このドキュメントでは、次のトピックについて説明します。
データベースに関係するすべての人は、データ定義について、一定の手法と標準手順を使用する必要があります(これは、データディクショナリを設定する業務とオーバーラップします)。 DBA は、このような一貫した制御や標準を系統立て、設定し、維持します。 標準を設定するには、関係するすべての部門として、ユーザー部門、DP 部門、アプリケーションデザイナおよび DBMS ベンダが協力し、参画する必要があります。
あるユーザー部門がデータベース内のデータのあるサブセットの維持について、すべての責任を負うようにしなければなりません。これにより、データベースの他のデータに関連して、その最新性、完全性が保証されます。 どのユーザーをこれに当てるかは、DBA が決定します。 誰が責任を持つかを決定するだけが必要なわけではなく、この決定を他の関係する全ユーザーに知らせ、同意してもらう必要があります。 ここでは DBA の折衝能力が問われます。 現在はユーザー A が責任を持っているが、1 年たってデータベースの使用方法が変ったときには、ユーザー B がデータの一部または全部について責任を持つのにふさわしいということもあり得ます。
データベースについてどのようなアプリケーションを選択するかは、DBA が議長となり会議を行って決定します。 ユーザーがこの過程で参加すべきかどうかについては、組織が決定を下します。 データベース設計チームがデータ収集や業務の分析を十分に行えば、ユーザーは、一般的にシステムのコスト、機能、実現可能性および拡張性にしか興味を示しません。 DBA は、議論した方がよいと思われるさまざまなトピックについて、公正な判断を下す必要があります。
意思決定能力を持つ中核として、DBA と関連スタッフは、システム開発についてアドバイスする地位にあるべきです(ただし、DBMS を使用するべきかどうかについてのみ)。DBA がデータベース環境内で十分に有益な役割を果たし、関係する全部門を十分にサポートできる場合のみ、このようなアドバイスができます。
システム開発に関わる問題に関する限り、一定のデータ定義手順に基づいて、新しいデータやデータ間の関係を定義し記述するという処理は、DBA が責任をもって行わなければなりません。 DBA は、組織の論理データベースを記録しながら、どの部分を実装し、どの部分を実装しないかをコントロールしなければなりません。
データベース内のデータの属性を記述し定義する一定の手順を設定し実施させるのは、DBA の責任です。 また、DBA はデータベースに対する入力を編集しチェックする標準設定を行う必要があります。
データの品質に対する最低限の条件を満足することを保証する他、データベースが実用的であり矛盾がないようにするため、入力の品質を一定にすることは重要です。
データディクショナリは、これらの編集および整合性確認のルールを記録しておくツールとして使用できます。
次の 2 つのタイプのデータを考慮する必要があります。
個人データ | 個人が所有するものとして規定されているデータ。 この場合、DBA は十分なデータ整合性確認手順と正当性チェックを行うことを要請するだけです。 |
共通データ | 共通に使用するデータです。 このデータを管理すべきユーザーを特定でき、そのユーザーがその責任を引き受ける準備ができている場合を除いては、DBA が、このデータの品質に対して適切なレベルの管理を引き受け、実施する必要があります。 |
データベース環境のドキュメント化の要件の大部分は、データディクショナリでサポート可能です。 データディクショナリは、DBA の最も重要なツールの 1 つです。 前述したような一定のデータ定義手順に基づいていなければなりません。 ディクショナリには、論理データフォーマットや関係が記録され、大きく分けると次の 3 つになります。
概念 | データとそのデータが持つ現行の関係性 |
使用方法 | 現在の使用法 |
実施 | 現在、データベースにどのように格納されているか |
特定のデータの解釈や使用に関する標準を設定する必要があります。
データディクショナリには、次のものを含みます。
論理データ構造
物理ストレージ構成
データ属性
データ源の記述
データの発生源
入手方法
編集方法およびチェック方法
正確さとセキュリティ要件
データに対する正確さの要求度
データに対するセキュリティ要件
アクセス権をもつ人
更新権をもつ人
レスポンス要求:一部アプリケーション分野について、検索やレスポンス要求はどの位か
「データベースドキュメンテーション」では、これらの要件をより詳細に記述しています。 Adabas のデータディクショナリである Predict のオンライン機能によって、ドキュメント化の要件を満たすための作業が大幅に軽減されます。