の期待値と出力(パフォーマンス)の期待値も教育内容に盛り込みます。 教育が必要な人は入力基準ですぐに評価し、適切な教育コースに参加する前に補習、またはコース前に読む資料を指示できます。 この方法によって、確実に教育の効果が得られます。
各個人の業務要求に応じた教育内容にします。 DBA の教育は綿密に計画され、タイムリーでなければなりません(すなわち、要求してから数ヵ月も前後しません)し、教育の直後に補強期間(すなわち、教育を受けた内容の実地使用)が必要です。
DBMS が初めにインストールされたときは、教育が必要な人の数はかなり多くいます。 新規プロジェクトが開始したり、新システムがインストールされるときも同様です。 これら以外では、教育すべき人数は少なくなります(例えば、新人が入ったとき)。 したがって、少人数にはパッケージ化した教育(例えばカセットテープやワークブック)、大人数にはフルコースの教育が推奨されます。
データベース環境に接するすべての人は、データベース管理システムの概念を理解しておくべきです。この教育での主題には次のものが含まれている必要があります。
なぜ DBMS が発展したか
伝統的データ処理システムと DBMS との類似点と相違点
データの重複削減の利点と欠点
DBMS 特有の柔軟性
使い易さと理解し易さ
エンドユーザー機能 - 同一データに対する異なるビュー、DBMS の論理構造機能
DBMS が提供する機能
データベース環境内のセキュリティ、データ保全性およびリカバリ手順の重要性
データベース標準設定および制御の必要性
データベース設計者は、すぐに成果を上げられるように、そのサイトで指定されている設計方法に関する教育が必要です。
サイトの標準の使用、特にドキュメンテーションを教え、実践するための実践的な演習に時間をかける必要があります。 Software AG が一般に提供しているコースではこれができない可能性があります。 このコースを受けた場合、受講者は、仕事に戻ってからすぐにサイトの標準に関する教育を受ける必要があります。
教育主題として、次のものを含みます。
Adabas 機能、制御およびオペレーションの高度な理解
ファイルのロード、ファイル定義、Adabas ダイレクトアクセスメソッド(ADAM)ファイル、必要ディスクスペースの推定
トランザクション処理、ET/BT ロジック
完全性、再スタート/リカバリ、自動バックアウト、自動再スタート
セキュリティ、パスワード、暗号化
Adabas ユーティリティの概要
プログラムの設計と効率
コンピュータプログラマの教育は、インストレーションプロシージャと標準に基づいていなければなりません。 教育については、練習問題に費す時間の大部分は、できるだけ実地のものにすべきです。
教育コース中、受講者はコンピュータで実際に実行するアプリケーションプログラムを作成した方がよいでしょう。 継続して教育の補強を計るため、教育コース終了後この練習問題を完成できるような用意をすべきです。
教育コースで教える主題には、次のものがあります。
アプリケーションプログラマに適用できる Adabas 機能の概要
プログラマが使用できる Adabas 直接モードコマンド、高水準プログラミングインターフェイス(SQL、Natural)機能
効率の良い、保守し易い Adabas プログラム設計
コンピュータオペレータに対する教育は、インストレーション手順および標準に基づいていなければなりません。 この教育も、できるだけ実地教育(例えば、アプリケーションシステムの実行、リカバリ/再スタート手順の実行)にすべきです。
教育主題として、次のものを含みます。
オペレーティング手順、Adabas セッションの起動とシャットダウン、通常のオペレーション、例外処理、リカバリおよび再スタート
ユーティリティの実行:何を行い、何が得られるか
コンピュータタイムのスケジューリング、DBA とのコミュニケーション
パフォーマンス管理
制御および監査証跡
エラーの記録と追跡
明らかに、これらの主題はインストレーションに大きく依存し、その教育については、インストレーションのスタッフが行う必要があります。
この教育は、新規にアプリケーションシステムがインストールされるとき、ユーザー部門の人に行う基本的なものです。 したがって、アプリケーションシステムに大きく依存しています。 しかし、いくつかの一般的なガイドラインを与えることは可能です。
教育には、次のものを含みます。
入力手順、端末からあるいは入力文書を使用して入力、アプリケーションの規則
標準と制御、検査
入力に対しシステムが何を行うか
入力エラーとその修正
このタイプの教育内容は、データ処理部門の人かユーザー部門の人に大きく依存します。 前者については、使用する Adabas 問い合わせ機能(例えば Natural)のコマンドと機能および要求の構成や実行の詳細の教育が必要です。
他方、ユーザーについてはより特別な教育が必要であり、 使用するアプリケーションシステムに密着した事項を教育すべきです。
教育すべき事項としては、次のものがあります。
Natural や SQL のような問い合わせ機能の働き(概要のみ)
アプリケーションシステムが作成する標準レポート(その内容と適応性)
問い合わせ機能のコマンド、機能、使用方法(適用される標準を重点的に)