このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
DBA はコンピュータオペレーション機能が、データベース環境に関する義務を果していることを保証する責任があります。 この責任とは、データベースに関連するオペレーティング手順、再スタート/リカバリ手順、特定のデータベースユーティリティおよびデータベース関連業務のコンピュータ時間のスケジュールに関してです。
DBA はさらに、データベースの使用に関しての手順や保護について日々の管理を行う必要があります。
DBA は、ダンプやログが正しく採られているかを見守り、オペレーション手順が正しく行われているかを確認します。また、リカバリシステムを定期的にテストします。
緊急の場合、リカバリ制御にも DBA は参画し、ユーザーと問題点に関して議論し、データの破損を最少にくい止めるよう努力すべきです。
DBA は、コンピュータのスケジューリングについてもある程度コントロールする必要があります。これにより、問題が発生した場合のスケジューリングが容易になり、緊急のときデータベースを優先使用させることができます。
コンピュータスケジュールの直接のコントロールはコンピュータオペレーション担当者が行うが、データベース処理に関係する事項については、そのスケジュール決定について DBA にある程度の選択権があった方がよいでしょう。 そうすれば、例えば同時更新の問題を避けたり、相対的に頻度の少ない負荷ピーク時に対するレスポンスタイム要求も無駄な努力を払うことなく満足させることができます。
DBA は、データベース関連ジョブのオペレーションについて、コンピュータオペレーション担当者とともにオペレーティング手順を正式にドキュメント化しなければなりません。
次のことを考慮すべきです。
新データベースのロード
データベースユーティリティの実行
データディクショナリの保守
データベースの保守
バックアップ手順
再スタート/リカバリ手順
本番およびテスト要求
DBA は、データベースが破壊された場合、適切な状態にデータベースをリストアできるよう保証しなければなりません。 再スタートおよびリカバリは重要な保護方法であり、DBA はこれらについての標準、手順および規則を設定する必要があります。
コンピュータオペレーション担当者は、これらの標準と手順を学習し守る必要があり、これにより、データ保全性を損うことなくデータベースのリカバリ、再スタートを実行できます。
標準方法のいろいろ(例えば、あるアプリケーションシステムの再スタート後プログラムを実行すべき順序など)も、そのアプリケーションのコンピュータオペレーション規則指示書に記載しておかなければなりません。
DBA は、Adabas ユーティリティの使用や、データベース内のある機能を簡単にするための特定のユーティリティの開発や取得についても責任を負います。 これらのユーティリティには、次のものが含まれます。
実際のデータベースの全機能を含む適切な大きさのテストデータベースの生成(ADALOD ユーティリティ)
各ファイルまたはデータベース全体のセーブ/リストア(ADASAV ユーティリティ)
データベース内のデータの完全性を見るためのレポート自動作成(ADAREP ユーティリティ)
セキュリティ違反の自動レポート機能(ADALOG 機能)
DBA は、ユーティリティ実行時、ユーティリティの使用権を持つ者が使用しているか等のコントロールを行うべきです。 ユーティリティを使用する前に DBA の許可を受けるべきです(ドキュメントが整ったテスト済みのリカバリ/再スタート処理は除きます)。
DBA は組織と Software AG との間のメインの連絡窓口になります。 DBA は Software AG との間で次のことを行います。
組織スタッフに対する教育や訓練の入手
Adabas ニュークリアスやユーティリティへのシステム変更および新規リリースの受け取りとインストール
電子ドキュメンテーション、マニュアルやその他の資料の受け取りと配布
アドバイスの入手
問題の報告
システムの改良提案
このセクションでは、上記の事項を詳細に説明します。
Software AG は、次の 2 種類の教育と訓練のコースを提供しています。
組織内 | 特定のユーザーサイトの要件に合わせてカスタマイズします。 |
オープン | 一般的な情報を提供し、すべてのユーザーが参加できます。 |
組織内訓練は通常は Adabas システムが初めて導入されたときに行いますが、その後、このようなコースを追加で実施する必要が生じる場合もあります。 このコースは顧客の特定のニーズや訓練の目的に合わせてカスタマイズできます。
オープンコースはより一般的で、広範囲をカバーしていますが、DBA が定義する特定の要件をすべて満たさない可能性があります。 この場合、DBA は、目標を達成するために補足的な訓練を用意する必要があります。
Software AG は次の分野の訓練を提供しています。
Adabas によるアプリケーションプログラミング
データベース設計
問い合わせ機能(例えば Natural)
Adabas システムの内部仕様
推奨される順序、前提条件、スケジュール、申し込みに関する情報など、訓練の詳細については、Software AG 営業部門にお問い合わせください。
新規リリースのチェックが完全に終ると、自動的に全 Adabas ユーザーサイトに対して自動的に配布されます。このとき、新リリースへの移行方法についての指示書も一緒に配布されます。
新リリースについては、DBA は本番業務を新リリースに移行する前に完全にチェックする必要があります。 このような場合には、以前に可能であった機能が新リリースで正しく動作することを調べる最良の方法としては、標準のテストプログラム群(ジョブストリームの形式)を使用することです。 このテストジョブストリームは、Adabas に新機能が追加されるごとに増えていきます。
DBA は、Software AG からの新しい資料の唯一の受け取り人として、配布されたコピーを記録し、資料が可能な限り最新の状態を保つようにする必要があります。 許可されたドキュメント保持者の記録を維持するのは簡単で、これがおそらく DBA がこの役割を果たすことができる最も簡単な方法です。
Adabas システムを初めて導入するとき、Software AG は、Adabas をユーザーのシステムライブラリにインストールし、テストデータベースを生成し、チェックアウトテストを実行する手助けをします。
この期間を過ぎてから、DBA が Software AG にアドバイスや相談を求める必要が生じる場合があります。 そのような依頼は必ず DBA を通してください。
Software AG は、予定されている Adabas パッケージの拡張について DBA に情報を逐次提供します。 原則として、このような拡張は、Software AG によって定義が確定したら、訓練コースに組み込まれます。 ただし、場合によっては、新しい機能が公開されたらすぐに利用し、後で設計やプログラミングを手直ししなくてもいいように、DBA がこのような情報を既存のプロジェクトに伝える必要があります。
データベースに問題が見つかった場合、通常は Software AG に問い合わせなくても DBA が解決できます。 ただし、Software AG も、可能な限り短時間で運用を再開できるように、包括的なサポートを提供しています。 DBA は、問題を正確かつ簡潔に Software AG の技術サポートチームに報告することで、このサポートの効果を高めることができます。 万一の場合に備えて、まずすべての出力を書き留めるか収集し、必要が生じるか、求められたら Software AG に送付します。
モニタリング、監査、運用の作業の結果、システム内で改善できる可能性がある箇所が論理的に生じます。 これらの改良見込み事項の評価や、改良作業の準備は DBA の責任です。 Software AG は、システムのユーザーグループを奨励、サポートしています。ユーザーグループは、このような改良点を議論するために最適なフォーラムです。 ユーザーは、変更/改良要求をユーザーグループの担当者に送信することでプロセスを開始できます。