Adabas は外部のバックアップシステムを使ってデータベースのバックアップを取得することをサポートします。このようなバックアップシステムには、バックアップユーティリティ ADABCK よりも何点か優れたところがあります。
データベースはいくつかのディスク装置にまたがって分割されていると、比較的短時間でバックアップ/リストアを行うことができます。
データベースコンテナがあるミラーボリュームを簡単にリストアすることができます。
これらの特徴により、致命的な障害状況からデータベースをリカバリするのに要する時間をかなり削減することができます。
データベースがオフラインの場合には、特別な考慮事項はありません。外部バックアップシステムは、Adabas 固有の処理を行わなくても使用することができます。しかし、更新ユーティリティ機能(例えば ADAMUP )が起動していてはなりません。
データベースがオンラインの場合(24 x 7 稼動が要件の場合)、外部のバックアップシステムは、Adabas データベースが同期状態である場合にのみ使用することができます。オペレータユーティリティ ADAOPR の EXT_BACKUP パラメータを使用すると、同期状態になります。このとき、キーワード PREPARE と CONTINUE を使用します。
EXT_BACKUP=PREPARE を指定すると、データベースのトランザクションは矛盾のない状態になります。新しいトランザクションは阻止され、現在すでにオープンしているトランザクション処理は続行されます。データベースアクセスとコントロールの要求は遅延することはありません。次の制限が適用されます。
EXT_BACKUP=PREPARE の指定は、更新ユーティリティ機能(ADAMUP など)がアクティブでない場合にのみ許可されます。
新しいユーティリティ更新機能は阻止されるか、または拒否されます。
EXT_BACKUP = PREPARE コールが処理を終了すると、ADAOPR 機能の SHUTDOWN、CANCEL、LOCK、STOPUSER、UNLOCK および FEOF=PLOG は使用できません。
非アクティビティタイムアウトチェックは、一時保留されます。
EXT_BACKUP=PREPARE コールが正常終了すると、データベースは準備完了の状態になり、メッセージがデータベースログファイルに書き込まれます。
%ADANUC-I-EXTBPREP, preparing for external backup, (time stamp)
外部バックアップシステムはバックアップを実行するために、今すぐに開始することができます。EXT_BACKUP=CONTINUE を指定した場合、バックアップが終了すると、トランザクションを阻止するモードが解除され、標準的なデータベースオペレーションが継続されます。次のような処理が実行されます。
新しいセッション番号を持った PLOG がオープン(暗黙の FEOF=PLOG)されます。
更新ユーティリティ機能は、再度使用可能にされます。
非アクティビティタイムアウトチェックが、再度有効状態にされます。
保留状態のトランザクションのコマンドが再開されます。
EXT_BACKUP=CONTINUE コールが正常終了すると、次のメッセージがデータベースログファイルに書き込まれます。
%ADANUC-I-EXTBCONT, continue from external backup, (time stamp)
Adabas データベースが外部のバックアップシステムから復元する場合は、データベースはオフラインである必要がありますが、Adabas データベースには特別な考慮事項はありません。
注意:
インストール先のサンプルサブディレクトリには、外部のバックアップとリストアを簡単に使用できるようプロシージャが何個か入っています。バックアップとリストア別に 1 つずつプログラムが入っていて、これらのプロシージャはコンフィグレーションファイルのトリガによって実行されます。詳細については、コンフィグレーションファイル xxx_conf を参照してください。これらのプロシージャは、現在次のシステムをサポートします。
Network Appliance(Filer snapshots、napp_* ファイル)